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インド初日 [旅の思い出・インド編]

インドを旅行してると、旅人の間でこんな話がよく囁かれてます。
「インドにいくら行きたいと思っていても、インド側からお呼びがかからない限り、私たちは行くことができないんだよね。インドに呼ばれるのも時期も決まっている。インドはそういう国なんだ」
どうやらそういう内容のことを三島由紀夫が言っているとのこと。
私も素直にこの言葉に賛成です。

1991年に元首相であるラジブ・ガンジーの暗殺があったとき、ビザが一時期取れない騒ぎがあったのですが、当時大抵の旅行者はタイに飛んでからインドのビザを手配してました。ところが私はインドのビザだけは日本でしっかり取っていってたのです。その時はタイ・香港・中国・ネパール・インドと回りましたが、タイとインドだけは何故かビザを取り、他は全く取らず現地で取りました。だから何の問題もなくインドに入国できたのです。
当時タイでビザを取ろうとしてた旅行者はタイで足止めになりました。
三島流に言うなら、私はその時インドに呼ばれ、タイで足止めされた人たちはインドに呼ばれなかったわけです。

インドに行ったのは、1990年4月~7月、1991年9月~11月、1995年1月~6月、1999年7月~8月、2000年1月~3月、2000年10月~11月。これまで延べ1年8ヶ月の滞在。

初めての1990年のインドはとにかく強烈。見るもの聞くもの全て新鮮。まさにワクワクドキドキでした。予定してた3ヶ月はあっという間に終わってしまい、旅の終わりには既に次のインド旅行を立ててました。

インドを回ろうと思ったのは、ニュージーランドの旅行にて。
ワーキングホリディビザを取り、多少ニュージーランドで働き、あとは旅行してたのですが、テカポのユースで会った既にあちこち旅行してたカヨさんという日本人女性に会い、そこでインドの話、チベットの話を聞きました。ドミトリーなのに何故か泊り客は私たち二人しかいず、夜遅くまで電気を消してベッドに横になりながらの話。すごく面白かった。今までの体験した事のない世界だと思いました。
それからそのユースにはたまたま椎名誠と「インドでわしも考えた」という単行本が置いてあり、カヨさんが出発してしまった後、テカポの美しい湖畔で、夢中になって読みました。
文章も強烈ながら、その極彩色のインドの写真が強烈で、「ああ、インドに行きたい、今すぐにでも飛んで行きたい」と心が激しく動きました。ニュージーランドは美しく人も親切だったけど、何か物足りなさを感じていて、そんな中インドを見つけて夢中になったのです。ニュージーランドからの帰国を早め、帰国するとすぐにインド旅行を計画しました。実際行く前は、不安半分、行きたくて行きたくて仕方ない気持ち半分。何も4月の暑い時期に行かなくてもいいと迷いながらも旅立ちました。

でも行ってよかった
とにかく面白かった

空港到着。夕方になっても42℃の気温。暑い。インド人のぎらぎらした眼差し   。バスに乗り込むや一斉にインド人の好奇心の餌食となり、こちらが恥ずかしいくらいに見つめられる  。インド人とにらめっこしたら絶対に負けるほど、インド人が見て  来ます。
がたがたのバスに乗って、ニューデリーの駅前でバスを降りると、まず駅前の乞食だか何だかわからない人たちがごろごろ横たわっている。それももう薄暗い中。気をつけないと人を踏みそうなほどにたくさん。その光景が不気味。今まで見たことのない風景。
メインバザールがどちらなのかターバン巻いたシーク教徒のおじさんに聞き、目指す安宿に歩いていくと、今度はいろんなインド人が声を掛けてくる。
「こっちにいい宿あるよ」「安くしておくよ」「ウェルカム・インディア」「ジャパニ、俺について来い」
もううざったいほどの客引き。たくさん私めがけて群がってくる。
その中を牛がのろのろ歩いてるのに出くわし、オートリキシャーが脇をすれすれで走り、リキシャーもブレーキかけずにガンガン飛ばして走ってくる。
ちょっと油断すると道にある牛の糞を平気で踏んでしまう。それも何度も。

