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さらば、ベルリン [戦争関連映画]

映画公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/thegoodgerman/

「さらば、ベルリン」を有楽町のよみうりホールで観てきました。

1945年第二次世界大戦終結の直後のベルリンが舞台。ポツダム会議の取材に来た米国陸軍の従軍記者役にジョージ・クルーニー。そしてその元恋人でたくさんの秘密を隠して彼と再会する女性役にケイト・ブランシェット。そしてケイト・ブランシェットとも関係を持ち、米軍の物資を横流しする米兵運転手役にトビー・マグワイア。40年代の名作「カサブランカ」や「第三の男」と同じ手法で撮られた映画のため、わざと白黒映画になってます。本当に衣装とか、音楽、ベルリンの荒廃した街や、皆が何がしかの秘め事を持ってるような感じが良く出て、「カサブランカ」にとても雰囲気がよく似た映画でした。まあ時代背景が一緒なので似てて当たり前ですが、ケイト・ブランシェットは「カサブランカ」に出てくるイングリッド・バーグマンを真似て演じたらしいので、ますます「カサブランカ」でした。「カサブランカ」好きな人は、上の写真を観ても「カサブランカ」を思い出してしまうと思います。この私もそうでしたから。

1945年の戦後ドイツはどんな風であったかと言えば、4分割され、アメリカ、イギリス、フランス、ソ連の統治下に置かれましたが、その中でもベルリンはソ連の統治下でした。そこから逃れようとコネがあればコネを使い、お金があればお金を使って、パスポートを申請し脱出しようとするものがいたり、その場で一儲けしようとするものがいたり・・・。この映画でもそういったことと無縁ではない映画でした。また当時のドイツにはたくさんの優秀な物理学者、化学者、技術者たちがいて、ソ連側もアメリカ側もこの科学者たちを欲しがっていたのですが、ソ連はそのドイツ人を比較的おおっぴらに誘拐し、アメリカ側はアメリカ側に秘かに移送する国家の命令が下されていたとのこと。だからおおっぴらにするか、秘かにするかの違いはあるにせよ、両国とも似たり寄ったりのことをしていました。映画ではケイトブランシェットの原爆研究者の夫が連れて行かれないように地下道に隠れて生活していたのですが、結局はアメリカに連れて行かれることになり、そこをジョージクルーニーが体を張って逃がしてやるのですが、この夫は殺されてしまいます。他にもたくさんの情報を手にしてそれを商売の種にしようとしたトビー・マグワイヤー演じる運転手が、ソ連領で札束を握ったまま映画のかなり早い段階で殺されてしまいます。ケイト・ブランシェット役の女性も「たくさんのユダヤ人をゲシュタポに突き出し、それで生き延びてきたわ」と言ってました。多かれ少なかれ、この時代に生きた人たちは人を欺いたり、裏切ったり、危ない闇の商売をしたりしながら生き延びてきたのです。 

気になるジョージ・クルーニーとケイト・ブランシェットの恋の行方も、これまた「カサブランカ」同様、クールに終わり、別れは空港でした。映画のチラシに40年代名画の法則というのがありこれがまたおもしろいので載せておきます。

40年代名画の法則

・主人公は絶対に手を出してはいけない女と必ず恋に落ちる。・美しい女は必ず秘密を持っている。・男はいつも間違った道を選ぶ。・女はいつも正しい選択をする。・使ってみたくなる名セリフが最低3つは出てくる。・バーテンは何でも知っている。

時代のことや各国の立場、個々人の思惑などわからないと結構難しい映画かもしれません。今の華やかな映画に慣れてしまってる私としては何も好き好んでモノクロ映画にすることもないし、40年代にこだわることもないかもなあと思いましたが、ハンフリー・ボガードやイングリッド・バーグマンが出た「カサブランカ」を思い出し、まあまあ楽しめたのかも。原作はジョゼフ・カノンの小説「さらばベルリン」です。

The Good German

The Good German

  • アーティスト: Original Score
  • 出版社/メーカー: Varese Sarabande
  • 発売日: 2007/03/12
  • メディア: CD

さらば、ベルリン 上 (1) (ハヤカワ文庫 NV キ 8-3)

さらば、ベルリン 上 (1) (ハヤカワ文庫 NV キ 8-3)

  • 作者: ジョゼフ・キャノン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 文庫
さらば、ベルリン 下 (3) (ハヤカワ文庫 NV キ 8-4)

さらば、ベルリン 下 (3) (ハヤカワ文庫 NV キ 8-4)

  • 作者: ジョゼフ・キャノン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 文庫

 


おまけ:

いつもブログを読んでるビューティーエディターのcrystalmimiさん、そしてビリージョエルつながりでビートルズをこよなく愛するノーバッドさんのお二人ともが、「ムコ多糖症」(お二人の記事はこちらこちら)のことを書かれていて、これは私も書かないとと思い今回はバトンを回します。

