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ミッション [アメリカ映画 賞受賞]

アメリカ映画「ミッション」(The Mission)を観ました。

ミッション [DVD]

ミッション [DVD]

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2003/07/24
  • メディア: DVD

1986年の作品。IMDb評価は7.4。カンヌ映画祭パルムドール、アカデミー撮影賞、ゴールデングローブ賞脚本賞、作曲賞、英国アカデミー賞作曲賞受賞。エンニオ・モリコーネが音楽担当で、ドキュメンタリー映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」でこの映画「ミッション」もモリコーネが担当したと知り観たいと思っていました。18世紀のスペインの植民地であった南米を舞台に先住民にキリスト教の布教をするイエズス会の宣教師たちの話です。

新しく赴任した宣教師のガブリエル(ジェレミー・アイアンズ)は滝の上に住んでいる原住民たちに向けて、持ってきたオーボエを取り出し演奏を始める。それをきっかけにどんどんとガブリエルは原住民に溶け込んでいく。一方原住民を捕まえては奴隷として売り払う商売をしていたメンドーサ(ロバート・デ・ニーロ)は女性を巡って弟を殺し刑務所に入っていた。ガブリエルの勧めでメンドーサはイエズス会に入ることになり、見習い神父から正式な神父になった。原住民のグアラニー族とも溶け込みすべてがうまくいっていた時、スペインとポルトガルの領土の線引きが行われることになり、グアラニー族の土地はポルトガル領となる。その結果イエズス会の宣教師たちは退去し、グアラニー族もジャングルに戻らなければならなくなる。ガブリエルは原住民と共に静かに教会を守ることに決め、メンドーサとそしてメンドーサと共に同じように宣教師をしてるフィールディング(リーアム・ニーソン)二人は植民地支配層に反発し戦いに挑む。しかしたくさんの犠牲者が出てガブリエルも、メンドーサもフィールディングも皆命を落としてしまう…。

密林の中にある川や滝、緑が美しかった。18世紀の街並みとその中で行われるマリア様の祭りや闘牛の様子、教会の中など、旅行した中南米の各都市の街並みを思い出させてくれました。特にマリア様の祭りや闘牛はペルーのオリャイタイタンボで観ていたのでとても懐かしい思いがしました。密林もグアテマラのティカル遺跡に行った時に経験していたので、その思い出が蘇りました。滝つぼに落ちるシーンが迫力あった。ところどころで流れるモリコーネ音楽の「ガブリエルのオーボエ」がとっても心地よく、映画と良くマッチしてた。このモリコーネの音楽があるからこそ映画が余計に格調高く素晴らしいものになっていると思いました。

また密林が舞台で原住民との交流ということで、コリン・ファレル主演の「ニュー・ワールド」、メル・ギブソン監督の「アポカリプト」を思い出し、キリスト教の布教と言うことで遠藤周作原作でスコセッシ監督の「沈黙」を思い出しました。中南米の様子を少しでも実感できている今、この映画を観ることができて余計に良かったです。デ・ニーロも好きだし、モリコーネ音楽も好きだけど公開直後に観ていないのが意外と良かったかも、と思いました。既に観ていたら今観ることもなかったと思うので。

naonaoお勧め度★★★★★[王冠]

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ジョーカー [アメリカ映画 賞受賞]

アメリカ映画「ジョーカー」(Joker)を観ました。

ジョーカー [Blu-ray]

ジョーカー [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • 発売日: 2020/08/05
  • メディア: Blu-ray

2019年の作品。IMDb評価は8.4。サイコスリラー。アカデミー賞主演男優賞受賞(ホアキン・フェニックス)、作曲賞受賞。ホアキン・フェニックスのイカレた演技が素晴らしかった。デ・ニーロも出てたのでお得気分。脚本も良くできていた。何とか正常を保っていた主人公が、失業し、病気のカウンセリングや薬が打ち切られ、自分の出生の秘密が明らかになり信頼してた母が自分と同じ精神病を抱え結果的に嘘をついていたと感じたことや、一歩外へ出れば病気の笑い出すことが止められず人に誤解を受け絡まれる…と何重にも重なった不幸が常軌を逸した行動に駆り立てたとよくわかる筋書きになっている映画でした。そのどれかでも食い止めることができたらあんなにもたくさんの人を射殺することもなかったのに、と思いました。

