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ぼくがいま、死について思うこと、チベットのラッパ犬、世界の家族 家族の世界など [本]

最近、読んでいた本です。


ぼくがいま、死について思うこと

ぼくがいま、死について思うこと

  • 作者: 椎名 誠
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/04/01
  • メディア: 単行本


「旅先のオバケ」の本を読んで何だか久々に椎名誠もいいなあと思って、今回読んでみたのは死に関しての本。著者自身が経験した友人の死やら、自身の死にそうになった体験、世界での色んな死の弔い方の差など、興味深い死にまつわるいろいろが書かれていました。椎名誠がこんなにも死にそうになっていたなんて知らなかった。まあ確かに世界中を歩き回っていたら、いろいろ危ないことが普通の人よりは多くて当たり前なのかもしれません。また意外と出生が結構複雑なんだなあと思いました。

「旅先のオバケ」にも出てきたロシアの寺がたくさんある街のホテルでのポルターガイスト現象のことがまたこの「ぼくがいま、死について思うこと」にも再登場していました。夜中に隣の部屋が騒がしく困ったもんだと思って翌朝確認すると隣の部屋は全くなかったという怖い体験。こういうホテルは私自身経験ないのですが(大昔に台湾に行ったとき一緒に部屋にいた友人は「変なものを見た。外人のデスマスクが浮かんでた」と旅行から戻ったときに私に言いましたが、私は全然見ませんでした)、旅先でもこの手の話は聞くのできっとあるのでしょう。


「サードマン現象」のことなんかも書かれて、そういえば角幡唯介が読んで本を紹介していたのでその流れでサードマンに関した本を読んだなあと思い出しました。そしてチベットの鳥葬のことでは私もチベットに実際行っているし一番好きで心惹かれる場所なので、チベットを旅行したことなど色々思い出していました。また椎名誠の奥さんがチベットのことを書いた本を読んだことも思い出しました。ガイド役で親しかったチベット人が亡くなり、本当は鳥葬など直に見ることは難しいはずですが、親友ということで奥さんは鳥葬も特別に見てきたらしいのです。また読んでいてインパクトが強かったのはモンゴルの風葬。野晒にしておいて平原にいる獣たちに食べられ、時には飼っている犬が食べてその死骸を引きづって家の玄関先まで持ってくるみたいな感じが、まあ鳥葬もインパクトあるけどこちらの風葬もなかなかだと思いました。親しい人だけでシンプルに弔うイギリス式の弔い方は日本もそうなりつつあるけど、日本もそれだけで十分だなあと思いました。



チベットのラッパ犬

チベットのラッパ犬

  • 作者: 椎名 誠
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/08/30
  • メディア: 単行本

チベットの旅行記のことでも書いているのかと気軽に読み始めたら、違っていました。チベットを舞台にした近未来のSF小説でした。農作物の買い付けに出かけるとはいうのですが、その買い付けとは人工眼球の胚。その取引を行おうとする中、人の言葉を話す犬にその物を奪われ犬を追いかけることに。そして自分もそのままでは追いづらいからと犬に変身してしまうのです。ハイテク化が進み、監視社会の進む中国。そこらへんを飛んでる羽虫はAIですべては監視されてます。そして時には味方で時には敵。それが結構厄介な世界です。この主人公も人間から犬になり、またその犬も巨大化したり、人の言葉を話したり…。最後はどうなっちゃうの?と結構心配でしたが、まだまだ冒険が続くという感じでした。椎名誠のSFは初めて読みましたが(題名がチベットとついてなければ読んでなかったと思う)意外と楽しかったです。




大きな約束

大きな約束

  • 作者: 椎名 誠
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/02/05
  • メディア: 単行本


