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項羽と劉邦11~韓信斉奪取 [本]

「項羽と劉邦11~韓信斉奪取」を読みました。

項羽と劉邦 11 (潮漫画文庫)

項羽と劉邦 11 (潮漫画文庫)

  • 作者: 横山 光輝
  • 出版社/メーカー: 潮出版社
  • 発売日: 2001/09/20
  • メディア: コミック

横山光輝のマンガ。

韓信は高密城を包囲した。楚の龍且(りゅうしょ)は斉の援護にやって来た。両者戦った後、韓信は夜に灯籠を照らしたが、楚軍は皆不思議に思いこれを壊すと急に水が流れ込み兵は水に飲みこまれてしまった。韓信が兵の食糧袋に砂を詰めさせ濰水(いすい)の流れを堰止め、灯籠の明かりが消えたのを合図に堰を切ったからだ。「嚢沙(のうしゃ)の計」~土嚢を使った韓信の水攻めは大成功し、龍且は亡くなり斉王も捕まり打ち首となった。

韓信は斉の国都の臨淄(りんし)へ移動。劉邦は韓信に滎陽(けいよう)に向かう項羽軍を破るように命を出す。すると「仮の斉王になる許しを漢王に言ってみては?」と言っていた蒯通(かいとう)が「この仮の斉王の承諾を得てからその命に従った方がいい」と言い、表文が劉邦の元へと届けられ劉邦は激怒するも周りの軍師たちに宥められ韓信を仮の斉王でなく正式な斉王とした。

楚は韓信の働きを観て楚に帰服させることを考える。楚から武捗(ぶしょう)が派遣される。「項王、漢王、斉王で天下を三分し統治しよう」と提案されるも韓信は断る。それを聞いて蒯通は項羽の申し出を受けるべきだと主張するが、韓信は利に走って義に背くことはできないでいた。陸賈がちょうど来ていてそれを聞き、蒯通に苦言を呈した。蒯通は韓信に野心があれば天下を取れる器だと見抜いていたが、聞き入れてもらえないため暇を貰いどこかへ姿をくらましてしまった。

項羽が出兵。それを聞いて劉邦も出兵。両者は三皇山で対峙した。項羽軍が劉邦軍に優勢だった時に、韓信軍が成皋(せいこう)まで迫り彭越が補給路を遮断したとの知らせが届く。劉邦は韓信と共に兵を引き項羽を討つ準備に入る。項羽軍は少し軍を引くこととなる。項羽は劉邦の父の太公を連れて来て劉邦が撤退なら父の太公や妻の呂后を成皋に送り返すと手紙を書かせ使者に手紙を持って行かせる。しかし劉邦は使者の前でわざと酒に酔い「項羽は名誉のためにこんなことをするはずはない」と言い放ち、項羽の策は失敗に終わる。

劉邦が項羽をいざ攻めると思った時に韓信の姿が一晩中なかったため、劉邦は不審に思う。簫何に韓信のところに向かわせ理由を尋ねさせた。韓信は地形を確かめに行き秘密の計なので誰にも語らなかったと述べた。

韓信は項羽をわざと怒らせ怒りに任せて戦わせようとしたが、軍師たちがこれは韓信の策だと言って止めた。四方八方に伏兵を置いた韓信は項羽に抜け道を絶たせたがかろうじて名馬烏騅(うすい)に乗って項羽は本陣に逃げ込むことができた。韓信が項羽の追撃を報告すると、劉邦は韓信が味方のうちはいいが敵になったら手に負えないと恐れ始めた。

本陣に戻った項羽は漢軍からよく見える崖の上に台と大釜を用意し、またも劉邦の父を利用する作戦に出ようとする。しかし張良が仲のいい友人である楚の項伯に書簡を届けさせ項伯を説得。その使者には楚に家族がいる者が選ばれ楚に行くときに疑われない者を選んだ。その結果釜ゆでは中止となった。しかしいつまた気まぐれで項羽が劉邦の父を殺すかわからないので、侯公を項羽のところに行かせて和睦を申し込む。長く戦い続けることは天下のためにもよろしくないとして。その結果劉邦は家族を取り戻し、項羽は彭城へ戻った。

和睦したかと思っていたのに、張良は劉邦に「あの和睦は家族を助ける策だった」と告げる。そして劉邦が西に帰るのを留まり、項羽が彭城に入る前に追撃して殺すように言う。劉邦は1か月経ってやっと項羽を討つ決心をつける。一方、項羽もしばらくは虞姫と共に遊興の日々を送っていたが、部下に劉邦が約束を破り攻めてくることを考えたほうがいいと言われそれに備えることにした。そんな時、劉邦は陸賈(りくか)を使者として送り宣戦布告書を彭城にいる項羽に渡す。劉邦側は慌ただしく諸侯に急を告げる早馬を出し、防備を固めた。項羽はすぐさま15万野精鋭を引き連れ出兵した。諸侯が来ない漢は籠城を決め、少し楚と戦ったが逃げるが勝ちと固陵城を捨て、成皋(せいこう)城に向かう。

巻末は徐福の記事。徐福が捕鯨の技術を伝え、それだけでなく焼き物、土木、農耕、医薬も伝え、前漢時代の通貨、半両銭の古銭も出てきたことが書いてあった。京都の下丹後半島の新井崎でも熊野と同じ捕鯨技術が伝わり、ここにも徐福伝説があり、徐福を産土神(うぶすながみ)として祀る新井崎神社もあるとのこと。他に、安徽省での虞美人の墓、項羽終焉の地の烏江、垓下(がいか)の戦遺址に項羽が自ら刎ねた場所にある石碑、項羽が馬を繋いだ場所にある石碑、項羽の墓、項羽の像など写真入りの旅行記も。

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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2024-04-02 11:52) 

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