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ダヴィンチは誰に微笑む [ドキュメンタリー]
フランス映画「ダヴィンチは誰に微笑む」(The Savior for Sale)を観ました。
2021年の作品。IMDb評価は7.4。ダヴィンチが描いたのではないかと言われている男性版「モナリザ」の「サルバトール・ムンディ(世界の救世主)」の絵画を巡る話。ドキュメンタリー。絵画の売買の裏側を観れて面白かったです。以前観たオランダ映画「レンブラントは誰の手に」を思い出させてくれる映画でした。一枚の絵画を巡っての真贋問題で当初5人の専門家のうち1人しかダヴィンチの作と言っていず、もう1人はダヴィンチのものでないと言い、残る3人は判断保留と言っているにも関わらず、1175ドル(当時のレートで13万円)の絵画が時を経て、最終的に4億5千万ドル(508億円)にまでなったという驚きの話。
2005年。ニューオリンズの家にあった「サルバトール・ムンディ」の絵画が売りに出される。入札はわずか1人しかいず、その時の入札額は1175ドル。だれも見向きもされなかったかなりダメージを受けたその絵を買い取った美術商は、専門家に依頼しその絵を洗浄、修復してもらう。すると右手の親指が二本現れた。「どうやらこれは本当にダヴィンチ作なのでは?」とますます確信を持った彼。ロンドンのナショナルギャラリー館長に掛け合うことに。ナショナルギャラリーでは5年がかりでダヴィンチ展を開くことを企画。学芸員や専門家が集い「サルバトール・ムンディ」の真贋を見極める。そして2011年ロンドンナショナルギャラリーではダヴィンチ展にこの絵も展示することに。ただこの時の真贋は本当は決着がついていなかった。専門家の一人がダヴィンチの作と言っているに過ぎなかった。
その後2013年にモナコに住むロシアのオリガルヒ(新興財閥)の一人が、彼の美術コレクションを一手に担う担当者を使ってサザビーズ経由で「サルバトール・ムンディ」を秘密裡に1億3000万ドルで買い取る。買い手がわからないようにいくつかの会社などを経由し売買を重ね担当者も更に別の人を派遣しパリのホテルで商談をまとめさせる。この絵画はシンガポールの倉庫へと送られ保管される。後にこの絵がどれくらいで売られたのかの記事が出て、8000万ドルであろうことが世界に伝えられると、ロシアのオリガルヒが担当者を訴える。担当者は4400万ドルを自分の懐に手数料として入れていた。しかしこの担当者は言う。「これは詐欺ではなく商売なのです」と。いくつもの段階を経て買い手がわからなくする手法を使って入手した絵画だったからだ。
その後2016年にクリスティーズでこの絵画が売り出される。現代アートの売買で有名なこの会社でこの絵画を売ることには意味があった。俳優のディカプリオを含め一般の観客がこの絵画を観て感動する様子の宣伝ビデオを作り、この絵画人気を煽った。絵画の帰属を重視しない人たちが集まるこのオークションでこの絵画に4億5000万ドルの値が付く。5000万ドルはクリスティーズの手数料。社員たちは大喜び。翌年買い手がサウジの皇太子であることがスクープされる。サウジアラビアでは文化面を重視する政策を取っているという。
2018年、ルーブル美術館でダヴィンチ展を開くときに「サルバトール・ムンディ」の真贋が判定される。はっきりとしたコメントを出していないが「サルバトール・ムンディ」は展示されなかった。以前集められた専門家5人の2人の専門家はダヴィンチの工房のものの作品と言う。「絵は完全にレオナルドのもの」という研究本はスポンサーだけが独占所有しているという…。
「サルバトール・ムンディ」の絵に使われたポーズの習作の絵を、ロンドンナショナルギャラリーで「ダヴィンチ工房」とカタログに記載しているにも拘らず、クリスティーズでは「ダヴィンチ作」としていてそれが罪だとイギリスのジャーナリストが言っていました。クリスティーズこそ詐欺を働いている。そして皆うまい具合に踊らされている。そしていつまでも展示されないこの絵は一体いつお披露目されるのか。色々興味深い映画でした。絵画好きの人は面白いと思います。naonaoお勧め度★★★★★
三国志 Three Kingdoms⑤ [中国ドラマ]
三国志 Three Kingdomsの続き⑤です。
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三国志 Three Kingdoms 第8部-天下三分-ブルーレイvol.8 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: エスピーオー
