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「キトキト!」と「バッテリー」 [日本映画 ドラマ]

キトキト!

映画公式サイト:http://www.kitokito-movie.com/

「キトキト!」観てきました。有楽町シネマカノンにて。舞台挨拶付きだったので主演の石田卓也、監督の吉田康弘、それと応援ということで井筒和幸監督も駆けつけました。本当は大竹しのぶも出演予定だったのですがインフルエンザのためにダウンして欠席。見られず残念でした。(下の写真の大竹しのぶは等身大パネル。日刊スポーツから拝借しました。この撮影の間、いつものことですが、私たち観客はその撮影を眺めてました。)井筒監督は自分の映画「パッチギ」の宣伝もしっかりして行き笑わせてました。

欠席した大竹しのぶのパネルを囲む石田卓也、吉田康弘監督、井筒和幸監督

吉田監督は今まで井筒監督の下で助監督をしており、この作品が初めての監督作品。今回の製作チームは「パッチギ」「フラガール」と同じスタッフらしく、なかなか素晴らしい出来でした。

題名の「キトキト」とは富山弁で「生きがいい」ということ。富山弁しゃべる大竹しのぶ演じるお母さんがこれまた生きがよすぎて破天荒。いろいろ笑わせてくれました。お母さんの有り難さが後からじんわりと良くわかる、心温まる話。ところどころ笑わせ泣かせてくれいい映画でした。

お母さんがパソコン教室に通うのも、あとから息子がパソコンを見つけて母のメッセージをパソコンから見つけシンミリする伏線になっているし、水道にひっかけてある輪ゴムのアップ画像も、亡くなる最後までお母さんが手首に輪ゴムをまいて取っておくという性格まで教える伏線になってました。そういう細かいところが繋がり、うまいと思いました。それから最初のテンポのいい入り方で一気に観客の心をつかんでしまうその手法、最初の洗濯を取り込むシーンで始まってまた同じシーンで終わり一気に歌へと入るのもよくまとまった感じで素晴らしかったです。

上京したお母さんが秋葉原に行き、隅田川越しにアサヒビール本社のオブジェを(黄色いビールの泡をオブジェにしてるのですがどう見ても残念ながら泡には見えないのです。それは出来た当時も言われてたことなのですが・・)見事に「う○こにしか見えない」とはっきり物申すのも、上野駅で突然真っ赤なドレスになって走り、息子の勤めるホストクラブに乗りこんで絶唱するさまも、突然先生やおじいちゃんや再婚相手、息子と次々に水をかけるのも、本当笑えました。

「母ちゃんって不死身なんだと思ってた」というセリフがあるのですが、子供の時には大きな背中でたくましいと思ってた両親が、いつの間にか小さくなって、自分よりも体力もないことに気づくとき、本当に同じようなことを思ったなあと、感慨深かったです。子供はいつか親を追い越し、自分よりも弱い存在になっていくものだと改めて思いました。親子で見るには最高の映画かもしれません。ちなみに文化庁支援の映画です。

帰りはそのう○こ、もとい、泡のオブジェのあるアサヒビールの本社を眺めながら(私は結構ここを通るので、といってもここからまた離れたところですが、わりとここは近いので馴染み深いのです)家に戻りました。

 


それからこちらは先週見た映画

「バッテリー」、こちらも親子で見るにはいい映画です。

バッテリー
映画公式サイト:http://www.bt-movie.jp/

子供の野球の話。ピッチャーですごい球を投げる子供と体の弱い弟のいる一家が岡山に引っ越すことから物語が始まります。そこで知り合うのはキャッチャーの子供や、すし屋の子供、お寺の子供などそれぞれ個性豊かな子供たちで、その子供たちが生き生きとしててとても可愛らしかった。特にキャッチャーの男の子がいつもニコニコして頼もしいし、思いやりがある。いい子だなあと思いました。ピッチャーの才能が妬まれピッチャーが暴力を受ける事件やら、バッテリーを組むピッチャーとキャッチャーの亀裂、解消問題など問題をはらみながら、それぞれがたくましく成長していく様が爽やか

