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悪との距離 [台湾ドラマ]

台湾ドラマ「悪との距離」(The World Between Us)を観ました。

悪との距離 DVD-BOX <シンプルBOX 5,000円シリーズ>

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  • 出版社/メーカー: エスピーオー
  • 発売日: 2020/05/01
  • メディア: DVD

2018年の作品。IMDb評価は9・3。社会派ヒューマンドラマの傑作と言われ、台湾本国のみならずアジアのたくさんの賞を獲り、多くの人が絶賛しているドラマです。無差別殺人犯の家族と、殺人犯を弁護する弁護士と家族、マスコミ、精神科医のそれぞれの視点から描いています。骨太のドラマで見ごたえがありました。

大量無差別殺人犯に息子の命を奪われて以来、人が変わったと言われ続けているテレビ局で働く喬安(チャオアン)。毎晩の酒を飲んで、残った娘には「お兄ちゃんと一緒に亡くなればよかったのよ」と言われ、夫とも不仲となり家庭崩壊の危機寸前。またテレビ局にはこの大量無差別殺人犯の家族の一員である妹が名前を変えて新しい人生をスタートさせていた…。この殺人事件を担当した王弁護士が偶然このテレビ局にやってきて、この妹の存在に気づく。王弁護士は何故大量殺人を行ったのか、原因を突き止めようと懸命になるが、メディアや一般市民から非難を浴び、身重の妻には大量無差別殺人犯の弁護をやめてほしいとお願いされる…。

志田未来ちゃんと佐藤浩市さんの映画「誰も守ってくれない」を思い出しました。映画は殺人犯の両親が離婚させられ一家ばらばらとなり早急に苗字を変えさせられるその手際の良さに当時びっくりしたなあという記憶があります。中学生の志田未来ちゃん演じる女の子がどこにも身を寄せるところがなく、佐藤浩市さん演じる刑事の計らいでどこかに身を寄せるのですが、ネット上に誹謗中傷が書き込みされるといった内容でした。このドラマでは、映画で描かれた加害者家族だけでなく、被害者家族もどれほど色んなことがギクシャクとしてうまくいかなくなるか、そして加害者の弁護を行う弁護士家族にまで及ぶ危機(夜中に無言電話がかかってきたり、身重の妻がその心労のため流産までしてしまいます)、マスコミの報道、一般市民の反応、精神科医の実情などを見せてくれます。殺人犯の兄を持つ妹が住んでいる家の大家は、カフェのオーナーでもあり、精神病にかかっている弟を持っているのですが、そのことでこの大家の女性は結婚が破談になります。殺人犯の兄を持つ妹は同じテレビ局に被害者家族がいると知り、テレビ局を辞め一時大家の経営するカフェで働いていますが、カフェには殺人犯の家族が働いているとマスコミが報道。それを知った一般市民は卵を投げつけにやってきて店を開けていられません。それでも大家でカフェのオーナーは彼女を守ろうとします。最後には店もちゃんと運営され、妹も別のテレビ局で働きだし、息子を亡くしたテレビ局の女性は家族仲を取り戻し、転職してまたその妹と顔を突き合わせますが、何とかうまくやっていけるような希望のあるラストでした。殺人事件が起こるとどれほどまで多くの人に影響が及ぶのか、どれほど苦しむのか、よくわかり心が痛いドラマでした。naonaoお勧め度★★★★★

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時をかける愛 [台湾ドラマ]

