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項羽と劉邦7~張良の暗躍 [本]
「項羽と劉邦7~張良の暗躍」を読みました。
横山光輝のマンガ。
張良が戻り劉邦と再会。陸賈(りくか)は戻らず。申陽と魏豹(ぎぼう)の説得を張良が買って出る。また張良は項羽軍を斉に攻めさせるために、偽の檄文を書いて項羽に送る。斉が魏を攻めるという内容で、項羽の軍師、范増はそれを張良の策と見破っているも、楚は斉を攻め始める。
張良は最初、西魏王の魏豹を説得すると魏豹は漢に下った。次に河南王の申陽を説得に行くが、裏切る陸賈によって張良は捕らえられ楚軍の彭城の送り込まれそうになるが、仲間の樊噲(はんかい)に助けられる。陸賈も連れ戻り漢に仕えさせる。
項羽側では劉邦の一族を捕えようとしていたが、劉邦側は王陵を出兵させ山に住む周吉、周利の協力を得て劉邦一族を救いに行く。この時敵将英布たちが周吉、周利を殺し漢側は窮地に追い込まれるが援軍が来て見事劉邦一族を救う。項羽は王陵を手下にしたいと考え王陵が親孝行であることに目をつけ、王陵の母を捕える。
次に劉邦は東の殷王の司馬卬(しばごう)を討つ計画を立てる。戦って殷側は城に籠り、楚の援軍を待つことに。楚は斉と梁を討つため出兵していたが、殷が負ければ自分たちも不利になると考え援軍を出す。すると漢軍はいきなり退去し、項羽が咸陽へ兵を向けたための退去だと噂を流させた。殷は後追いをしたところ伏兵を置いていた漢に殷軍は総崩れ。殷は降伏することになった。
項羽軍は殷を助けに行くも途中で引き返し、そのため陳平は項羽の怒りを買う結果となり、陳平は漢に走り降伏してしまう。橋渡しの盗賊に遭いながら漢にたどり着き、友人の魏無知を訪ね彼を通じて劉邦に会い、参乗典軍(劉邦に陪乗させ軍を監察する任務)に抜擢されると、長く漢で働く者たちの不平不満が出た。
趙の張耳も漢に降下したいと、漢にはあちこちから降下するものが出てきた。
その頃軍が40万にもなり東征する(項羽を討つ)機運が高まった。しかし張良は反対した。それでも劉邦は出兵。道すがら三老に呼び止められ「大義名分なしに戦はできない」ことを言われ、洛陽で殺された義帝の喪を発表し式を執り行った。ここで韓信と張良は少し時期を待つべきと劉邦に言うが、劉邦は言っても聞かなった。韓信は自ら咸陽 を守らせてほしいと言い、大元帥の印を返す。張良は亡き韓王の孫の姫信に封爵を与え漢の臣にすれば陳留を守ることができるのでそれを一刻も早く伝えに行きたいと劉邦の元を去って行った。そこで劉邦は周りの意見を聞かず魏豹を大元帥にした。
項羽はその頃、斉を攻め勝手に斉王を名乗っていた。項羽は英布に援軍を要請したが英布は仮病を使い出兵せず。英布は項羽に仕えることに辟易していた。
巻末には劉邦の故里の沛県の旅が載っていました。杯を手にし「大風歌」を歌う劉邦像があり、狗肉=犬の肉を食べさせるレストランがあり(韓国でも犬を食べさせるレストランがあったことを思い出した)、沛県の博物館は真っ暗で説明書もない等。また悲劇の名将、韓信のことも。今も漢中市に残る「拝将台」は韓信の大元帥の任命式を行ったその遺跡であること、「史記」を書いた司馬遷が取材に当たった時には韓信が亡くなって100年経たないころで、韓信はチンピラに絡まれた時に言われるままにその股の下を潜ったけれど、後にこのチンピラを呼び中尉に任命したこと、また飯を韓信に恵んでくれた老女には後に千金を与えたなどのエピソードが加えられているとのこと。また韓信の「背水の陣」や後に斉王になりその後楚王になり侯に格下げされ、漢帝国成立後の5年後に都長安でクーデターを起こし処刑された最後まで書かれてました。
全12巻のこの「項羽と劉邦」のもう後半に入りましたが、巻末の文章で韓信のこの先が暴露された形となりました。最後彼がクーデターを起こ処刑されるなんてちょっと残念。ここまで読んで劉邦はたくさんの才能ある部下を登用してきましたが、特にその部下の張良と韓信の二人の活躍は素晴らしい。ブレーンが大切であることは「三国志」も「項羽と劉邦」も変わらないなあと思いました。
