ハンティング・パーティ [戦争関連映画]
マイティ・ハート 愛と絆 [戦争関連映画]
映画公式サイト:http://www.mh-movie.jp/top.html
「マイティ・ハート 愛と絆」をめぐろパーシモンホールにて観て来ました。会場が遠くて、電車賃だけで前売りを買えそうな料金になってしまいました。今後はこういうことも考えて行かないと・・・。
この作品、アンジェリーナ・ジョリーが主演、夫のブラッド・ピットが製作してます。実話を元に作られたドキュメンタリータッチっぽい映画でした。2002年に記者である夫婦がパキスタンで取材していた折に、夫がテロリストに誘拐、殺害された事件を描いてます。思いのほか残酷なシーンがなかったのが救いでした。妊娠中の身でありながら最後の最後まで希望を捨てず、夫の帰りを待つ妻の役をアンジェリーナ・ジョリーが好演してました。
1994年秋に私もパキスタンを訪れてます。女性一人で回っていたためか、たくさんのパキスタンの人にもてなされました。実際男性一人やカップルで歩いていた人たちはこんなことはなかった、と言います。それはレストラン、ジューススタンド、女性専用車で見知らぬ人々にご馳走になり、おごられること。世界広しといえども、こんなにおごられたのはパキスタンくらいです。しかも相席して話が弾んでおごられるなら他の国でもありますが、大抵の場合は全く一言も話さない人が食事の会計を終えるときに私の食事代も一緒に払って出て行くのですから、びっくりです。詳しいパキスタンの記事はこちらをどうぞ。パキスタンの国の印象が今もなおいいのは、私がそんな経験をしているからです。
しかしながら何も知らない人がこの映画を観たら、きっと絶対にパキスタンに行きたくないだろうなあと思います。それがとても残念です。私が体験したパキスタンは人々が暖かく、映画に出てきたカラチのごちゃごちゃした喧騒ばかりがこの国ではないので・・・・。
映画では英語、ウルドゥー語、フランス語が使われ、現地のパキスタン人がたくさん出てきて、あまりハリウッド映画色が強くなく、パキスタン映画を観てる感じでした。夫の死を知らされたときと、出産のときのアンジェリーナジョリーが迫真の演技だったのですが、そのときの叫びが今も耳に残っていて辛い感じです。こんな体験を実際にしたマリアンヌ・パールさん。すごすぎます。壮絶すぎて私が本当に体験したら、気がふれてしまうでしょう、きっと。
10月29日付け東京新聞朝刊のコラムにこんな記事が載ってました。気になる記事でしたので以下抜粋、要約します。
・8年前、本紙で『心に染みた言葉、指針としてる言葉』を募集したところ、一番多かったのが『老子』にある『知足(足るを知る)』だった。そこで宗教学者の山折哲雄さんになぜ知足なのかを質問したときこんな答えが返ってきた。
・「『考えようによっては幸せの99%は金で買える。なぜならモノの豊かさを味わうことはできる。でもあとの1%の反逆によって幸せはいつでもひっくり返る』1%の反逆とは例えば病気やリストラ、災害のことで、いつあるかわからない。
・長野でひとり暮らしをし老子の思想を実践する加島祥造さんの新著「求めない」が今、好評だという。『求めない、すると簡素な暮らしになる。求めない、するといまじゅうぶんに持っていると気づく。求めない、すると、今持っているものがいきいきとしてくる』
・求めるのが人間なのだろうが、1%の恐ろしさは知っていたほうがいい。足るを知ること。反逆の起きる可能性が高い時代に生きている気がしてならない。
キングダム~見えざる敵 [戦争関連映画]
映画公式サイト:http://www.kingdom-movie.jp/
「キングダム~見えざる敵」を神保町の一ツ橋ホールで観てきました。
この試写会、当たりすぎ。3枚も試写状頂きました。有り難いのですが、1枚で十分。そのどの試写会もこの映画に限っては開映1時間前に開場となり、試写会では珍しく荷物検査があることを告知していました。実際行ってみるとやはり入場に多少時間もかかり、そしてびっくりしたのが映画が始まるとどこからか警備員の方が現れ、暗闇で双眼鏡をじーと覗いて、違法な録画などしていないか取り締まってました。私は端に席を取っていたため、スーと人がしばらく横に立っているので最初は何事かと映画以上にドキドキしました。
さて映画は、サウジアラビア首都リアドの外国人居住区で起きた自爆テロのため、4人のFBIチームがサウジアラビアに乗り込み、テロリストに迫るという話。いきなりの大掛かりな爆発、銃撃戦、人の死、流血。特に後半に敵のアジトに乗り込むのはハラハラドキドキでした。PG-12に指定された映画。「マイアミバイス」「ドリームガールズ」に出たジェイミー・フォックスが主演で、この人はこういう役がやはり合ってるなあと思いました。
