ラブレターズ、アメリカ居すわり一人旅など [本]
最近、読んでいた本です。
テーマが決められ、たくさんの人によって書かれたものを集めた本。普通この類のものは作家が書いたものを集めているのに、この本は作家のみならず執筆者は、俳優(二階堂ふみ・長塚京三・松尾スズキ)、映画監督(西川美和・砂田麻美)銅版画家(山本容子)、タレント(壇蜜・小島慶子)、ジャズピアニスト(山中千尋)、歌人(俵万智)などちょっと変わった面々。吉本ばななや横尾忠則、川上未映子、村田紗耶香、島田雅彦、岩下尚史なども書いていてますが、やはり基本的には作家が書いたもののほうが文章としても読みごたえがあるなあと思いました。まあ好みでもありますが。
この2月に出たばかりの本なので、つい最近著者がアメリカに行った話なのかと思ったら、内容は著者が20歳の1974年ごろの話で、しかも1987年に書かれているものを題名を変えて1991年に刊行、そしてまたこの2019年に再刊行したものでありました。でも面白かったです。おばを頼ってアメリカに飛ぶのですが、結局おばのところに泊まることができずモーテル暮らし。でもひょんなことから下着メーカーの仕事をすることになり、そこで出会ったアメリカ人から養子の話まで飛び出すということに…。1974年ごろなんて為替レートどれくらいだったんだろうとちょっと調べたら1971年に固定相場制の360円が終わっても、1974年は300円くらいだったみたいなので、やはり大変な時代だったんだなあと思いました。今の海外旅行とはやはり価値が違うんだろうなあと率直に思いました。
アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。
- 作者: 稲垣えみ子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2016/06/20
- メディア: 単行本
ネットニュースでこの著者のことは知っていました。元朝日新聞記者で、冷蔵庫のない生活を送り、家電で家にあるものと言えば、電灯、ラジオ、パソコンと携帯電話だけ。奇抜なアフロヘアにした理由や、新聞社を辞めた経緯、電気を使わない生活、お金のない生活を通して見えてくるものなどなど色々書いてありました。シンプルライフとかミニマニズムとか断捨離とかいろいろありますが、確かにものがなくても本当はやっていけるんだよなあと、思いました。私もバックパック一つで旅から戻ったとき、旅をしていた時はそのバックパックに収まる荷物だけで十二分だったのに、生活を始めるとあれもこれもと荷物が増え始めてしまうのだなあと思いました。著者くらいまでそぎ落とさなくても、ちょっとそぎ落としてもいいかもなあと思えました。
いつか行ってみたいブータン。その参考に読みました。あくせくしなくてもいいよなあ、のんびりいこうぜ、と思ってしまう本でした。チベット文化圏はやはり心惹かれます。
ネパール・チベット珍紀行・叶うことならお百度参りなど [本]
最近、読んでいた本です。
超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト
- 作者: 落合 陽一
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2017/03/18
- メディア: 単行本
未来への漠然とした不安「何をしたらわからない」という人間たちへ、との文言があります。
この本を読んだからと言ってすることがわかった訳でもなく、まあ良く言われていることが書かれていたなあという感じでした。もちろん、良く言われていることであってもこうやってまとめることはそれなりに大変だとも思いますが。
1・ニッチな世界でトップ・オヴ・トップを目指す。遊びか仕事かわからないほど楽しい仕事をすること。その境目がわからない仕事を。
2・スペシャリストであれ、そして少しだけジェネラリストであれ。知識にフックを少しだけかけておき、少しだけとっかかりがあれば何でも調べればわかる世の中なので、その程度の知識だけで大丈夫。
3・ストレスフリーであること。自分が決めたルールや仕組みにイライラしない。貯金は働かない前提の老後の心配からなるものなので、生涯現役だったら貯金もいらない。自動運転も始まり移動コストも安くなれば都心に住む必要もなくなる。