台湾ドラマ「時をかける愛」(想見你Someday or One Day)を観ました。

【メーカー特典あり】「時をかける愛」DVD-BOX 二巻セット初回限定盤

【メーカー特典あり】「時をかける愛」DVD-BOX 二巻セット初回限定盤

  • 出版社/メーカー: コミックリズ
  • 発売日: 2020/06/03
  • メディア: DVD

2019年の作品。IMDb評価は8・7。ファンタジー、ミステリー、ラブロマンス。アン・ヒョソプくんの次回作がこの台湾ドラマ「時をかける愛」のリメイクだと知り、このドラマを調べていたら評価も高く台湾でもたくさんの賞を獲り、中国語圏でも絶大な人気を誇っている「神ドラマ」と呼ばれていることを知りました。そこで台湾ドラマ初めてでしたがトライしました。観て大正解でした。透明感あるドラマの雰囲気が素敵だったし、タイムトラベルものでワクワクドキドキ。ちょっとゾクゾクのミステリーもあり、ラブコメ要素もありと色々入ってましたが、よくまとまっていて最高でした。そして時空を超える二人のラブロマンスがあまりにも素敵すぎでした。

恋人の詮勝(チュエンシェン)を飛行機事故で亡くした雨萱(ユーシュエン)は2年もの間立ち直れないでいた。世の中に似ている人が2人いるからその似てる人を探すアプリがあると知って、さっそく彼を探すことに。すると彼そっくりの人が自分そっくりの人ともう一人の3人で写真に映っていた。その晩、夢を見る。自分が韻如(ユンルー)という自分ととても似ている女子高生となり、恋人の詮勝(チュエンシェン)にとても良く似た子維(ズーウェイ)という男子高校生、そして彼の友人俊傑(ジュンジェ)に会うのでした。

最初は夢だと思っていたことが実は夢でなく、タイムトラベルでした。厳密にいえば、雨萱(ユーシュエン)の意識だけが韻如(ユンルー)の中に入ってしまったタイムリープ。ウォークマンで伍伯(ウーバイ)の「ラストダンス」をいう曲を聞いているうちに、2019年の台北から1998年の台南へ飛んでしまったのです。27歳の彼女が17歳の顔は恋人と同じだけど中身が違う男の子相手にいろいろやってるので結構面白い場面がありました。子維(ズーウェイ)は雨萱(ユーシュエン)の意識が入った韻如(ユンルー)を好きになり、また雨萱(ユーシュエン)の意識が入った韻如(ユンルー)は子維(ズーウェイ)を好きになっていくのです。

そして2003年にカナダ留学から戻った子維(ズーウェイ)は事故に遭い気づくとそこは2010年の世界で、子維(ズーウェイ)もまた意識だけが詮勝(チュエンシェン)の中に入っていました。彼は好きだった雨萱(ユーシュエン)を探して自分も同じ大学に進み、彼女を振り向かせようと一生懸命になります。ここはかなりラブコメ要素強めで楽しかったです。子維(ズーウェイ)も雨萱(ユーシュエン)も何度か現代と過去を行ったり来たり。韻如(ユンルー)が襲われ、他の同級生が殺され、一体誰が犯人なのか犯人探しも始まります。それから韻如(ユンルー)が殺され(本当は自殺と後でわかる)、そのことで刑務所送りになった俊傑(ジュンジェ)、その後彼は出所し自殺。子維(ズーウェイ)は雨萱(ユーシュエン)のかかりつけ医に殺され…といった最悪の出来事が起こりますが、雨萱(ユーシュエン)がぎりぎりタイムトラベルして最後の最後で韻如(ユンルー)の命が助かることで、これらすべての最悪の出来事が阻止されます。その一方ウォークマンが壊れ、もうこれ以上タイムトラベルできないようにテープを雨萱(ユーシュエン)が俊傑(ジュンジェ)に託して処分してもらいます。雨萱(ユーシュエン)と子維(ズーウェイ)は最後の別れのために涙を流しながらハグし、もうこれ以上会えないこと、過去のすべて、思い出のすべてが消える覚悟をしたとき、二人は抱き合ったまま一瞬で消えてしまうのです。