ミッション [アメリカ映画 賞受賞]
アメリカ映画「ミッション」(The Mission)を観ました。
1986年の作品。IMDb評価は7.4。カンヌ映画祭パルムドール、アカデミー撮影賞、ゴールデングローブ賞脚本賞、作曲賞、英国アカデミー賞作曲賞受賞。エンニオ・モリコーネが音楽担当で、ドキュメンタリー映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」でこの映画「ミッション」もモリコーネが担当したと知り観たいと思っていました。18世紀のスペインの植民地であった南米を舞台に先住民にキリスト教の布教をするイエズス会の宣教師たちの話です。
新しく赴任した宣教師のガブリエル(ジェレミー・アイアンズ)は滝の上に住んでいる原住民たちに向けて、持ってきたオーボエを取り出し演奏を始める。それをきっかけにどんどんとガブリエルは原住民に溶け込んでいく。一方原住民を捕まえては奴隷として売り払う商売をしていたメンドーサ(ロバート・デ・ニーロ)は女性を巡って弟を殺し刑務所に入っていた。ガブリエルの勧めでメンドーサはイエズス会に入ることになり、見習い神父から正式な神父になった。原住民のグアラニー族とも溶け込みすべてがうまくいっていた時、スペインとポルトガルの領土の線引きが行われることになり、グアラニー族の土地はポルトガル領となる。その結果イエズス会の宣教師たちは退去し、グアラニー族もジャングルに戻らなければならなくなる。ガブリエルは原住民と共に静かに教会を守ることに決め、メンドーサとそしてメンドーサと共に同じように宣教師をしてるフィールディング(リーアム・ニーソン)二人は植民地支配層に反発し戦いに挑む。しかしたくさんの犠牲者が出てガブリエルも、メンドーサもフィールディングも皆命を落としてしまう…。
密林の中にある川や滝、緑が美しかった。18世紀の街並みとその中で行われるマリア様の祭りや闘牛の様子、教会の中など、旅行した中南米の各都市の街並みを思い出させてくれました。特にマリア様の祭りや闘牛はペルーのオリャイタイタンボで観ていたのでとても懐かしい思いがしました。密林もグアテマラのティカル遺跡に行った時に経験していたので、その思い出が蘇りました。滝つぼに落ちるシーンが迫力あった。ところどころで流れるモリコーネ音楽の「ガブリエルのオーボエ」がとっても心地よく、映画と良くマッチしてた。このモリコーネの音楽があるからこそ映画が余計に格調高く素晴らしいものになっていると思いました。
また密林が舞台で原住民との交流ということで、コリン・ファレル主演の「ニュー・ワールド」、メル・ギブソン監督の「アポカリプト」を思い出し、キリスト教の布教と言うことで遠藤周作原作でスコセッシ監督の「沈黙」を思い出しました。中南米の様子を少しでも実感できている今、この映画を観ることができて余計に良かったです。デ・ニーロも好きだし、モリコーネ音楽も好きだけど公開直後に観ていないのが意外と良かったかも、と思いました。既に観ていたら今観ることもなかったと思うので。
naonaoお勧め度★★★★★
項羽と劉邦6~水火の計 [本]
「項羽と劉邦6~水火の計」を読みました。
横山光輝のマンガ。
大元帥となった韓信が樊噲(はんかい)に命を出す。1万人の人夫を使い1か月で300里ある桟橋を修復すること。しかしあまりにも短期間での過酷な工事なので脱走兵が続出し、漢から楚へ下るものが出た。しかしそれは織り込み済みで韓信の策だった。裏では陳倉道がありこの道を通れば5日で相手側の領地、散閑に出ることがわかっていた。韓信は出陣。その途中で義兄弟の契りを結んだ辛奇にも遭い、辛奇も軍に加わる。散閑の城内ではわざと投降した者たちが城門を開かせた。
