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シェルブールの雨傘 [フランス映画]

「シェルブールの雨傘」を観ました。

シェルブールの雨傘 [Blu-ray]

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1964年のフランス映画。カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞。セリフすべてに音楽がついているミュージカル仕立てで、主演のカトリーヌ・ドヌーブの美しさが際立ち、また部屋の壁紙や衣装の色彩がポップで明るくまるでおとぎの世界のよう。この映画のタイトルと音楽は知っていましたが、初めて観ました。切なくて胸がいっぱいになる映画でした。

母の経営する傘屋で働くジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)と、自動車修理工場で働くギイ(ニーノ・カステルヌオーボ)は16歳と20歳の恋人同士でした。しかしギイはアルジェリア戦争へ2年間徴兵され、二人は離れ離れになります。2年間待ってというギイに対し、2年間も待てないというジュヌヴィエーヴ。ジュヌヴィエーヴはギイの子供を身ごもったのですが、ギイは戦地に行ったままなので不安になるジュヌヴィエーヴ。その間、家に出入りし、母も気に入っている宝石商の男性からジュヌヴィエーヴは求婚されます。ギイの子供を身ごもっていても求婚しジュヌヴィエーヴを愛するという宝石商と、ついには結婚を決意するジュヌヴィエーヴ。

2年後ギイは戦地から戻ります。恋人が結婚してしまったとは知らされていなかったギイは、恋人の結婚に失望し荒れた生活を始めます。しかし同居していた叔母が亡くなり、その面倒を見てくれていたマドレーヌが家を去ろうとしたとき、ギイはマドレーヌに求婚し、二人は結婚するのです。

何年かして自らガソリンスタンドのオーナーとなったギイ。クリスマスが近い雪の降る日、ギイの奥さんのマドレーヌと子供は買い物に出かけました。その直後、ジュヌヴィエーヴが子供を乗せて運転する車が給油のためにギイのガソリンスタンドに偶然立ち寄ります。お互いがかつての恋人であったとすぐに悟る二人。お互い元気だったか確認し合い、(車の中にいるギイとの間の)子供に話をするか、ジュヌヴィエーヴが尋ねても首を振るギイ。そしてそのまま立ち去るジュヌヴィエーヴ。そのあとギイの奥さんのマドレーヌと子供が戻り、ギイの家族は何事もなかったように3人で楽しげに雪遊びをするのでした。

映画鑑賞後ふと、昔観た映画「草原の輝き」を思い出しました。ナタリー・ウッドとウォーレン・ベィティ主演の「草原の輝き」のほうが有名でスタンダードですが、私はドラマ「大草原の小さな家」でローラ役をやったメリッサ・ギルバート主演での映画「草原の輝き」を観ています。この映画もジーンとくる悲恋物語でした。あまりにも若くして恋人同士であった二人は最終的にはお互い別々の人と結ばれ、二人がある日再会し、言葉を交わすラストが、どちらの映画も同じ気持ちにさせるなあと思いました。どんなに愛し合ってもそのタイミングが合わなければ、結婚にまでは行きつかない。男女のすれ違いは、この2本の映画のテイストやディテールに大きく隔たりがあるにしても、何だか永遠のテーマのように思えました。久々に「草原の輝き」も観てみたくなりました(今度は本家のナタリー・ウッド版で観ようかな)

色彩のことに関して言えば、水色とピンク色などパステルカラーなどふんだんに使っていて、本当にオシャレで楽しかったです。部屋の壁紙と衣装の色がよくコーディネートされていて、芸術面で二重丸。素敵すぎでした。女性ならきっと好きな色使いだと思います。今年アカデミー賞で美術賞など獲った映画「グランド・ブタペスト・ホテル」とか、ジェームズ・マカボイが出てる映画「ペネロピ」、岡田将生くんが出たドラマ「フキデモノと妹」に共通する夢ある色使いで、こういう色に気を使った映画は私自身本当に大好きだと思いました。何だか今でもその色使いのためか、素敵なファンタジーを観た気がします。

この映画がもう50年以上経っているということが、驚きです。全く古さを感じさせません。不朽の名作と言われてますが、本当にその通り。上質でいい映画を観たなあと思いました。私の好きな映画のベストテンに入るくらいの好みの映画でした。


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コメント 3

naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2015-07-02 20:50) 

りゅう

この映画、本当に本当に素晴らしいですよね。
ラストシーンは、ジーンときました。
不朽の名作とはこのことだなぁと思いましたよ♪
ちょっと前に、美しすぎるなんとかかんとかって表現がはやりましたが、
美しすぎるという本物の表現は、まさに、この映画のカトリーヌ・ドヌーブそのものですよね。美しかった~
by りゅう (2015-11-14 02:05) 

naonao

>りゅうさん、ありがとうございます。
この映画、本当に良かったですよね。
カトリーヌ・ドヌーブが美しいことは勿論のこと、衣装とか部屋とか美術的なことや、ストーリーがまた泣かせました。
こんなにいいものが揃った映画はなかなかお目にかかれません。
また観たくなった~!
by naonao (2015-11-28 15:31) 

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