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劇場版 ルパンの娘 [日本映画 ドラマ]

日本映画「劇場版 ルパンの娘」を観ました。

劇場版 ルパンの娘 レガシー・エディション [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • 発売日: 2022/02/23
  • メディア: Blu-ray

2021年の作品。IMDb評価は5.1。ドラマ「ルパンの娘」の映画化。ドラマも観ていて結構好きなドラマだったので楽しかったです。人気ドラマが映画化されると映画は観なくて良かったかもと思うことが多々ありますが、この映画はドラマにも劣らないくらいとっても良かった。評価低いけどもっと高くても良さそう。相変わらずインパクトの強い小沢真珠さんの演技と大貫勇輔さんの突然のミュージカルが素晴らしく良かった。

華(深田恭子)はかずくん(瀬戸康史)と共に子供を連れて新婚旅行に。でも本当の目的はディーベンブルグにある王冠を盗み出すこと。Lの一族がこの地に大集合することに。そして父(渡部篤郎)と母(小沢真珠)が引退を宣言する中、三雲レイ(観月ありさ)という彼らの行く手を阻む存在が。実はレイは華の本当の母であり、今まで本当の父母と思っていた父母は伯父伯母であった。華の父親(岡田義徳)が殺されたことでレイは悪者になってしまったので、1995年にワタル(栗原類)が作ったテントウ虫のタイムマシンでタイムスリップしてそれを食い止めようとするが…。

まずはストーリー展開が面白かった。華の父母が本当の父母でないという衝撃。またタイムスリップし過去を変え今ある現実が変わる恐れ(かずくんと出会わず結婚せず子供もいない世界になること)とか、円城寺の父(市村正親)が敵になったかと思ったら実は味方だったとか。

愛の不時着のパロディが可笑しかった。レイがピエロ姿で殺人を起こそうとするところが、「ジョーカー」みたいでもあったし。泥棒ワールドカップなる大会に出場する円城寺があまり出番がなく寂しいなと思いきや、後半たくさん出番があり楽しかった。敵を華麗な踊りでバッタバッタと倒してたのが本領発揮。最後の華とかずくんの結婚式にはさらに華麗な踊りを披露。オールスターキャストが揃い踊っていたのもとても最後に相応しく良かった。この泥棒一家、そしてかずくんの親やおじいさん(藤岡弘)たちも含めそれぞれのキャラも楽しくて、愛すべき映画、ドラマでした。また何といってもいきなりミュージカルになるというのが楽しすぎる。大貫勇輔演じる円城寺が素敵すぎ。naonaoお勧め度★★★★★

おまけ:映画の元となってるドラマも楽しいです。

ルパンの娘 Blu-ray BOX

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  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2019/12/25
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ルパンの娘(2020) Blu-ray BOX

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波紋 [日本映画 ドラマ]

ニッショーホール(旧ヤクルトホール)で日本映画「波紋」を観てきました。

波紋

(Filmarksから拝借)

2023年の作品。荻上直子監督作品。現代社会の抱える問題(震災、新興宗教、老々介護、障害者差別など)に次々と翻弄される主婦の姿を描くドラマ。「かもめ食堂」「めがね」「トイレット」「彼らが本気で編むときは、」など好きな作品ばかりの荻上直子監督の映画なので期待して観ました。今回は映画の後に舞台挨拶があり荻上直子監督の他、主演の筒井真理子さん、お笑い芸人のみなみかわさんが登場。実は「かもめ食堂」「めがね」「トイレット」も試写会で観てその時も荻上直子監督の舞台挨拶付きだったので、監督を観るのはこれで4回目。何とラッキーで監督作品と監督に縁があるのだと改めて嬉しくなりました。相変わらず監督はお茶目な感じでトークも面白かったです。またヤクルトホールがニッショーホールに名前を変えたことも今回初めて知り、旧ヤクルトホールに足を運ぶのも何年振りだろうかと懐かしさで一杯になりました(虎門にあったニッショーホールはどうなったんだろうとも思いました)

3・11が起きマスクをして水を買いに走る主婦の依子(筒井真理子)。テレビの音声では安部首相が原発は「Under control」と言っている。夫の父の介護をしている中、夫(光石研)が突然の失踪。夫の父が亡くなったあと半年してから夫が家に戻ってくる。「ガンになった。家で過ごしたい」という。近所の猫が自分の家の庭に入り、せっかく作った枯山水が台無しになる。近所の人に言っても素知らぬ顔をされる。スーパーのレジ打ちのアルバイト先では傷ついた商品を持ってきて毎回「半額に負けろ」と大声で怒鳴る客(柄本明)がいる。九州に就職した息子(磯村勇斗)が里帰りで連れてきたのは聴覚障害のある息子より6歳上の女性。妊娠している、そして結婚するという。夫が失踪してから入会した新興宗教先(キムラ緑子、江口のりこ、平岩紙がその幹部や会員役)ではたくさんの聖なる水を手に入れ、祈り、集会に参加し、踊り、ホームレスに食事を配っている…。