有能であり、人より抜きんでて仕事が楽しくて仕方がないことが一生涯続き、現役を貫くことができればいいのですが、人生そう簡単でもないところにやはり苦悩があるんだよなあと思いました。また若い時には思いもしなかったことが年を取ってからいろいろ出てきたり、考え方もすっかり変わったりもするわけなので、なかなか大変なんだよ、実際、と冷めて読んでいる自分がいました。
最近、群よう子さんの本を立て続けに読んでます。読みやすくてあっという間に読めて楽しい。このれんげ荘物語のシリーズに結構はまってしまいました。45歳までOLでバリバリ働いてきたキョウコは仕事を辞め家を出て、アパートれんげ荘で生活を始めます。そして貯金を切り崩し、月に3万円の家賃、7万円の生活費でなんとかやり繰りし生活を送ることにするのです。昔と比べたら生活を切り詰めないといけないけれど意外とのんびりと楽しく生活できていくキョウコ。こういう生き方もひとつの選択です。現に友達が公務員を辞めて、(家は既に買っていますが)この話に近い貯金の切り崩し生活に入っています。れんげ荘に住む他の住民との交流や、友人、そのまた友人、兄の家族との交流、そして実家の母親との確執などが書かれています。群さんご本人が実際に母親との確執があるようなのでそれがこの物語にも反映されています。私は学生の時に母を亡くしてしまい母のことは好きだったので、母親が生きているだけでも羨ましいなあと思ってしまいます。仲がいい親子は早くに親が亡くなり、そうでない親子はいつまでも親が生きているなんて人生皮肉なものだといつも思ってしまいます。
渡辺一技さんの本で「チベットを馬で行く」は昔読んだ記憶があるのですが、こちらの本はまだ読んでないと思い読みました。2006年発行ですが、メインは2002年~2003年ごろにチベットカイラスに旅行したことが書かれています。この時既にトータル9回カイラスに行っており、色んなルートでカイラスに入っていて、チベタンのドライバーガイドやコックさんが既に親友になっていて、毎回彼らと3人で何度も出かけ、そして時には旦那さんの椎名誠氏やサックス奏者の渡辺貞夫氏、モンベル社長の辰野勇氏、内科で漢方医の柳澤紘氏と共にでかけてる旅もあります。旅行中具合が悪くなったり、犬にかまれたり、火事を起こしそうになったりと立て続けにアクシデントがあったり、聞く人がいないので道に迷ってしまったり、各地に親しくなったチベタンがいて色んなものを頂いたり、旅行中知り合ったみなしごのチベタンを一時引き受けようかということになったが結局西洋人がやっている孤児院で育てることが決まり、それでも気にかけて毎回そのみなしごの女の子に会いに寄ったり。また旅の最後はラサのジョカンでご本尊の釈迦牟尼物の金泥の塗り直しの寄進をしたりと、いろんな経験が書かれていました。その間、娘さんがニューヨークで結婚、息子さんがサンフランシスコで結婚、孫が生まれ、また夫の椎名誠のことなどが書かれてる部分もあって、椎名誠が奥さんのことを書き、子供のことを書いていた「大きな約束」をちょっと前に読んでたのでまたもリンクして面白かったです。
カイラスには一度は行ってみたいけれど、途中で高山病になって命を落とす人もいるし、後は運と巡り合わせかもな、と思いました。
椎名誠が本の中で書いていた「ネパール・チベット珍紀行」を読みました。1985年ごろアイルランド人が2カ月ほどかけて廻ったネパールとチベットの旅。ネパールではヤクの背に乗って、またチベットではヤクはみつからないため馬を借りたりもしますがあまりにも乗り心地が悪いためそうそううまくいきません。
いろんな国の旅行者に会いますが、日本人旅行者も結構出てきます。大人数で山を廻っている日本人、アメリカ人とカップルで廻っている日本人、日本人がエベレストホテルの建設に関わっていたり、カイラスにある宿で同志社大の旅行学の先生(タマムラ・カズヒコとはっきりと名前を明記)がカイラス巡礼に来ている人のポラロイド写真を撮ってそれをあげる代わりにどんな目的で来ているかなど聞き取り調査を行っている様子など描かれていました。当時、香港でビザを取り、でもネパール側からの入国は全員拒否されていて、それでもチベットに行きたい著者たちは中国語のできるひとにビザの脇に加筆してもらい、何とかチベットに入るのです。バスでもトラックでも何でもかんでも通る車と交渉して荷台でも何でも乗せてもらい、埃まみれになりながらラサ、シガツェ、サキャ、ギャンツェ、カイラス、マナサロワールなどに行きます。パスポートの加筆した部分が不正であることがばれたら怖いため、結構公安関係やチェックポイントにビクビクしながらの旅。宿という宿がなかなか汚いのでテントを張り、寒さをしのぎ、食料も手に入れられない場所を行くのでろくなものをお腹に入れることができない旅…。
