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ハムレット~明治大学文化プロジェクト [シェークスピア]

明治大学の演劇部が毎年やっている第6回公演~明治大学文化プロジェクト「HAMLET」を観てきました。今回も監修は明大卒の原田大二郎が行い、今回は姿を見なかったのですがきっと会場に来ていたんだろうなあと思います。

3年前に「ウィンザーと陽気な女房たち」を観劇したことがあるのですが(その時の記事→http://naoazucar.blog.so-net.ne.jp/2006-11-12)、それに続いて今回は2回目の観劇でした。

ハムレットは言わずと知れたシェークスピアの4大悲劇のひとつです。

ストーリー:

デンマーク王子ハムレットの、父を殺し母と結婚し王位を奪った叔父に対する復讐物語。父親の亡霊が夜な夜な現れ毒殺されたことを知ってからハムレットは狂気を装うと、王の右腕であるポローニアスは自分の娘、オフィーリアへの恋愛がそうさせるのだと王に進言する。やがてポローニアスを今や王である叔父と間違って刺し殺してしまうと、今度は愛するオフィーリアが悲しみのあまり狂い、溺死してしまう。父ポローニアスと妹オフィーリアの敵をとるためレアティーズは王と結託し、ハムレットと剣術試合を行うことにする。用意していた毒入りのワインは誤って母が飲み、母が死に、毒剣は誤ってレアティーズに刺さり、レアティーズが死に、そしてハムレット自身にも刺さり、王である叔父をハムレットが刺すと王が死に、そしてハムレットはレアティーズに真相を聞かされ仲の良いホレイシオにその真相を広めてほしいと遺言し死ぬという不幸で終わる・・・。

ハムレット役やオフィーリア役が男女反対で演じられていてちょっと変わった感じの劇でした。男女普通のほうが良かったかもなあ~。そういう回もあったようですが・・・。また長いセリフのオンパレードでそのセリフ、良く覚えたなあ~と今回もまた感心してしまいました。プロも顔負けの仕上がりになっていて、学生と言えどもアッパレでした。

特に素晴らしい演技を見せてたのはポローニアス役の人。コミカルな感じでクスクス笑いを誘い、堅苦しい劇を楽しいものにしていました。将来本当に役者さんになったらいいのに、と思ったほど。またハムレットの父、亡霊役の人が王にふさわしい貫禄と声ではまり役でした。それと旅役者の一団の口上を披露する女性の声とマリオネット役のお二人の動き。素晴らしかったです。

セリフは現代風にまた独自にアレンジしたものにしているところが面白く、「もし間違えたら、クビチョンパで構いません」とか、「葬式用にまかなわれた食事は、冷えたまま今度は婚礼のテーブルに運ばれるのさ。エコだよ、エコ、ホレイシオ」とか、なかなかうまく訳しているなあと感心しました。できるだけ忠実に、わかりやすく、生き生きとした言葉にすることをモットーとして訳したとパンフレットにありましたが、この訳でシェークスピアを読んだらあっという間に面白く読めてしまいそうです。

またピアノとバイオリンを要所要所に使い、舞台の上さらにせりあがった舞台を造っていて、うまくその上下の舞台を使ってその場その場が演じられていました。オフィーリアを墓に埋めるシーンや亡霊が現れるシーン、婚礼のシーンなどその空間を思い存分使っていました。私の中ではジョン・エヴァレット・ミレーの「オフィーリア」の絵が強烈なので、この劇の中で単に「オフィーリアが溺死した」というセリフだけに留まったことが余計にこの絵を思い出させ、強烈な印象を与えました。

今回は初演を観にいったのですが、ありがたいことにかなりいい席を頂き(なんと前から4列目で実際には前3列目まで誰も座っていず中央からちょっとだけはずれた席)、演者の表情が細かく良く見える席だったので本当に良かったです。

早くも来年もまた予定が合えば行きたいなあ~と思っています。またハムレットをまた読んだり演者によって違うDVDを観てみたいと思います。

明大演劇部の皆様、お疲れ様でした。そして素晴らしい劇をありがとうございました。

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コメント 5

nomame

シェイクスピアのお芝居は観たことが無いんです。
学ぶところが多いのでしょうね。
by nomame (2009-11-18 07:54) 

Betty

観劇いいですね~
シェイクスピア「ハムレット」文化の季節にピッタリです。
「生きるべきか、死ぬべきか・・」
by Betty (2009-11-18 11:38) 

たいちさん

芸術の秋に、古典のいい舞台を観られましたね。ハムレットはセリフ劇ですので、俳優の能力が試されますね。
by たいちさん (2009-11-20 22:48) 

miffy

現代風のセリフもいいですね。
by miffy (2009-11-22 20:06) 

naonao

>nice!をくださった皆様、ありがとうございます。

>nomameさん、ありがとうございます。
シェークスピアは古典も古典なので見ていて損はないでしょうね。
私は機会があればこれからもたくさん観たいと思っています。

>Bettyさん、ありがとうございます。
この「生きるべきか、死ぬべきか・・・」の名訳は2003年にこの訳に定まったとパンフにトリビアとして載っていました。つい最近の訳であることにビックリですね!

>たいちさん、ありがとうございます。
どうしたらこんなにも長いセリフを暗記できるのだろう??と本当にびっくりです。
頭が下がる思いです。

>miffyさん、ありがとうございます。
そうなんです。現代風のセリフって新鮮でした!
by naonao (2009-11-23 14:17) 

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