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ジュビリー ボリウッドの光と影 [インドドラマ]

インドドラマ「ジュビリー ボリウッドの光と影」(Jubilee)を観ました。

Jubilee- Season 1 Trailer

Jubilee- Season 1 Trailer

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2023/03/27
  • メディア: Prime Video

2023年の作品。IMDb評価は8.4。1940年代から50年代のインドのボンベイ(現ムンバイ)を舞台に映画スタジオの社長、その妻で女優、役者たちの野望と失望を描く。インドのドラマは初めてでしたが、セピア色の映像が美しくストーリー展開も目が離せず、夢中になって観ました。面白かったです。

映画のスタジオのオーナーであるロイはジャムシェードに「マダン・クマール」の役をやらせたく、妻であり女優であり共同経営者であるスミトラーに、ラクナウにいるジャムシェードのところへ行かせる。しかしスミトラーとジャムシェードはねんごろな関係となっていて、それを知って今度は信頼する部下のビノードをラクナウのジャムシェードのところへ送るが、ビノードとジャムシェードが同乗した車が事故を起こし、その時ジャムシェードをビノードが殴った後その場を離れると暴徒がすぐやってきてジャムシェードを連れ去った。その場にはカラチのカンナー劇団のジャイもいて、暴徒に連れ去られるジャムシェードを見ていた。

ビノードは実は役者になりたい夢があり、ロイにより「マダン・クマール」役に抜擢される。しかしロイの妻で女優のスミトラーは「ビノードがマダンでは映画がヒットしない」とくぎを刺す。しかしビノードの映画はヒットしたちまち人気者に。ビノードはマダン・クマールとなる。またアメリカやソ連が当時インドに取り入りプロパガンダ映画を作ろうとしており、ビノードがソ連で国際スターになったらいいのではと提案を受けるも、支配されることを嫌いロイはそれを却下する。またその頃インド政府がインド映画音楽をラジオで流すことを禁止したりもし始めた。

カラチでは難民だらけとなり、ジャイがいるカンナー劇団は焼かれてしまった。ジャイ一家は難民キャンプで生活するも闇マーケットで商売するか詐欺を働くしか生きる道がないと悟ったジャイは、ロイのスタジオにビノードを訪ね、ロイスタジオの給仕の仕事を得る。その後カンナースタジオを自ら立ち上げ、監督主演を務め、映画「タクシードライバー」を作り無料で公開。また2作目にスミトラーをヒロインに迎え映画「はぐれ者」を製作。余りのヒットに海賊版まで作られる騒ぎとなるが貧しい人たちには感謝され、たちまちジャイはスターとなる。その頃ジャイは、ジャムシェードの夢をよく見ていて何故見殺しにしたのか?殺すことと見てみぬふりをすることは同じなのか?と悪夢に悩むようになる。

娼婦でありかつてジャムシェードの愛人であり今はプロデューサーのワリャーの愛人となったニローファルと再会したジャイは、ニローファルがずっと好きなまま。彼は難民キャンプで好意を抱かれたキランと婚約していた。ビノードと映画で共演し失敗に終わったニローファルは、ビノードとの不倫もスキャンダルとなり二人は決別。その後ジャイはニローファルと付き合い始め、彼女と結婚したいがために駆け落ちしようとする。しかし父親に「スタジオを出たらもう後戻りはできない。女とスタジオとどちらを取るのか?」と迫られ、結局ジャイは好きでもないキランと結婚をする。

ロイの妻スミトラーはずっとジャムシェード殺しの犯人を捜していた。電話会社に頼みビノードのところに盗聴器を仕掛けたりもしたが埒が明かず。しかし夫のロイは探偵からビノードがジャムシェードを殴った瞬間の写真を手に入れ、妻のスミトラーの浮気の写真も手にしていた。ロイはその後ビノードの裏切りによって投資に失敗し口座を凍結され自殺。ロイはビノードのジャムシェード殺しの証拠写真を妻のスミトラーに残して逝った。

そしてビノードの裁判が始まる。ジャイが目撃者として呼ばれ、「ジャムシェードの怪我が酷く生きられないから気絶させ、暴徒からの暴力から救った」「自分もビノードに助けられた」とのジャイの証言によりビノードの殺人容疑はなくなった。ジャイは盗聴されていて盗聴で話した内容とは全く違った法廷の証言であったにもかかわらず。裁判にお金を使い果たしたスミトラーは、絶望し薬物を過剰に取り自殺してしまう…。

本当にあった話を軸に脚色した話で、当時のことを知るインド人が観れば誰のことを言っているのかわかるドラマとのことでした。真実は小説より奇なりです。ほどほどに歌と踊りも入っていました。また盗聴とか、ソ連とか、何だかちょっと怖かった。インド映画音楽もラジオで流してはならない時代があったのも、窮屈な時代だなあと思いました。90年代に行ったインドでは(今もそうかもしれませんが)映画がとても人気で、映画のヒットがあれば必ず歌もヒットしていていつでもどこでもインド映画音楽が街角で流れていました。もちろんバスの移動中も。そしてインド人の中で映画を観るとピューピュー口を鳴らしたり、拍手したり、観てる観客が結構熱いし、どこの映画館に行っても満員御礼、押し合いへし合いして入場してました。娯楽がなかった40年50年代は尚更だろうなと思いました。40年50年代のボンベイでは馬車が走り、90年代に私が行ったボンベイではもちろん馬車は走ってませんが、風景そのものが馬車を除けば40年代も90年代もたいして変わらなかったなあと思いました。ひょっとしたら2020年代の今のボンベイ(現ムンバイ)もあまり変わっていないのかもと思います。またラクナウは大きな駅でジャンクションのため列車が一時停止してたことでも覚えていて、その地名自体が懐かしかったです。パキスタンのカラチにも行きましたが、大都会らしくごちゃごちゃでした。カラチから乗った列車で、昼時になるとたくさんのパキスタンの女性の乗客から「一緒に食べない?」と昼ごはんのお誘いの声があちこちからかかっていたのが思い出されます。ドラマ自体が良くできていてレトロっぽいセピア色がまた良かった。シナリオもしっかりしてました。naonaoお勧め度★★★★★

おまけ:Mohammad Irfan , Vaishali Madeが歌うUdankhatole。

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