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これが私の人生設計 [イタリア映画]

イタリア映画「これが私の人生設計」(Do You See Me?)を観ました。

これが私の人生設計 [DVD]

これが私の人生設計 [DVD]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: DVD

2014年の作品。IMDb評価は6.4。コメディ。気軽に観れて笑えて主人公に元気をもらえていい映画でした。女性差別、LGBTQ差別をさらりと描き最後は会社の皆が味方になり、彼女が拍手される姿が良かったです。

世界中の大学を出て世界で活躍してきた設計士のセレーナ(パオラ・コルテッレージ)。世界を満喫してきたけれど、イタリアが恋しくなってイタリアに戻って来た。しかし自ら公募の設計案を描くものの女性が描いたとは思われず男性が描いたと相手に勘違いされ、それならいっそのことその男性の秘書として装ったほうがいいと咄嗟に判断。見事彼女の設計案は通るも、設計を描いたという男性を探さなければならない。その時ちょうどアルバイトとして始めたウエイトレスの仕事で知り合ったシェフのフランチェスコを自分のボスとしてこの設計案を考えた人に仕立てることに。しかし最後はこれが見破られ失敗。会社には妊娠したら首と言われているので妊娠を隠して働いてる人や、ゲイが歓迎されないのでゲイを隠していたり、はげ頭も歓迎されないのでかつらをかぶっていたり、そういう人たちが諸々拍手喝采で彼女の健闘を讃える最後でした。

セレーナがフランチェスコに恋して甘い時間を期待するも期待は見事に破られていくのも可笑しかった。実は彼がゲイだとわかり、住まいに困っていたら彼が家に来るよう誘ってくれ同居。しかし次から次へとゲイの友達がやってきて色々引っ掻き回していくのでそれが可笑しくて笑えた。TV会議中に日本の大阪で設定したのに外の宣伝カーのイタリア語が入ったり、セレナの親とおばあちゃんがフランチェスコと付き合っていると知ってそんな時に限って突然遊びに来たり、このドタバタ加減も可笑しかった。会社ではセレーナの行動を観ている同僚もいて秘密がバレないように彼に咄嗟にキスをし、最後は彼と付き合う感じでした。日本の城と桜のパネル、金色の招き猫、寿司を食べてのTV会議。セレーナが日本語を話してレストランで日本人客を接待もしてました。なんちゃって日本語だったけど。また公募の設計はおばあちゃんが女同士話せる場所が欲しいと願い、家が狭いので勉強する部屋がない子供たちのための設計にし、たくさんの店が入るような設計には断固反対、とそこに住む人の要望を優先させる考え方も良かったです。お気楽なコメディの中にマイノリティをバックアップするストーリーに仕上げてます。naonaoお勧め度★★★★


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モリコーネ 映画が恋した音楽家 [イタリア映画]

イタリア、ベルギー、オランダ映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」(Ennio)をスタジオFS汐留で観てきました。試写会で招待されたのですが、試写会自体が4年振り?くらい、スタジオFS汐留に行くのは5~6年振り?くらい。久々すぎて涙しました。ちなみにこの映画のIMDb評価は8・3とかなり高い。

映画公式サイト:https://gaga.ne.jp/ennio/

モリコーネ 映画が恋した音楽家

(Filmarksより映像拝借)

生涯500曲以上を作曲した映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネの彼の半生を綴るドキュメンタリー。「ニュー・シネマ・パラダイス」のジェゼッペ・ペルナトーレ監督作品。「ニュー・シネマ・パラダイス」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「アンタッチャブル」「荒野の用心棒」など作った天才音楽家モリコーネが、映画音楽があまり評価されない時代に悩み苦しんだことが本人の言葉によって明らかにされます。父親がトランぺット奏者だったので彼もトランペット奏者であった時代もあり、その後作曲を勉強しマカロニウエスタン映画の音楽を担当し映画音楽の道へと進むのです。クリント・イーストウッド監督やブルース・スプリングスティーン、タランティーノ監督、ウォン・カーウェイ監督、オリバー・ストン監督、クインシー・ジョーンズ、ジョン・ウィリアムズなどの証言も加わり、モリコーネが携わった映画音楽を映画シーンと共に年代で追って見せます。

「ニュー・シネマ・パラダイス」と「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「アンタッチャブル」は映画公開と同時期に映画館で観てたので、余計に懐かしかった。「ニュー・シネマ・パラダイス」はすごく好きだったので2015年に25年ぶり2回目を鑑賞。その時のレビュー:https://naoazucar.blog.ss-blog.jp/2015-04-11