映画の最後に、お互いが「相手を殺してやるから心配しないで」といったようなことを残った人や、また親しい人を亡くしてガッカリしてる人に言って相手を励ましていたことがわかるのですが、「やられたらやり返す」「殺されたらまた殺す」みたいな悪の連鎖を物語っていて、これはどこかで断ち切らないと永遠終わらないことなんだと改めて思いました。ダライラマやガンジーのように非暴力が今こそ必要な時代。そうしないとテロも永遠続くでしょうね。
しかしながらFBI。すごい職業だと頭が下がります。まさに命がけ。命がいくつあっても足りやしません。頭脳、体力、精神力。どれをとっても私には無理な仕事です。
さらば、ベルリン [戦争関連映画]
映画公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/thegoodgerman/
「さらば、ベルリン」を有楽町のよみうりホールで観てきました。
1945年第二次世界大戦終結の直後のベルリンが舞台。ポツダム会議の取材に来た米国陸軍の従軍記者役にジョージ・クルーニー。そしてその元恋人でたくさんの秘密を隠して彼と再会する女性役にケイト・ブランシェット。そしてケイト・ブランシェットとも関係を持ち、米軍の物資を横流しする米兵運転手役にトビー・マグワイア。40年代の名作「カサブランカ」や「第三の男」と同じ手法で撮られた映画のため、わざと白黒映画になってます。本当に衣装とか、音楽、ベルリンの荒廃した街や、皆が何がしかの秘め事を持ってるような感じが良く出て、「カサブランカ」にとても雰囲気がよく似た映画でした。まあ時代背景が一緒なので似てて当たり前ですが、ケイト・ブランシェットは「カサブランカ」に出てくるイングリッド・バーグマンを真似て演じたらしいので、ますます「カサブランカ」でした。「カサブランカ」好きな人は、上の写真を観ても「カサブランカ」を思い出してしまうと思います。この私もそうでしたから。
1945年の戦後ドイツはどんな風であったかと言えば、4分割され、アメリカ、イギリス、フランス、ソ連の統治下に置かれましたが、その中でもベルリンはソ連の統治下でした。そこから逃れようとコネがあればコネを使い、お金があればお金を使って、パスポートを申請し脱出しようとするものがいたり、その場で一儲けしようとするものがいたり・・・。この映画でもそういったことと無縁ではない映画でした。また当時のドイツにはたくさんの優秀な物理学者、化学者、技術者たちがいて、ソ連側もアメリカ側もこの科学者たちを欲しがっていたのですが、ソ連はそのドイツ人を比較的おおっぴらに誘拐し、アメリカ側はアメリカ側に秘かに移送する国家の命令が下されていたとのこと。だからおおっぴらにするか、秘かにするかの違いはあるにせよ、両国とも似たり寄ったりのことをしていました。映画ではケイトブランシェットの原爆研究者の夫が連れて行かれないように地下道に隠れて生活していたのですが、結局はアメリカに連れて行かれることになり、そこをジョージクルーニーが体を張って逃がしてやるのですが、この夫は殺されてしまいます。他にもたくさんの情報を手にしてそれを商売の種にしようとしたトビー・マグワイヤー演じる運転手が、ソ連領で札束を握ったまま映画のかなり早い段階で殺されてしまいます。ケイト・ブランシェット役の女性も「たくさんのユダヤ人をゲシュタポに突き出し、それで生き延びてきたわ」と言ってました。多かれ少なかれ、この時代に生きた人たちは人を欺いたり、裏切ったり、危ない闇の商売をしたりしながら生き延びてきたのです。
気になるジョージ・クルーニーとケイト・ブランシェットの恋の行方も、これまた「カサブランカ」同様、クールに終わり、別れは空港でした。映画のチラシに40年代名画の法則というのがありこれがまたおもしろいので載せておきます。
40年代名画の法則
・主人公は絶対に手を出してはいけない女と必ず恋に落ちる。・美しい女は必ず秘密を持っている。・男はいつも間違った道を選ぶ。・女はいつも正しい選択をする。・使ってみたくなる名セリフが最低3つは出てくる。・バーテンは何でも知っている。
時代のことや各国の立場、個々人の思惑などわからないと結構難しい映画かもしれません。今の華やかな映画に慣れてしまってる私としては何も好き好んでモノクロ映画にすることもないし、40年代にこだわることもないかもなあと思いましたが、ハンフリー・ボガードやイングリッド・バーグマンが出た「カサブランカ」を思い出し、まあまあ楽しめたのかも。原作はジョゼフ・カノンの小説「さらばベルリン」です。
さらば、ベルリン 上 (1) (ハヤカワ文庫 NV キ 8-3)
- 作者: ジョゼフ・キャノン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/02
- メディア: 文庫
さらば、ベルリン 下 (3) (ハヤカワ文庫 NV キ 8-4)
- 作者: ジョゼフ・キャノン
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/02
- メディア: 文庫
おまけ:
