SSブログ

長月烬明② [中国ドラマ]

仙魔虐恋—— 《长月烬明》光华日报| 1910年创刊创新每一天生活 


(Record in China,Kwongwah.comより拝借)

長月烬明①(→https://naoazucar.blog.ss-blog.jp/2023-05-21)の続きです。

夕霧が亡くなり夕霧を諦めきれない澹台烬。夕霧の魂を求めて冥界へと向かう。一度入ったら二度と戻れないと言われながらもどんどん進んでいく澹台烬。500年もの間彷徨い続ける。体中傷つきながら。倒れているところを仙門の逍遥宗派の師匠に救ってもらう。そして澹台烬は九旻(ジウミン)(レオ・ロー)という名前を授かり弟子となる。その頃既に夕霧は戻り蘇蘇(ソソ)(バイ・ルー)として生きていた。直前まで10年間の瞑想をしていた。彼女もまた衡陽宗という別の宗派の娘で自らも修練し不老不死の身であった。何度かすれ違いながらも二人は出会う。関わりを避けようとする蘇蘇は「澹台烬でなく九旻として生きるように」諭すが夕霧が忘れられず蘇蘇を諦めきれない九旻=澹台烬。そのうち魔神を求める元家来二人が執拗に追ってきて、その元家来の一人シイン(ワン・イーフェイ)が一般人を巻き込み他の宗派の若者を殺してしまう。しかし九旻が殺したと勘違いし九旻を責める門派の人たちは九旻を公開裁判にかける。九旻はかつての自分、澹台烬の中にあった悪の胚、胎児のようなものを蘇蘇が取り除き、今は蘇蘇の中に封じ込められていることを知る。蘇蘇は修練で取り除こうとしていたが取り切れずにいた。蘇蘇が「澹台烬は決して魔神にはならない」と皆の前で明らかにし、澹台烬=九旻はすべてを悟る。彼女こそがいつも自分を守り信じてくれたことを。自分を殺したい気持ちと生きながらえさせたい気持ちの両方を持っていたことを。そして悪の胚、胎児のようなものを引き受けてくれたのが紛れもない彼女であったことを。そしてその後二人が和解し婚約の話が出る。

しかし、蘇蘇の悪いものを出すために育ての父親と、生涯のほとんどを魔神によって荒淵(奈落の底)に封じ込められた遺伝子上の父親によって治療してもらっていると、いきなり遺伝子上の父親が本性を現し蘇蘇の育ての親を殺し、自分が魔神になるために暴走を始める。それと時を同じくして九旻は悪者にさらわれ荒淵に連れていかれる。その時各門派の人たちは蘇蘇の育ての親を殺したのは九旻であるとまた勘違いをする。澹台烬は暴走してしまっている魔神になりたい蘇蘇の遺伝子上の父親と戦い、彼を殺す。その後、天が開きこの世界にあるあらゆる災難、苦悩、苦痛などが出てしまうと心配する事態となる。魔神の絶対的力がないとこの天窓が閉まらず、あらゆる災難、苦悩をこの世界に送り込むことになると心配した九旻=澹台烬は自ら魔神に返り咲くことを決心。破滅を止めるのは自分にしかできないと考える。3種の神器ならぬ3種の魔神器も登場。良心と邪心が澹台烬の中で戦う。魔神になる澹台烬に納得のいかない蘇蘇が彼の元にやってきて問い詰めるうち、魔神になった澹台烬と蘇蘇は蘇蘇のはっきりとした承諾を得ぬまま結婚してしまう。一瞬澹台烬と夕霧は昔過ごした幸せなひと時を思い出していた。魔神は続々とやってくる仙門の門徒たちと戦い、禁忌の術を使い悪へと傾いていく寂无(ジウ)=簫凛とも戦う。場面が変わり、美しくて静かな特別な場所に移った澹台烬と蘇蘇。蘇蘇は天女のような姿となっていた。澹台烬は自分を殺してほしいと蘇蘇に頼むと蘇蘇は澹台烬にキスをする。蘇蘇は澹台烬の総てをわかっていると言う。もう魔神でないのだからと澹台烬の黒い衣装を白い衣装に変える。ぱっかりと開いた空がもとに戻りつつある中、澹台烬は貝殻型の聖なる魂のエッセンスを蘇蘇の背中から入れ「嘘をついてごめん」とささやく。そして自ら心臓を取り出して魔神の自分を終わらせようとする…。

