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おかあさんの木 [日本映画 ドラマ]

銀座の丸の内TOEI①で「おかあさんの木」を観てきました。

ポスター画像

映画公式サイト:http://www.mothers-trees.com/

舞台挨拶つきだったので、主演の鈴木京香さん、三浦貴大さん、田辺誠一さん、この映画の脚本も担当した磯村一路監督が駆けつけ挨拶しました。監督の挨拶が笑いを誘いました。その場の雰囲気を明るくしてとっても素晴らしかったです。鈴木京香さんは映画「沈まぬ太陽」の舞台挨拶でも見たので今回で2回目、三浦貴大さんも映画「永遠の0」の舞台挨拶で見ていて2回目、田辺誠一さんもつい先日、東京スカイツリーのソラマチで見たばかりで今回で見るのは2回目です。このお三方を見るのが揃って2回だなんて何だか不思議。(田辺誠一さんをソラマチで見たときは一緒に大沢あかねさん、薬丸裕英さん、チュートリアルの徳井さんも見ました。撮影のためだったようで人だかりができていました。テレビに映るより、みんな小柄でした)

『おかあさんの木』の完成披露試写会

シネマ・カフェ・ネットより拝借↑

この映画は40年前から小学校の国語の教科書で使われている大川悦生の同名児童文学を映画化したものです。長野の小さな村で暮らすミツ(鈴木京香)が以前から好きだった謙次郎(平岳大)と結婚し、7人の子供をもうけるも夫は若くして急死。その後女手一つで子供たちを育て上げます。しかし戦争が始まり子供の一人に赤紙が来てはまた次の子供に赤紙が来て…と次から次へと子供たちを戦地へと送ることになります。その度に彼女は一本一本桐の木を植え、子供たちの帰りを待つのでした…。

子供たちは五郎という子供を除いて結局皆戦地で亡くなり戻って来ません。しかも唯一戻ってくる五郎でさえも、母ミツが生きている間に戻ることなく、戻ってきたときには母は既に息を引き取っていました。子供を戦地に送ることがめでたいことであり、「おめでとうございます」と多くの人に声を掛けられ、また戦地に子供をたくさん送ったミツは日本の母の鏡として婦人雑誌にも取り上げられ、周りからは褒め称えられます。しかし一人送り二人送り三人送り四人送りしているうちに、一人死に二人死に三人死に…と次から次へと亡くなっていき、ついには五郎を送る段になると、「ちっともめでたいことでない」と言い、「行かないで」と五郎にしがみつきます。それを憲兵たちに見られ非国民だと罵られるのです…。

母ミツが、子供を一人一人亡くしていけばいくほど見ているこちらもどんどん胸が締め付けられ、深い悲しみがどんどん迫ってきます。じわじわと逃れようのない絶望的な苦しみがこちらに向かってくるのです。この映画はあまりにも多くの死が描かれ、悲しすぎました。特にこの母の思いが全面に出ており、子供を思う親の気持ちが痛いほどよくわかります。そしていつ戻るかわからない子供たちをひたすら戻ることだけを楽しみに生きているのです。でも悲しいかなその思いは達成されることはありませんでした。

奈良岡朋子がこの話を語る語り部として出てきます。彼女はミツの夫が働いていた郵便局で同僚だった坂井(田辺誠一)の娘(少女期:志田未来)で、ミツの息子五郎と結婚していましたが、既に時が経ち五郎も死に、彼女だけがこの「おかあさんの木」と呼ばれるミツの植えた桐の木の話を知っていて「お母さんの木は切ってはならない」と語るのです。

今年は戦後70年。たくさんの戦争映画が作られているようです。今年は多くの人が戦争映画を見て、戦争を考えたらいいと思いました。そして集団的自衛権や秘密保護法案などどんどん勝手に現政権によって作られているので、その意味を問わなければなりません。こんなことでいいのか、よくひとりひとり考えるべきです。


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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2015-06-06 14:21) 

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