私も1991年の夏に中国旅行中そのままチベットに入り、ラサとシガツェで過ごしたので、この本はその6年前の話ですが、何となく当時の様子がわかる気がしました。チベットに1か月半くらいいてラサやシガツェのほかあまり他の都市に行かなかったのは、ショトン祭(ヨーグルト祭り)やタンカ(仏教絵画)のご開帳など色んなイベントが目白押しということもありましたが、個人旅行が禁止されているときに何となくスルスルと入ったけれど、パーミットらしいパーミットも取らずに入っていたので(個人旅行者にパーミットは出なかった)あまり動くと厄介なことになるかなあという不安もあったことを私は思い出していました。当時個人でチベット入りしていた旅行者はみんな潜りの旅行者でしたが、帰りの飛行機などは公にちゃんと買えるし(実際私もラサからカトマンドゥに飛んでいます)、一緒にラサ入りした日本人の男の子はがけ崩れの中歩いてネパールに戻ってきていて再会したりもしたし、ラサで会った旅行者の何人かはカイラス行きを狙っていてトラックをチャーターするためにカイラスに行く旅行者を募っていたり、また個人でトラックでもバスでもそちら方向に行くなら何でもこの本の著者たちのように交渉してカイラスを目指している人たちがたくさんいました。そういう様子があっという間に蘇って来ました。簡単に想像がつくけれど(私も短い時間ならペルーや中国、インド、ネパールなどで経験してます)、トラックの荷台ともなると寒いわ、埃はあるわ、痛いわ(道が悪いからあちこち体をぶつける)、そして窮屈だわ(人がわんさと乗っている)で本当に大変だろうなあと思います。そして頭も鼻の穴の中まで、そして体じゅう埃にまみれてもお風呂がないし、あってももらってお湯で体をふく程度だろうし、宿の部屋も決して快適とは言えないだろうし、あとは食事も、ツァンパ(麦こがし、まあおいしいけれど飽きるかも)やバターティ(塩分があるので初めは結構おいしいと思えないがだんだん慣れるとまあおいしくなってくる)、じゃがいも、硬いカビの生えかかったようなパンばかりの食事では、本当に精神力が試されます。
まあそれでも楽しくこの本を読みました。ラサのスノーランドホテル、私も泊まったなあとこれまた懐かしかったです。
いろいろあった人へ、消されゆくチベット、おなかがすいたハラペコだ ほか [本]
最近読んだ本です。
いろいろあった人へ 大人の流儀 Best Selection
- 作者: 伊集院 静
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/03/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ベストセラーになったこの本。読みました。女優で奥さんだった夏目雅子さんの死、また17歳で海で亡くなった弟の死、ペットの死のほか、3・11のこと、いろんな死のことそして何かを失くす人生のことを書いています。泣きながらも一気に読みました。生きることに意味を求めるな、生きることの隣に哀切がある、そういう人生だったのだ、無念を握りしめて生きる、忘れることができなくて…いくつかのタイトルをこうして並べてみるだけでも泣けます。たぶん少し前の私だったらこれほど泣いて読むこともなかったこの本。今はまだ父の死から立ち直れていないので、余計にしみるのだと思います。そして共感する箇所を読んでは泣けて泣けて泣けるのです。泣きたいから少しでも泣ける本なら何でもいいのかもしれませんが。
最近、時間が経つというのはこういうこと、年を取るというのはこういうことだとわかるようになり、いろんなものが一つ、二つと欠けていき、世界の見え方が全然違って見えてきている感じがあります。涙もろくもなりました。