母と二人暮らしのアーサー(ホアキン・フェニックス)。脳神経の病気で急に大きな声を上げ笑いだしてしまうため人から誤解を受けやすい。TVショーの芸人マレー(ロバート・デ・ニーロ)を観ては彼から自分がコメディアンとして絶賛されることを妄想する。仕事でピエロに扮している。ある日小児病棟に仕事で行ったアーサーは、ピエロの格好で銃を持ち込み子供たちの前に銃を落としてしまう。そのことが会社の知るところとなり会社を首になる。地下鉄に乗っていると突然アーサーは笑い出し、自分が病気であると言うカードを見せようとしたが間に合わず男3人に絡まれる。そこで持っていた銃でこの3人を射殺。その後ピエロの顔で逃げたこの犯人(=アーサー)のニュースは広がり、殺した3人がエリート証券マンであったため貧困層の富裕層への復讐と捉えられ貧困層から支持を集める。一方証券会社の社長ウエィンが単なる「ピエロ」発言をしたためバッシングを受けることに。市のカウンセリングを受け薬を処方してもらっていたが、市の予算が削られカウンセリングも薬も打ち切りとなってしまう。

自分の母がこの社長ウェインとの間に子供を産み、その子供が自分であると母がウェイン宛に書いた手紙で知ったアーサーはウェイン宅へ出かける。しかし母親はただこの屋敷で働いていてその間養子をもらっただけだと言われて帰って来る。精神病で入院していた母の記録を病院から強引に持ち逃げして母の記録を探ると、母の恋人がDVで母やアーサーを虐待していたことがわかり母はそのためにたくさんの精神病を抱えていた。母の言うことはすべてイカレていた嘘であることがわかると、アーサーはその場で母を射殺。アーサーの母の死を悼み慰めに来たピエロ仲間をも銃殺。そして以前アーサーがライブ会場で自分のネタを披露し、大好きで憧れている芸人マレーの番組でその映像が取り上げられ、テレビ出演をすることになるとマーレーを生放送中に射殺。テレビ局にピエロのメイクで現れ、マーレーに自分をジョーカーと呼んでくれと頼み、証券マン3人を殺したのは自分だと証言した直後だった。即座に取り押さえられるアーサー。護送中パトカーが事故を起こすもアーサーは命拾いしたくさんのピエロのお面をかぶった群衆にエールを受ける。その中でウェイン家族は群衆のピエロに射殺される。アーサーは刑務所送りとなり、血だらけの足跡を残しながら刑務所内をふらふらしてる…。

人を殺すのは絶対許されるべきことではないけれど、ここにはアーサーが殺人者になる過程があり、こうして人は殺人を起こしていくのだというようなものを見せてもらった映画でした。どこかでどんな形であれ救いの手が伸びていれば、アーサーがこんな風になることはなかっただろうなと思いました。ホアキン・フェニックスの演技が見もの。もともと演技力ある役者だと思ってましたがやっぱり抜群にうまかった。naonaoお勧め度★★★★★

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ミナリ [アメリカ映画 賞受賞]

アメリカ映画「ミナリ」(Minari)を観ました。

ミナリ [Blu-ray]

ミナリ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2022/08/03
  • メディア: Blu-ray

2020年の作品。IMDb評価は7.4。ヒューマンドラマ。韓国系移民の家族の物語。ゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞。アカデミー賞助演女優賞受賞(ユン・ヨジョン)。アカデミー賞授賞式でのユン・ヨジョンのスピーチで「ブラッド・ピットがいる」と嬉々として話してたのを思い出したのですが、なるほどブラッド・ピットはこの映画の製作総指揮のメンバーでした。移民が力強くミナリ(セリ)のように根を張って生きていく様子が描かれ、ちょっとドキュメンタリーを観てるみたいな感じでした。

