三国志 Secret of Three Kingdoms

中国ドラマ「三国志 Secret of Three Kingdoms」(原題：三国機密之潜龍在淵)を観ました。

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2017年の作品。IMDb評価は8.4。ヒューマンドラマ、アクション。三国志を新たな視点で見せる。双子の弟＝劉平が、兄＝献帝、劉協の死により彼に代わって漢の王となるという秘密を抱えながら、一緒に育った司馬懿のバックアップを時に受け、兄嫁であった皇后の伏寿と徐々に心を通わせ曹操の傀儡政権にならぬように天下統一を夢見て漢の復興に尽力する話。面白くて面白くて熱中して観ました。

楊俊を父に持ち、司馬家に預けられ司馬懿（韓東君　エルビス・ハン）と兄弟のように育った楊平（馬天宇　マー・ティエンユー）。いよいよ司馬家とお別れし父の迎えの馬車に乗り込み楊家に戻る道中、楊平は父に宮中へ行くよう言われ表向きは強盗に襲われ拉致され殺されたことにし、実際は宮中へ送り込まれることに。楊平は実は漢の皇帝、献帝、劉協の双子の弟で、亡くなった献帝、劉協の遺言で皇帝になり漢を復興することが使命となった。漢王朝を支えることだけに尽力してきた皇后、伏寿（万茜　レジーナ・ワン）は戸惑いの多い劉平を支え、まっすぐで人に対して優しく思いやりのある劉平に徐々に心を寄せていく…。

いなくなってしまった劉平を心配し兄貴分の司馬懿は動く。しかし遺体は顔なしで体を観ても絶対に劉平でないと気づく司馬懿。宮廷では宦官として前皇帝に長く仕えていた張宇が前皇帝の遺灰を運ぶことに。曹操の部下満寵にも陛下でないと気づかれてしまうリスクのある劉平だが、陛下らしく振舞うように皇后に指示を受けながら振舞う。宮廷仕えの長い楊家の楊修は陛下が替え玉だと知っているが一筋縄ではいかない感じ。陛下の側室であった董妃が好きだった趙彦は、宮殿が焼けたその火事現場から司馬家のある温州の布切れをみつけ、陛下が替え玉であると真実を調べ上げるが、陛下の前で舌を自ら切り満寵に結果的に殺される。司馬家では情報収集のための店を街に持っていた。偽の皇帝を司馬家で育てたことが曹操に知れれば司馬家は危機に陥るのだが、曹操の軍師郭嘉（王陽明　サニー・ワン）が司馬懿に亡くなった楊平の似顔絵を描くように言い、司馬家のある温州まで人を遣り似顔絵を描かせるのであった。司馬懿は伝書バトを使い、自分が描いた似顔絵を届け兄にもその絵の通り描かせるのだった。このころ袁紹と曹操が戦っている官渡の戦いに、劉平が郭嘉の勧めで足を運ぶことに。学生たちを袁紹が鄴に集めており、学問を学ばせる名目ではあったが実際のところそれは人質であった。劉平は学生たちを集め演説を行うと弁が立つためたちまち人気者に。また一方郭嘉の恋人任江昌（ドン・シュアン）は袁紹の元に捕らえられて袁紹の息子の嫁の世話をしている呂布の娘、呂姫を救うために出かけていた。呂姫をここから逃がすためにわざと皆で牢獄へ入ることにした。というのもその頃司馬懿は好きになった唐王妃がこの牢獄に捕まっているのを知り、ここの牢獄を取り締まっている審の息子審栄に取り入り、様々な知恵を授けて審栄のお気に入りとなり実質ここのトップとなっていたからだ。皆を牢獄に集めて一気に司馬懿が逃がし、学生たちの騒ぎの中この鄴の街を全員去らせようとするも失敗。唐王妃と学生たちを残す結果となり劉平と皇后はまたも鄴の街に舞い戻る。そして漢の皇帝の使者であると劉平は袁紹の前で名乗るが牢屋に監禁され、最終的には自ら漢の皇帝であると名乗る。その時劉平は袁紹の高慢さに気づき、郭嘉が日頃言っていたことが本当だと気付き、天下統一のためには袁紹でなく曹操をこの戦で勝たせたいと思うようになる。そこでもともとは曹操側の人間で今は袁紹の軍師である許攸に曹側に行ってもらい、兵糧の場所を曹側で明かすことで曹側の勝利をもたらすことを考える。許攸に再び寝返ってもらう作戦でこれが功を奏し曹操側が勝利する。もともと蜚先生は郭嘉の兄弟子であったが郭嘉に恨みをもち曹操側から袁紹側についた軍師だった。また郭嘉の恋人任江昌の正体は貂蝉で、曹操に殺された呂布の妻であり曹操の軍師郭嘉は敵対する立場にあったが、それもすべて初めから郭嘉は知っているようだった。