澱のように溜まっていく日常生活のイライラやモヤモヤ、波紋を依子は新興宗教に走ることで解決しようとする。聖なる水を買い特別だという水を分けてもらいながら、毎日の祈りと何かにつけその水を自分の周りにスプレーして清めようとする日々。ガンの認可されていない薬を使うために夫に大金が必要で、夫は「おやじの金は結構残っているだろう」と言う。バイト先の清掃するおばちゃん(木野花)に「体を動かすといい」と言われ同じようにプールに通い、よく話をするようになる…。彼女の一言「復讐しちゃえばいい。やっちゃえばいいのよ」みたいな発言で、依子は夫の歯ブラシで洗面を洗い素知らぬ顔をし、スーパーでは「お客は神様だろう」と怒鳴る客に「私の夫はガンなんです。神様なら何とかしてくれますか?」と言い放ちその客を手ぶらでそそくさと帰らせる。ちょっとした復讐が日常の息苦しさに風穴を開けて、少し心地いいものになる。最後、夫が亡くなると息子に「昔みたいにフラメンコやれば?」と言われ、喪服のままその場でフラメンコを踊り出す依子。気分爽快で思わず踊り出したような感じ。

時々セリフにクスッと笑え、そのセリフの数々がいかにもこの監督らしいなあとやはり思いました。また今までの映画は優しさとか癒しとか時のゆっくり流れる感じが必ず感じられ、とっても心地よくほのぼのしていたのですが、今回はちょっと毛色が変わっていてそういうものではなかった。初めからイライラ、モヤモヤが周りにたくさんあって、それをちょっとだけ気のすむように行動したり言葉にしたりすることで気分がスッキリする、そういう映画でした。あまり重くないクスッと笑いに変えているのがとっても良かった。これはこれでまた良き映画。また木野花演じる清掃のおばちゃんの家がごみ屋敷で、「息子が一人いるけど戻ってこない」と言っていたのに既に故人となっていたのにはちょっとグッときました。人それぞれに何かしらを抱えながら生きている。そして新興宗教先での踊りは違和感あったけど、そういえば「めがね」でも皆で変な踊りを踊っていたなと思い出しました。「めがね」の踊りは笑えて面白かったけど。依子のフラメンコは彼女の心の内が表現されていて結構すっきり、良かったです。naonaoお勧め度★★★★

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彼らが本気で編むときは、 [日本映画 ドラマ]

日本映画「彼らが本気で編むときは、」を観ました。

彼らが本気で編むときは、 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ジェイ・ストーム
  • 発売日: 2017/09/06
  • メディア: Blu-ray

2017年の作品。IMDb評価は7.2。荻上直子監督作品。トレンスジェンダーを扱ったドラマ。ゆるりと温かく荻上ワールドが全開の映画でした。主役でトランスジェンダー役に挑んだ生田斗真さんが女性以上に女性的で、その優しい語り掛けがこの映画にマッチしてとても心地よかったです。

シングルマザーのトモ(柿原りんか)の母(三村里恵)が男と家出したことで、叔父のマキオ(桐谷健太)が姪っ子のトモを預かり学校に行かせることになった。マキオはトランスジェンダーでマキオの母親を預かっている施設で働いているリンコ(生田斗真)という恋人がいて同棲中。リンコはトモを可愛がり、キャラ弁を作ったり編み物を教えたり糸電話で話をしたり髪をとかしたり一緒に寝たり。編み物をすることで高ぶった気持ちを落ち着け、嫌なことがあっても穏やかでいられる方法を彼女に教える。トモもいつしかリンコを慕っているのでした…。

トモの学校の同級生の男の子が同じ学校の男の子を好きになりラブレターを書き、それが母親(小池栄子)に見つかり破り捨てられ薬を多量に飲んで自殺未遂をします。その母親はトモに「あんな類の人と一緒にいるのをやめなさい」と忠告していました。自分の子供が自殺未遂するまで、自分の子供が「あんな類の人」であることも知らずに。一方、リンコの母(田中美佐子)はとても理解のある母親で、リンコが「私おっぱいが欲しい」というとブラジャーを買い編み物でおっぱいを作り彼の胸に入れてあげます。そして「私の娘が一番可愛い」と今でも言います。リンコは108つの男根の形を編み、中に綿を入れ、浜辺で燃やし弔います。その後戸籍を男性から女性に切り替えるつもりです。トモは学校で性同一性障害の友達をキモイといい、当然リンコのことを最初は快く思っていなかったのですが、リンコと接するうちその人間性に触れ、彼女を攻撃する人たちに立ち向かい涙まで流します。その変わり具合がとっても良かった。そして何といってもリンコ役の生田斗真さん。穏やかで丁寧で静かな物言い。その佇まい。緩やかに穏やかに時が流れていくこの映画にピッタリの雰囲気で、本当に素敵でした。荻上直子監督の作品は「かもめ食堂」「めがね」「トイレット」を観てきましたが、この映画もそれらに通じる優しさや穏やかさ、時の流れの緩やかさ、ちょっとクスッと笑える感じの映画でほのぼのと心温まりました。良かったです。naonaoお勧め度★★★★★

