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ミルコのひかり(イタリア映画) [イタリア映画]

ミルコのひかり
映画公式サイト:http://www.mirco-hikari.com/

「ミルコのひかり」(Rosso Come Il Cielo)をイイノホールにて観てきました。

「あの『ニューシネマパラダイス』を生んだイタリアから再び届けられた、ひと粒の宝石~映画が大好きな盲目の少年がイタリア映画界屈指の音楽となるまでの、感動のトゥルーストーリー」というキャッチコピーがついていたので、おお、今度こそ「ニューシネマパラダイス」路線を期待していいのね、と思ったのですが、「ニューシネマパラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督とエンニオ・モリコーネの音楽作品で今週観たばかりの「題名のない子守唄」(記事はこちら)に、かなり期待を裏切られたために、今回はあまり期待もせず臨むことにしました。

そして結果は・・・これはなかなか良かったです。どんな層の人たちでも楽しめる、本当に安心して観られる映画です。こちらの映画のほうが「ニューシネマパラダイス」のタッチに近く、トルナトーレ監督が作ったといってもわからないくらいの作品になってます。何より子供がかわいらしく、子供が生き生き輝いています。小学生が主人公なので自然に自分の子供時代に思いを馳せてしまいました。現実は厳しいけれど、ほんわかとして、心が温まり、希望があって、人生はいいなあと思える映画です。

突然の事故によって盲目になってしまう主人公ミルコが、規則の厳しいカソリック系の盲学校で、唯一楽しみを見つけたのは、テープレコーダーでした。音に興味を持ち、次から次へと音を吹き込み、物語のバックに流す音響を夢中になって作り出します。学校の掃除婦として母が仕事をしてる同学年の女の子と知り合い、時々寮を抜け出して映画を観にいったりもします。その映画の帰り道、デモ行進をしてる盲目の青年とも友だちになります。そして音を吹き込むうち、やりたいという仲間が次々増え、そのうち素晴らしい音声劇に仕上げていくのです。

学芸会では親を呼んで、この音声劇を土台にした劇を発表するのですが、そのクライマックスにたくさんの人が涙を流しました。それは観客が目隠しをして、その劇を楽しむという粋な試みでした。

70年代の初めまで、イタリアでは盲目の子供たちは盲学校でしか教育を受けられないという法律があり、そのためミルコも、両親から離れて寄宿舎に入り、盲学校に行きます。そして75年になってやっと盲目の子供たちも普通の子供たちと一緒に、同じ学校へ通うことができるよう法律も変えられます。そのバックグラウンドには、ミルコがテープレコーダーを勝手に持ち出し、与えられた課題もこなさず変わったことをしているとのことで、一時盲学校を退学させられそうになったのですが、理解あるひとりの学校担任である神父さんや、外で出会ったデモ行進してた盲目の青年、また世論によって、学校側の体制が批判を受け、ミルコも退学せずに済み、75年には法律自体が変わることになったのです。

この映画を観て思ったのは、心無い大人が容易に子供の可能性を摘んでしまっているかも・・・、ということです。ちょっとした才能でも、褒めて伸ばせば将来に繋がるかもしれないのに、容易に大人が体制や規則、規律から子供を非難誹謗し、子供のやる気を削いでしまっているということ。本当に子供は可能性の塊で、キラキラ光ったたくさんの宝石をもってるようなものだな、と改めて思いました。

今でもイタリア映画界で活躍するミルコ・メンカッチの実話に基づくストーリーで、キャストは目の見える子、見えない子が半々で演じてます。またイタリアのトスカーナ地方が舞台で、素敵で、訪れたことのあるフィレンツェやピザ、シエナを思い出しました。「プロヴァンスの贈りもの」を観て、フランスのプロヴァンスも素敵だなと思ったけれど、イタリアのトスカーナも負けず劣らず素敵だと思いました。イタリア・トスカーナに行きた~い

この映画は「「ニューシネマパラダイス」「ライフ・イズ・ビューティフル」と同じ系列の映画」との解説もついていたのですが、まだ「ライフ・イズ・ビューティフル」を観ていないので、これから観たいと思ってます。

ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版 スペシャル・エディション

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ライフ・イズ・ビューティフル

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miffy

ライフ・イズ・ビューティフル路線の映画なんですね。
トスカーナ地方が舞台の感動作品・・・
見てみたいです^^
by miffy (2007-08-25 23:45) 

Mimosa

すごく良さそうな映画ですね~。「ライフ・イズ・ビューティフル」は、観たことあって、ほのぼのとした感じで映像も綺麗だったと思います。それと同じ系列の映画なら、観てみたいです・・・!ストーリーも素晴らしそうですね・・・♪
by Mimosa (2007-08-26 00:16) 

naonao

>miffyさん、いつもありがとうございます。
私は「ライフ・・・」が観たいです。

>Mimosaさん、いつもありがとうございます。
ほのぼので映像も綺麗っていいですね。期待して私は「ライフ・・・」を観ます。

>萬中さん、toraneko-toraさん、いつもnice!ありがとうございます。
by naonao (2007-08-26 22:51) 

こころん

ニューシネマパラダイス、ライフ・イズ・ビューティフル・・・
両方とも好きな映画です。
ミルコの光も見てみたくなりました。
「・・・心無い大人が容易に子供の可能性を摘んでしまっているかも・・。」
naonaoさんの言うとおりだと思いました。
子供の可能性を伸ばしてあげられる親になりたいです・・・。
by こころん (2007-08-27 14:12) 

naonao

>こころんさん、いつもありがとうございます。
両方とも観てるんですね!いい作品チョイスして観てますね。
これもお勧めですよ。

>Krauseさん、toshiさん、nice!ありがとうございます。
by naonao (2007-08-27 22:20) 

krause

どちらの映画も観ました。特にライフ・イズ・ビューティフルは、人生観が変わるほど良い映画でした。真の強さを教えてくれる映画でした。その他、フェリー二など、イタリア映画には良い作品がたくさんありますね!
by krause (2007-08-28 08:43) 

naonao

>Krauseさん、ありがとうございます。
やはりいい映画なので観られてるのですね。観るのますます楽しみです。
by naonao (2007-08-28 21:08) 

naonao

>il-centroさん、nice!ありがとうございます。
by naonao (2007-09-03 22:18) 

バラサ☆バラサ

3作ともいい作品でありますが、共通するのは、登場人物がイタリア語を話すことだけでないかと。

いずれにせよ、あの神父は好漢でした。
by バラサ☆バラサ (2007-09-23 05:34) 

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