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チェ 28歳の革命 [スペイン映画]

新年明けて初めて観た映画は「チェ 28歳の革命」です。有楽町朝日ホールで観てきました。

映画公式サイト:http://che.gyao.jp/

映画が始まる前にオードリーがお笑いを披露したのですが、笑いは今ひとつ。この映画にお笑い芸人が呼ばれて芸を披露する意味が全くわからなかったです。

この映画は「オーシャンズ11・12・13」「さらばベルリン」のスティーヴン・ソダーバーグ監督作品。主演は2008年カンヌ国際映画祭で見事主演男優賞を受賞したベニチオ・デル・トロ。25キロの減量と7年にも渡るリサーチの末、この役に挑んだとのことで、本当にトロがチェ・ゲバラに見えてきます。まるで生き写しのよう。「愛の讃歌」でエディット・ピアフ役を演じたマリオン・コティヤールのようです。

映画はチェ・ゲバラが1955年フィデル・カストロと出会い、翌年一緒にキューバに出発。キューバ政府軍と戦うゲリラ軍の一員となり1958年にサンタクララの戦いで勝利するもそのまま首都ハバナに向かうまでを描いています。それと同時に1964年のニューヨーク国連本部での演説や、マスコミのインタビューなどを交え映画は進行します。

映画はゲリラの日々を描いてるためにエンタメ的な要素がなく、途中退屈に感じられたりもしましたが、チェ・ゲバラが喘息持ちであり、農民に敬意を払い、女子供を守り、規律を崩すものにはとことん厳しく銃殺をもいとわない残虐な部分も見せますが、敵味方なく負傷者の医療行為を行い、看護し温かい言葉をかけ、また兵士に読み書きを教えたり、熱い理想に燃え・・・といった面をさりげなく見せています。監督がインタビューの中で「チェという人間と一緒にいること、それはどんな感覚だったのかを味わってほしい」と言っていますが、その意図はこの映画で見事に達成されています。

チェ・ゲバラの「チェ」とは名前でなくあだな。アルゼンチンでは「ねえ、君」といったような親しみをもった言葉で、アルゼンチン人であったゲバラが今もってラテン世界では「チェ」とか「エル・チェ」と親しみをもって呼ばれているそうです。

ゲバラはアルゼンチン大医学部在学中に友人と2人で南米の放浪の旅に出ており、それを描いたのが「モーターサイクル・ダイアリーズ」(ロバートレッドフォード監督作)という映画らしい。ゲバラ自身その時の様子を書いた本も残っています。私も放浪の旅をしていた端くれとして、ゲバラの放浪癖(何でも見たい体験したいという好奇心)に共感を持っています。もちろん生き方にも。この映画も観たいし、本も読みたいです。 

この「チェ 28歳の革命」の続編にあたる「チェ 39歳別れの手紙」もあるとのこと。ボリビアでの死までを描いた作品なのでしょうが、こちらも機会あれば観たいです。今年はキューバ革命50周年記念にあたる年なので、チェ・ゲバラが脚光を浴びる年になるでしょう。これを機会に彼に関する本も山ほど出てるので読んでいきたいです。

革命戦争回顧録 (中公文庫)

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  • 作者: チェ・ゲバラ
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: 文庫
モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: DVD
新訳 ゲバラ日記 (中公文庫)

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  • 作者: チェ ゲバラ
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 文庫
チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記

チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記

  • 作者: エルネスト・チェ ゲバラ
  • 出版社/メーカー: 現代企画室
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 単行本
チェ・ゲバラの記憶

チェ・ゲバラの記憶

  • 作者: フィデル・カストロ
  • 出版社/メーカー: トランスワールドジャパン
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本
わが夫、チェ・ゲバラ 愛と革命の追憶

わが夫、チェ・ゲバラ 愛と革命の追憶

  • 作者: アレイダ・マルチ
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2008/05/07
  • メディア: 単行本
チェ・ゲバラわが生涯―ヒューマン・フォトドキュメント

チェ・ゲバラわが生涯―ヒューマン・フォトドキュメント

  • 作者: エルネスト チェ・ゲバラ
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2007/07
  • メディア: 大型本
チェ・ゲバラ―フォト・バイオグラフィ

チェ・ゲバラ―フォト・バイオグラフィ

  • 作者: イルダ バリオ
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: 単行本
元気が出るゲバラ語録 (リイド文庫)

元気が出るゲバラ語録 (リイド文庫)

  • 作者: 知的好奇心研究会
  • 出版社/メーカー: リイド社
  • 発売日: 2007/05
  • メディア: 文庫

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Zunko

Naonaoさん、シンクロにシティーです♪

今週ラスベガスに行くので、ラスベガスの”予習”の為、いくつかの映画を見たのですが、そのうちのひとつがオーシャン13、スティーブンソダーバーグの作品ですが。。そのつながりで、彼が、チェゲバラの映画を作ったと言うのをつい先日知ったのですが、アメリカでは上映が1月終わり頃、と知りました。日本の方が、先に上映なのですね。キューバのお話だから、さもありなん、と思いますけれど。。オバマ大統領になったら、カストロは、話をしても良いと言ってるみたいですし。キューバにあるアメリカの、ガンタナモ収容所も閉鎖する、とオバマは表明していますし。
何とも、タイムリーな映画、ですね。。