椎名誠の本を読んでいて奥さんの渡辺一技さんがチベット好きなのを思い出し、彼女のチベットに関する本で読んでないものを読もうと思いました。この本は2013年に出版された本なので既に6年の時が経っているので今のチベットとはまた違ったものでしょうが、相変わらずチベットが漢族によって支配され言葉の教育も中国語がメインとなり、チベット語を学ぶ機会が無くなっていることがやはり悲しいなあと思いました。もう20年以上前にも既にラサのバルコルには漢族たちが店を並べて、ラサの観光にお金を落としてもすべて漢族たちがその利益をかっさらっていくと言われていましたが、それが更に進んでいるようでした。何でも中国語で事を進めないといけないのはチベットの人には本当に不利だし、賃金格差もあり、焼身自殺も相変わらずあり、きっと今でもパーミットを取らないといけないでしょうし、私がチベットに行った1991年頃と今も何も変わっていないのかもしれません。しかしラサの子供たちが勉強に忙しくて昔のように遊んでる子供たちはいないことは驚きでした。そういう時代に既に入っているのだなあと思いました。また友人の鳥葬の立ち合いのことも書かれていて、前回読んでいた椎名誠の本に書かれたこととリンクしました。カイラスに行きたいなあと私自身当時思っていましたが、車の手配とかが面倒で行かず、でも今でも車手配せずには奥まで行くことができないのは全く変わらず、チベット旅行は未だに簡単にはいかないのだなあと思いました。そういう意味では、何度も通って車をチャーターし食料や水を詰め込み案内人のチベット人を雇い、チベットの奥の奥まで旅して、一般家庭にも泊まらせてもらって友人が亡くなりその子供の学費まで工面している著者は、本当にチベット好きなのだと思います。私もチベットが好きだけれど、そこまでの熱意が今も昔もないなあと思いました。
気軽に読める椎名誠。世界中のおいしい食べ物について。でも最後行き着くところは家のごはん。やっぱりそうだよね、って感じです。
面白い本を紹介しながらいろんな世界へと誘います。この本は面白本シリーズの第4部完結編らしい。博物館誌のこと、スリッパのこと、地方の面白本のこと、風力発電のこと、動物の腸(うんこ)のこと、カレーのこと、小屋のこと、墓のこと…。紹介された本の中で読んでみたいなあと思ったのは「ネパール・チベット珍紀行」。探してみます。
編集者がテーマを決めて、たくさんの作家の作品からこれぞというものに絞ってひとつの本にまとめるこのタイプの本を読むのが結構好きです。今回はお金について。群よう子、蛭子能収、中島らも、高野秀行、坂口安吾、水木しげる、寺島修司、瀬戸内寂聴、赤瀬川源平、赤塚不二夫、三谷幸喜、太宰治、酒井順子、杉浦日向子、伊丹十三、新美南吉、星新一など。和田誠のイラストも入ったり、天才バカボンの漫画が入ってたり、時には2段に、そして3段に書かれていたり、ワクが書いてある中に書かれたり、すごろくやら、世界のお金に関する言葉などなど結構自由で楽しかったです。そしてもいろんな作家の読み物がやはり面白かった。高校生の時星新一を良く読んでいましたが、また読みたくなりました。
あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと ひとり暮らしの智恵と技術
- 作者: 辰巳 渚
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
帯がない本だったので大人向けての本かと思ったら、10代位で親元を離れて一人暮らしする人向けの本でした。奇しくも著者は事故で亡くなりこの本が最後の本となり、あとがきには一人暮らしを始めた著者の息子さんがその思いを述べています。大人で普通に暮らす私には特に得るところのない本でしたが、その中でも「辛い時、悲しい時こそ、家事に向き合ってください」という言葉は胸を打ちました。それを実感しているからです。丁寧に家事をすることで辛いことも悲しいことも乗り越えていける気がします。
千葉房総のはとバスツアー~浜焼き、いちご狩り、花摘み、濃溝の滝、東京ドイツ村 [日本の旅]
友人に誘われてはとバスツアーに参加しました。こういったバスツアーに参加するのはたぶん15年ぶりくらい!?かもしれません。3月の房総ならちょっと春を先取りできそうとこのツアーは毎日催行しているらしく大人気でした。私たちが参加した日も平日なのに2台もバスが出ていました。
東京湾アクアラインを通り、海ほたるで休憩。展望台からは富士山が見え、飛行機が飛んでるのが見えました。すごい風寒い風でした。
場所を移し、富津にある浜焼き市場での食事(はまぐり、さざえ、ほたてなど焼きながらお刺身、肉、野菜などの食べ放題付き)とショッピング。
食べることに夢中になって食事の写真は撮っていません。
南房総のローズマリー公園近くにある、ちばかだんフラワーガーデンでの花摘み(ポピー)といちご狩り(30分食べ放題)いちごは章姫という種類。あまり熟れているよりも少し上のほうが白いもののほうがおいしかったです。ポピーは花が開いているものよりつぼみのものを摘んだほうが花が開く過程も楽しめていいとのガイドさんの説明が。