- 発売日: 2012/06/27
- メディア: Blu-ray
2010年の作品。IMDb評価は8.3。第8部。74話~83話まで。
曹丕が魏王になると、軍を率いてる曹彰を恐れていた曹丕は司馬懿に曹彰が内乱を起こさないよう説得してもらう。また詩のうまい曹植に七歩歩くうちに詩を作ることができなければ罰すると言い、結果良い詩ができたにも拘らず石を減らし別天地へ送ってしまう。また貂蝉にも引けを取らない美女の静姝を曹丕は司馬懿に贈る。陛下を退位させ魏王が新しい朝廷を開くことを陛下に迫り、陛下は3度詔を書き、形式的に2度魏王が断り3度目に受けるという形を取る。220年曹丕が曹魏を建国。
陛下が都に戻らせないよう曹丕は船で行かせるが、途中陛下自ら船底に穴をあけたその船が沈没し曹夫人と共に亡くなる。益州ではその頃関羽を亡くしてショックで寝込んでいた劉備なのに、その上陛下が亡くなり大泣きしていた。漢室を救うために戦ってきた劉備はもはや生きる意味を失っていた。臣下たちが帝位に就くよう言うが、第2の曹丕と同じで不義になると考えそれを諫める。諸葛亮が病に伏し劉備が見舞うと諸葛亮は劉備に「漢室の末裔なのだから大義がある」と帝位に就くことを説得する。李厳の家に行った劉備は李厳に「蜀はどこに向かうべきか」を尋ねると李厳にも帝位に就くよう諭される。221年劉備は蜀漢を建国。
関羽の恨みを晴らしたい劉備はどうしても孫権の呉を討ちたいが、趙雲にも諸葛亮にも呉を討つのでなく魏を討つべきだと言われてしまう。張飛も呉を討ちたくてうずうずしていていた。劉備に会いに来ると関羽の大きな絵が部屋に飾ってありその思いを強くする。張飛は部下の張達たちに白旗の布の調達を命令していたが調達できずに背中をむち打ちされていた張達たちはまた3日以内に調達しろとの命令で調達できないならばどうせ殺されると考え、寝ている張飛を殺してしまう。張達たちはその後呉に投降するも孫権に獄へ入れられる。李厳は呉の討伐には賛同していて兵と食糧の確保が何とかできるだろうという。関羽も張飛も亡くなって何が何でも呉を討たずにいられない劉備。部下がどんなに魏を先に討つべきと進言しても聴かず。諸葛亮の琴の演奏中弦が切れてしまった。
張飛を殺して呉へ下った二人を呉の使者が連れて劉備軍にやってきた。和睦を申し込もうとしていた呉に劉備は、普通使者は殺さない習わしなのに張達ら二人と共に殺してしまう。関羽の子供の関興や張飛の子供の張苞たちの活躍で劉備軍は優勢。5年間ずっと呉に戻っていた孫小妹を劉備の元に再び送り、劉備の復讐の気持ちを無くし江東を守るために差し出そうとするその母や兄の孫権だったが、劉備はこれを拒否。和睦さえも拒否した。孫権には諸葛瑾が曹丕に助けを求めて魏の下に入るべきだと進言。そして手紙を書くと孫権は呉王として封じられる。ただ曹丕は眺めるだけで呉と蜀をそのまま戦わせておいた。孫垣が夷陵に留まり城を守っていたが、劉備は孫権軍の援軍をおびき寄せるため張苞に城を囲わせ攻めるふりをさせていた。それを部下の忠告も振り切り孫権は兵を出す。その時陸遜はこれで呉はおしまいだという大芝居を討つが、孫権に牢に入れられてしまう。黄忠は自ら囮となり孫権軍を奇襲することにしたが、死角になった場所に引き返した黄忠は孫権側の矢に当たり亡くなってしまう。富池口で孫権側の老将、程普も偵察しに来て亡くなる。この戦は劉備側の勝利となった。
関興が韓当や周泰を討ち、劉備が勝ち続け呉をどんどん手中にいれる中、陸遜が大都督となり最後の砦の夷陵山を守っているが、陸遜は連敗中でもまんじりとせず動かない。出陣命令を出さない陸遜に苛立った孫権の妻の弟は進言して首を切られる。劉備軍は長期戦で疲れており酷暑にやられ秋にでも戦うつもりでいた。暑いからと山の茂みに陣を移した70万もの劉備軍を、陸遜はこれで火攻めができるとほくそ笑んでいた。諸葛亮も劉備軍が移動したことを知って、それこそが陸遜の狙いであり勝負はもうついたと劉備軍の大敗を予想する。遠く離れた司馬懿も、劉備が茂みに入ったことを聞き劉備軍が負けることを予想。「驕兵の計」~わざと負け相手を驕らせ相手が油断したすきに突く策~を使ったと司馬懿は言う。222年夷陵の戦い。孫権軍は劉備軍に火攻めを仕掛けられる。魏延に成都を任せ諸葛亮は劉備のいる白帝城へ赴き、劉備に進言するも心身ともに疲れ果てている劉備は諸葛亮の進言を無視。そして惨敗する。諸葛瑾が同盟を結ぶために使者としてくる。同盟を結びたくない劉備だが選択の余地はない。劉備はこの戦いで具合が悪くなり寝込む。自分の死期が迫っていることを知り、馬謖には諸葛亮と仲良くやるように言い、劉禅には諸葛亮を父親だと思えと言い劉禅に蜀漢を継がせ、諸葛亮には自分の子供の劉禅を託し、劉備は63歳でこの世を去った。同じころ妻であった孫小妹も亡くなった。