そこから景国での夕霧の墓の前で、夕霧が「早く戻ってきて。ここで待ってるから」「もう魔神はいない。あなたは澹台烬で一番好きな人だから」と澹台烬に言い澹台烬はそれを思い出し涙してる。夕霧は墓の前で「また嘘をついたのね」と澹台烬を思い出し涙する。

それから500年後、澹台烬の言葉を思い出している夕霧。「愛も憎しみも体も消えた時、僕たちの物語は後世に伝わるのだろうか?」という言葉。景国で夕霧が自分の娘に蛤の御姫様と無敵でハンサムな戦神の話をしている。「お父さんも戦神と同じくらい格好いい?」と娘が聞いているがそこに父の姿はない。天に澹台烬が戦神となって立っている姿があるだけだった…。

 

(Up Mediaより拝借)

最後はよくわからなかった。澹台烬が父ではないのか。父は一体誰?と思った。ハッピーエンドとはいかなかった。二人が最後一緒になれてたら良かったのだけれど…。熱烈なファンは澹台烬と夕霧が子供のすぐそばでキスしてる写真を作って載せてました。そうあって欲しかったなあと思うのは皆同じだと思いました。感情がかなり揺さぶられたドラマで、特に澹台烬が苦しかった。長い間虐げられ信頼できる人がいない中、唯一いつも信頼してくれたのが夕霧。でも時々彼女が信じられなくなる時があり、裏切られたと何度も思う事件が起きて愛と憎しみがこれでもかこれでもかと繰り返されて観ていて辛かった。でも夕霧と出会うことで澹台烬は間違いなく愛を知り、自分を犠牲にして天地を救う役目まで負い、魔神でありながら正神の行いをする最後が立派だった。しかも1万年という気の遠くなるようなスパンで。一方夕霧もまた苦しかった。自分が魔神を殺す役目を負い、時に好きになりつつも彼を魔神にさせないように色々やっていかねばならないその立場。更生させたと思った矢先にまた魔神化する澹台烬を必死で止めるその繰り返しでもあって。とにかく胸が苦しかったこのドラマ。

間違いなくこのドラマはレオ・ローの代表作になるだろうと思いました。中国で放送が始まった4月初めから5月初めの放送終了にかけてたくさんのニュースも流れてました。10キロの甲冑に15キロの矛を持っての撮影に挑んでいたレオ・ローが撮影時間も押し迫っていたため食事中も装備とワイヤーもそのままで食事していたとか、ウィボーでレオ・ローのフォロワー数が爆発的に増え今は2800万人超えで「霜花の姫」以来2度目のブレイク、時の人となったとか、最終回が終わった時には直筆のメッセージを載せてもいて(字がうまい、達筆)これらニュースを見るにつけとても楽しかったです。このドラマが人気すぎて様々な新しい記録も打ち立ててもいたみたいでした。また「月に咲く花の如く」に出てたチェン・シャオとお互いのドラマ応援のメッセージを書き込んでいたことや「家族の名において」のタン・ユンソンが「誕生日にはおこずかいをもらう」と発言していて仲のいい役者さんたちも判明。自宅で自分のドラマを観るレオ・ローの後ろ姿の写真がアップされ、「大スターなのに意外に質素な部屋」とファンに騒がれ(確かに普通の部屋だった)、ご馳走を並べた写真に対し「香菜(=コリアンダー、パクチー)の可愛いアイコンも一緒に載せたらいい」とファンに言われたレオ・ローが「香菜は食べないんだ」と返事してたり、レオ・ローのあれこれのゴシップ記事が微笑ましかったです。今は新作ドラマ「顔心記(Follow Your Heart)」の撮影に入ってるようですが、その衣装と髪型がゴン・ジュンの「安楽伝(The Legend of AnLe9」にとても似てるとニュースになり(確かに似てる)ゴン・ジュンも好きなので2つとも観たいなとまた楽しみが増えました。