ここから章邯(しょうかん)の守る廃丘城を攻めた。散閑城主の章平が耳を斬られて駆け込んできて事情を把握する章邯。すっかり油断していたので慌てた。城に引きこもる章邯を外におびき寄せるため、罵詈雑言並べ城の前で宴会を催す漢軍。章邯は夜討ちをかけるも漢軍は待ち構え火攻めを行う。慌てて章邯はまた城に逃げ帰る。またも章邯は引きこもってしまったため、今度は上流で3日間堰を止めその後一気に堰を切って川を反乱させ城を水浸しにした。泣く泣く章邯は裏の桃林に逃げ、韓信は城の中に入った。
次に董翳(とうえい)が守る高奴城を攻めようとすると、董翳は既に城から離れた場所で待ち構えていた。戦った後董翳は降伏。魏軍は仲間の司馬欣に降伏するよう手紙を書かせる。司馬欣は素直に降伏しなかったが最終的には降伏し、その後韓信は桃林に逃げた章邯を追ったが章邯は自害してしまった。
その後漢軍は咸陽に出発。漢に下ったばかりの呂馬通を使い彼が持っている項羽からの符木で楚の城を開城させる。劉邦が咸陽に入ると多くの民に歓迎された。彼は民に危害を加えていなかったので絶大な人気があった。
巻末には韓信が修復を行った桟道への観光のことが書かれていました。そこには「三国志」の曹操の書いた文字「袞雪(こんせつ)」が刻まれており、孔明が本を読んだ読書台や孔明が木牛流馬を作った場所もあり、孔明の遺体が移された漢中武侯祠もあるとのこと。「項羽と劉邦」と「三国志」の舞台が重なっている場所は結構あり、観て回るのも面白そうです。 また「張王李趙遍地劉」という言葉が中国にあり、これは張、王、李、趙、劉という5つの姓は地に遍く、どこにでもある、という意味らしくこの5姓は今でもとっても多い姓だそう。日本の佐藤や鈴木、高橋、田中、渡辺みたいなものなのでしょう。
項羽と劉邦5~大元帥誕生 [本]
「項羽と劉邦5~大元帥誕生」を読みました。
横山光輝のマンガ。
韓王が項羽に殺されると張良は項羽に仇討ちすることを決心する。張良が子供の間に流行らせた歌を聞いて、項羽は都を彭城(ほうじょう)に移すことを計画する。都を移すべきでないと意見した韓生を項羽は処刑。大きな鼎(かなえ)に油を煮えたぎらせ煮殺す方法が取られた。項羽はまた皇帝に郴州(ちんしゅう)に移ることを命じその移動中の船で刺し殺し船を沈める。
張良は見込んでいた韓信を訪ねた。持って行った宝剣の一振りは劉邦に、もう一振りは簫何に、残りの一振りは韓信に捧げると言い、漢の軍師としてスカウトする。スカウトされた韓信はいくつもの山を越えて劉邦のいるところを目指し、途中辛奇という男と義兄弟の盃を交わす。やっと劉邦のところにたどり着いた韓信は最初は穀物係に、その後は治粟都尉(ちぞくとい)~年貢米の取りたての仕事を任されたが、それで一生終わるなら逃げ出して他の場所を見つけたほうがいいと考え韓信は夜中にこっそり出た。すると簫何や夏侯嬰がすぐに後を追い韓信を引き留め引き戻し、劉邦に簫何が説得に説得を重ね韓信を大元帥にした。それを見ていた長年仕えていた樊噲(はんかい)が不平不満を言い出すと法令により死刑になりそうだったが恩赦となった。
韓信の大元帥となる式は盛大に行われ、韓信はまず軍律17か条を作り兵にもわからせた。韓信は軍隊の偵察に行くと、監軍の殷蓋が姿を見せず正午にやってきたのを見て韓信は法を犯したので死刑にすると言った。しかし漢王の劉邦はそれを聞くと殷蓋を殺さぬようにと酈食其(れきいき)を馬で走らせたが、漢王の詔を持ってきた酈食其を除き、その従者は打ち首、殷蓋も打ち首となった。韓信のやり方は正しいと簫何も殺されかけた酈食其も賛同するのだった。軍は法に基づき強い軍になっていった。
巻末には漢中の旅が書かれ、韓信の像があり「国士無双」(=一国中に匹敵する者がいないほど優れている人のこと)の文字が刻まれた門がある写真など載せてありました。また漢の長安城について書かれてあり唐の長安城や秦の阿房宮に近いところに城があったことがわかりました。