とうとう劉備も亡くなってしまった。諸葛亮の意見を無視して呉の征伐に固執したばかりにこんな結果に。自分の子供の劉禅があまり出来のいい子供でないことに心も砕き、諸葛亮に子供のことを託していくのが何とも忍びなかった。三国志の中では一番好きなキャラクターなので、劉備が亡くなってしまい私もガッカリ。naonaoお勧め度★★★★★![[王冠]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/191.gif)
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中国・台湾ドラマ naonaoお勧め度一覧表 [中国・台湾ドラマ naonaoお勧め度一覧表]
中国・台湾ドラマも観終わったドラマが少しずつ増えてきました。韓国ドラマ同様、一覧表にまとめました。その都度これからも更新していきます。更新日2023・11・25
naonaoお勧め度★★★★★
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naonaoお勧め度★★★★★
naonaoお勧め度★★★★
暴風眼ー特別捜査官ー
naonaoお勧め度★★★
東京国立近代美術館と国立博物館(黒田記念館)と国立西洋美術館 [絵画・美術館展・博物館展]
芸術の秋なので、久々に東京国立近代美術館と国立博物館(黒田記念館)国立西洋美術館に出かけてきました。20年前くらい?に行ったきり行っていない東京国立近代美術館と国立博物館。国立西洋美術館はこのブログの記録に残っていて2009年8月に行ったきり。14年も経っている。トホホ…。国立博物館に付随してる黒田記念館はその存在を初めて知り今回初めて訪れました。
まずは竹橋にある東京国立近代美術館(MOMAT)。所蔵作品展「MOMATコレクション」を観ました。(HP:https://www.momat.go.jp/exhibitions/r5-2)「眺めのいい部屋」↓と題している部屋(こんな映画のタイトルあったなあ~)と行くとお堀の様子が見える外が見えました。気が利いてるタイトルだと感心しました。

あとは東山魁夷↓の絵が何枚か。思わずパチリ。昔来た時にはこんな絵飾ってなかったと思う。




クレーの絵。他にもセザンヌ、ボナールの西洋画もほんの少しありました。
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後は絵画のほか映像や彫刻、紙で作った造形作品など興味深いものもありました。特別展は棟方志功展をやってましたが、昔青森に行ったとき何度か棟方志功の美術館は行き、Bunkamura ザ・ミュージアムでも棟方志功展を観ているので(その時何度も観たことのあるものを観たので)今回はもういいかなあと思ってパス。常設展の作品展だけで大満足でした。時期を置いてまたここは出かけてみたいと思いました。何せ13000点超えの中から200点の展示だそうなので観たことのない絵がまだまだあるはず。
北の丸公園を少し歩きたかったので、公園内を歩き日本武道館の前を通り九段下に出てぶらぶら散歩できたのも楽しかったです。
上野の国立博物館は、外人が多すぎて落ち着いてみる感じでなく、常設展が目的だったので最初に人が少なそうな東洋館のアジアコレクションへ。でもそれがとてもショボく感じてしまった。昔行ったときにはエジプトの大きな彫像があり結構迫力あるなあと思ったけれど、今回は何を観ても今一つだった。考えてみればその国に行ったときにその国の博物館でたくさんの素晴らしいものを観てきているからで、それは仕方ないのかもと思い直した。インドの細密画↓が懐かしかったのでパチリ。十数点のうち一番好きなものを。