 

(Up Mediaより拝借)

「飛ぶ様子はまるで大白鳥、美しさはまさに遊ぶ龍」と評されたこのドラマでのレオ・ローの姿ですが実に美しかったです。「美しいのは(バレエなどで鍛えた)彼の体幹がしっかりしているから」と言われてます。また現代のラブコメもうまいけど、やっぱりレオ・ローは中国時代劇の古装姿が良く似合い「霜花の姫」の時に「最も白の古装姿がよく似合う俳優」として彼の名が挙がっていたけど、白でなくても赤でも黒でもとにかく古装姿はピカイチだと今回再確認しました。このドラマではかなり化粧濃いめで時に怖かったけれど、一人三役、表情も目つきも性格も衣装もすべて違ってとても凄かった。そしてその佇まいに惚れ惚れしていたのは相も変わらず。あとはますます体重が減っている気がする。「177㎝で57㎏というけれど50㎏ぐらいじゃないの?」「原作通りに痩せてる澹台烬がピッタリだけど痩せすぎ」とたくさんのファンが心配してる。私も何度も書いてるけれどもっとたくさん食べて太ってほしいなと思っている。

シルクロードの敦煌の莫高窟の仏様や壁画にあるような素敵な衣装も見ものでした。色合いも良くて衣装は本当に素敵でした。それと手抜きのないCG。3つもの世界に渡る二人の縁でつなぐストーリー展開や登場人物たちのキャラも良かった。この小説が日本語訳で出てたら小説も読んでみたいくらい。「オオカミ君主とひつじ女王」で組んだバイ・ルーとのケミもとっても良くて(バイ・ルーもチャーミングなので好き)、二人とも演技もうまいので安心して観ていられました。絶えず8・6以上のIMDb評価を受け、時に9・1をマークしていました。今は観終わってしまいかなりのロス。澹台烬(タンタイジン)と呼ぶバイ・ルーの声と葉夕霧(イシウ)と呼ぶレオ・ローの声が耳から離れません。今はOSTを聴いて余韻に浸っている日々。

元々が九尾の狐で七尾の狐の翩然(ピンビン)役のサン・ゼンニが今田美桜にとっても似ていた。彼女が亡くした夫似の別の男性、清宇が好きになり最後は彼の命を救うため自分の命をさりげなく捧げて亡くなってしまう役。生前二人が屋根に登って酒を飲みながら月を眺めたり花火や灯火を眺めてるのが、「山河令」「陳情令」のゴン・ジュンたちやシャオ・ジャンたちを思い出させ風流でした。また簫凛役のダン・ウェイが韓国俳優で歌手のSF9のロウンに時々見えました。鼻と口が似てる。顔の配置とかも。悪女の冰裳との恋愛模様も興味深かった。生まれ変わった時にちゃんと行いによって(裏切られても彼女を愛していると置手紙を残してた)簫凛は不老不死の仙人のような存在になっていたけど、冰裳は(散々裏切ってるので)死がある人間になっていたのも面白かった。また魔神に仕えていた元家来のシイン役のワン・イーフェイが「霜花の姫」「夢幻の桃花」でもあまりいい役でなかったのですが、ここでも悪役。そういう役回りが多い役者さんなのだなあと思いました。

naonaoお勧め度★★★★★[王冠] 壮大な絵巻物のような美しいめくるめく世界。素晴らしいのでたくさんの人に観てもらいたいです。日本でも放映権(配信権)を獲ったらしいので、日本語でちゃんと観れる日が来たら(英語字幕で観たので)もう一度観直したいです。

おまけ:黄霄雲(ファン・シャオユン)さんの歌うLet's Be Like This For Ten Thousand Years。この曲が一番このドラマの世界を表すに相応しい歌でした。ちょっと苦しい感じの曲がこのドラマにピッタリ。


nice!(17)  コメント(1) 
共通テーマ:映画

nice! 17

コメント 1

naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2023-05-27 11:26) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。