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私を離さないで [イギリス映画]

「私を離さないで」を観ました。

わたしを離さないで [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: Blu-ray


2010年のイギリス映画。カズオ・イシグロの原作を映画化。同じ寄宿学校ヘールシャムで育ったキャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)。そこで育った子供たちは大人になると臓器提供をしなければならない。そして臓器提供まではその提供者の介護者となって働いている。大人になってバラバラだった3人がまたある時に再会を果たします。淡い恋、三角関係であった3人の物語です。

寄宿舎のおかしな風景にも、臓器提供していずれは死が待っているというそのシステムにもかなり違和感を持って映画を観て、今も消化しきれずにいます。寄宿舎で育った子供たちはどうやら孤児たちで、社会に出たときに普通の人たちの臓器移植の提供者となることが最大の目的で育てられているようなのです。そんな社会って何なのだろう?すごい違和感以外何物でもありません。そして本当に愛し合っている者たちは臓器提供を延長し待ってもらえるという噂があり、実際に愛し合っていたキャシーとトミーはへーシャムの元学長のところへそのことを伝えに行くと、「これまでも臓器提供の延長をしたことがないし、これからもそれは同じ」ときっぱりと言われてしまうのです。何と酷い宣告。キャシーが愛するトミーも臓器提供で最後は若くして亡くなり、自分のもとにも臓器提供をしなければならない通知がやってきます。まるで戦時中の赤紙みたいだと、思ってしまいました。

ディカプリオ主演の「華麗なるギャッツビー」を観たとき、相手役の女優さんキャリー・マリガンが愛らしく彼女の出ていたこの映画を観たいと思いながら観る機会を長らく失っていました。キャリー・マリガンはかつてエディ・レッドメインのガールフレンドでもあった人だったので気になってもいたのです。しかし今回は気になっているドーナル・グリーソンが出ているということでこの映画を再発見し、出演者の中にドーナル・グリーソンやキャリー・マリガンが出てるだけでも嬉しかったのですが、インディペンド映画「BOY A」の主役だったアンドリュー・ガーフィールドもいることを知り二重三重と得をした気分になりました。「BOY A」の主役を演じたアンドリュー・ガーフィールドが間違いなく素晴らしい演技力だったので、その後どんな俳優さんになっているんだろうかと思っていました。だからこの映画で期せずして彼の演技も観れて大満足でした。

また近頃スコセッシ監督の新作映画「沈黙」にも彼が出ており、スコセッシ監督の映画も遠藤周作の「沈黙」も大好きなので、今この時期にまたいろいろ繋がった感じです。「沈黙」も是非観たいです。また好きな村上春樹がカズオ・イシグロの大ファンらしく、そういう意味でもこの映画を観れて良かったです。好きなものは磁力を持ち、皆集まってくるような感じがしましたが、私にとってはこの映画、ちょっとハードルが高かったです。本当に違和感だらけの映画。テーマがテーマだけに気分も落ち込み、辛すぎでした。カズオ・イシグロの世界は厳しすぎだと思いました。


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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2017-01-27 22:29) 

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