それと本館の日本のパートで根付や印籠もあったけど数としては少なく、ニュージーランドにある(ダニーデン辺りの南のほうだったと記憶してる)博物館にあった根付や印籠の数のほうが上を行ってたのでは?と思った。浮世絵もニュージーランドの博物館でたくさん観た記憶がよぎった。国立博物館の方が圧倒的に数が少ないのが残念。昔に大江戸博物館で海外、特にボストン博物館から借りてきた浮世絵展があったことも思い出した。法隆寺館も前に行ったときにはもっと大きな仏様が迎えてくれて良かったよなあと思ったけれど、今回は小さな仏様ばかりでこれまた微妙。裏に庭があることを今回初めて知り昔の茶室や藁ぶきの家が移されて保存されてたのは良かったけれど、池にある蓮が枯れててこれもちょっとガッカリだった。
黒田記念館は初めて入りました。黒田清輝の絵が見られるところ。展示物が少ないけれど、その立地となっているところまで上野公園を散策するのが気持ち良かった。1階がカフェになっていてこのカフェは穴場だなあと思いました。
そして国立西洋美術館。西洋美術館の常設展でかつて観た展示とはやはり微妙に変わっているように感じた。当たり前だけど新たに入手した絵画も色々あって、ノルウェイとかスウェーデンとか北欧の作家には全く無知だったのでちょっと面白かった。でもモネやルノアールなどの西洋美術館の目玉的存在がまだあることが懐かしく(昔ポストカードを結構買っていて買ったものに関してはその絵を良く覚えてます)時々はまたここも訪れたいなと思いました。写真撮るよりじっくり絵を観たくてほとんど写真も撮らなかったけれど、今回はこのブルーの色合いが好きだと思った絵(カルロ・ドルチの「悲しみの聖母」)と常設展の特別企画のポスター、それと中庭なんかあったのかと驚いて撮った写真のみ。(国立西洋美術館の主な作品はこちら→https://www.nmwa.go.jp/jp/collection/introduction.html)



企画展ではパリのポンピドゥーセンターのキュビズム展が開催中。パリに行った時、ポンピドゥーセンターも行って観たことを思い出しました。キュビズムそんなに関心ないのでパス。
これからは東京国立近代美術館と国立西洋美術館の常設展は年に1回は行きたいなあと思いました。
おまけ:両国に用事があって第一ホテル両国のアゼリアでランチしました。窓側の席に案内されて緑を見ながらの食事がとってもくつろげました。スープも付きましたが、いつも食事の写真撮るのに慣れてないのでついつい撮るのを忘れました。豚がホロホロでナイフいらないほど柔らかく美味しかった。いいレストランでした。






マーメイド・イン・パリ [フランス映画]
フランス映画「マーメイド・イン・パリ」(Mermaid in Paris)を観ました。
2020年の作品。IMDb評価は5.8。ファンタジー。人魚と人間の恋愛模様。小物類が可愛くてポップ。色遣いも素敵。お洒落でした。
バーで歌を歌ってるガスパール。寝る前には必ずバーの精神が入っているという飛び出す絵本を読んでから床に就く。一緒に寝ているのは猫。ある日セーヌの川岸で人魚が倒れているのを発見。急いでオートリキシャーで病院に運ぶ(そのオートリキシャーにインドの神様とチベットの五色の旗タルチョが飾ってある)でも病院では保険証がいる何のかんのでなかなか人魚を診てくれない。その間にタバコを吸って休憩してるドクターのビクターが人魚を診ると彼は具合が悪くなってのちに亡くなる。埒が明かずに人魚を連れ帰るガスパール。バスタブに水を張って人魚を入れ尾ひれを治療することに。バスタブにはアヒルのおもちゃのほかたくさんのおもちゃが並ぶ。隣の世話焼きおばさんロッシが、ガスパールが仕事中に彼の部屋にやって来て、人魚と話をする。ロッシが置いて行った煙草を人魚が吸ってガスパールの浴室から火事を出す。人魚は今度はロッシのバスタブでお世話になる(ガスパールの浴室がブルー、ロッシの浴室がピンクでその対比が素敵だった)「2日で海に戻らないと死ぬ」と言うので人魚を海へ戻すことに。でもガスパールも人魚も別れがたくなっていた。ガスパールは散々恋をしてきてもう恋をしないと諦めていた。でもこの恋。それなら「2日毎に会うことにしよう」と約束する。水族館でのデートを楽しむ二人。一方、人魚を診て具合の悪くなり亡くなった医師の同僚で妻が、その原因を探り始める…。
まるで絵本のような映画でした。人魚は涙も流してガスパールに置き土産として残します。飛び出す絵本をもっとじっくり見たかった。とにかく色んな小物が可愛い。ぐちゃぐちゃした部屋も。この可愛くてお洒落な世界観は「アメリ」とか「ペネロピ」に共通する。そういえば「シェルブールの雨傘」もお洒落だった。ストーリーがありきたりなので評価低いけど、この可愛さは評価したい。naonaoお勧め度★★★★
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