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帰ってきたヒトラー [ドイツ映画]

「帰ってきたヒトラー」をイイノホールで観てきました。

ポスター画像

公式映画サイト:http://gaga.ne.jp/hitlerisback/

外国映画輸入配給協会の主催による「優秀外国映画輸入配給賞」授賞式があり、最優秀賞を獲ったギャガが提供する受賞特別試写会「帰ってきたヒトラー」が上映されました(6月公開映画)

独裁者アドルフ・ヒトラーが現代にタイムスリップ。周りの人たちはまさか本物のヒトラーであるとは夢にも思わず、ヒトラーの物まねがものすごくうまい芸人だと思い込みやがてテレビに引っ張りだこに。今の世の中を真剣に情熱的に憂い正論を展開し、民衆の心を徐々にわしづかみにしていく。でもそれはちょっと狂気的。そしてあっという間に人気者に。そのうち彼の残虐さが明るみに出て人気も下火になるもそれを利用し自伝を執筆し映画化に…。

白黒の記録画像でしか見たことがないヒトラーですが、その顔立ちといい振る舞いといい、何ともよく似ていました。今のドイツを批判し、風刺した映画になっていてちょっと笑えたりもしましたが、ヒトラーが書いた本「我が闘争」がドイツ国内では長い間販売禁止にされ、ヒトラーに関してはタブー視されているドイツにあって、この映画が作られたというのは本当に画期的なことなんだろうなあと思います。娯楽性が高いユーモアある作品とみる人もいれば、ヒトラーを映画化するなんて正気の沙汰でないという批判もあるかもしれませんが、私としては面白かったです。若者と高齢者の貧困、失業者…。今の日本だって同じじゃないか、と思えた映画でした。

また言うことを聞かない子犬を銃で即、射殺してしまうシーンがあるのですが、ヒトラーの性格を良く表しているシーンだと思いました。こんな風にユダヤ人も簡単に殺していったのだろうなと思い怖かったです。ヒトラーに家族を殺されて今は認知症を患っているおばあちゃんがヒトラーをちらりと見たとき、狂ったように「私は忘れていない、出て行ってくれ」と泣き叫ぶシーンも印象的でした。知らないうちに戦争へと進まぬよう私たちは絶えずウォッチしていかないといけない、ヒトラーのような人が今の時代にもてはやされたりすることがないようにしないといけない、そう映画は語っているようでした。

笑いの中にたくさんの問題提議がなされ、色んなことを考えさせられる映画でした。


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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2016-04-28 22:24) 

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