それにしても劉邦は優秀な張良や簫何のような部下を持ち恵まれています。部下がやっかんで優秀な者を除こうとする場合だってあるので、国を思い君主を思い優秀な人を君主にわからせ登用させる忠実な部下がいることがいかに大切なことなのかがよくわかる話でした。韓信が軍師になったことで劉邦は軍を強くしていけるような予感です。
終わらない週末 欲望の系譜 アメリカ流転の1950-2010s おまもり [本]
最近読んでた本です。
本好きなアメリカのオバマ元大統領が大絶賛した本。しかもジュリア・ロバーツ主演のNetFlixの映像化はオバマ夫妻も制作に携わっていると言う。話題にもなっていたので読んでみました。
家族4人が別荘で過ごしているとき、別荘の持ち主だと名乗る黒人夫婦が訪ねて来る。ニューヨークで大停電が起きたのだと言う。ネットも電話も繋がらない、テレビも映らない…。大爆発が起こり、鹿もフラミンゴも大移動を始め、外で遊んできた息子は熱を出し、家の中にいたと思っていた娘はいなくなる。近くの家に情報を仕入れに行く夫は迷子になりグーグルマップも使えずに何とか戻って来る。スペイン語で何やら助けを求めている女性もスマホの翻訳機能が使えないために何を言っているのかわからず。彼女をそのまま残してきて恐怖からそのことを誰にも言わない。息子を医者に連れて行く途中で黒人の知り合いの家に寄り情報を収集。でも何もわからない。情報がシャットダウンされ、漠然とした不安の中にいる人々…。
終わらない週末とは終わらない終末。週末と終末がかけてある。危険真っただ中にいるわけでなくその周辺にいるのだけれど、何せ情報がないのでどうしたらいいのか?身動きが取れないその怖さを描いていました。小説では結局何が起こったのかがはっきりしなかった。でも終末を迎えると言うのはこういうこともありうるのだと。むしろその確率の方が大きいかと思いました。スマホ一つ繋がらないだけでどれほど不安になるか、情報がどれほど大切なものなのか、決して絵空事でもないなあと怖くなりました。
世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ70-90s「超大国」の憂鬱 (単行本)
- 作者: 丸山 俊一+NHK「世界サブカルチャー史」制作班
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2022/06/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
アメリカ 流転の1950-2010s 映画から読む超大国の欲望
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2023/05/31
- メディア: Kindle版
Eテレでやっている「世界サブカルチャー史」から生まれた本2冊。Eテレを観てて面白かったので本も読んでみました。基本テレビでやってたことと変わらないことが本にまとめてあり、でも主にその時代を表現している映画も本には細かく紹介しているので、これを参考に紹介されていて観ていない映画を観てみるのも悪くないと思いました。歴史家で大学教授のブルース・シュルマンと作家でラジオ・パーソナリティのカート・アンダーセンがその時代を切り取り的確なコメントを残しています。
幻想の1970年代~若者たちの反抗と保守派の反動、ノスタルジアに覆われた社会、移民と女性たちの権利、幻想のアメリカ、敗北、恐怖、希望。葛藤の1980年代~レガノミックス。「男らしさ」と伝統を取り戻せ。保守反動の社会に生きるマイノリティ。ウォール街を目指した若者たち。喪失の1990年代~ポスト冷戦の世界。ジェネレーションXたちの持つ不満と不安。情報社会がもたらしたもの。アメリカの歴史の終わり。これらが世界サブカルチャー史の目次。
