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湯を沸かすほどの熱い愛 [日本映画 賞受賞]

日本映画「湯を沸かすほどの熱い愛」を観ました。

湯を沸かすほどの熱い愛 通常版 [Blu-ray]

湯を沸かすほどの熱い愛 通常版 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2017/04/26
  • メディア: Blu-ray

2016年の作品。IMDb評価は7・4。たくさんの賞を獲っています。日本アカデミー賞優秀作品賞、優秀監督賞(中野量太)、優秀脚本賞(中野量太)、最優秀主演女優賞(宮沢りえ)、最優秀助演女優賞(杉咲花)、新人俳優賞(杉咲花)ほか、各賞を総なめ。もっと早い時期に観る機会はたくさんあったのですが(当時試写会に当たりましたが都合悪く行けず。またその後も観る機会はあったのですが)今になりました。

宮沢りえさん演じる主役のお母さんの強さに惚れ惚れしました。彼女はガンになり余命2か月と宣告を受けますが、そこから杉咲花ちゃん演じる娘がたくましく生きられるように娘が学校でいじめにあっていても、「今学校に行かなければ一生学校に行けなくなる」と娘を突き放し、娘はそれに応えるように盗まれた制服を取り戻し、また蒸発した夫(オダギリージョー)の居場所を探偵に突き止めてもらい夫に戻ってくるように自ら言いに行くと、夫が他の女性に産ませた9歳の娘も一緒に来ることになります。そして最初血のつながっていると思われた娘(杉咲花)は実は本当の娘でなく、彼女は娘と共に小旅行に出かけ店で美味しいカニを食べ終え車に戻ると、いきなり娘に向かって「店で働く(聾唖者の)女性が母親だから戻って話してきなさい」と言い放つのです。その女性は幼い娘を置いて出て行ったのですが、毎年カニを送ってくれたため、彼女は必ずお礼状を娘に書かせていました。そして「いつか役立つから」と小さい時から娘に手話を習わせ、それは実の母との会話のために彼女が習わせていたことだったのです。その短い旅の中でバックパッカーの青年(松坂桃李)に会い、行く当てのない旅をしている彼を彼女が諭したりもします。また自分が幼い時に戻ってくると言って戻らなかった母親の居場所がわかり、その家に訪ねて行ったりもします。それらは彼女にとってのバケットリストのようなもので、やりたいことを短期間に一気にやってしまいます。彼女がガンで死間近になると、探偵の親子やバックパッカーの青年、聾唖者の実の母まで集まり、最後は家業の銭湯でお葬式を挙げます…。

所々にかなり泣けました。彼女がガンに罹ったことより次々に起こる出来事のほうが強烈すぎて、ガンよりもその出来事や事実のほうに泣けました。セリフもそう多くなく端的でそれで充分意味も伝わり、とっても素晴らしかったです。脚本が実に素晴らしかった。そしてやはり宮沢りえさんの演技が何より素晴らしかった。賞を色々獲る意味がわかる映画でした。

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ドライブ・マイ・カー [日本映画 賞受賞]

日本映画「ドライブ・マイ・カー」を観ました。

ドライブ・マイ・カー インターナショナル版 [DVD]

ドライブ・マイ・カー インターナショナル版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2022/02/18
  • メディア: DVD

2021年の作品。IMDb評価は7・9。村上春樹の短編集「女のいない男たち」の中からの「ドライブ・マイ・カー」が原作。カンヌ国際映画賞の脚本賞受賞、ゴールデングローブ賞の外国語映画賞受賞など多数受賞しており、今度のアカデミー賞でも期待のかかっている作品なので観ました。物語が坦々と進む中、所々に村上春樹特有の言い回しのようなセリフもあり、原作は本当に短いのに映画が3時間もありましたが飽きずに観ることができました。舞台で演じられるチェーホフの「ワーニャ叔父さん」のセリフが主人公の気持ちと重なる部分があり、それがかなり絶妙でした。

演出家で舞台俳優である家福(西島秀俊)はある日突然妻の音(霧島れいか)を亡くします。2年後広島で行われた演劇祭で出会った専属ドライバーみさき(三浦透子)と出会うことで、家福は妻の不倫を見て見ぬふりをしていた自分の過ちと悲しみに気づき、みさきもまた地すべりした家の中に母がいるのを知っていながら助けなかった罪を口にします…。

舞台俳優たちがアジア出身の人たちで、使われている言語も日本語、英語、韓国語、中国語が飛び交い、セリフもそれぞれの国の言葉が使われ手話をする俳優まで起用しているので、映画の中の舞台自体もかなり独特でした。チェーホフの「ワーニャ叔父さん」のセリフが舞台稽古でも本番の舞台でも家福が乗る車の中でも流れ、そのセリフが家福の心情や実情を語りシンクロしているのが素晴らしかったです。西島秀俊さんの演技も岡田将生くんの演技も素晴らしく、特に岡田将生くんの車の中での長いセリフが何とも良かった。岡田くんは舞台俳優で家福の妻の不倫相手でもあり、暴力事件を起こして警察に捕まり主演を降板する役どころでした。久々に岡田くんの演技を観て、何だか頼もしくますます素敵になった!と思いました。

