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山桜 [日本映画 時代物]

「山桜」をニッショーホールで観てきました。
映画公式サイト:http://www.yamazakura-movie.com/
藤沢周平原作の「山桜」。時代劇です。東山紀之、田中麗奈、篠田三郎、壇ふみ、冨司純子、村井国男などが出演してます。
最初の結婚で夫を亡くした野江が勧められるまま嫁いだ家は全くなじめずいて、義理の母親には半分いじめられ、夫には愛情を見出せずにいるようです。叔母の墓参りで実家に帰るその帰り道、たまたま山桜の下で手塚という武士に会います。手塚は以前結婚を申し込んできたのですが、母一人子一人の家だったため会うこともせずその結婚を断っていました。手塚は山桜を取ろうとして山桜に手が届かずにいた野江に山桜を手追って渡してくれます。「今はお幸せでござろうな」という言葉を残して手塚は格好良く去っていくのです。
その頃、農民の生活苦は酷いものでした。自分たちが食べる米さえも全て年貢として吸い上げられ、その上にまた年貢率が上がり、老人や子供は死んでいきました。それは諏訪という藩の重臣による政策によるもので、おまけに諏訪は豪農と手を組み私腹を肥やしているのでした。心あるものはそのことを良く思わず、江戸にいる藩主に手紙でその諏訪の傍若無人ぶりを知らせようとしますが、諏訪の取り巻きたちに刺され藩主まで手紙は届きません。それから程なくし手塚が諏訪に城中で刃傷沙汰を起こすのです。
その噂は野江の耳にも届き、夫の羽織を落としてしまったことで離縁されることになります。
実家にも戻る野江。牢獄で判決を待つ手塚のためにお百度参りをし、手塚の母に会いに山桜を持って出かけます。手塚の母は手塚から野江の話をよく聞いていたことを話します。以前手塚から剣術を習っていた弟にも野江の姿を手塚が見ていて周りに冷やかされていたというような話を聞いていました。優しい言葉をかけられ野江はやっと気づきます。自分の居場所はここだったのだと。
映画はここで終わってます。果たして手塚はどうなったのか!?野江はどうなったのか!?あとは想像しろというのか!?小説の中では結果が出てるのかさえわからないところですが、昔のことだから城中で刃傷沙汰を起こしては切腹なのだろうか、と思ったりもします。気になるので小説も読んでみたいと思いました。
たまには時代劇もいいものです。ほろりとします。
海坂藩大全 下 (3)

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  • 作者: 藤沢 周平
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 単行本
たそがれ清兵衛 (新潮文庫)

たそがれ清兵衛 (新潮文庫)

  • 作者: 藤沢 周平
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1991/09
  • メディア: 文庫
蝉しぐれ

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  • 作者: 藤沢 周平
  • 出版社/メーカー: 文芸春秋
  • 発売日: 1991/07
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藤沢周平のツボ 至福の読書案内 (朝日文庫 あ 43-1) (朝日文庫 あ 43-1)

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  • 発売日: 2007/12/07
  • メディア: 文庫

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コメント 6

Mimosa

時代劇は、あまり好きではないのですが、この映画は観てみたい気がしました。最近にはない、素朴な昔の日本や人々の心の美しさ・・・がこの映画の中に表れているように思いました。
結末がないのですね~。なら、naonaoさんのように、小説を読んでみようかしら・・・。
by Mimosa (2008-05-01 00:04) 

たいちさん

藤沢周平らしい時代劇ですね。キャストがいいので、観たい映画ですね。
by たいちさん (2008-05-01 19:15) 

nomame

naonaoさんのレビューは本当に魅力が伝わってきます。
でも結末なしだと、やっぱり不完全燃焼しちゃいそうだな。
by nomame (2008-05-02 21:44) 

naonao

>Mimosaさん、いつもありがとうございます。
私もMimosaさんと同様あまり時代劇って関心ないのですが、観ればそれなりにいいものだと思います、。やはり日本人なんですよね。

>たいちさん、いつもありがとうございます。
藤沢周平の作品って初めて観ましたがいいものですね。これを機会にもっと観たいと思いました。

>nomameさん、いつもありがとうございます。
この作品は本当に結末が気になる作品でした。結末は観客にまかせるということなのかもしれませんね。

>toshiさん、xml_xslさん、miffyさん、りゅうさん、toraneko-toraさん、いつもnice!ありがとうございます。
by naonao (2008-05-05 11:44) 

としちゃん

つい最近、東京のJR上野駅の近くにある小さな映画館で、「山桜」を観ました。「蝉しぐれ」と二本立て。
最初は蝉しぐれだけでいいや、と思っていたので山桜はスルー。
蝉しぐれを見ている間は、泣きっぱなし。感動しました。2回も見てしまいました(入館料が安くて助かりました)。

そして、山桜は、日を改めて、観ました。
東山さん、かっこ良かったですね。男は黙って勝負する、を地で行った感じ。
田中さんも、若いのに落ちついた演技が良かったです。
大ファンである檀ふみさんが、それはそれは優しい母親役、お見事でした。
冨司純子さん、存在感ありますねー。「いつかあなたが、こうして訪ねていらっしゃることを心からお待ちしておりました」・・・ここで、滂沱の涙が・・。

ハッピーエンドを予感させるような余韻を残したラストでした。ちょっと、物足りなかったかな。やっぱりハッピーエンドで終わって欲しかった。
原作のほうは、野江と弥一郎が再会して一緒に暮らすハッピーエンドみたいです。

ハッピーエンドのシーンも撮っていたけど、編集の段階でカットしちゃったのかな・・推測ですが。
もしそうなら、今度はノーカット版で、上映して欲しいです。
by としちゃん (2008-10-13 19:49) 

naonao

>としちゃんさん、コメントありがとうございます。
原作読みたいと思いながら未だ読んでいず。
そうですか。原作ではハッピーエンドなのですね。良かった、良かった!!
蝉しぐれもいい作品のようですね。それほど泣けるなら私も観たいです。
最近大泣きしたことないので、大泣きしてみるのも良さそうです。
by naonao (2008-10-13 21:49) 

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