美術の物語(The Story of Art) ウェス・アンダーソンの世界 私と街たち [本]
最近まで読んでた本です。
エルンスト・H・ゴンブリッジ著「美術の物語」(The Story of Art)
作家の原田マハさんがお勧めしてた本で、美術史の流れを読むのに最適な本でした。600ページを超える大きくてかなり重い本。読み通せるか不安もありましたが、意外とすんなり読めました。本の半分は美術品の写真が載っていて、中には旅行中に実際に観た絵画や彫刻もあり、行った場所、建物などいろいろ思い出されていい時間を過ごせました。知っている画家や絵画や彫刻、建物だと説明もすんなりと頭に入って来る感じでした。
パリに行ったときに最初のツアーでルーブル美術館を駆け足で観たのに満足できず、次回一人でパリに行ったときには2日かけて興味ある所だけ観たことや、マドリードのプラド美術館も同様、ツアーの駆け足で足らずのちに丸2日かけてゆっくり鑑賞したこと、ニューヨークのメトロポリタンも2日通ったことを思い出しました。まあ2日かけてもまだまだ足りないのですが、それでもそうできて良かったです。この本を読んでもっと美術史を勉強したくなりました。原田マハさんみたいに、この本を現地に持って行って美術館で本物を見てはこの本を読むという体験ができたらとっても贅沢だなあと思いました。
吉本ばななが「新潮」に書いたものを書き下ろしも含めまとめた本。どこかで既に読んだことのある内容だった。長く彼女の本を色々読んできているので、それも仕方がないことか。やはりどんな状態でも書くことだけは続けたいという強い気持ちを持っているのが作家なんだなあと、彼女のその意志表明でまた再確認した感じです。伊豆の海への毎年の家族旅行やイタリア旅行、たくさんの生きものと暮らして、我が道を行く感じの先陣を切ってくれている村上春樹と村上龍の御二方がとても頼もしいことと、さくらももこが逝ってしまったこと、占い師の親友が逝ってしまったこと、子育てしながら済んだ下北沢の居心地の良さなどなど。
ウェス・アンダーソンの風景 Accidentally Wes Anderson 世界で見つけたノスタルジックでかわいい場所
- 出版社/メーカー: DU BOOKS
- 発売日: 2020/12/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ウェス・アンダーソンの世界 グランド・ブダペスト・ホテル Popular Edition
- 出版社/メーカー: DU BOOKS
- 発売日: 2018/05/25
- メディア: 単行本
「グランド・ブタペストホテル」に関するあれこれ。ウェス・アンダーソン監督、主役のレイフ・ファインズ、音楽、デザイン、撮影に関わる人へのインタビューとたくさんの写真からなる本。結構大きく重いです。ハーヴェイ・カイテルが囚人役でわずかな出番しかないにも拘わらず、48時間も刑務所で過ごして役作りをしていることや、シアーシャ・ローナンが少し説明をしただけで、すぐにスイッチが入ってどうすべきなのかがすぐにわかってること(「すごく若いのにキャリアが長い俳優は、こちらがたどたどしく外国語をしゃべっているのに、彼らは既にペラペラになっている感じ」であること)、ゼロを演じたトニー・レヴォロリのお父さんが映画監督でオーディションにその子供の彼とお兄さんがやってきて、若い弟のほうに決めたこと(探していたキャラはアラブとユダヤ半々くらいの人物だったがグアテマラ人のトニーに決めたこと)などいろいろ。ウィレム・デフォーやレイフ・ファインズにも絶対の信頼みたいなものを置いていることが発言から知ることができました。インスピレーションを与えてくれた映画がヒッチコックの「引き裂かれたカーテン」(ポール・ニューマンの尾行シーン)、イングマール・ベイルマンの「沈黙」(ホテルを歩き回るシーン)、「老兵は死なず」「生きるべきか死ぬべきか」「桃色の店」ジャック・ベッケルの「穴」(差し入れの検査シーン)などなど。興味深い話がたくさんでした。この本を読むにあたりせっかくだからと映画公開当時以来、2回目の「グランド・ブタペストホテル」鑑賞。色々忘れていることがありました。でもコミカルな感じとかやはり面白かった。色彩も建物も衣装も好きだと再確認しました
ウェス・アンダーソン監督の10作品の映画に関してまとめた本。それぞれの映画のトリビアみたいな話がたくさん載ってました。「ライフ・アクアティック」でグウィネス・パルトローやニコール・キッドマンが調整できずケイト・ブランシェットが出演し、彼女は実際に身重だったこと。「犬ケ島」(Isle of Dogs)は"Isle of dogs"をゆっくりいうと"I love dogs"になるというダジャレとか。「グランド・ブタペストホテル」のハーヴェイ・カイテルの役作りで48時間刑務所で過ごす話も載っていました。監督の独特な映像表現が、完璧な左右対称構図で、長いカメラ移動、明るい色彩設計、見下ろし構図、スローモーションにあるとまとめてもいたりで、コンパクトにギュッとウェス・アンダーソン監督の世界が詰まっている本でした。面白かったです。
>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2022-10-29 10:44)