村上春樹の「女のいない男たち」はもちろん読んでいて「ドライブ・マイ・カー」も読んでおり、このブログにも備忘録代わりに書いてます。でも短編集はあまり記憶に残っていず自分のブログを読んで再確認しました。記録に残すことはやはり大切だと思いました。また「女のいない男たち」に入っている「シェエラザード」の話。前世がヤツメウナギである少女が、好きな男の子の家に何度も忍び込み、自分のものを置いてきて彼のものを頂いてくるという話なのですが、この話もこの映画の中に組み込まれ妻の音が作った話として紹介されました。このヤツメウナギの話どこかで聞いたことがあるなあと思ってたら同じ短編集の中の話でもあったというわけ。色々読んでもどんどん忘れていってます。

「傷つくべきときに傷つくべきだった」「生きてるものは死んだ者のことをずっとこれからも考え続けて生きていかねばならない」まさに村上春樹ワールドの言葉で、印象的なセリフでした。本で読むと違和感なく読める作品でも映画化となるとちょっとゴツゴツあちこちに当たるような違和感を感じました。ちょっと堅かったり唐突だったり自然でなかったり、そんな感じのシーンが…。それでも村上春樹ワールドをうまく映像化されているのだと思います。村上春樹のファンで、西島秀俊さんも好きだし、岡田将生くんも好き、ましてゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞とあっては素通りすることはできず。観れて良かったです。これから控えているアカデミー賞を韓国に続いて今度は日本が受賞してほしいものです。ところでチェーホフの「ワーニャ叔父さん」、一度読んでみようかなと思いました。こうしてまた世界がどんどん拡がっていくのが楽しいです。

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LOVE LETTER [日本映画 賞受賞]

日本映画「LOVE LETTER」を観ました。


Love Letter [Blu-ray]

Love Letter [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2013/04/12
  • メディア: Blu-ray

1995年の作品。IMDb評価は8.0。たくさんの賞を獲っています。日本アカデミー賞作品賞、新人賞(柏原崇、酒井美紀)、話題賞俳優部門(豊川悦司)、ブルーリボン主演女優賞、報知映画賞主演女優賞(中山美穂)などなど。

韓国ドラマ「天気が良ければ会いに行きます」の主役ソ・ガンジュンくんとパク・ミニョンさんのインタビューを観てると、この映画に触れ「お元気ですか?私は元気です」というセリフまで飛び出したので、一体何なんだ?と思い調べたら、日本だけでなく韓国でもかなりヒットした映画であることがわかりました。1995年といったら私は世界旅行中だったので当時の日本のことは全くの浦島太郎で、この映画の存在すら知りませんでした。今出会えて観れて良かったです。

神戸に住む博子(中山美穂)は山の遭難事故で亡くなった彼がかつて住んでいた小樽の住所に3周忌を機に手紙を書いてみます。すると来るはずのない手紙の返信が。それは同姓同名の女性で同級生の藤井樹(中山美穂、二役)からでした…。

博子は彼と同姓同名の樹と文通を通じて、中学生時代の彼に出会います。そして樹は彼との思い出を博子に綴ることで、中学時代の彼との思い出を思い出し、そして実は彼が自分に淡い恋心を持っていたのではないか(図書カードの裏に自分の似顔絵を後になって見ることに)と気づきます。二人の文通がお互いを過去へと戻し素敵な思い出を共有することで博子に取っては癒しに、そして樹にとっては淡い恋心の気づきとなったのでした。博子は彼に対する心の整理をし、文通した手紙をすべてこれはあなたの思い出だからと樹に全部送ります。そして山に向かい、「お元気ですか?私は元気です」と叫ぶのです。この言葉にどっと涙が溢れました。

中山美穂さん、一人二役でうまく演じ分けていました。中山美穂さん主演の「サヨナライツカ」や「新しい靴を買わなくちゃ」も結構好きな映画でしたが、中山美穂さんの映画ももっとチェックするといいかもなあと思いました。

しかしながら好きな韓ドラの俳優さんのインタビューからまた新たな出会いへとどんどん繋がっていくのは楽しいなあと思いました。

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いま、会いにゆきます [日本映画 賞受賞]

日本映画「いま、会いにゆきます」を観ました。


いま、会いにゆきます DVD-BOX 〈初回限定生産〉

いま、会いにゆきます DVD-BOX 〈初回限定生産〉

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2005/06/24
  • メディア: DVD

2004年の作品。IMDb評価は7・9。去年亡くなられた竹内結子さん主演の賞をたくさん獲った映画。去年韓国でもソ・ジソブさんとソン・イェジンさんでリメイクされました。長い間観たいと思いながらも観れずにいましたが、観れて良かったです。脚本が私が好きな岡田惠和さんが担当でした。