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永い言い訳 [日本映画 ドラマ]

日本映画「永い言い訳」を観ました。


永い言い訳 [Blu-ray]

永い言い訳 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2017/04/21
  • メディア: Blu-ray

2016年の作品。IMDb評価は7.2。西川美和監督。西川美和さんがテレビ番組にゲスト出演していたのを思い出し彼女が監督した映画を観てみました。本木雅弘主演。

妻が事故で亡くなるも既に愛情のなかった津村(本木雅弘)。妻の同級生も一緒に亡くなりその遺族と交流を持つようになり、子供のいない津村がこの遺族の子供たちの面倒をみることで自分自身を見つめ直す物語です。

「おくりびと」以来7年ぶりの本木雅弘主演映画とのこと。もっくん、演技力あります。やはりこの人はうまいなあと思いました。ただ映画自体はあまり響かなかった。なぜだろう。ストーリー的なものでしょうか。原作もあるらしく原作読んだらまた違った思いが生まれるのかなあ。

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あん [日本映画 ドラマ]

河瀨直美監督、ドリアン助川原作、樹木希林主演の映画「あん」を観ました。



あん Blu-ray スペシャル・エディション

あん Blu-ray スペシャル・エディション

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2016/03/16
  • メディア: Blu-ray

グーグルでの評価満足度が91%とあり、どんな作品なのだろうとお気楽に観ていましたが、結構ずしりと胸に来る人生を考えさせられる映画でした。

桜が満開の季節に、ふらりと訪ねてきたあんこ作りの得意な徳江(樹木希林)が、どら焼きやの店主(永瀬正敏)に自分を雇ってほしいとお願いし、徳江は雇われ彼女の作るあんこのお陰で店が繁盛するのもつかの間、徳江がハンセン病だとの噂が広まり店にお客が来なくなります。徳江も店に来なくなり、どら焼きやの店主と店に通っていた中学生のワカナ(内田伽羅)は彼女を訪ねるのです。そして2度目に訪ねたときには既に彼女はこの世を去っていました。


影のある人生に失敗して半ば投げやりになっている店長役の永瀬正敏の演技も良かったし、勿論徳江役の樹木希林は文句なしに素晴らしかったです。中学生の内田伽羅って誰?と調べたら、樹木希林の孫(つまり本木雅弘、もっくんの子供)であることがわかりました。樹木希林と仲の良い浅田美代子も出ていたし、市原悦子も出ていて皆うまかったです。


映画の中で映る桜が印象的でそしてまた格別美しかったです。「働けて楽しかったよ、店長さん」と何度も繰り返し徳江がいう言葉に自然に涙が溢れました。ハンセン病なので隔離され外で働くことなど許されず、70半ばになって初めて外で働き、その喜びに溢れているのです。働けて当たり前、いやむしろ働くことに時々半ば嫌気が刺している自分にとっては突き刺さる言葉でした。ハンセン病はライ病とも言われて、インドを旅行していた1990年代にたくさんのライ病患者を見ました。インドでは人目につかないように隔離することなくそのままで、乞食の中にたくさんのライ病患者がいました。指がない、鼻がない、足がないので胴体をコロコロの着いた板の上に乗って移動してます。初めて見た時は衝撃的でした。彼らは近づいてきて施しを求め、インドの人たちはお金を普通に彼らに恵みます。多くの旅行者もそれに習い、私もそれに習いました。


また「私たちはこの世を見るため、聞くために生まれてきた。この世はただそれだけを望んでいた。だとすれば、何かになれなくても、私たちには生きる意味があるのよ」という言葉がとっても良かったです。

つい最近、Eテレでやっている「猫のしっぽ、カエルの手」という番組のベニシアさんが、イギリスの貴族を離れてアイルランドへ移って暮らしていた亡くなった母の家を訪れている番組を観ましたが、ベニシアさんのエッセイの中に、人生の中に何に価値を置くかみたいなものがあり、それは何者かになれたとか偉大なことを成し遂げたとかそういうことでなく、どれだけ自分に満ち足りて幸せであったか、そういうことに価値を置きたいという言葉に触れたばかりだったので、映画の徳江の言葉とベニシアさんの言葉に共感できるなあと思いました。


桜の咲くこの時期、この映画はお勧めです。

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