数年前、オーラの泉に出場された女優(誰だったか思い出せないのですが、アルゼンチンの革命家が大好きで、と言う様な事を言っていたのが凄く印象的で。。今、その回答が得られた、と言う感じ。。

私も、アメリカで上映されたら見ます♪ 流浪の民の親近感(笑)



by Zunko (2009-01-10 16:44) 

duke

ソダーバーグはエリン ブロコビッチと、トラフィックが好き。トラフィックは主役の刑事がデル トロがで、すごく良かったです。
チェ ゲバラ氏は興味を持っていながらよくしらなかったので、映画を見てみたいと思います!!
by duke (2009-01-10 17:08) 

miffy

中南米でチェ・ゲバラのTシャツやポストカードが売ってるのは当たり前なのでなんとも思わなかったのですが、この前クロアチアでもTシャツが売っていたのにはビックリしました。
ミーハーな私はアルゼンチンでゲバラのポストカードを買いました^^;
by miffy (2009-01-10 20:28) 

nomame

私も興味アリアリだったんです。
なかなか初めから書籍で勉強できないので(汗)
この映画から掘り下げていきたいと思います。
by nomame (2009-01-11 11:22) 

naonao

>Zunkoさん、ありがとうございます。
Zunkoさんとシンクロして嬉しいです。
この映画ほとんどがスペイン語でもありますから、アメリカでの上映が日本より遅いと言うのが何となくわかります。
放浪の民、いい響き!(笑い)

>dukeさん、ありがとうございます。
トロの映画今回初めて観ました。プエルトリコ出身なんですね。
トラフィックも観なければ。
チェゲバラのこと、私もキューバ革命の立役者としか知りませんでした。魅力的な人物のようなので私もいろいろ知りたいと思ってます。

>miffyさん、ありがとうございます。
私も旅行に行ったとき、ゲバラが特に中南米でもボリビアで人気あったのは知っていましたが、今は若者がゲバラを知らずともファッションで使っているようです。どこかのバンドでもゲバラをトレードマークにしてるというので、ちょっとしたファッションなのでしょうね。

>nomameさん、ありがとうございます。
この映画でゲバラを知るというより、ゲバラを知るきっかけと思ったほうが映画を観て落胆しないかもしれません。ソダーバーグの映画ってちょっと難しいところがあり、ゲバラをあまり知らない人にとってはきついですね(汗)私もそれほど知らなかったのできつかったです(自爆)←nomameさんを真似てみました♪(笑い)

>nice!をくださった皆様、ありがとうございます。
by naonao (2009-01-11 18:00) 

Yakoha

こんにちは。(あけまして~と言うには遅くなったのですが今年もよろしくお願いします。)
これ、予告編で気になっていたのですが今かなり話題ですよね。濃そうな作品のように思いますが・・・興味あります。オードリーは・・・この種の作品には縁が無いですよね。好きですけど。(笑;)
by Yakoha (2009-01-12 02:50) 

たいちさん

歴史の勉強の為にも、この連作を、観たい気がしています。
by たいちさん (2009-01-12 12:16) 

naonao

>Yakohaさん、ありがとうございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
確かに濃い映画でした。決して娯楽映画ではないのでその点ではあまり気楽に観れませんでしたね。

>たいちさん、ありがとうございます。
この映画をきっかけにもっと学びたいなあと皆思うと思います。

by naonao (2009-01-12 18:02) 

しまうま

 こんばんは~。ちょっとご無沙汰でした。

 映画館で見て来ました。アメリカでは興行的に不利になるにもかかわらず、全編スペイン語で台詞を通したところとか、主演のベニチオ・デル・トロとソダーバーグ監督の入れ込みようが伝わってくるようですね。
 新聞とかの映画評で指摘されていた「分かりづらさ」とか「盛り上がりのなさ」は確かに感じましたけど、かえってそれがドキュメンタリーっぽい硬質さに感じられて、私はダレずに見られました。「トラフィック」は映画館で見ましたけど、良かったですね。
by しまうま (2009-01-12 21:46) 

naonao

>しまうまさん、ありがとうございます。
こちらこそご無沙汰してます。
「トラフィック」是非観たいと思います。
またゲバラの本を今いろいろ読んでますが、のめり込んでます。
知れば知るほど魅力ある人間で格好いいです。
この映画、ヒットしてくれるといいですね。
by naonao (2009-01-15 21:59) 

duke

これらの本ですね~~了解!!読んでみます^^
by duke (2009-02-12 23:38) 

naonao

>dukeさん、再度ありがとうございます。
そうです。これらの本です。お勧めです!
by naonao (2009-02-13 21:03) 

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