また近くにはイギリスのシェークスピアの生家のレプリカ?とシェークスピア作品の作り物などが展示されていました。時間がないので駆け足で見学。なぜここにシェークスピアなのかよくわかりませんが、確かに建物は何となくストラトフォード・アポン・エイボンにあるシェークスピアの生家に似てます。もう25年以上前に行ったのではっきり覚えてませんが、雰囲気がこんな感じ。近くの菜の花がきれいでした。
中庭にもちょっと降りてみたかったけれど。またグローブ座のかわいい役者たちの人形がかわいらしかったです。
濃溝の滝へ。SNSで一躍有名になったスポットですが。下の4枚目のハート型のポスターが有名になったショット。亀岩の洞窟というのがあり、ここに太陽の光が入ることで奇跡的にハート型に映りそれが話題となりました。そのドンピシャの時間が奇跡だと思います。なかなかそのベストショットを撮るのは難しそう。周りはちょっとした遊歩道にもなっていてマイナスイオンがたくさんあって気分転換にはよかったです。
袖ヶ浦近くにある東京ドイツ村のイルミネーション見学。どんどん日が暮れて、ライトアップも美しくなっていきます。敷地は結構広くいい散歩になりました。ローリングストーンズやホイットニー・ヒューストンの音楽に合わせてイルミネーションが踊ったり、まんまるのシャボン玉に似せたものがどんどん放たれて子供たちも大はしゃぎ。結構な人が来ていました。タイ人の団体さんも。
こちらが見晴らし台からの景色。何かの鳥か。不死鳥なのか。何か物語があるのか、そこら辺がよくわかりませんが全体から見ると素敵な模様になっていました。
見晴らし台を降りてまたぶらぶら。
結構夜までお腹いっぱいでしたが、大きなフランクフルトソーセージが乗ったホットドッグを食べました。おいしかった。
季節によって芝桜やコキアなども美しく見られるようです。東京ドイツ村初めて行きましたが、見ごたえありました。
またはとバスツアーも内容盛りだくさんでなかなかでした。朝9時半から夜8時半くらいまでのツアー。大満足でした。
ぼくがいま、死について思うこと、チベットのラッパ犬、世界の家族 家族の世界など [本]
最近、読んでいた本です。
「旅先のオバケ」の本を読んで何だか久々に椎名誠もいいなあと思って、今回読んでみたのは死に関しての本。著者自身が経験した友人の死やら、自身の死にそうになった体験、世界での色んな死の弔い方の差など、興味深い死にまつわるいろいろが書かれていました。椎名誠がこんなにも死にそうになっていたなんて知らなかった。まあ確かに世界中を歩き回っていたら、いろいろ危ないことが普通の人よりは多くて当たり前なのかもしれません。また意外と出生が結構複雑なんだなあと思いました。
「旅先のオバケ」にも出てきたロシアの寺がたくさんある街のホテルでのポルターガイスト現象のことがまたこの「ぼくがいま、死について思うこと」にも再登場していました。夜中に隣の部屋が騒がしく困ったもんだと思って翌朝確認すると隣の部屋は全くなかったという怖い体験。こういうホテルは私自身経験ないのですが(大昔に台湾に行ったとき一緒に部屋にいた友人は「変なものを見た。外人のデスマスクが浮かんでた」と旅行から戻ったときに私に言いましたが、私は全然見ませんでした)、旅先でもこの手の話は聞くのできっとあるのでしょう。
「サードマン現象」のことなんかも書かれて、そういえば角幡唯介が読んで本を紹介していたのでその流れでサードマンに関した本を読んだなあと思い出しました。そしてチベットの鳥葬のことでは私もチベットに実際行っているし一番好きで心惹かれる場所なので、チベットを旅行したことなど色々思い出していました。また椎名誠の奥さんがチベットのことを書いた本を読んだことも思い出しました。ガイド役で親しかったチベット人が亡くなり、本当は鳥葬など直に見ることは難しいはずですが、親友ということで奥さんは鳥葬も特別に見てきたらしいのです。また読んでいてインパクトが強かったのはモンゴルの風葬。野晒にしておいて平原にいる獣たちに食べられ、時には飼っている犬が食べてその死骸を引きづって家の玄関先まで持ってくるみたいな感じが、まあ鳥葬もインパクトあるけどこちらの風葬もなかなかだと思いました。親しい人だけでシンプルに弔うイギリス式の弔い方は日本もそうなりつつあるけど、日本もそれだけで十分だなあと思いました。