「内申書の点数を上げるために一生懸命風紀委員をやり、一生懸命成績を上げ、野球をやっていたのにおまえが入ってきたお陰で(俺が出番がなくなり)全部ダメになった」みたいなことを言う子供がいるかと思えば、「7割の力でボールを投げるなんてそんなのダメに決まってる。全力投球しなければ意味がない」と言う子がいたり、「どっちでもいいなんていう言い方最低だ」と言う子など、子供も頑張ってるなあと思いました。そして十人十色。まるで大人の世界を見てるよう

最近年なのかかなり涙もろくなっているので、ところどころで泣けました。96年に刊行された380万部のベストセラー、あさのあつこ原作「バッテリー」の映画化。子供は子供の世界があることを再認識させてくれる映画です。

とても気になったのが天海祐希演じる母親。成長の可能性ある芽を親が安易に摘みとってることに気づいてないのが腹立たしかった。母親の一挙手一投足がもろに子供たちに影響し、子供を傷つけてるのに気づかない。こういう母親がいると悲しいなあと思いました。上の「キトキト!」のお母さんとは大違い私は「キトキト!」のお母さんの方が断然好きです。

親子で、特にこちらは小さなお子さん、小学校とか中学校の子供と見るにはいいと思います。子供たちが素晴らしいので。  


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コメント 8

たいちさん

東京では、舞台挨拶付きの試写会が多いので羨ましいですね。大阪では殆どありません。舞台挨拶の模様を愉しく読ませてもらいました。
by たいちさん (2007-03-04 00:07) 

naonao

>都素路メアリ(とすじめあ..さん、nice!ありがとうございます。

>三度傘さん、nice!ありがとうございます。

>たいちさん、いつもありがとうございます。
東京では挨拶付き確かにたくさんありますが、めったに当たらないですね。舞台挨拶付きは楽しいですけどね。
by naonao (2007-03-04 21:09) 

live07151

naonaoさん、いつもほんとうに読み応えのある映画紹介、ほんとうにありがとうございます。そして、さくらが舞い散る画面、とても和みますし、このようなのははじめてみました。すこしずつ上から降ってくるさくらがかわいらしい感じですね、紹介文をしっかりよみました、キトキトはぜひみてみたくなっています。いろんな伏線がしかけてあるということですが、実際みてぜひ確認してみたいです。
by live07151 (2007-03-05 12:27) 

naonao

>サトルさん、nice!ありがとうございます。

>live07151さん、ありがとうございます。
桜は他の方のブログで音符が飛んでるのをみつけてアクセスしてみたら桜が散るのがあり取り入れてみました。そのほか雪、栗、シャボンなどいろいろありました。よかったらlive07151さんも取り入れてみてください。
by naonao (2007-03-05 17:10) 

キトキト!面白そうな作品ですね。
キトキト!ってそういう意味なんですね。なかなか言葉からは
想像もつかない意味の方言だな〜
by (2007-03-06 02:52) 

naonao

>kesoさん、こんばんは。
富山の方でない限り絶対わからない言葉ですね。
キトキトおもしろかったのでお勧めですよ。
by naonao (2007-03-06 21:17) 

こころん

今日TVで「バッテリー」の宣伝をしていたのを見て、
見てみたいなぁって思ってました。オーディションで
選ばれたというピッチャー役の子がすごく印象的な
感じ。目がきれいだなぁって思いました。
ところで浅草のう○こビルですが、あれは、ビールの
泡ではなくて、聖火の火をイメージしたもの・・・とい
う説もあります。どっちにしろ、う○こにしか見えない
んだけどね(^^;)
by こころん (2007-03-10 22:43) 

naonao

>こころんさん、確かに主人公の男の子の目はきりっとしてましたね。
この映画には渡辺謙の息子も出ててすごくよく似てました。特に目の鋭さが。私はキャッチャー役の男の子が可愛かったです。アサヒビールの建物って聖火の火と言われるとそういう感じもしますね。
by naonao (2007-03-11 21:13) 

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