鄴の街で劉平を救ってくれた武官、崔琰は劉平を慕い彼を支えるようになる。一方曹操は司馬家に何度仕官するよう言っても全く動かないため司馬家を滅ぼしたいが、何とか司馬懿だけは許都に呼び寄せることができた。曹操の息子の曹丕（壇健次　タン・ジェンツー）は司馬懿の才能に惚れ彼を参謀にしたいとずっと思ってきたが、曹操が司馬懿を気に食わない。また曹丕の弟、曹殖がまっすぐで曹操のお気に入りだがそれが不服な曹丕。そんな時曹丕は王越から密かに剣術を学んでいた。

劉平はと言えばまたも遠征へ出かけることに。曹操と共に盧龍にやってくる。そこで王越に劉平は命を狙われるが、任江昌が切られ、冷寿光が切られ、二人は命を落としてしまう。その上郭嘉まで咳が酷くなり具合が悪い。司馬懿は唐王妃が袁紹の毒を飲まされていたため彼女を救ってもその解毒剤がないことに気づく。解毒剤は亡くなった蜚先生の作ったもので蜚先生亡き後郭嘉が自分の体中微量の毒が回っているため、自分の血を利用して唐王妃を救うしか方法がないと考え、郭嘉が唐王妃の命を救うことに。郭嘉はそれまで伏寿の宦官である冷寿光の作る薬を飲んでいた。郭嘉も冷寿光も共に名医と言われた華陀の弟子で二人には兄弟弟子という繋がりがあったが、既に冷寿光が亡き後、多少医学知識がある劉平が郭嘉を診ても郭嘉の命までは救えず、郭嘉は帰らぬ人となった。郭嘉は手紙を残していた。1通は盧龍が鮮族に襲われても盧龍に戻るなと言う曹操への手紙。そしてもう1通は曹操の娘、曹節への手紙で劉平が兄に代わって陛下になっているという告発文だった。曹節一人でその手紙を読むように託していた。（しかし彼女はその手紙を一人で読むことができず兄たちと読み、後に曹操にもこの事実が知れ、司馬家は追いやられ劉平は陛下を退位し、曹殖は曹丕に嵌められ曹丕が曹操の後を継ぎ魏の皇帝となる結末へと繋がる…）