また「ニュー・シネマ・パラダイス」と「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の曲が好きで曲聞くだけでも泣けてくるというのに、大画面の映像と音楽で余計に泣けてウルウルしてました。「ニュー・シネマ・パラダイス」の出番があまりなかったのが残念だったけど、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の「デボラのテーマ」をモリコーネ自らオーケストラの指揮者として演奏していたのがとても良かった。モリコーネもこの曲が一番好きだと知ることができたのも良かった。デ・ニーロたち出演者に映画撮影時にモリコーネの曲を流して聞かせていたビハインドシーンもあり、これもお宝でした。「アンタッチャブル」の階段から乳母車が落ちるのを阻止するシーンも懐かしく、ケビン・コスナーが若くて格好良かったことを思い出しました。デ・ニーロが出てる「ミッション」という映画がまた映画音楽素敵だったので、観てみたいと思いました。

アカデミー賞でノミネートされたり受賞したりするモリコーネの様子を映す時、ベッド・ミドラーやパトリック・スウェイジの姿もあり懐かしく、また好きなエディー・レッドメインやレオナルド・ディカプリオの顔も客席にありました。また様々な映画シーンやモリコーネとツーショットで写真撮った中にはリチャード・ギアやアラン・ドロン、ウォーレン・ベイティなどの顔もあり(もちろんデ・ニーロやイーストウッドも)、場面を一時止めて見落としてる知ってる俳優さんたちを探したらもっと楽しいだろうなあと思いました。

モリコーネ自身が何度も何度も映画音楽を辞めようとしていたけれど、アカデミー賞で名誉賞を受賞し、「ヘイトフル・エイト」で作曲賞を受賞し、全世界どこへ行っても人気で、最終的に世界が彼の功績を称え彼の功績が報われたのはとっても良かった。2020年7月に91歳で亡くなるまで、精力的に作曲やコンサート演奏などしてきた様子で(2001年のアメリカ同時多発テロ事件の悲しみを作曲しコンサートで指揮してる様子もありました)エンドロールに向けてまた泣きたくなるような映画でした。naonaoお勧め度★★★★

おまけ:りゅうさんの「ニュー・シネマ・パラダイス」の記事経由でりんこうさんのモリコーネからの直筆サインが送られてきたという記事→https://rinkou.blog.ss-blog.jp/2013-06-29 を見つけて当時とても楽しかったのを思い出しました。年月が流れるのが早いです。知ったのがもう7年前なんて。りんこうさんは9年前に記事にしてます。

もうひとつおまけ:好きな「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の「デボラのテーマ」。ジェニファー・コネリーが美少女だった。映画がここまで心に染みて名画になりうるのはモリコーネ音楽のお陰。


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フェリーニのアマルコルド [イタリア映画]

イタリア、フランス映画「フェリーニのアマルコルド」を観ました。


フェリーニのアマルコルド 4K修復版 [Blu-ray]

フェリーニのアマルコルド 4K修復版 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/11/02
  • メディア: Blu-ray

1974年の作品。IMDb評価は7・9。アカデミー賞外国語映画賞受賞。イタリアのフェデリコ・フェニーニ監督作品。「アマルコルド」とは私は覚えているという意味のイタリア語。監督自身の半自伝的映画。

1930年代のイタリア北部の街の一年。祭り、子供の授業、ファシストの集会、豪華客船の見物、カーレース、葬式、結婚式など、街中に春を告げる綿毛の舞いから始まり一年後のまた綿毛が舞う様子で終わる。子供が大家族の中で育ち、いたずらに明け暮れ、年上の女性に憧れる様子も描く。

街の日常、街に住む普通の人々の様子、たくさんのイベント、時に幻想的に、華やかに、美しく、楽しく、観ているとまるで夢のよう。監督自身の子供時代の記憶から作られた作品でストーリー性は何もないけれど、一場面一場面が結構心に残る映像美がありました。石畳のイタリアの街。教会の鐘が鳴り響く広場。魔女を火で焼く祭り。海で豪華客船を見物する人々。落ち葉の舞う霧のかかった街。雪を高く積み上げた街並み。のどかな結婚式。そして綿毛舞う街…。ゲーリー・クーパーの映画が人気の時代。ファシズムが忍び寄る時代…。音楽もいいなと思ったらニノ・ロータでした。他の映画とかなり嗜好も違いますが、この映画はこの映画で素敵だなあと思いました。