いつもブログを読んでるビューティーエディターのcrystalmimiさん、そしてビリージョエルつながりでビートルズをこよなく愛するノーバッドさんのお二人ともが、「ムコ多糖症」(お二人の記事はこちらとこちら)のことを書かれていて、これは私も書かないとと思い今回はバトンを回します。
以下crystalmimiさんの記事からのコピーです。
ムコ多糖症
この病気は、人間の中でも小さい子達に見られる病気です。
しかし、この《ムコ多糖症》という病気は、
あまり世間で知られていない(日本では、300人位発病)
つまり社会的認知度が低い為に、
今厚生省やその他製薬会社が様々な理由を付けて、
もっとも安全な投薬治療をする為の許可を出してくれません。
ムコ多糖症は日々病気が悪くなる病気で、
発症すると殆どの人が10~15歳で亡くなります。
8月7日「SCHOOL OF LOCK」というラジオ番組で
湘南乃風の若旦那が語ってから、私達に出来ることを考えました。
それで思いついたのが、このバトンという方法です。
5~6歳の子供達が厚生省にスーツ姿で出向いて
自分達が生きる為に必死に頭を下げたりしています。
この子達を救う為に私達が出来ることは、
この病気を多くの社会人に知ってもらって、
早く薬が許可されるよう努力することだと思います。
みなさん、ご協力お願いします。
[ムコ多糖症]
ムコ多糖を分解する酵素が先天的に欠損している為、
体内に蓄積することで様々な異常が引き起こされる病気。
多くの場合、身体や精神の発達遅滞、骨の変形、水頭症なども伴う。
重症の場合は成人前に死亡する。
今のところ有効な治療法が無いので、
骨髄移植や遺伝子治療の臨床成果が待たれる病気の一つである。
以上。
世の中にはまだまだ知られてないたくさんの難病があるのだと思いました。そして1日も早く多くの人にこの難病が知られて、厚生省も製薬会社も迅速に動いてくれることを願います。協力できる方は協力してください。
300(スリーハンドレッド) [戦争関連映画]
映画公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/300/
「300(スリーハンドレッド)」観てきました。
スパルタ軍とペルシャ軍がそれぞれ300人対100万人で戦うという戦争映画。スパルタ軍の兵士のマントが赤いほかは目立つ色も特別ないので、まるで白黒映画を見ている感覚です。時々セピア色の映画にもなって語りの部分もあり、物語風です。奇妙な生き物が出てきたり、大勢の戦士、矢を映し出したり、うまくCGも使っていました。
基本的に私は戦争映画は好きではないのですが、鍛えた肉体と矢と盾のみで戦いに挑むスパルタ軍が格好良かったし、スパルタの精神を全うするスパルタ王のレオニダスの一貫した生き方が潔く、心に響きました。またその王を支える王妃との愛も素敵でした。
最強国家を作り上げたスパルタの掟とは、①戦えない子供は谷底へ捨てろ②7歳で母親とは決別せよ③空腹なら盗んで生き延びよ④情けを捨てろ、傷みを隠せ、恐怖を受け入れろ⑤生き残ったものだけが一人前の男になれる⑥服従はしない、退却はしない、降伏はしない
映画の中には数々の酷い、情け容赦のないスパルタのやりかたが映し出されて(例えば相手国の使者をいきなり底なしの穴に突き落としてしまったり、相手軍の死人を石とともに壁を作り上げるのに使ったり、最後の最後まで息の根を止めるまで刺して刺して刺し殺したり・・・・)その映像を思い出すと夢にうなされそうですが、こうした残虐無残な戦争を繰り返すことで、人類は歩んできたのだなあと改めて思います。今も世界では戦争があり、いつまでも懲りない人類なのだなあと思いました。
この映画は「シン・シティ」、「バットマン・ビギンズ」、「デアデビル」などの原作コミックが続々と映画化されているフランク・ミラーの作品。大量のペルシア軍に、たった300人のスパルタ兵が果敢にも立ち向かったという伝説の「テルモピュライの戦い」をベースに描かれました。実際のテルモピュライの戦いにはスパルタ軍側が5200人、ペルシャ軍側は21万人とヘロドトスが述べているようですが、様々の学者の説ではペルシャ軍側は6万から21万まで様々な推定がされているようです。この戦いでスパルタ軍は全滅するまで3日間戦ったとのこと。すごいです。脱帽です。
300 [Original Motion Picture Soundtrack] [Deluxe Edition]
- アーティスト: Allen Walley, Christopher Laurence, Dominic Black, Leon Enrique Bosch, Mary Scully, Paddy Lannigan, Simon Benson, Stacey Watton, Tyler Bates, Chris Chaney
- 出版社/メーカー: Warner
- 発売日: 2007/03/06
- メディア: CD