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健さん [ドキュメンタリー]

一ツ橋ホールで「健さん」を観てきました。

ポスター画像

映画公式サイト:http://respect-film.co.jp/kensan/

2014年に亡くなった高倉健のドキュメンタリー映画です。高倉健の人物像に迫るエピソードを披露してくれるのはたくさんの人たち。40年来の付き人、実の妹、「ブラックレイン」で共演したマイケル・ダグラス、「幸せの黄色いハンカチ」で監督した山田洋次、任侠映画で何度も切られた八名信夫、「新・網走番外地」シリーズや「駅/STATION」「鉄道員(ぽっぽや)」の監督の降旗康男、紆余曲折してこの秋やっと公開映画となる「沈黙」(遠藤周作原作)のオファーを高倉健にして丁重に断られたと語る監督のマーティン・スコセッシ。またスコセッシ監督の映画「レイジングブル」を高倉健本人が大好きで何度も観ていたというエピソードもありました。そして結婚式の時のエピソードをそれぞれが語る中野良子、そして梅宮辰夫。他にも、ジョン・ウー監督、ポール・シュレイダー(脚本家)、ヤン・デポン、韓国の俳優ユ・オソン、映画館支配人、カメラマンなどなど。

たくさんの写真やたくさんの証言、大まかな人生を追い、時には軽快な音楽、しんみりとする音楽を使い分け、笑わせてくれるエピソードも添え、テンポもまちまちで飽きさせない工夫をしている映画でした。映画の最後には出演者の人たちから、映画のタイトルになっている「健さん」という呼びかけを集め、ちょっとした感動を呼びます。その証拠に映画を観終わった観客からは拍手が起こっていました。

高倉健の身に離婚、母の死が同時期に重なり、「どうしてこんなにも不幸が襲うのだろう?」と素朴に思ってあるお坊さんに尋ねたときに、「たとえ映画の中であっても人を殺めているのだから、それは現実世界と変わらないことなのです」といったようなことを言われ滝行を自ら課すようになったというエピソードもありました。任侠映画から足を洗い、「八甲田山」や「黄色い幸せのハンカチ」などに出演してたくさんの賞をもらっていきます…。

ある人は、クリントイーストウッドが演じたちょっとアウトローでありながらもしっかり道筋だけは通すといったガンマンと高倉健演じるやくざは共通していたと語り、またあるものは高倉健はフランクシナトラのような生き方だった、またあるものはトムクルーズが高倉健を意識して演じた…など語ります。

「漫然と生きる男ではなく、一生懸命な男を演じたい」といった高倉健自らの言葉も紹介されます。

「八甲田山」「幸せの黄色いハンカチ」「単騎、千里を走る」くらいしか健さんの映画は観たことがありませんが、渋くてものをあまり語らない昔の男の人というイメージはそのまま壊れることなく、世界中の人がリスペクトして止まないその意味がとってもわかる映画になっていました。健さん好きにはたまらない映画だと思います。特に健さん好きというわけではない私でも、観れて良かった映画です。


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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございました。
by naonao (2016-08-13 11:29) 

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