以下crystalmimiさんの記事からのコピーです。

 ムコ多糖症
  この病気は、人間の中でも小さい子達に見られる病気です。
  しかし、この《ムコ多糖症》という病気は、
  あまり世間で知られていない(日本では、300人位発病)
  つまり社会的認知度が低い為に、
  今厚生省やその他製薬会社が様々な理由を付けて、
  もっとも安全な投薬治療をする為の許可を出してくれません。

  ムコ多糖症は日々病気が悪くなる病気で、
  発症すると殆どの人が10~15歳で亡くなります。

  8月7日「SCHOOL OF LOCK」というラジオ番組で
  湘南乃風の若旦那が語ってから、私達に出来ることを考えました。
  それで思いついたのが、このバトンという方法です。
  5~6歳の子供達が厚生省にスーツ姿で出向いて
  自分達が生きる為に必死に頭を下げたりしています。
  この子達を救う為に私達が出来ることは、
  この病気を多くの社会人に知ってもらって、

  早く薬が許可されるよう努力することだと思います。
  みなさん、ご協力お願いします。

 [ムコ多糖症]
  ムコ多糖を分解する酵素が先天的に欠損している為、

  体内に蓄積することで様々な異常が引き起こされる病気。

  多くの場合、身体や精神の発達遅滞、骨の変形、水頭症なども伴う。

  重症の場合は成人前に死亡する。

  今のところ有効な治療法が無いので、

  骨髄移植や遺伝子治療の臨床成果が待たれる病気の一つである。

    http://www.muconet.jp/

以上。

世の中にはまだまだ知られてないたくさんの難病があるのだと思いました。そして1日も早く多くの人にこの難病が知られて、厚生省も製薬会社も迅速に動いてくれることを願います。協力できる方は協力してください。


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miffy

さらば、ベルリンは原作を読んだことがあります。
映画の雰囲気は私の想像していた世界と少し違いますね^^;

ムコ多糖症のこと私が読んでいるブログでも3人の方が記事を書かれていました。
まだ知られていない難病ってたくさんあるんですよね。
患者が少ないから助成金もたくさんだしてもらえないみたいです。
一刻も早く治療法が見つかることを願うしかできることがないのが悲しいです。
by miffy (2007-09-17 21:30) 

naonaoさん、ありがとうございます☆

ところで私、写真をみて、てっきりカサブランカかと思ってしまいました。
それにしても70年代名画の法則!
確かに!!!おもしろいです。
そして、現代の「モテ」の法則に使えそうな気がしました。
by (2007-09-17 22:35) 

Morimo

>40年代名画の法則
>バーテンは何でも知っている。
昔の映画のバーテンはかっこよかったですね。あこがれの職業です。

>難病
たしかにしらない難病いっぱいありますね。困ったものです。
分散コンピューティングで、難病に立ち向かうFolding@Homeというプロジェクトもあります。 
http://folding.stanford.edu/japanese/
by Morimo (2007-09-17 23:40) 

李 萬中

>40年代名画の法則
naonao さん,真似させていただきますw
最近、ムコ多糖症の話は色々なところで見かけます。
珍しい病気だと症例が少なく
治療法を見つけるのが大変だそうです。

世間に少しでも認知されると良いですね。
by 李 萬中 (2007-09-18 01:06) 

ノーバッド

さらばベルリン。
これホントに『カサブランカ』ですね。
“As Time Goes By”見たいな主題歌だったのでしょうか?

>40年代名画の法則
  そ、男はいつも間違えて、女はいつも正しい。
  2000年代もそうかと・・・ (^_^;)
  この法則。勉強になりました。

ムコ多糖症
載せていただき、ありがとうございます。
ホントに一日も早く多くの人に、この難病のことを理解していただき
厚生省、製薬会社と迅速に動いてくれることを願います。
そして、医学の進歩も。
by ノーバッド (2007-09-18 09:24) 

たいちさん

今年の5月にベルリンへ行きましたので、尚更この映画は観たいですね。
by たいちさん (2007-09-18 11:26) 

Zunko

きゃ~Naonao さん♪ 1000ナイスよ♪ 

まずは、おめでとうございます♪ でも、凄すぎる~♪
Naonaoさんは、つい最近私のMilleniumのナイスを押して戴いたばかりですのに、私が今度はNaonaoさんのMillenium。

狙った訳ではないのに、たまたま押したら1000番だった。。こんなダブル偶然、あります? ちょっと鳥肌が立ちました。何か、良いこと有りそうですね~。これは、夜通し飲んでお祝いしたい(ってそっちへ行くなよって感じですが・笑)

私も一瞬、カサブランカと思ってしまいました。。最近ハリウッドもねた切れなのか、啓蒙主義なのか。。リメイクが多いですね。アメリカいよいよ不景気と言う話もありますが。。この映画は余り話題になってないですね。多分、アメリカには隠したい部分なのかも。。そう言う意味では、シッコと言い。結構問題提起の映画が増えて来たのかな。良い傾向です。。

