ラブレターズ、アメリカ居すわり一人旅など [本]
最近、読んでいた本です。
テーマが決められ、たくさんの人によって書かれたものを集めた本。普通この類のものは作家が書いたものを集めているのに、この本は作家のみならず執筆者は、俳優(二階堂ふみ・長塚京三・松尾スズキ)、映画監督(西川美和・砂田麻美)銅版画家(山本容子)、タレント(壇蜜・小島慶子)、ジャズピアニスト(山中千尋)、歌人(俵万智)などちょっと変わった面々。吉本ばななや横尾忠則、川上未映子、村田紗耶香、島田雅彦、岩下尚史なども書いていてますが、やはり基本的には作家が書いたもののほうが文章としても読みごたえがあるなあと思いました。まあ好みでもありますが。
この2月に出たばかりの本なので、つい最近著者がアメリカに行った話なのかと思ったら、内容は著者が20歳の1974年ごろの話で、しかも1987年に書かれているものを題名を変えて1991年に刊行、そしてまたこの2019年に再刊行したものでありました。でも面白かったです。おばを頼ってアメリカに飛ぶのですが、結局おばのところに泊まることができずモーテル暮らし。でもひょんなことから下着メーカーの仕事をすることになり、そこで出会ったアメリカ人から養子の話まで飛び出すということに…。1974年ごろなんて為替レートどれくらいだったんだろうとちょっと調べたら1971年に固定相場制の360円が終わっても、1974年は300円くらいだったみたいなので、やはり大変な時代だったんだなあと思いました。今の海外旅行とはやはり価値が違うんだろうなあと率直に思いました。
アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。
- 作者: 稲垣えみ子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2016/06/20
- メディア: 単行本
ネットニュースでこの著者のことは知っていました。元朝日新聞記者で、冷蔵庫のない生活を送り、家電で家にあるものと言えば、電灯、ラジオ、パソコンと携帯電話だけ。奇抜なアフロヘアにした理由や、新聞社を辞めた経緯、電気を使わない生活、お金のない生活を通して見えてくるものなどなど色々書いてありました。シンプルライフとかミニマニズムとか断捨離とかいろいろありますが、確かにものがなくても本当はやっていけるんだよなあと、思いました。私もバックパック一つで旅から戻ったとき、旅をしていた時はそのバックパックに収まる荷物だけで十二分だったのに、生活を始めるとあれもこれもと荷物が増え始めてしまうのだなあと思いました。著者くらいまでそぎ落とさなくても、ちょっとそぎ落としてもいいかもなあと思えました。
いつか行ってみたいブータン。その参考に読みました。あくせくしなくてもいいよなあ、のんびりいこうぜ、と思ってしまう本でした。チベット文化圏はやはり心惹かれます。
>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2019-04-07 22:11)