それからほどなくして、小さな女の子雨萱(ユーシュエン)と高校生の子維(ズーウェイ)は出会います。また何年か後には同じオフィスで、子維(ズーウェイ)の28歳の誕生日を祝う高校生の雨萱(ユーシュエン)の姿がありました。彼らの恋愛はこれから、という感じのハッピーエンド。時空を超えての子維(ズーウェイ)と雨萱(ユーシュエン)の壮大なラブロマンスで、これ以上ないくらい素敵でした。脚本はメビウスの輪をテーマに、時間軸をどこまでも抜け出せない二人の運命を描いているとのことでした。

一人二役が三人。雨萱(ユーシュエン)役と韻如(ユンルー)役をしたアリス・クー(柯佳?)さん。詮勝(チュエンシェン)役と子維(ズーウェイ)役をしたグレッグ・ハン(許光漢)くん。雨萱のドクターの芝斉(ジーチー)役と子維らの同級生の宗儒(ゾンルー)役をしたヤン・ユーリーさん。アリス・クーさんは活発で物怖じせず自分の意見をはっきり言う雨萱(ユーシュエン)役と、大人しくていつも一人、友達が誰もいない韻如(ユンルー)役を見事に演じ分けました。雨萱(ユーシュエン)を真似た韻如(ユンルー)役もとてもうまかったです。グレッグ・ハンくん、笑顔がいつも素敵で爽やかでした。彼もこの役にピッタリでした。このドラマで中国での人気に火が付きオファーが殺到したとか。わかる気がします。猟奇的な怖さがあった芝斉と宗儒の兄弟を演じたヤン・ユーリーさんは、いつも不気味な存在で彼もまたタイムスリップしたのでした。切なかったのは子維の友人俊傑(ジュンジェ)を演じたパトリック・シーくんの役。韻如が好きなのに彼女は子維が好き。いわゆる三角関係。韻如の中に雨萱が入ってきて好きだという感情も微妙になり…。でも最後は彼もまた好きな人韻如と一緒にいたので良かったのかな。

タイムトラベルものなので一体どこの時代なのか頭が追いつかなくなり、しかも似てる人に意識が入り込むという男女2人がそれぞれいて、意識が入っているのかいないのか一体本性は誰?いつまで続いているの?とわからなくなり(特に空港の場面。中年になった子維(ズーウェイ)と、子維(ズーウェイ)の意識が入った詮勝(チュエンシェン)が対面というややこしい状況で、飛行機事故で死ぬことがわかっているのに死ななければ雨萱(ユーシュエン)がタイムスリップして来ないだろうからと死ぬことを選択しますが…)これで整合性はとれているのか、いろんな疑問が頭をよぎりました。タイムトラベルものは結構厄介、でも楽しい。観ながら色々頭を使いました。熱心なファンが世にはたくさんいるので、このドラマを人物ごとに時間軸で追ってる解説ブログもあり、読んで多少納得し、モヤモヤ解消になりました。

CDラジカセとかレコードとかカセットテープとか、韓ドラ「二十五、二十一」でも懐かしかったけれど、このドラマではSONYのウォークマンがキーアイテムだったので余計に懐かしさがありました。それと台湾の食べ物。かき氷にプリンを載せたものとか、揚げ菓子、カラメル焼き…おいしそうでした。観終わったばかりなのにまた観直したい気分。今まで観た全てのドラマの中で10本の指に入るくらい好き。タイムトラベルものでは1位かも。今は完全にロスです。目下の楽しみは去年発表されたこのドラマの映画化の話。既に2割が撮影済みとか。メインキャストも変わらずなのでとっても楽しみです。今回も韓国ドラマに倣ってレイティング。naonaoお勧め度★★★★★[王冠] 

おまけ:このドラマの原題は「想見你(きみに会いたい)」で、ドラマの最後にいつもこの曲がかかります。八三夭831の「想見你想見你想見你(きみに会いたいきみに会いたいきみに会いたい)」(Miss You 3000)今も頭の中でグルグルとこの曲が流れています。聴くと切なさでいっぱい。


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