ストーリーがとっても素敵でした。高校生で同級生だった二人タクミとミオが結婚します。子供が生まれるも夫と子供を残してミオは28歳の若さで亡くなってしまいます。そして「雨の季節に来ます」と言い残し本当に亡くなった後、雨の季節に現れ、ただしミオは記憶を失くしていて最初はギクシャクしていますが、段々また普通に三人の生活に馴染み、そして慣れたころ雨の季節が終わるといなくなってしまいます。タイムカプセルの中にはミオの残した日記があり、その日記を後にタクミが読み涙するのでした…。

映画の残り2,30分で秘密が暴露され、この映画に深みが増します。微妙に号泣まではいきませんでしたが、ウルウルはしました。

その秘密とは20歳のとき、交通事故に遭ったミオが自分の未来を知ってしまうというものでした。タクミと結婚し子供が生まれて28歳で亡くなることを既に20歳のときに知ってしまったのです。そしてそうなると知りながらもその人生を選びたいと切に願いその通りの人生を選んだミオでした。そして自分から電話しタクミに会いに行くところで映画が終わっていました。

竹内結子さんのほか、中村獅童さん、市川美日子さん、浅利陽介さん、平岡祐太さん、小日向文世さん、田中圭さんなど演技のうまい方がたくさん出てました。子役の武井証くんという子が可愛くて演技も抜群でした。皆若い。もう17年も前の映画ですからね。

自分の人生が先に見えてしまった時、本当に選びたい人生ならばたとえどんな障害があっても短命であっても人はその人生を選ぶだろうなあと思いました。見えてしまった人生と同じ人生をたとえなぞることになっても。韓国版もいいらしいので、観てみたいです。

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桐島、部活やめるってよ [日本映画 賞受賞]

「桐島、部活やめるってよ」を観ました。

桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]

桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: Blu-ray

朝井リュウの原作を映画化。神木隆之介くんが出ているので観ました。2012年の日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞(吉田大八)、最優秀編集賞(日下部元孝)新人俳優賞優秀賞(橋本愛・東出昌大)など受賞。

高校のバレー部に入っている桐島が部活を辞めることで、それぞれの生徒たちの心情が微妙に揺れ動く様子を描いています。場面をまた別の角度から撮影した映画になっていて、同じ場面を2回の撮影でより立体的に見せています。初めはこの手法に戸惑いましたが、こういう映画の撮り方、編集の仕方もありだなあ、と思いました。高校生の揺れる気持ちを的確に見せ、それぞれが抱える問題や悩みを浮き上がらせる映画になっていました。

野球にもバスケにも才能があり、ルックスが良く彼女もいる宏樹(東出昌大)は何も部活に参加していません。バレー部で大活躍の桐島の大親友です。野球のキャプテンからは試合に出てくれと頼まれますが、その気は全くありません。また映画部で映画を作ることにエネルギーを注ぐ前田(神木隆之介)は、運動が苦手でバドミントン部のかすみ(橋本愛)をちょっと気にかけています。同じバドミントン部のくるみはバレー部の桐島がいなくなって一生懸命その代わりを務めようとする風助を気にかけます。桐島が部活を終えるのを待つのはその彼女の美人の梨沙(山本美月)と、宏樹たち男子3人で、宏樹たちはバスケで時間をつぶしています。

突然、桐島が部活を辞めることになったとき、彼女の梨沙のところには何の連絡もなく梨沙はいらいらしま す。宏樹たちはバスケで時間をつぶしていたのは桐島を待つためでしたが、今でもバスケを続けているのが何のためなのか仲間の一人が疑問を投げかけます。「俺はバスケが好きだから別にいい」というと、別の仲間は「それならバスケ部に入れば?」といいます。夜遅くまでバットを振って走る野球部の先輩は、「スカウトの人がたとえ来なくてもスカウトの時期が終わるまで野球を引退しない」と宏樹に話し、映画部の前田は「将来映画監督になれなくても、自分の知っている映画と自分が撮る映画に一瞬だけど繋がるときがあり、それがあるから映画部をやっている」というようなことを話します。そして、宏樹は自分を振り返り自分のふがいなさに涙します…。

女の子同士のつるんだり、男の子同士でつるんだり、密かに人を思ったり、それぞれの高校生を見せます。はるか昔のことですが、こんな感じあったかもなあと思いました。そして何かに打ち込んでいる人々はどこにあっても美しいと思いました。それは高校生とか大人とか関係なく。どんなことでも真剣に向き合う人たちは恰好いいなあと再確認させてくれる映画でした。

これが日本アカデミー賞の最優秀作品賞なのか!?と賛否両論分かれている映画のようで、確かに微妙なところがありますが、その見せ方の新しい映画でその部分は評価できると思いました。神木隆之介くんがちょっとダサい感じの高校生役でしたが、これもまたよし。でも主演は東出昌大さんみたいな感じの映画でした。


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