そんな中、やっと目当ての安宿につき、チェックインすると、今までの客引きが知らないうちにいなくなる。唯一残った客引きが安宿のおじさんに何か話し、おじさんが「この人からこの宿の事を聞いて来たのか?」と聞くので、「自分で来た。この人は関係ない」と私が言うと、”Good girl"なんてことを宿のおじさんが言う。ずっとついて来た客引きは安宿の紹介料をくすめようと、てぐすね引いていた訳。

何だかとんでもないところに来てしまった。でも面白い世界と思ったインドの初日でした。後にも先にもこんな強烈な一日はもう体験できないでしょう

 インドのおもしろさはまるでおもちゃ箱をひっくり返したような楽しさ。そして極彩色の美しさはピカいち

安宿の部屋から眺められたこの風景は本当面白かった。いつまで見ていても飽きないのです。

 

 

 

 


 

 

ボーッとして歩いているとオートリキシャーやらリキシャー、そして人やら牛に確実にぶつかります。ボーッとして歩いてはいられないのです。

インドでわしも考えた

インドでわしも考えた

  • 作者: 椎名 誠
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1984/01
  • メディア: -
 
堀田 善衞著の「インドで考えたこと」を意識してネーミングした椎名誠の本は、インドに行ったことのない人にとっては強烈で楽しめます。

 
河童が覗いたインド

河童が覗いたインド

  • 作者: 妹尾 河童
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1991/03
  • メディア: 文庫
 
ホテルの部屋を中心に精密に描かれたこの本は楽しいです。シリーズ化されてます。

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カウンタック

インドといえば、マザーテレサのことも教えてください。
by カウンタック (2006-12-13 16:20) 

naonao

カウンタックさん、こんばんは。はじめまして。
マザーテレサには会ったことがないのですが、死を待つ家には行ったことがあります。中を見せてもらいたかったのですが、ちょうど休憩時間中だったので諦めそのうち行こうと思っている中結局行けずじまいとなりました。私は縁がなかったようです。コルカタ(旧カルカッタ)の安宿にいると死を待つ家で働くボランティアの方が世界中から来てます。よく「あなたもマザーの下で働いてるの?」と声を掛けられました。また実際マザーテレサに会ったという人たちにが皆、口をそろえて「素敵だった」「幸せな気分になった」というようなことを言ってました。聖人ですからそういうものをお持ちの偉大な方なのでしょう。特別にマザーからペンダントを頂いたという日本人の男の人にも会い、ペンダント見せていただいたら確かマリア様でした。
by naonao (2006-12-13 22:17) 

Zunko

こんにちは。私はマザーをとても尊敬してるのですが、どういう訳かインドには惹かれないんですよね。。。タージマハールには死ぬまでに行きたい、と思う位で。多分インドからお呼びが無いのでしょうね。naonaoサント同じ感覚で、私は、ペルーやエクアドル、ガテマラやアメリカ、カナダのファーストネーションズに惹かれています。こちらは私を呼んでるみたい(笑)仕事でチリのイキケまで行くチャンスもありました。インドには、人の一生を物語る草が生えてる所があって将来を占ってくれる、と以前職場でインド担当の方が言ってたのを覚えていますが、何かご存知ですか?インドには縁が無いとはいえ、アメリカの私のドクターは全員インド人ばかり選んでいます。
by Zunko (2006-12-16 09:26) 

naonao

こんばんは、Zunkoさん。人の一生を物語る草というのはもしかしたら「アガスティアの葉」のことでは?アガスティアという聖人がインドにかつていて、その聖人が書いた文章が残っているのですが、それはその占いを聴きに行く人のことが書かれた予言(占い)みたいなものです。それも聴きに行く時期まで予言され、誰と誰の間に生まれどんな人生を送るかなど全て書かれてるということです。私もインドを回ってる時、このアガスティアの葉を見に行ってきたという人に会いました。ぴったり当たってると言ってました。また偽も出回っていて偽をつかまされた人の話も聞いたことがあります。日本では青山圭秀著の「アガスティアの葉」という本が一時流行りました。またパンタ笛吹著の「アガスティアの葉の秘密」なんかも読んだことがありますが、とにかくこれらの本を一度読んでみると面白いですよ。
by naonao (2006-12-16 21:42) 

naonao

DSilberlingさん、Travelerさん、nice!ありがとうございます。
by naonao (2006-12-17 16:53) 

naonao

こころんさん、nice!ありがとう!
また是非会って話をたくさんしたいです。
by naonao (2006-12-20 12:15) 

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