韓国系移民のジェイコブは妻モニカ、長女アン、長男デビッドを連れてアーカンソーの田舎に引っ越してきた。夫婦でひよこの選別の仕事をしながら、広大な土地を手に入れ夢である農業を始めるジェイコブだが、掘ったところから水が出なくなり水道水を使うと今度は家の水が出なくなる。約束していた販売先には裏切られ新規開拓しなければいけなくなり前途多難。それを見ていたモニカは都会のカリフォルニアに戻りたいと思っていて夫婦仲もギクシャクし始める。モニカの母スンジャを韓国から呼んで当面子供たちの面倒を見ることをお願いしていたが、スンジャは脳梗塞を起こし体が少し不自由になる。スンジャを残して一家が出かけた時スンジャが火事を起こし、収穫したばかりの農作物が置いてある納屋を焼いてしまう事件が起こる。農作物は無くなったがスンジャが植えたミナリ(セリ)だけは力強く成長し増えていた…。

結構淡々とした日常を描き、静かな映画でした。おばあちゃんのスンジャが我が道を行く人で、孫のデビッドは「おばあちゃんらしくない」と言い最初のうちは嫌っています。おばあちゃんが臭いのでデビッドは一緒に寝たくなく、おねしょをしたことを「ティンドン ブロークン」と言われデビッドの友達に言いつけてるのも気に食わず、まずい漢方の飲み物を持ってきて自分に飲めと言われるのも嫌になってます。おばあちゃんは花札をやり、クッキーが焼けないのもおかしいと思っているデビッドは、自分のおしっこをおばあちゃんに飲ませ叱られますが、お仕置きの棒を捜してくるよう言われてデビッドが猫じゃらしを持っていくと「頭のいい子だね」とスンジャはすかさず褒め、足を怪我して泣かなかったときに「一番強い子だ」と褒められると段々とおばあちゃんを慕って行きます…。

心臓病のあるデビッドが少しずつ変わりおばあちゃんのスンジャと仲良くなっていくのが良かったです。「ミナリ、ミナリ、ワンダフルミナリ」の歌を歌ってる二人が微笑ましかった。アメリカは移民の国なのでアメリカ人にとってこの映画がかなり心に響いたようですが、シナリオもよくできているけど私にとっては普通にある映画だなあという感想でした。おばあちゃんのスンジャ役のユン・ヨジョンが自然すぎて演技してるとは思わせないところがやはり受賞に値する演技だと思いました。彼女はバラエティ番組でパク・ソジュンが出てた「ユン食堂」でお馴染みの顔で今回この映画で初めて演技を観ました。naonaoお勧め度★★★★


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ジョイ [アメリカ映画 賞受賞]

アメリカ映画「ジョイ」(Joy)を観ました。

ジョイ [Blu-ray]

ジョイ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2017/11/22
  • メディア: Blu-ray

2015年の作品。IMDb評価は6.6。シングルマザーで発明家のジョイ・マンガーノの半生を描く。ジェニファー・ローレンスがゴールデングローブ賞で主演女優賞受賞してます。他、ロバート・デ・ニーロ、ブラッドリー・クーパー、イザベラ・ロッセリーニなど豪華な俳優陣が出演。監督は「アメリカン・ハッスル」「世界にひとつのプレイブック」のデヴィッド・O・ラッセル監督。起業家精神みたいなものが垣間見れて、会社を作る人はまさにこういう人だと思える人物像でした。

