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つれづれノート36、品川猿の告白、大地 [本]

最近読んでいた本です。


内側に耳を澄ます つれづれノート36 (角川文庫)

内側に耳を澄ます つれづれノート36 (角川文庫)

  • 作者: 銀色 夏生
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/10/24
  • メディア: 文庫

つれづれノートのシリーズ。いつものようにあっという間に読んでしまいました。もう他へはいろいろ体験しにいかない、気になることを求めて出かけない、何故なら切りがないから。自分の考えでやっていくしかないと悟る著者。東京にいるときにはジムのプールで泳ぎ、実家があり自分で建てた家がある宮崎に頻繁に戻っては庭作りに精を出す著者。「力をぬいて」をちょうど執筆中だったため、その執筆のことなんかも書かれていて、一人暮らしをしていてそのまま亡くなってしまうっていうのも幸せなことだ・・・みたいなことをジムの人と交わし合って、確かにそう言う一面はあるなあと思ったり、また先日メキシコの死者の日を扱った「リメンバー・ミー」を見たので、そのタイトル名をこの本の中で再び見つけて嬉しくなったり(マリーゴールドの花がメキシコのお墓に飾られていて、タイでもマリーゴールドだったなあと思い出したり、メキシコのオアハカあたりにまた行ってみたいなあと思い出していました)、インドカシミール、ラダックのニュースの事など自分の興味あることが出てくると楽しくなってしまう私が相変わらずいました。

20年前2000万円で買った金の延べ棒が、売っしまったけれど今も持っていれば6500万もしたはずと書いてあったのにはびっくりしたけれど、もうそれがないから(本も売れなくなったから)東京もひき払って宮崎に戻る決心をした著者。それはそれとしていいと自然に受け入れている姿も好感持てました。

つれづれノートだけは今後も続けて書いてほしいです。



文學界 (2020年2月号)

文學界 (2020年2月号)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/01/07
  • メディア: 雑誌

村上春樹の「品川猿の告白」読みたさに手に取った文学界。羊男みたいな、品川猿。この際、羊でも猿でもどちらでもいい。品川猿は女性の名前を盗んでいると告白した。不思議な世界がこの短編にも広がっていました。彼の短編、もっと読みたいなあと思いました。


大地(一) (新潮文庫)

大地(一) (新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/03/06
  • メディア: 文庫
大地(二) (新潮文庫)

大地(二) (新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/03/06
  • メディア: 文庫
大地(三) (新潮文庫)

大地(三) (新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/03/06
  • メディア: 文庫
大地(四) (新潮文庫)

大地(四) (新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/03/06
  • メディア: 文庫


パール・バックの遺作の新訳が出て先日読んだばかりですが、結構いいなあと思えたので彼女の代表作「大地」を読みました。今まで著者の名前と本の題名だけは知っていたけど読んだことがなかったので。初めて読むと面白い、面白い。ピューリッツァー賞、ノーベル賞を獲るだけの大作でした。筆の確かさ、描き方、ストーリー展開に長編もあっという間に読んでしまいました。とにかく面白いのでどんどんページが進むのです。

「大地」「息子たち」「分裂せる家」の3部作からなり「土の家」3部作とも呼ばれるこの全4巻。19世紀から20世紀にかけて中国を舞台に王龍一家、その息子3人、そしてまたその孫たちへと連なる大河物語です。親がどんな犠牲を払って蓄財し財産を残しても結局子供たちはその苦労を知らず簡単に消費してしまうし、人があっという間に年を取り、若者の時代となり、物事はどんどん進化して止まない。当たり前ですがそうなのだなあと思いました。昔の人たちの苦労に頭が下がるし、今に生きている人たちはご先祖たちに感謝しなければいけないなあと思いました。一代にして巨万の富を築いた苦労多い王龍の世代の第一巻は特に圧巻です。またその子三男の王虎はその地域で将軍のような地位に昇りつめますが、戦争に次ぐ戦争が描かれているので、ちょっと辟易でしたが、この著者の特徴であるスピード感があるので個人的にあまり好きでない戦争に次ぐ戦争の時代の描写でさえあっという間に読めてしまいます。そして第3巻、4巻の王淵(王虎の息)へとバトンタッチされ、彼はアメリカ留学、そして帰国し新しい中国を担う若者へと育ちます。

中国を舞台にした本はほとんど読んだことがないのですが、それでも昔ベストセラーとなった文化大革命の時代を描いた「ワイルドスワン」を読んだことを思い出し(この作品も面白くて夢中になって読みました)、両作品にも出てくる纏足の風習などもまた思い出したのでした。

時代がどんどん変わっていく。このことが強く認識させられる作品でした。また色んな人物の生き様が様々で、その境遇に思いを馳せました。

この時代にあってのこの今の生き方ができることを感謝したいなあと思うのでした。

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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2020-03-29 20:48) 

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