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人生、ここにあり! [イタリア映画]

イタリア映画「人生、ここにあり!」を観ました。


人生、ここにあり! [DVD]

人生、ここにあり! [DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • 発売日: 2012/06/02
  • メディア: DVD

2008年の作品。IMDb評価は7・6。1980年イタリアで精神病院を撤廃することが決まる。精神病患者たちにやりたいことを選ばせ、得意分野をそれぞれが担当。協同組合を作って興味ある床の寄木張りの仕事を始め、ミラノからパリへと仕事を拡大し、患者たちの一般社会での活躍をコメディタッチで描く。実話を元に描かれた映画。


評判良いので観てみました。当時のイタリア本土でも異例の大ヒット。日本でもロングランとなりたくさんの人に愛された作品とのこと。原題は「やればできる」。患者たちを病院に押し込めてしまうのでなく、一般社会で普通に働く。それも適材適所で。患者たちも投薬を半減にでき、活躍の場を得て、人間らしい生活に戻ることを描いていました。最後のほうで一人が恋をして、失恋の痛手を受け、仲間の一人が暴行騒ぎを起こし、そして失恋した彼は命を自ら断ってしまいます。それが何とも泣けました。

人にはきっと得意なことがある。それを見つけて仕事にすること。それが大切。イタリアのように全世界で精神病棟が無くなるといいなあと思います。

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イル・ポスティーノ [イタリア映画]

イタリア映画「イル・ポスティーノ」を観ました。1994年の映画。イギリスと日本で外国映画賞をそれぞれ獲っています。


イル・ポスティーノ オリジナル完全版 [Blu-ray]

イル・ポスティーノ オリジナル完全版 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2016/07/06
  • メディア: Blu-ray



1950年代イタリアのナポリ島に住む郵便配達人と、チリ人で政治家、外交官、ノーベル文学賞を獲った詩人のパブロ・ネルーダとの交流の物語。


漁師の島にも拘わらず、漁師になることを嫌い郵便配達人になるマリオ(マッシモ・トロイージ)。そしてチリを追われて一時避難する場所をイタリアのナポリ湾の島に決めて移ってきた有名詩人のパブロ・ネルーダ(フィリップ・ノワレ)。毎日パブロの郵便を配達するマリオはパブロから詩の作り方や、隠喩を学び、いつしかパブロに何でも相談するようになり、恋したベアトリーチェ(マリア・グラツィア・クチノッタ)に詩を送る。すると見事恋は実って結婚するが式当日、チリに帰国を許されたという電報をパブロが受け、マリオとパブロの交流は終わりを迎える。そして5年後パブロがイタリアのナポリ湾の島のマリオを訪ねるとショッキングなことが判明した…。


海に囲まれ、島の田舎道やら漁港の様子、島唯一であろう居酒屋兼レストランやら、マリオの家、パブロの高台の家などイタリアの島ののんびりした感じがとっても良かった。パブロから詩を学ぶマリオですが、パブロがいなければベアトリーチェと結婚できなかったかもしれず、またパブロに影響されたのは詩ばかりでなく、共産主義的な思想も学んでいって5年後はすっかりその思想に取りつかれていて、共産主義のデモの中で命を落としてしまうのが、何とも悲しく、ショッキングでつらい映画でした。


「島で好きなところは?」と聞かれてカセットに当時好きだったベアトリーチェの名前を答えるマリオ。でもパブロが去ったあと、自分で島の好きなところを音に残しパブロに送ろうと思うのです。それは海の音、波の音、風の音、教会の鐘の音、司教の声、ベアトリーチェが宿した子供の心音…。このカセットを送ることが叶わず、ベアトリーチェが大切に保管していて再訪するパブロと一緒にこのカセットを聞きます。パブロがこの島を去ってからのマリオの5年を集約するようなカセットに残された録音…。


この映画は「ニュー・シネマ・パラダイス」に並んで好きな映画だなあと思っていたら、パブロ役のフィリップ・ノワレは「ニュー・シネマ・パラダイス」にも出演していることがわかり(映写技師のアルフレードだった!、確かに言われてみると、です)また主役のマリオ役のマッシモ・トロイージはこの映画を撮っている最中に倒れ、映画撮影終了後12時間後に41歳の若さで亡くなったとのこと。そういったことも含めて余計にこの映画が愛おしいと思いました。


すごーく、すごーくお勧めです。

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