まずはこの原作、さらばベルリンを読んでみたいと思います。 カサブランカも見たくなって来た♪
by Zunko (2007-09-18 13:46) 

こころん

お久しぶりです。
なんだか暑さにすっかり参っていました・・・。
カサブランカ、これまた大好きな映画です。

ムコ多糖症
私は、知りませんでした。
6歳の子をもつ親として、もし自分の子供が難病を患ってしまったら・・・、
と考えると人事ではありません。
by こころん (2007-09-18 16:34) 

naonao

>miffyさん、いつもありがとうございます。
原作と映画ってたいてい全く違ったものになってますね。
原作から入って映画観るとガッカリさせられることも少なくないですけどこの作品はどうでしょうか?
ムコ多糖症のこと、この勢いでたくさんの人に知って欲しいですね。

>crystalmimiさん、いつもありがとうございます。
確かに全然古くなく、今にも十分通用しますね!

>Morimoさん、いつもありがとうございます。
バーテンダー、確かに情報通ですね。映画でも素敵なポジションにあります。サイト情報ありがとうございます。あとで私もアクセスしてみます。

>萬中さん、いつもありがとうございます。
100匹目の猿というのがあるのである程度広まったら爆発的に広まり認知されそうですね。

>ノーバッドさん、こちらにもありがとうございます。
残念ながら"As Time Goes By”のような素敵なナンバーは歌われてませんでした。"As Time Goes By”は今やスタンダードナンバーで名曲ですけど。バーグマンの"Play it,Sam"というセリフも一緒に思い出します。

>たいちさん、いつもありがとうございます。
ベルリン行かれたのですね。この映画観たら是非ブログにまた書いてください。たいちさんのレビュー読みたいです。

>Zunkoさんいつもありがとうございます。
私も鳥肌です。Zunkoさん、私たちって何かすごく繋がってますね。前世でもどこかでお会いしてるかも(って今生でまだ会ってませんけど)Zunkoさんとはいろんな偶然が重なってワクワクドキドキです。本当夜通し飲んでお祝いだ!!本当にそんな気分。素敵なnice!ありがとう!!!!!

>こころんさん、本当お久しぶりです。
私も暑さにグロッキーでしたよ。頭が痛いと思ったら脱水症状気味でした。ひどい暑さだったものね。今は少し涼しくなって楽になったね。私もカサブランカは大好きです。カサブランカは人気あるよね。そういえば「ライフ・イズ・ビューティフル」も観ました。こころんさんはじめたくさんの人のお勧めだったので。本当感動しました。いい映画だった。情報ありがとう。

>toshiさん、toraneko-toraさん、いつもnice!ありがとうございます。
by naonao (2007-09-18 21:42) 

Mimosa

こちらの映画もまた興味深く、観に行きたくなりました!ジョージ・クルーニーが出てるのですね。こちらも気になるところ。オーシャンズ13でもなかなか素敵だったし・・・☆カサブランカは見てないのですが、昔の時代の背景が、白黒映画で雰囲気出てそうですね。40年代映画の法則も面白いです^^!
ムコ多糖症・・・、初めて知りました。早く、社会的認知度が高まり、薬が認可されたり、治療法が見つかって、多くの方が助かることを願ってます...。
by Mimosa (2007-09-18 23:23) 

naonao

>Mimosaさん、いつもありがとうございます。
カサブランカ名作なので是非観てください!
ジョージ・クルーニー、俳優だけでなく映画プロデュースに監督など本当多才ですね!!
by naonao (2007-09-19 22:28) 

ともこ

こんにちは!コメントありがとうございました☆
naonaoさん、すごく沢山の映画をご覧になっていらっしゃるんですね!!
参考に出てくる、雰囲気の似た映画の例え・・・
ほぼ私は知りませんでした(^^;)
カサブランカですね、名前は聞いたことあります。
名作についてほとんど知識がないので、
これからも勉強しに、遊びにこさせてください~♪
by ともこ (2007-09-20 14:25) 

naonao

>Krauseさん、いつもnice!ありがとうございます。

>ともこさん、こちらにもありがとうございます。
試写会当たったら行ってるような感じです。
最近は当たりすぎて人にあげてるのも多いですけど、幸せなことです。
by naonao (2007-09-20 22:09) 

naonao

>甘茶さん、nice!ありがとうございます。
by naonao (2007-09-23 21:57) 

たいちさん

6月14日に、この映画を観ました。ストーリーが入り込んで複雑であったので、消化不良の状態ですね。
by たいちさん (2008-06-15 11:08) 

naonao

>たいちさん、ありがとうございます。
確かにこの時代背景がわかってないと厳しいかも。
私は単純にカサブランカが好きだったのでカサブランカに似てる!ってだけで楽しめました。
by naonao (2008-06-15 18:46) 

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