ペネロピ [芸術性の高い映画]
映画公式サイト:http://www.penelope-movie.com/
「ペネロピ」をシネマート六本木で観てきました。会場が映画館だったのでゆったり座って観れてすごく良かったです。ラブファンタジー映画で、衣装や家、家具、小物などかわいい素敵なテイストのものがいっぱいで、それだけでも夢いっぱいで素敵でしたが、ちょっとした笑いもあり、軽く描かれている映画だったので、すごく楽しめました。リース・ウィザースプーンがちょっとだけ出てますが、この映画のプロデュースもしてます。クリスティーナ・リッチが主人公のペネロピを演じ、魔女の魔法によってブタの鼻を持って生まれてくる良家のお嬢さん役。相手役のジェームズ・マカヴォイは「ラスト・キング・オブ・スコットランド」出演時よりもすごく都会的な感じで身奇麗で格好良かったです。またお母さん役のキャサリン・オハラはコミカルで当たり役だと思いました。
先祖の呪いによって豚の鼻に生まれついたペネロピは、結婚すればその呪いが解け豚の鼻がなくなると両親は必死になって花婿選びのための見合いをセッティングしますが、彼女の顔を見ると皆逃げ出してしまいます。そんなことに嫌気をさし、黙って家を飛び出し、外の世界に飛び込みます。今までずっと外に出ることを禁じられて家の中にいた彼女にとっては、見るもの聞くもの全てが新鮮でした。ずっと世間に隠れて生きてきたその豚の鼻を持ったペネロピは世間に知れ渡るとたちまち人気者になってしまいます。 それからほどなくして本当はそんなに好きでもないのに自分の保身、出世、世間体のために結婚を申し込んできた青年と、結婚することになり、式で誓いを立てる一歩手前でペネロピは突然逃げ出し、自分はこのままでいいんだ、と認めたところであっという間に魔法が解けてしまい、そこから彼女は自分の人生を立て直します。
私は私、これでいいんだ、と認めることが呪いを解く鍵だったのです。そのままのありのままの自分を愛すことができればそれだけで世界は変わります。まずは自分を愛することができるようになること。世間体には悪くて公表しづらいことでもそれはそれとして自分で認め、逆に公にしてしまうことでたくさんの人から賞賛を得られる時代に今は入ってる気がします。映画の中でもたちまち豚の鼻が人気になっていました。コンプレックスは強力な武器にもなり得ることをこの映画では語っていました。コメディ映画としても成立してる映画なので笑えるし、楽しくかわいくて、そして訴えるものがあっていい映画でした。お勧めです。 前回に続いて、今回もおまけのゲストが来てトークがありました。ゲストはMEGUMI。しっかりしてて物怖じしない感じが素敵でした。彼女も胸がコンプレックスだったけれど今はその胸がきっかけでこの仕事を始められ感謝してると言ってました。(写真はシネマトゥディから拝借)
ところでたくさんの人がSo-netブログのリニューアル後の不具合について書いてますが、本当に使いにくくなりました。
ブロガーの立場にたってないリニューアルなので、メチャクチャです。私はリンク先の貼り付けをよく利用するのですが、画像を見ながらリンク先の貼り付けはできなくなったのでいちいち設定に戻って設定し直しをしなければなりません。その手間がすごくイライラします。改行もまだ改善されてないし(何度トライしても改行できず、涙です)、nice!戴いてもnice!に反映されてないし(タイムラグが1日以上ある)、コメント入れても反映されてないし、毎日毎日たくさんの不具合。以前書いたブログの絵文字も消えてしまい、記事自体が崩れてしまった。だからといって修正する気にもなれず、ブロガーの気持ちに立ってないリニューアルで酷すぎます、So-netさん。
誰かも書いてましたがアクセス分析って何の意味があるのでしょう?グーグルから、ヤフーから見に来たっていうその違いに。そんなの要りません。ストレスなく書ければそれで十分です。勝手に文字が浮き出して宣伝だらけになってしまったし。かなりのガッカリ度。So-netがブログの中ではナンバーワンだと思ってたのに。大好きだった絵文字の涙マークも無くなってしまったよ~。さくらん [芸術性の高い映画]
映画公式サイト:http://www.sakuran-themovie.com/
「さくらん」見てきました。
江戸吉原の花魁の話です。極彩色の色が鮮やかで美しかった。何故か映画全体がチベット寺院の内部や曼荼羅の色彩に似てるので、うっとり。特に朱色がすごく生えていて、その上にたくさんの色が使ってあるのにチグハグにならず、そして派手だけど全然下品でないのが素敵と思いました。
主人公土屋アンナ演じるきよ葉の青春を、ジャズっぽい音楽や時にはポップなノリの音楽に乗せて軽快な感じに仕上げてありました。遊郭という特殊な設定ではありますが、自分らしく生きようとするきよ葉の言動が潔く、見ていてスカーッとします。子供時分に遊郭に売られ脱走を図り、捕まり折檻を受け「いつか自分の力でここを出る」と言い放ちながらも、自分の意志とは裏腹に頭角を徐々に現し、その中で初恋失恋を経験し、しまいには花魁にまで上り詰め、大名に正式に結婚を申し込まれるけれど、自分の意志を貫き好きになった人と駆け落ちする。クライマックスはいかにも彼女らしい選択でした。「てめぇの人生てめぇで咲かす」というキャッチコピーがぴったりの青春映画です。
土屋アンナのほかにも吉原の遊女を演じた菅野美穂と木村佳乃も素晴らしかった。遊女独特の言い回し、身のこなし、目線の使い方などドキッとさせられ、こんなにうまい女優さんだったのかと感心しました。またPG-12にレーティングされてるけど、殺人で血が飛び散る場面や性描写などもあり、ちょっと規制がゆるい気もしました。G-15くらいは必要なのではないのと私は思いました。
去年の10月に江戸東京美術館で見た「ボストン美術館所蔵の肉筆浮世絵展」で見た、遊郭にあったという華やかな極彩色の屏風の色が今も鮮明に目に焼きついていますが、この映画全体の色と重なり思い出してました。そしてブログに載せるためにさくらんの写真を見てたらびっくり。映画を見ているときには見逃していましたが、たぶん上の写真の土屋アンナのバックにある金屏風のデザインはまさに展覧会で見たものをもうちょっと大きくしたもの。こういうところにちゃんと遊郭で使われてきたものを配しているのですね。すごいです。
また自分の部屋に飾ってある旅行中ネパールで買ったチベットの曼荼羅を今更ながらしげしげと眺め、その同じような色合いにうっとりしました。何故チベットの寺院の中と(そして曼荼羅と)吉原の遊郭の中がこんなにも色合いが似てるのか、不思議です。両方とも日常を忘れ、浮世の憂さを晴らすため、極楽でもイメージして作られているようです。不思議な一致に思わず楽しくなりました。