SSブログ

世界でいちばん貧しい大統領からきみへ 他 [本]

ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカ氏が来日して、その存在を初めて知り興味を持ちました。本も出版されていたので、読んでみました。

世界でいちばん貧しい大統領からきみへ

世界でいちばん貧しい大統領からきみへ

  • 作者: くさば よしみ
  • 出版社/メーカー: 汐文社
  • 発売日: 2015/10/09
  • メディア: 単行本

可愛らしい挿絵が所々入っていて、文章がやや多い絵本という感じでした。漢字のすべてにフリガナがついていて子供向けの本ですが、大人が読んでも結構良かったです。

ムヒカ氏は軍事政権に対するゲリラ活動をし何度も牢獄に入っています。獄中たくさんの本を読みふけり、自由が大切であると思います。人々の貧富の差を無くすことを一番に掲げた大統領。「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれ、給料のほとんどを寄付。

以下、本からの抜粋↓です。

わたしがシンプルでいるのは、そのほうが自由だから。自由とは、自分のための時間なんだ。

わたしたちはつい、時間の使い方を間違えてしまう。自由をどこかに置き忘れて、自由が傷ついたことにすら気づかない。

一番大切なものは、命なんだ。お金で命を買うことはできないんだよ。命は奇跡なんだ。奇跡なんだよ、生きていることは。

「貧乏とは、無限に多くを必要とし、もっと欲しがることである」アイマラ族はこう言っている。

よく考えてほしい。きみが何かを買うとき、お金で買っているんじゃないってことを。そのお金を得るために費やした時間で、買っているんだよ。過ぎ去った時間とは、きみの人生だ。過ぎ去ったら取り返しがつかない。だから大切にしないといけないんだよ、人生という時間を。

人生を投げてしまうのは、店で命を売るようなものなんだよ。どうでもよい買い物をして人生を使っているうち、一文無しになったきみは、この世でいったい何をしたかったのだろう?

人生を奪われてはならないよ。若さを失わないで、人生をたっぷり味わいなさい。もっと生きることをめがけて。

共感するところが多く、こういう考え方をする人が世の中にもっと増えればこの世の中ももっと居心地のいい場所になるだろうなあと思いました。

土から芽が出て風がそよそよ  つれづれノート 29 (角川文庫)

土から芽が出て風がそよそよ  つれづれノート 29 (角川文庫)

  • 作者: 銀色 夏生
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/03/25
  • メディア: 文庫

銀色夏生のつれづれノート。いつもと変わらぬ銀色さんの日常の日記。時々垣間見える銀色さんの考え方が結構好きです。人生を変えたい人のセミナーというのに、参加したくないと思った、ということは今までの人生に満足している証拠であると。私も大きくはもう人生を変えたくなくなっているかもしれないなあと思いました。新富良野プリンスの風のガーデンを訪れ、森の時計のカフェで食事をした模様。ドラマ「優しい時間」を観て私もいつか行きたいなあと思っていた場所でした。また今回は共通して観た映画が少なく(「アバウト・タイム」くらい)、ビビッと来たのは本の「夢をかなえるゾウ」くらいでした。プチ断食道場やらフィットネスクラブやら街歩き、宮崎の帰省とか、イベント出演、家族で旅行とか映画、クマちゃんとのデート、美味しいもののあれこれなど、読んでてやはり楽しかった。


 

リリーのすべて (ハヤカワ文庫NV)

リリーのすべて (ハヤカワ文庫NV)

  • 作者: デイヴィッド・エバーショフ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/01/22
  • メディア: 文庫


エディ・レッドメイン主演の「リリーのすべて」を観て、この原作本を読みました。ゲルダがアメリカ人で、彼女はアイナー(リリー)と結婚する前にアメリカで別の男性と結婚していて二人の間にできた子供が亡くなってしまい、その上愛する夫も亡くしてしまっている物語も展開していました。映画にはなかった部分です。またカーライルという弟がいて、この弟も重要な人物として原作には出てきましたが映画では全く出てきませんでした。他はうまく原作が映画の中に投影されていて、また原作が更に観た映画を後から詳しく説明してくれているようで、とっても楽しみながら読み終えることができました。リリーを支えたゲルダの芯の強さに再度敬服するとともに、リリーは本当に女性になることを心の底から望んで性転換手術を受け、その辛い痛みにも耐えたことがまた更によくわかりました。好きになったヘンリクの子供を産みたいと、ゲルダが反対する3度目の手術を受け、最後は原作も映画もどうなったのか顛末を表現せずに終わっています。しかしながらちょっと前に読んだ荒俣さんの本ではその3度目の手術でリリーは亡くなってしまったことを知っていたので、原作を読み終えたときには心にジーンときました。

この本には著者のインタビューが載っていて、ゲルダを小説の中でアメリカ人にしたことを始め多くのことはフィクションだと知りましたが(荒俣さんの本で、ゲルダがデンマーク人だと書いてあったはずなのにおかしいなあと思っていたらやはりフィクションでした)、アイナーが受けた診察や不可解な出血、ドレスデンの婦人科病院などいくつかのことは事実に基づいているとのこと。また訳者のあとがきに、映画のキャスティングの詳細が述べられていて、ニコール・キッドマンがリリー役を熱望していたが、シャーリーズ・セロンがゲルダ役を降板、その後ゲルダ役はユサ・サーマン、マリオン・コティアール、レイチェル・ワイズと名前が挙がるものの中々決まらず、最終的にエディ・レッドメインとアリシア・ヴィキャンデルがリリーとゲルダに決まったというのが、面白かったです。特にアリシアがこの映画でアカデミー賞助演女優賞を獲ったので、その時、他のオファーを断った女優さんたちの胸中はいかに!?と思いました。

ちなみに荒俣さんの本とは↓

女流画家ゲアダ・ヴィーイナと「謎のモデル」 ~アール・デコのうもれた美女画~

女流画家ゲアダ・ヴィーイナと「謎のモデル」 ~アール・デコのうもれた美女画~

  • 作者: 荒俣 宏
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2016/03/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


ゲルダの描いたたくさんのリリーの絵や、ゲルダが描いた本の挿絵など、いろいろ観れて楽しい本です。また彼らの写真などもありました。映画「リリーのすべて」や原作「リリーのすべて」が更によくわかる本で、映画と原作とこの本に出会えて良かったです。


nice!(13)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 13

コメント 1

naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2016-06-19 16:38) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0