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青海チベット鉄道 [旅の思い出・チベット文化圏]

昨日NHKで「青海チベット鉄道~世界の屋根2000キロをゆく」という特番があり、懐かしく見ました。

この鉄道は去年の夏に開通したばかり。西寧(シーニン)~ゴルムド~チベットのラサまでの列車の旅を11月ごろ撮影していたのですが、私自身も西寧(シーニン)~ゴルムドまでは列車に乗り、ゴルムド~チベットラサまでは1991年当時バスしかなかったのでバスに乗って、チベット入りしました。

当時西寧(シーニン)~ゴルムドの列車は丸一日かけての移動でした。朝8時近くに出発して翌日の朝7時頃の到着。7月に行ったのですが一面の菜の花畑がどこまで行っても途切れず感動しまくりました。そこでパチリとやったのが左の写真。この間の車窓は青海湖や塩湖もあり、また、塩を作る工場やヤクのフンを集め乾かし燃料にするため、家の壁にペタリと規則正しく並べてあったり、2こぶラクダの群れやら石垣やらも眺めることが出来ました。高度計を持っていた旅行者と一緒に移動したので高度が最高3700メートルを記録しているのを確認もしました。

またゴルムド~ラサ間のバスも昼12時半に出発し、翌日昼近くに到着。まる一日がかりです。テレビに出てきた5072メートルのタングラ峠も越えその近くで食事休憩したときには足がフラフラし、胸がバクバクですごい動悸がし、食事もそこそこにバスに戻ったのを思い出します。

またゴルムド~ラサ間にある沱々河(トートーフ)は、当時個人旅行者がチベットに接近するギリギリの場所でした。そこまでは公式にパーミットをもらい行くことができたのですが、それ以降は団体旅行でなければ行けませんでした。

公にチベットへの個人旅行が許可されるまで待とうと、一度はチベット旅行を諦め旅行していた私ですが、会う人会う人個人でチベット目指すという旅行者ばかりに出会っていたので、私も一度トライすることにしたのがこの旅行でした。そして公安の24時間体制のチェックポイントがあると有名な那曲(ナチェ)で、拍子抜けするほど公安の何のチェックもなく、無事チベットに入ることができました

テレビの快適な列車と比べると私の特にゴルムド~ラサのバス旅行は、公安に見つかったら終わりだと言うハラハラドキドキの旅行でした。しかもバスもオンボロで狭い席に足や頭をぼこぼこに打ちながら、高山病に対する何の方策も持たずに出かけ(といっても水を多めに取る、高山病になったら高度を下げるしか方策はないのですが・・)今思うと若いからできたのだなあと思います。しかしこの旅行はかなり恵まれていました。必要なときに必要な人に会え、ネットもない時代、必要な情報は手に入れていたのですから不思議です。またあるときは列車やらバスなど予定通り乗れないというような事態も起こっていたのですが、後から見るとそれは全てはうまくチベットに入れるためのお膳立てだったことがわかります。

ゴルムド~ラサも菜の花畑が広がり、湖があり川があり、標高が高く紫外線も強いので、その分空が近くて空も美しかった。テレビで紹介されていた風景とはまた違った風景を私は見ました。たぶん時代が違い、行った季節が違い、出発時間も大いに違うので見た風景が違ったのでしょう。

またテレビに映し出されていた列車内は夢のようでした。飛行機と同じ構造で酸素を保つように工夫され、必要なら酸素も吸え、しかも二等寝台も座席もきれいすぎで私の知っている中国の列車とは全く違ってました。時の流れを確実に感じてます。

2004年からポタラ宮ではライトアップも始まったとか。大型モールの建つ予定もあり、ますます人と物資が頻繁に行きかい、辺境の地チベットは辺境ではなくなりつつあるなあと、ちょっと寂しいそんな放送でした。(参考までに私のチベットの記事はこちら

 

 


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コメント 11

オオタ

もうすごいという言葉しかないですね、本当に。どのお写真も異国の感じがとてもして、感慨深いです。貴重な体験。すばらしいです。
by オオタ (2007-01-03 19:16) 

rivegauche

はじめまして。NHKのテレビ見ました。
中国へ行ってみたくなりました。
五体投地で進む人たちは強烈な印象です…。
by rivegauche (2007-01-04 00:38) 

naonao

>オオタさん、ありがとうございます。旅行は行きたいという一心で行ってましたが、本当に行けてよかったと思います。それもちょっとのお金と健康と周りの理解なければ出られないので出られたことに本当に感謝です。