チベットの旅行記のことでも書いているのかと気軽に読み始めたら、違っていました。チベットを舞台にした近未来のSF小説でした。農作物の買い付けに出かけるとはいうのですが、その買い付けとは人工眼球の胚。その取引を行おうとする中、人の言葉を話す犬にその物を奪われ犬を追いかけることに。そして自分もそのままでは追いづらいからと犬に変身してしまうのです。ハイテク化が進み、監視社会の進む中国。そこらへんを飛んでる羽虫はAIですべては監視されてます。そして時には味方で時には敵。それが結構厄介な世界です。この主人公も人間から犬になり、またその犬も巨大化したり、人の言葉を話したり…。最後はどうなっちゃうの?と結構心配でしたが、まだまだ冒険が続くという感じでした。椎名誠のSFは初めて読みましたが(題名がチベットとついてなければ読んでなかったと思う)意外と楽しかったです。
2007年から2008年「すばる」に書かれた日常のこと。「チベットのラッパ犬」も同時期に書かれているので、このSF小説のこともチラリと出てきたり、また「ぼくがいま、死について思うこと」も同時期だったみたいで、娘さんに電話でアメリカの葬儀や墓など聞いた一件、講演会で世界の葬儀や墓のことなどに話題が逸れてしまった一件、孫の風太くんに「じいじいは死ぬの?」と聞かれて「じいじいは死なない」と会話した一件など、ところどころがリンクして余計に楽しめました。考えてみたら、父が生きていた時「今日、電車に椎名誠が乗っていたよ」と話していたときがあるのですが、一体それがいつだったのかと思い出しもしました。偶然に手に取って立て続けに読んでみた椎名誠の本が、何だかいろいろ繋がってた感じで面白かったです。
一番最近発売された椎名誠の本ということで、こちらも気軽に読み始めました。写真の本でもありますが読みきりの文章が少しついていてあっという間に読みました。モンゴル、チベット、アルゼンチン、パラグアイ、北極圏(カナダ、アラスカ、ロシア)、アイスランド、パプアニューギニア、八丈島、ラオス、カンボジア、フォークランド諸島、そして自分の家族のこと。世界中の色んな家族のありよう。大家族の国の食卓が今や何だかとっても豊かなものに見えてくる感じでした。そして著者も言ってますが、家族皆で食卓を囲んで食べるときなんてほんのわずかな時間であることがわかるのです。何だかそれがちょっと切なくて、時が経てば仕方なく、それが人生なんだなあと思いました。
残間里江子といえば、一時期テレビもたくさん出ていた敏腕プロデューサーでしたが、偶然目にした本で「閉じる幸せ」というちょっと変わった題なので読んでみました。「閉じる」とはやはり終わるということ。今までやってきたことを終えて違う道へと進むこと。彼女の周りの素敵な生き方をする人たちが一つのことを終えて違う道に進むそのことを書いています。また彼女自身の人生も、同じように閉じてまた違う道へと開いていく。新書なのですぐに読めてしまいますが、色んな生き様があることを見せてくれました。
最近体力に自信がなく、「よれよれ」って感じだなあと思っていたのこの本の題名に飛びついてしまいました。読んでて笑えるし、まあ私だけでなく年を取れば皆同じなのだというちょっとした安心感をもらえる本。群よう子のこの手のエッセイはたぶん年を取ってきて困ったと思っている人には絶大な人気があるんじゃないかなあと思います。これからもこの手のエッセイは気晴らしに読んでいきたいです。
読んじゃいなよ!――明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむ
- 作者:
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2016/11/30
- メディア: 新書
伊藤比呂美さんはよく東京新聞の人生相談の回答をしているので、一体どんな本を書いているんだろうといつも思っていました。そしてちょうど「読んじゃいなよ」の中に伊藤比呂美さんの本を学生が読み彼女をゲストとして学生たちのゼミに招待し、その授業の一部を載せていると新聞の本の紹介欄に載っていたので初めに「読んじゃいなよ」を読み、そしてその後彼女が書いた「女の一生」を読んだのでした。
新聞の回答同様、ものすごくサバサバしてハキハキした感じの人だということが強烈にわかり、性に関してもオープンで何も怖いものがない感じでした。でも摂食障害があったり、結婚も離婚もし、子供もおろしたことがあり、妊娠、出産の経験があり、女性としてのすべてを経験していると本人が言ってますが、その経験を踏まえて、読者の質問や投げかけに対して答えるという方式が、新聞のまさに人生相談の回答のような本でもありました。