理想の50年代~真昼の決闘、宇宙戦争、ボディ・スナッチャー 恐怖の街、赤い河、ローマの休日、紳士は金髪がお好き、暴力教室、裏窓、理由なき反抗、お熱いのがお好き、七年目の浮気、ビートジェネレーション。闘争の60年代~アラバマ物語、サイコ、アラモ、ティファニーで朝食を、ウエスト・サイド物語、博士の異常な愛情、サウンド・オブ・ミュージック、俺たちに明日はない、卒業、猿の惑星、真夜中のカーボーイ。幻想の70年代~イージー・ライダー、アメリカン・グラフィティ、ゴッドファーザー、ジョーズ、未知との遭遇、ディア・ハンター、ロッキー、サタディ・ナイト・フィーバー、クレイマー・クレイマー、タクシー・ドライバー、地獄の黙示録、スター・ウォーズ。葛藤の80年代~ブルース・ブラザーズ、普通の人々、愛と青春の旅立ち、フラッシュダンス、トップガン、プラトゥーン、ランボー、バック・トゥー・ザ・フューチャー、スタンド・バイ・ミー、摩天楼はバラ色に、ウォール街、タッカー、シーズ・ゴッタ・ハブ・イット、ドゥ・ザ・ライト・シング、ビバリーヒルズ・コップ、天使にラブソングを、遠い夜明け。喪失の90年代~心の旅、ゴースト ニューヨークの幻、マルコムX、許されざる者、ジュラシック・パーク、フォレスト・ガンプ 一期一会、リアリティ・バイツ、パルプ・フィクション、ミッション:インポシブル、アメリカン・ビューティ、マトリックス、トゥルーマン・ショー、キャスト・アウェイ。不信の2000年代~ブラックホークダウン、ハンニバル、ボーン・アイデンティティー、ボーン・スプレマシー、ボーン・アルティメイタム、ミリオンダラー・ベイビー、父親たちの星条旗、硫黄島からの手紙、コラテラル、ブロークバック・マウンテン、ジャーヘッド、ユナイテッド93、クローバーフィールド、ノーカントリー、ウォッチメン。分断の2010年代~ソーシャル・ネットワーク、ウルフ・オブ・ウォールストリート、華麗なるギャツビー、アビエイター、J・エドガー、マネーショート 華麗なる大逆転、ダラスダイヤーズクラブ、ワイルドスピードEURO MISSION、アメリカン・スナイパー、マッドマックス 怒りのデスロード、ムーンライト、ゲット・アウト、ブレードランナー2049、パターソン、ジョーカー、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド、パラサイト 半地下の家族。これらが「アメリカ流転の1950ー2010s」に出てくる映画。ほかにも時代を映すドラマ(アイ・ラブ・ルーシー、24、チャーリーズエンジェル)や音楽(ボーン・イン・ザ・USA、マテリアルガール)などが紹介されていました。
アメリカ映画が世界中で上映され、映画がアメリカを宣伝しているようなものだと世界旅行していた時につくづく思いましたが、コカ・コーラもまたアメリカを宣伝していると思いました。コカ・コーラが入っていない国はないというくらい世界中に入り込んでいる。このことがこの本でも指摘され、私も同じことを当時感じてたなあと思い出しました。何だかんだと言ってもアメリカ凄いねとこの本を読んで思いました。アメリカなしに世界を語ることができないのですから。映画やドラマや歌などがアメリカ史と人々の欲望と共にリンクしていて、それが的確に表現されているのがとても面白いと思いました。
銀色夏生の本。写真と一言が添えてあり、あっという間に読み終える。というより見終える。読むと言うより写真を眺める感じの本かな。場所、風景、持っているものなどで銀色さんの好きを集めたミニ写真集。それに言葉が添えてある。「しょせんなるようにしかならない。そう思えれば心は軽い」「~とてもつらいことがあったとき、3か月だけ待ってみようと思える。~『3か月に助けられた』とたくさんの人から言われた。大きいことは3カ月、小さいことは30分、時が過ぎるのを待とう」時々これらの言葉に相槌を打ってる自分がいた。でも大きなことは半年とか1年かもと思った。そして小さなことは3時間くらいか、と思う。
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