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ゴヤの名画と優しい泥棒 [イギリス映画]

イギリス映画「ゴヤの名画と優しい泥棒」(The Duke)を観ました。

ゴヤの名画と優しい泥棒[DVD]

ゴヤの名画と優しい泥棒[DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2022/08/03
  • メディア: DVD

2020年の作品。IMDb評価は6.9。ヒューマンドラマ、コメディ。実話に基づく物語。タイトルそのままでちょっとほっこりするいい映画でした。

1960年代、ロンドンナショナルギャラリーにあったゴヤの「ウェリントン公爵」の絵が盗まれた。14万ポンドで買ったその絵は当時のマスコミをにぎわし、「(その絵の)公爵にみんなで会いに行こう」という記事を目にした老人ケンプトンが盗んだのだった。ケンプトンはそれまで家ではBBCが受信できないのに税金を払っていて、「せめて年金生活者には無料のTVを」と訴え、住んでいるニューキャッスルで署名活動を集め、ロンドンの議会に行ってそれを訴えたが徒労に終わっていた。タクシー会社を解雇され、パン屋で働くもパキスタン人を擁護したらパン屋を首になったりもしていた…。盗んできた絵を家に隠しながら、労働紙であるミラー紙にも訴える。でも埒が明かずそのうち息子のガールフレンドに隠していた絵画を見つけられ妻にまで見つかってしまう。それでケンプトンは絵を返しに行く。裁判でケンプトンの盗みの理由を知った裁判官たちの判定は、「額縁を盗んだ罪~有罪、絵を盗んだ罪~無罪、人々がその間絵を鑑賞できなかった罪~無罪…」となり、3か月刑務所に入ることが決定。しかし実は絵を盗んだのはケンプトンではなく、その息子だった。息子は4年後自首したが、裁判所ではそれを却下。この事件後、2000年には75歳以上の老人にBBCの受信料は払わなくてもいい法律ができたという…。

ちょっと心温まる映画でした。奥さん役のヘレン・ミレンがいい味出してました。家の中にある調度品もレトロっぽくて、また映画「ウエストサイド物語」や「スタートレック」が出てきたりで60年代らしかった。ロンドンナショナルギャラリーに行っているけれど、「ウェリントン公爵」の絵なんか観ただろうか。この映画を観てじっくりこのゴヤの「ウェリントン公爵」の絵を観てみたくなりました。naonaoお勧め度★★★★

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黒馬物語 [イギリス映画]

イギリス映画「黒馬物語」(Black Beauty)を観ました。

黒馬物語 [VHS]

黒馬物語 [VHS]

  • 出版社/メーカー: バンダイ・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1988/09/21
  • メディア: VHS

黒馬物語(DVDはなし、VHSのみ)

1970年の作品。IMDb評価は5・4。イギリス女流作家アンナ・シュウエルの同小説の映画化。この小説を基に「黒馬物語」は1921年、1946年、1970年、1994年と何度も映画化されている。飼い主を転々としながら最後は元の飼い主のところに戻って来る黒馬ブラックビューティの生涯を描く。最初の馬主のマーク・レスターがとにかく可愛い。「小さな恋のメロディ」が今一度観たくなりました。

子馬が生まれ喜ぶジョー(マーク・レスター)は、父親からはその子馬はジョーのものだと言われブラックビューティと名付け、子馬が成長すると毎日この馬に乗り大切にしていた。ジョーたちが住む農場主が亡くなりその子供の代になると馬の扱いが粗い2代目の農場主はジョーの馬を取り上げる。そして事故死。馬は乞食かジプシーのような人の手に。その後馬の取引をしている男の手に渡り、サーカス団のマリーが手に入れる。別のサーカス団の悪者たちとのいざこざで馬は悪者を一蹴りして殺したが、マリーの父はこの馬が危険すぎると手放す。ちょうど来ていたウィリアム卿に譲ることにすると娘のアンが馬をもらい、馬に乗って恋人ジルベーズ中尉のもとへ。その後まもなくジルベーズ中尉は戦争でインドに渡ることになり、アンは彼にこの馬を贈る。ジルベーズ中尉がそこで戦い亡くなると残った仲間たちが酒代の代わりに馬を売る。馬は飲み屋から炭鉱に売られ炭を街中に運んでいるときに炭鉱夫にいじめられている様子を、大きくなったジョーが見てその場でお金を払いその馬を引き取る。ジョーと父は農場主になっていた…。

人から人へとこの馬が手に渡る様が、スピルバーグ監督の映画「戦火の馬」を思い出させました。この「黒馬物語」を基に書き換えたのかと思ったくらいですが、「戦火の馬」には原作があり別物だと知りました。「戦火の馬」はかなり感動作だったように記憶してますが、こちらの「黒馬物語」は結構淡々としていて、大きくなったジョーが戻って来たブラックビューティを喜んでる様子がなかったです。でも農場の風景やら、サーカス団での様子、森の中を走ったり、戦場で活躍したり、重い炭を街まで運んだりと風景が色々変わって楽しく、特に最初のマーク・レスターが出ているシーンは「大草原の小さな家」の男の子版でイギリス版を思わせる感じでした。それがとっても良かった。4回も映画化され2回もアニメ化され、この物語は愛されているのだなあと思いました。naonaoお勧め度★★★★

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理想の結婚 [イギリス映画]

イギリス映画「理想の結婚」(An Ideal Husband)を観ました。

理想の結婚 [Blu-ray]

理想の結婚 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピーエム
  • 発売日: 2014/11/05
  • メディア: Blu-ray