>yosさん、コメントありがとうございます。テレビではラサまで目指す人々でしたが、ラサでもバルコル(大昭寺の周り)や大昭寺の前で朝から晩まで五体投地をしてお祈りしてます。夕闇頃見ていると涙が出そうになるくらい神々しく見えます。また本を読んだり、行ってきた人の話を聞くと、標高のかなり高い聖なるカイラス山まで、またカイラス山の周りさえも何周も五体投地する人がいて頭が下がります。私はラサの大昭寺前で10回ほど五体投地しましたがフラフラきました。
by naonao (2007-01-04 21:23) 

オオタ

チベットの過去の記事やお写真拝見しました。
プリントアウトして、はがきにしたいような味のある美しい写真がたくさん、
特にラサの町並みの美しさには驚きました。お寺がケーキのようでおいしそうな色合いでした(笑)。このような場所に行くと、人生観ががらっとかわるんでしょうね。最近読んだ本の中に、アフリカの小国ばかり旅した人が、価値観が上下逆転した といっていたのがありましたが、自分もnanao
さんのような体験がしてみたいと素直に思いました。
by オオタ (2007-01-05 14:50) 

naonao

>オオタさん、コメントありがとうございます。
そうですね。インドやチベット旅行してやはり何も感ぜずに戻ってくるのは大変難しいと思います。それまで気づかなかった気づきは数知れませんし、やはり私にとってもこの旅行はひとつの転機となりました。今の私の価値観はあちこち旅行に出た結果作られてるものだと思いますし、今があるのもこうした旅行のお陰と思ってます。
いくつになっても決して遅いと言うことはないので、是非オオタさんもお出かけください。世界は広いし、世界はオオタさんを待っています!!
by naonao (2007-01-05 21:25) 

おっとぉ

チベット、いつか行ってみたい国の一つです(・・・言いつつ、受け入れ人数制限などの関係で、本当に「いつか」だろうなぁ、と思っていますが)。
予定通り列車やバスに乗れなかったことがかえって良かった、っていう所は面白いですね。これって人生にもよくあるような気がします。思い通りいかなかったことが後から見たらラッキーだった、ということが。ガース・ブルックスの歌にもありますよね・・・って、すいません、マニアックで。(^^;
by おっとぉ (2007-01-06 23:35) 

naonao

>おっとぉさん、コメントありがとうございます。
ブータンは旅行者の受け入れ人数制限してますが、チベットは受け入れ制限はしていませんから安心して行って下さい。ただ標高が高いのでなるべく若いうちに行かれたほうがいいかもしれません。何かの研究で標高の高いところに老人になってから行くと、アルツハイマーにかかる率が高いらしいです。また若くても、空気が薄いので体に負担をかけ、平地にいるよりも傷の直りが遅かったり、持病も出やすいのです。
一見アンラッキーに思えることでも実は全体から見たらすごくラッキーということがたくさんありますよね。人生ではその人にとって全ていいことしか起こらないらしいので、アンラッキーも実はラッキーなのです!!
by naonao (2007-01-07 16:05) 

おっとぉ

亀コメントで申し訳ありません。(^^;
そうだったんですね、ブータンとチベット、勘違いしてました。
(昨年末、ネパールの方が「飛行機の予約がすぐ一杯になる」と言っていたのを勝手に勘違いしてしまったようです。よく考えたら、国も違うし・・・赤面です)
by おっとぉ (2007-01-23 00:09) 

naonao

>おっとさん、大丈夫です。同じチベット文化圏なので間違いやすいのもごもっともです。地理的にも近いのでわかりにくいですよ。
by naonao (2007-01-23 19:20) 

Mimosa

私もこの番組、全部ではないですが、見ましたよ~。
列車の旅、いいなぁ~と思いました。でも、確かに、予想以上に豪華な電車でしたね~。観光用っぽいな~と思いました!中国、そしてチベット・・・なので、もっと古い感じの質素な電車かと思ってました。
でも、テレビの番組で見ただけでも、景色がとっても素晴らしくって感動しました~。naonaoさんが実際に見られた景色はもっと素晴らしかったんでしょうね~。なんて、羨ましく思いました・・・♪
by Mimosa (2007-06-27 01:10) 

naonao

>Mimosaさん、こちらにもありがとうございます。
時代の流れは止めようがなく、私の知ってるチベットとは今はまた違ったものになってますね。豪華列車には本当にびっくりしました。でもいまや中国にとってはこの路線はドル箱なんだなあと思います。
by naonao (2007-06-28 21:30) 

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