曹操は盧龍の街を離れ更に先へと遠征に行き、その間盧龍では郭嘉が死んだことを伏せていた。しかし鮮族は構わず襲ってきて、劉平は曹殖と共に知恵を使って戦わざるをえなくなる。許都に何とか遣いをやって兵を要請するも、荀彧（王仁君　ワン・レンジュン）がそれを躊躇、その時許都に足が悪いと嘘をついて動かずにいた司馬懿が偽の曹操の印を作って袁紹の残党がいる鄴の兵と許都の兵を率いて盧龍に赴き劉平を助けに来る。そのお陰で鮮族たちに打ち勝つことができ、司馬懿は「今なら曹操を成敗することができる」と劉平に言うが、劉平はこれ以上血を流すことを嫌い曹操を討つことはしない決心をする。司馬懿の足が悪いという嘘がバレ、曹操の下で働くように言われる。曹操はまたも出兵。しかし赤壁の戦いで曹操は孫権と劉備に負けたという知らせが許都に入って来る。曹操がいない許都は平和そのもので、劉平と伏寿は幸せを感じていた。やがて曹殖が崔琰の娘と婚礼。その時郭嘉が曹節に残した手紙がもとで司馬懿が拷問にかけられる。劉平は自分の皇帝と言う地位を投げ捨てることで司馬懿を助けようとする。またその頃高官たちが曹操を殺す計画を立てる。劉平はそれを止めるが、曹操の代わりに曹丕が怪我をし、唐王妃がその殺し役に名乗りを上げるもそれも劉平に知られ一日伏寿といることに。その代わり徐福が刺客となって襲うも未遂に終わる。曹仁が宮廷に入った刺客を追い、唐王妃がその刺客だと追い詰め人前で衣を切って肌を露出させ傷があるかないかを確かめると、唐王妃は辱めを受けたとその場で自害。唐王妃を愛していた司馬懿は生きる気力を無くし、劉平と決別する決心をする。劉平の優しさがここまで皆を追いやったことを責める。曹操は魏公となり、その後曹操の丞相という地位を曹丕が引き継ぐ。司馬懿は曹丕の僕となる。また崔琰は儒学者を集めて新しい講堂で会合を催し、わざと弱くしている柱を崩し自分も儒学者も巻き込んで死のうと計画を立てるが、それも劉平の知るところとなり止められてしまう。曹操に非難を集めようとした謀はすべて無になる。皇后の伏寿は曹操の命で司馬懿に毒を飲まされ殺される。しかしこれには裏があった。劉平が司馬懿に頼んで伏寿に仮死状態になる薬を飲ませて命を救ったのだ。かつて司馬懿が唐王妃と共に住もうと思っていた郊外の家に伏寿を司馬懿は匿った。崔琰は殺され、盾突いた孔子の子孫の孔融も一家皆殺し、曹操との溝を感じた荀彧は自殺、楊修も殺される。荀彧と楊修は司馬懿が仕掛けた手紙の罠による結果だった。劉平は曹節と結婚させられる。曹操は魏王となり洛陽へ。「頭が痛い」といい、「10年若ければ陛下と一緒に組んでいた」と話す曹操。しかし曹操は死ぬ。息子の曹丕が兵を率い許都にやって来る。「誰が天下統一しても構わない」と劉平は陛下の地位を捨てる。曹丕は新陛下となり、国を魏とする。司馬懿は曹丕に仕える。劉平は伏寿と再会し一緒に仲睦まじく暮らす。

名医華陀の名前が出て来たり、曹操が華陀を殺してるというエピソードも本当らしいので恐ろしかった。郭嘉が女たらしの酒好きで曹操から絶大な信頼を得ている有能な軍師であり、人から「郭嘉は決して失敗しない」と言われ飄々としおおらかでいつも結構笑っていてそのキャラが好きだった。郭嘉の恋人であった任江昌が実は絶世の美女、貂蝉役でこの役演じてるドン・シュアンが韓国女優のハン・ソヒに見えて仕方なかった。司馬懿と唐王妃の関係がまた素敵だった。相思相愛。司馬懿の頭の良さは郭嘉に負けぬほどだけど、唐王妃がまたすごい女刺客というのもすごいキャラだった。お互いに何度も窮地を助けあうその間柄も良かった。そして何といっても架空の劉平。劉平役やったマー・ティエンユーが時に瀬戸康史や小池徹平に見える時があり、とっても見目麗しく。そしてそのまっすぐで人を思いやる優しい性格がとっても好ましかった。ガチガチの伏寿をいつしか肩の力の抜けた、笑うこともたくさん増えた彼女にしたのも劉平のお陰。仲睦まじくて素敵な夫婦だった。荀彧役のワン・レンジュンは「明蘭」「如歌」「霜花の姫」にも出てたのですごく顔馴染みでした。

脚本が良くストーリー展開が秀逸。ぼんやりている暇がなかった。それぞれのキャラも皆魅力的だった。スタンダードな三国志にこれまたフィクションを加えたものだったけど、それがまた絶妙で楽しかった。naonaoお勧め度★★★★★

おまけ：このドラマのDVDの宣伝予告。

もうひとつおまけ：向井理主演の「パリピ孔明」(HP→https://www.fujitv.co.jp/paripikoumei/)を今観てます。三国志ネタのセリフがたまらなく楽しいです。現代日本に生き返った諸葛亮が駆け出しの歌手、英子の軍師となって彼女の夢を叶える物語。音楽と融合しているのも楽しい。お勧めです。

コメント 1

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2023-10-07 14:31)