2007年から2008年「すばる」に書かれた日常のこと。「チベットのラッパ犬」も同時期に書かれているので、このSF小説のこともチラリと出てきたり、また「ぼくがいま、死について思うこと」も同時期だったみたいで、娘さんに電話でアメリカの葬儀や墓など聞いた一件、講演会で世界の葬儀や墓のことなどに話題が逸れてしまった一件、孫の風太くんに「じいじいは死ぬの?」と聞かれて「じいじいは死なない」と会話した一件など、ところどころがリンクして余計に楽しめました。考えてみたら、父が生きていた時「今日、電車に椎名誠が乗っていたよ」と話していたときがあるのですが、一体それがいつだったのかと思い出しもしました。偶然に手に取って立て続けに読んでみた椎名誠の本が、何だかいろいろ繋がってた感じで面白かったです。



世界の家族 家族の世界

世界の家族 家族の世界

  • 作者: 椎名 誠
  • 出版社/メーカー: 新日本出版社
  • 発売日: 2019/01/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


一番最近発売された椎名誠の本ということで、こちらも気軽に読み始めました。写真の本でもありますが読みきりの文章が少しついていてあっという間に読みました。モンゴル、チベット、アルゼンチン、パラグアイ、北極圏(カナダ、アラスカ、ロシア)、アイスランド、パプアニューギニア、八丈島、ラオス、カンボジア、フォークランド諸島、そして自分の家族のこと。世界中の色んな家族のありよう。大家族の国の食卓が今や何だかとっても豊かなものに見えてくる感じでした。そして著者も言ってますが、家族皆で食卓を囲んで食べるときなんてほんのわずかな時間であることがわかるのです。何だかそれがちょっと切なくて、時が経てば仕方なく、それが人生なんだなあと思いました。



閉じる幸せ (岩波新書)

閉じる幸せ (岩波新書)

  • 作者: 残間 里江子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2014/10/22
  • メディア: 新書


残間里江子といえば、一時期テレビもたくさん出ていた敏腕プロデューサーでしたが、偶然目にした本で「閉じる幸せ」というちょっと変わった題なので読んでみました。「閉じる」とはやはり終わるということ。今までやってきたことを終えて違う道へと進むこと。彼女の周りの素敵な生き方をする人たちが一つのことを終えて違う道に進むそのことを書いています。また彼女自身の人生も、同じように閉じてまた違う道へと開いていく。新書なのですぐに読めてしまいますが、色んな生き様があることを見せてくれました。


よれよれ肉体百科 (文春文庫)

よれよれ肉体百科 (文春文庫)

  • 作者: 群 ようこ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/02/09
  • メディア: 文庫


最近体力に自信がなく、「よれよれ」って感じだなあと思っていたのこの本の題名に飛びついてしまいました。読んでて笑えるし、まあ私だけでなく年を取れば皆同じなのだというちょっとした安心感をもらえる本。群よう子のこの手のエッセイはたぶん年を取ってきて困ったと思っている人には絶大な人気があるんじゃないかなあと思います。これからもこの手のエッセイは気晴らしに読んでいきたいです。




読んじゃいなよ!――明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ

読んじゃいなよ!――明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/11/30
  • メディア: 新書

女の一生 (岩波新書)

女の一生 (岩波新書)

  • 作者: 伊藤 比呂美
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2014/09/27
  • メディア: 新書


伊藤比呂美さんはよく東京新聞の人生相談の回答をしているので、一体どんな本を書いているんだろうといつも思っていました。そしてちょうど「読んじゃいなよ」の中に伊藤比呂美さんの本を学生が読み彼女をゲストとして学生たちのゼミに招待し、その授業の一部を載せていると新聞の本の紹介欄に載っていたので初めに「読んじゃいなよ」を読み、そしてその後彼女が書いた「女の一生」を読んだのでした。

新聞の回答同様、ものすごくサバサバしてハキハキした感じの人だということが強烈にわかり、性に関してもオープンで何も怖いものがない感じでした。でも摂食障害があったり、結婚も離婚もし、子供もおろしたことがあり、妊娠、出産の経験があり、女性としてのすべてを経験していると本人が言ってますが、その経験を踏まえて、読者の質問や投げかけに対して答えるという方式が、新聞のまさに人生相談の回答のような本でもありました。





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naonao

>niceをいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2019-03-10 12:26) 

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