高校は首席で卒業したのに、家にお金がないため家の経理を手伝いシングルマザーとして生きるジョイ(ジェニファー・ローレンス)。ある日割ったガラスを片付けるためにモップを使いそのモップに触って手を切ってしまったジョイは、モップに触らずにモップを絞るアイディアを思いつく。小さい時から絵を描き紙で物を作ることが大好きだった彼女は、小さい頃を思い出し一念発起。父(ロバート・デ・ニーロ)やその恋人(イザベラ・ロッセリーニ)などに資金をお願いし、モップを作り大型スーパーマーケットの駐車場で売ろうとするがうまくいかず。そのうち元夫からショッピングチャンネルのQVCのニール(ブラッドリー・クーパー)を紹介され、QVCで売ることにするが…。

ジョイは更に自分の家を担保に二重ローンでお金を借り大変なリスクを背負って、ニールの5万本ものモップを作れとの要求に応えたものの、テレビで説明してくれる人がそのモップを気に入ってくれずうまいプレゼンができずに失敗。その後ジョイはニールに自分がプレゼンターになると言ってうまくプレゼンを行い、見る見る間にモップを売っていきます。他にも部品会社から突然の価格の吊り上げやらパテントを盗まれるやら、たくさんの試練に見舞われ、それでも負けずに立ち向かうジョイ。その勇気が、起業家には試されていることが良くわかる映画でした。大抵の人は試練に遭うとそこでへこたれ終了。そこが成功か否かの鍵なのでしょう。ジョ二ファー・ローレンスの切れのある演技が良かったです。そういえば、日本支社のQVCに仕事でちょっと昔伺ったことがあったことを思い出しました。naonaoお勧め度★★★★

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ファミリー・ツリー [アメリカ映画 賞受賞]

アメリカ映画「ファミリー・ツリー」(The Descendants)を観ました。

ファミリー・ツリー [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

ファミリー・ツリー [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日: 2018/07/04
  • メディア: Blu-ray

2011年の作品。IMDb評価は7.3。カウイ・ハート・ヘミングスの同名小説を映画化。アカデミー賞脚本賞受賞。ゴールデングローブ賞作品賞、主演男優賞(ジョージ・クルーニー)受賞。他多数。ハワイを舞台にした家族の物語。

マット(ジョージ・クルーニー)は先祖代々引き継いできた土地をどうするか悩んでいた。そんな中、妻エリザベスが事故で昏睡状態に。娘のアレックス(シャインリー・ウッドリー)が事故前に母エリザベスが浮気をしていることを知ってけんかしたことをマットは知るが、妻が事故前に自分と離婚を望んでいたことも知る。マットとアレックスは偶然を装いエリザベスの浮気相手の家に訪れて、浮気相手に話をする。エリザベスは延命措置を生前から望んでいず余計な装置を外す時期が来ていたため、縁ある人に声をかけエリザベスにお別れをしに見舞ってほしいと望んでいたから、その浮気相手にもそのことを伝えた。先祖から引き継いだ土地も売るのを止めた。アレックスとその下の女の子に手を焼いていたマットだったが、その後は何となく家族がまとまった感じになる…。

ハワイの心地よさとは裏腹に家族の問題が起きて、スタック状態のマット。でも時々映るハワイの緑や海の青さや、ハワイアンの心地いい音楽に心伸びやかな気分になります。ハワイが舞台というだけで心地いい気分。でも実際はこうしていろんなことが日常で起こり、マットが言うように「ハワイ暮らしはパラダイスだろう、皆サーフィンして酒飲んで、って羨ましがる人がいるだろうけど、サーフィンなんて15年もやってない」の言葉通りなのでしょう。最後のシーンでマットが何か食べ物の入った皿をアレックスに持ってきて、二人でソファーに座りながらテレビを観ていて、娘のアレックスと自分の足にブランケットをかけます。下の女の子が後からやってきてそのソファに座るとマットは皿を下の子に渡し、アレックスから皿を奪って一口食べて戻し、3人ソファーに並んでブランケットに包まりながらテレビを観るのが何とも微笑ましく、いいエンディングでした。ハワイに行ったことがないけれど(南国の海ならどこも同じだと思って行ったことがない)いつか行ってみるのもいいなあと思いました。naonaoお勧め度★★★★

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