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オール・ザ・キングスメン [Sean Pennショーン・ペン]

映画公式サイト:http://www.so-net.ne.jp/movie/sonypictures/homevideo/allthekingsmen/index.html

「オール・ザ・キングスメン」のDVDを頂いたので観ました。

ショーン・ペン、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレット、アンソニー・ホプキンズといった豪華キャストが出演。「実話を基にした究極の政治サスペンス」とのコピーがついてます。この話は既に小説としても発表されピューリッツァー賞も取っています。

理想を持って立ち上がり、州知事、上院議員にまでなったウィリー(ショーン・ペン)が忌み嫌っていたはずの汚職に手を染め、また貴族出身の元記者のジャック(ジュード・ロウ)がその下で働き、ジャックの目を通してウィリーの周りの人たちがどんどん悲劇へと巻き込まれていく様を描いています。実はジャックの父であった判事(アンソニー・ホプキンズ)が、父とは知らされてない実の子供ジャックに自分の知られざる過去を暴かれようとする一歩手前で自殺を図り、ウィリーはジャックの幼馴染みであり、自分の慈善事業の病院を任せたアダムに射殺され、そのアダムもウィリーの用心棒に撃ち殺されてしまいます。ジャックの初恋の相手でアダムの妹でもあり今はウィリーの愛人になってしまったアン(ケイト・ウィンスレット)とも、お互いに惹かれあっているにも関わらず、ある一夜の出来事からずっとすれ違い、今に至ってしまった切ない恋も描かれていました。

スクリーンで映画を観ただけでは得られないDVDの特典は素晴らしかったです。メイキングや未公開シーン、もう1つのエンディングはおもしろかったし、ロバート・ウォーレンが書いたこの原作本の魅力について述べられ、ロケ地ルイジアナが映画撮影する人たちにとって全米で3本の指に入るほど人気の土地であることや、南部貴族社会やルイジアナの建築物について、またウィリーのモデルとなり実在したヒューイ・ロングが今尚ルイジアナの人々に慕われ続けていること、このAll the King's menの題名がマザーグースのハンプティ・ダンプティからつけられたこと(最終的に皆、壁から落ちてしまうところからこの物語でも全ての人が最終的に堕落してしまうのでこの題がつけられた)などなど、おもしろいエピソードが満載でした。原作は30年代のルイジアナが舞台でしたが、この映画では50年代のルイジアナを舞台としていることもわかりました。

権力を追っていくといつかは腐敗してしまうのが常で、今も昔も変わらぬ普遍的なことなのだと思いました。初めは善で始めたことも最終的には悪になる。また悪から善が生まれることもある。いろんな含蓄ある言葉が映画のあちこちに散りばめられていました。またインタビューの中でこの原作本をバイブルのように何度も読んだとジュード・ロウが語り、「シンドラーのリスト」の脚本を書いた監督兼脚本のスティーブン・ザイリアンをはじめたくさんのスタッフがこの原作本を褒めちぎっていました。この原作本も是非読みたいと思いました。

ミーハー的なことを言えばジュード・ロウがやっぱり格好良かった。何年か前に最もセクシーな男優で見事No.1に選ばれたことがありましたが、この映画でも素敵で何度も見惚れてしまいました。ショーン・ペンの熱弁を振るう演技は圧巻。アンソニー・ホプキンズは落ち着いたいつもの安定感ある演技が光ってました。

表向きはアダムがウィリーを暗殺したことになってますが、本当にその殺しを操ったのは、一緒に秘書として働いていたパトリシア・クラークソン演じるセイディが、愛人を作ったウィリーへの焼きもちのためにしたのか、はたまたやはり一緒に働いていたタイニーが自分が権力を握るためにアダムに暗殺させるような巧みな言葉を囁いたのか(その線を匂わせてます)、疑問が残るラストでしたが、いろんなことが交錯して、人の欲望、感情、人生そのものを考えさせてくれる素晴らしい映画でした。

オール・ザ・キングスメン コレクターズ・エディション

オール・ザ・キングスメン コレクターズ・エディション

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2007/09/26
  • メディア: DVD
すべて王の臣 新装版

すべて王の臣 新装版

  • 作者: ロバート・ペン・ウォーレン
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 単行本


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コメント 10

李 萬中

アンソニー・ホプキンズはやはり巧いですか。
脇役が良いと出来が一段と良くなりますよね。
by 李 萬中 (2007-11-06 10:13) 

たいちさん

面白そうですね。妻がジュード・ロウのファンなので、DVDを借りに行こうと思います。
by たいちさん (2007-11-06 12:54) 

naonao

>萬中さん、いつもありがとうございます。
脇役は皆良かったです。良い映画でした。

>たいちさん、いつもありがとうございます。
ファンならもう奥さん観てるかも!?DVDのおまけも楽しかったです。

>toshiさん、miffyさん、いつもnice!ありがとうございます。
by naonao (2007-11-06 21:10) 

Mimosa

うわぁ~、豪華キャストですね・・・☆ジュード・ロウ、カッコ良さそう!
話の内容は複雑そうですが、面白そうですね。。。DVD借りて見たくなりました~♪
by Mimosa (2007-11-07 00:59) 

toraneko-tora

しばらく休みましたが、明日から再開します
また、よろしくお願いします
by toraneko-tora (2007-11-07 20:26) 

naonao

>Mimosaさん、いつもありがとうございます。
たぶん原作が素晴らしいのだろうなと思うので、原作を読みたいと思ってます。

>toraneko-toraさん、いつもありがとうございます。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。

>xml_xslさん、いつもnice!ありがとうございます。
by naonao (2007-11-07 21:32) 

naonao

>Krauseさん、たねさん、nice!ありがとうございます。
by naonao (2007-11-08 22:46) 

ジュードロウ素敵です。ホリデイ以来ファンです。
このDVDもジュード様恋しさに見たいです。
by (2007-11-09 18:48) 

Zunko

これも見たい映画ですね・・。原作も読みたい。
ほんとうに。。やりたい事がありすぎて困ってしまいますね。。。
日本は通勤時間が良い読書時間だったのですけれど。。アメリカが、ブックCDが売れているのがわかる気がします。。
by Zunko (2007-11-11 18:06) 

naonao

>crystalmimiさん、いつもありがとうございます。
見れば見るほど格好いいジュードロウ。その気持ち分かります!(笑い)

>Zunkoさん、いつもありがとうございます。
本当、Zunkoさんのおっしゃるとおり。日々いろんなことをきっかけに、もっとそのことを知りたいと観たい映画も、読みたい本もどんどん出てきますよね。ブックCDなんて使ったことないですけど便利そうですね。

>くろたさん、いつもnice!ありがとうございます。
by naonao (2007-11-12 21:38) 

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