1999年の作品。IMDb評価は6.8。オスカー・ワイルドの「理想の夫」の映画化。5,6年前に観てレビューを中途半端に放置していましたが、せっかくなのでアップします。今となってはかなり忘れているけれど…。

1890年代のロンドン。議員のロバート(ジェレミー・ノーサム)とその妻ガートルード(ケイト・ブランシェット)は社交界の誰もが羨む理想の夫婦。しかしロバートの過去を知るチーヴリー夫人(ジュリアン・ムーア)が現れ、ロバートは脅されるようになる…。彼の友人でもあり社交界一のプレイボーイのアーサー(ルパート・エヴェレット)や彼の妹メイベル(ミニー・ドライヴァー)、そしてロバートとガートルード夫妻のそれぞれの行き違いや誤解を絡めながら、物語は進んでいきます。

華やかな社交界の雰囲気がとっても素敵でした。ケイト・ブランシェットが若くて美しい。そしてメイベル役のミニー・ドライヴァーってどこかで観たことあるなあと思って調べたら、何とマット・デイモン主演の「グッドウィル・ハンティング」のマット・デイモンの相手役の女性でした!確かその映画がきっかけで当時のマットと彼女が私生活でも付き合い始めたと何かで読んだことがあったことを思い出しました。またジュリアン・ムーアが結構怖い役でした。プレイボーイ役のルパート・エヴェレットが何ともハンサム。 オスカー・ワイルドのこの話は知らなかったけれど、オスカー・ワイルドと言えば「幸福な王子」と「サロメ」。特に「幸福な王子」は泣けるお話で大好きだったことを思い出しました。naonaoお勧め度★★★★

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ファーザー [イギリス映画]

イギリス映画「ファーザー」(The Father)を観ました。

ファーザー [Blu-ray]

ファーザー [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: インターフィルム
  • 発売日: 2021/10/06
  • メディア: Blu-ray

2020年の作品。IMDb評価は8・2。アカデミー賞の主演男優賞受賞(アンソニー・ホプキンズ)と脚本賞受賞。

認知症で過去と現在が混在し、人の顔すらも分からなくなっていく姿を描く。認知症の人の目線で描かれているので認知症になったらこんな風に世界が見えるのだなあとよくわかりました。また長いセリフでほとんどのシーンに出ずっぱりのアンソニ・ホプキンズが御年82歳で受賞した意味が分かる映画でした。

認知症のアンソニー(アンソニー・ホプキンズ)は娘のアン(オリビア・コールマン)から話しかけられる。「いい人が見つかったからこれからパリに住み、もう世話はできなくなったの」と。自分の家に見知らぬ男(マーク・ゲイティス)がいて、「もう10年アンと一緒にいて、ここは自分たちの家だ」を主張しているのは一体何なのだと戸惑いを隠せないアンソニー。自分の娘は2人いて下の娘のほうが好きなのに戻ってこない。前日に来たローラと名乗る介護人と気が合い、翌日また来るはずのローラが別人。でも彼女もアンも昨日来た人と同じだと言い張る。アンはパリに行くものと思っていたのに、今度は「パリなんて行くはずがない」と言い出す…。

アンの顔も時々別人に見え(オリビア・コールマンとオリビア・ウィリアムズ演じる)、アンの夫の顔も別人に見え(ルーファス・シーウェルとマーク・ゲイティスが演じる)、介護人も違う顔、下の娘が事故で既に亡くなっていることも忘れ、一番親身に介護している娘のアンに暴言を吐く。いつも腕時計がなくて探し回っている。認知症のリアルなその世界。アンソニー演じるアンソニー・ホプキンズがもう認知症を患っているその老人にしか見えなった。それくらい自然でした。娘役のオリビア・コールマン、先日「女王陛下のお気に入り」でアン王女役で観たばかりだけど、彼女も素晴らしかった。またドラマ「SHERLOCK」でホームズのお兄さん役の印象が強いマーク・ゲイティスやドラマ「女王ヴィクトリア」で首相役だったルーファス・シーウェルも出演。安定の演技力でした。認知症の人の目線で描かれていることに大いに意義がある映画で、その世界が端的に描かれていて目から鱗でした。naonaoお勧め度★★★★★

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プライドと偏見 [イギリス映画]

イギリス映画「プライドと偏見」(Pride & Prejudice)を観ました。

プライドと偏見 [Blu-ray]

プライドと偏見 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • 発売日: 2012/04/13
  • メディア: Blu-ray

2005年の作品。IMDb評価は7・8。BBCのドラマ「高慢と偏見」(IMDb評価8・8)を観て映画も気になり観てみました。どうしても映画はドラマより尺がないのでその分不利ですが、この映画はキーラ・ナイトレイの演技が光っていました。ドラマのほうがその世界観が丁寧に描かれて断然良かったのですが、映画は映画なりに大切なシーンだけを切っとってギュッとコンパクトにこの世界を詰め込んでいました。

参考:ドラマ「高慢と偏見」naonaoレビュー→https://naoazucar.blog.ss-blog.jp/2022-09-05

配役が代わると印象もずいぶん変わり、次女のエリザベスを演じたキーラ・ナイトレイの可愛らしさが際立っていました。顔の表情なんかも素晴らしかった。令夫人役はジュディ・ディンチだったり、長女ジェーン役はロザムンド・パーク、四女キティ役がキャリー・マリガン、父親役がドナルド・ザザーランド(キーファー・サザーランドの父)、ダーシー役がマシュー・マクファディン、ビングリー氏はサイモン・ウッズ(「ペノロピ」「エンジェル」に出演)と馴染みの顔が多かったのも良かったです。naonaoお勧め度★★★★

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