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いろいろあった人へ、消されゆくチベット、おなかがすいたハラペコだ ほか [本]

最近読んだ本です。


いろいろあった人へ 大人の流儀 Best Selection

いろいろあった人へ 大人の流儀 Best Selection

  • 作者: 伊集院 静
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/03/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


ベストセラーになったこの本。読みました。女優で奥さんだった夏目雅子さんの死、また17歳で海で亡くなった弟の死、ペットの死のほか、3・11のこと、いろんな死のことそして何かを失くす人生のことを書いています。泣きながらも一気に読みました。生きることに意味を求めるな、生きることの隣に哀切がある、そういう人生だったのだ、無念を握りしめて生きる、忘れることができなくて…いくつかのタイトルをこうして並べてみるだけでも泣けます。たぶん少し前の私だったらこれほど泣いて読むこともなかったこの本。今はまだ父の死から立ち直れていないので、余計にしみるのだと思います。そして共感する箇所を読んでは泣けて泣けて泣けるのです。泣きたいから少しでも泣ける本なら何でもいいのかもしれませんが。


最近、時間が経つというのはこういうこと、年を取るというのはこういうことだとわかるようになり、いろんなものが一つ、二つと欠けていき、世界の見え方が全然違って見えてきている感じがあります。涙もろくもなりました。



消されゆくチベット (集英社新書)

消されゆくチベット (集英社新書)

  • 作者: 渡辺 一枝
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/04/17
  • メディア: 新書

椎名誠の本を読んでいて奥さんの渡辺一技さんがチベット好きなのを思い出し、彼女のチベットに関する本で読んでないものを読もうと思いました。この本は2013年に出版された本なので既に6年の時が経っているので今のチベットとはまた違ったものでしょうが、相変わらずチベットが漢族によって支配され言葉の教育も中国語がメインとなり、チベット語を学ぶ機会が無くなっていることがやはり悲しいなあと思いました。もう20年以上前にも既にラサのバルコルには漢族たちが店を並べて、ラサの観光にお金を落としてもすべて漢族たちがその利益をかっさらっていくと言われていましたが、それが更に進んでいるようでした。何でも中国語で事を進めないといけないのはチベットの人には本当に不利だし、賃金格差もあり、焼身自殺も相変わらずあり、きっと今でもパーミットを取らないといけないでしょうし、私がチベットに行った1991年頃と今も何も変わっていないのかもしれません。しかしラサの子供たちが勉強に忙しくて昔のように遊んでる子供たちはいないことは驚きでした。そういう時代に既に入っているのだなあと思いました。また友人の鳥葬の立ち合いのことも書かれていて、前回読んでいた椎名誠の本に書かれたこととリンクしました。カイラスに行きたいなあと私自身当時思っていましたが、車の手配とかが面倒で行かず、でも今でも車手配せずには奥まで行くことができないのは全く変わらず、チベット旅行は未だに簡単にはいかないのだなあと思いました。そういう意味では、何度も通って車をチャーターし食料や水を詰め込み案内人のチベット人を雇い、チベットの奥の奥まで旅して、一般家庭にも泊まらせてもらって友人が亡くなりその子供の学費まで工面している著者は、本当にチベット好きなのだと思います。私もチベットが好きだけれど、そこまでの熱意が今も昔もないなあと思いました。




おなかがすいたハラペコだ。

おなかがすいたハラペコだ。

  • 作者: 椎名 誠
  • 出版社/メーカー: 新日本出版社
  • 発売日: 2015/12/05
  • メディア: 単行本


気軽に読める椎名誠。世界中のおいしい食べ物について。でも最後行き着くところは家のごはん。やっぱりそうだよね、って感じです。


活字たんけん隊――めざせ、面白本の大海 (岩波新書)

活字たんけん隊――めざせ、面白本の大海 (岩波新書)

  • 作者: 椎名 誠
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2010/01/21
  • メディア: 新書


面白い本を紹介しながらいろんな世界へと誘います。この本は面白本シリーズの第4部完結編らしい。博物館誌のこと、スリッパのこと、地方の面白本のこと、風力発電のこと、動物の腸(うんこ)のこと、カレーのこと、小屋のこと、墓のこと…。紹介された本の中で読んでみたいなあと思ったのは「ネパール・チベット珍紀行」。探してみます。



お金がない! (暮らしの文藝)

お金がない! (暮らしの文藝)

  • 作者: 赤塚不二夫
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/12/11
  • メディア: 単行本


編集者がテーマを決めて、たくさんの作家の作品からこれぞというものに絞ってひとつの本にまとめるこのタイプの本を読むのが結構好きです。今回はお金について。群よう子、蛭子能収、中島らも、高野秀行、坂口安吾、水木しげる、寺島修司、瀬戸内寂聴、赤瀬川源平、赤塚不二夫、三谷幸喜、太宰治、酒井順子、杉浦日向子、伊丹十三、新美南吉、星新一など。和田誠のイラストも入ったり、天才バカボンの漫画が入ってたり、時には2段に、そして3段に書かれていたり、ワクが書いてある中に書かれたり、すごろくやら、世界のお金に関する言葉などなど結構自由で楽しかったです。そしてもいろんな作家の読み物がやはり面白かった。高校生の時星新一を良く読んでいましたが、また読みたくなりました。




あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと ひとり暮らしの智恵と技術

あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと ひとり暮らしの智恵と技術

  • 作者: 辰巳 渚
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: 単行本


帯がない本だったので大人向けての本かと思ったら、10代位で親元を離れて一人暮らしする人向けの本でした。奇しくも著者は事故で亡くなりこの本が最後の本となり、あとがきには一人暮らしを始めた著者の息子さんがその思いを述べています。大人で普通に暮らす私には特に得るところのない本でしたが、その中でも「辛い時、悲しい時こそ、家事に向き合ってください」という言葉は胸を打ちました。それを実感しているからです。丁寧に家事をすることで辛いことも悲しいことも乗り越えていける気がします。




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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2019-03-23 20:58) 

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