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ラストキング・オブ・スコットランド [イギリス映画]

  

ラストキング・オブ・スコットランド (特別編) [DVD]

ラストキング・オブ・スコットランド (特別編) [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2018/12/05
  • メディア: DVD

映画公式サイト:http://movies.foxjapan.com/lastking/

劇場招待券を頂き、有楽町スバル座で「ラストキング・オブ・スコットランド」観に行ってきました。アミン大統領を演じたフォレスト・ウィテカーは本年度のゴールデングローブ賞、アカデミー賞をはじめ、主演男優賞をほとんど総なめにし、残虐で人懐こく、カリスマ性があり、お天気屋で気まぐれっぽいキャラクターを、うまく演じてました。

この映画は、ウガンダのアミン大統領をスコットランド医師の目を通して描く、実話を元にした映画です。大学出たてのスコットランドの医師が、ウガンダの村で働こうとするところから物語はスタートします。働いているうちにアミンにたいそう気に入られ、アミンのお抱えの医師として重用されていくのですが、医師としてだけでなくいろいろな場面で意見を求められ、政府のブレーン的存在にまでいつの間にかなってしまい、気づいたときには、どんどん周りのブレーンが信じられず疑心暗鬼になっていくアミンに、今度は自分が殺されるようなところにまで追い詰められるという、笑えないストーリーでした。自分のパスポートが盗まれウガンダのパスポートが勝手に作られ、滞在中邪険にしていたのでイギリス大使館も頼れず、命からがらウガンダを脱出するという、最後はハラハラドキドキもの。スコットランドに戻りたいと懇願してもその願いは却下され、自由に身動きできなくなってくるのですから怖いです。30万人ものウガンダ国民を虐殺したと言われるアミンの怖さがじわじわと迫ってくる映画でした。途中残虐なシーンもあるためR-15指定の映画です。またアミンを演じたフォレスト・ウィテカーのほかにも、このスコットランド医師役をしたジェームズ・マカヴォイも好演でした。若いがゆえに若干向こう見ずで、後先考えずに行動するところがよく描かれていたと思います。

何故この映画の題名がラストキング・オブ・スコットランドなのかと思っていたら、アミンは植民地支配してたイギリスに対しては毛嫌いしていたのですが、スコットランドに関してはイギリスからの独立を支援し、自分が「スコットランドの最後の王」とまで自分で名乗るほど、スコットランドにぞっこんだったということらしいのです。だからスコットランドの医師も大いに気に入られたのでしょう。

こちらはこの映画の原作となった本。

スコットランドの黒い王様

スコットランドの黒い王様

  • 作者: ジャイルズ フォーデン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1999/06
  • メディア: 単行本

 

こういう映画を観るとつくづく日本に生まれて良かったと思います。今の幸せを噛みしめてしまいます。

 


ウガンダと言えばインドのムンバイ(旧ボンベイ)に行ってYWCAに泊まったとき部屋をシェアした女の子2人がウガンダ人でした。彼女たちはエリートでインドへの留学生。アフリカ大陸からインドは近いので、インドに留学するアフリカ人がかなりいました(90年代) 彼女たちとは気軽に住所交換をして「遊びに来てね」なんて言われましたが、未だに行ってません。

偶然にもつい最近読んだのはアフリカの本でした。それは曽野綾子氏の「貧困の光景」という本。この本には発展途上国、特にアフリカに援助をするために何度もアフリカを訪れている曽野氏の体験記、思いなどが綴られています。時計を寄付してもすぐ盗まれる、時計を寄付する前にその時計を盗まれないような鉄柵のようなものが必要であるとか、無料で医療活動を行うように段取りをつけても必ずそこで無料活動が阻害され、お金が誰かの懐に行ってしまう現状があり、例えば注射一本にしても医師が地元民からお金を取って注射したり、注射をどこかに売り飛ばしてしまったり、本当に必要な人のところに物資もお金も行き届かない現状が事細かに書かれています。子供の奨学金も預けた校長が持ち逃げするようなことまであるらしく、本当に一筋縄ではいかず、アフリカと面と向かって付き合っていくには並大抵のことではないなあと思い知らされる本です。

貧困の光景

貧困の光景

  • 作者: 曽野 綾子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/01/17
  • メディア: 単行本

「約束の旅路」(記事はこちら)や「ナイロビの蜂」「女はみんな生きている」「ロード・オブ・ウォー」などの映画もアフリカと関わった映画で秀作でしたが、最近は「ダーウィンの悪夢」「ブラッドダイヤモンド」「ツォツィ」などの映画もあり、アフリカのことがどんどん映画でも取り上げられています。歓迎すべきことです。

約束の旅路

約束の旅路

  • 作者: ラデュ・ミヘイレアニュ, アラン・デュグラン
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 文庫
ナイロビの蜂

ナイロビの蜂

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2006/11/10
  • メディア: DVD
女はみんな生きている

女はみんな生きている

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2004/06/11
  • メディア: DVD
ロード・オブ・ウォー

ロード・オブ・ウォー

  • 出版社/メーカー: 日活
  • 発売日: 2006/06/09
  • メディア: DVD
ダーウィンの悪夢

ダーウィンの悪夢

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: DVD
「ツォツィ」オリジナル・サウンドトラック

「ツォツィ」オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: サントラ
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2007/04/11
  • メディア: CD

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コメント 11

welovemovies

この作品では人との価値観、モラルなどの差というものの怖さを感じました。外国だけではなく、隣の家でも確実にこのような差はあるのでしょう。
彼は自分の価値観でウガンダに気楽に行き、自分の価値観で牛を撃つことにより深みにはまっていきました。最後には大統領というか、ウガンダという国の価値観やモラルの差に潰されていきましたね。
そういう意味では医師の奥さんが対象的でしたね。あのバスで助けなかったのはひどい気がしますが...

なんだかんだいって自業自得の結末だと思いますが、元大統領主治医がとにかくかわいそう。なんも悪いことしてないじゃんって、ツレと一緒にブツブツいっていました。
by welovemovies (2007-03-30 17:36) 

ご訪問ありがとうございます~☆
映画色々みたいものいっぱいあるんですけどね~
首都とはいっても映画館も数少なく これがなかなかムズカシイ
レンタル屋さんもあるにはあるけど これまたやっぱり数がない
読んで楽しませていただきます!
by (2007-03-30 22:29) 

ada

はじめまして。訪問ありがとうございました。素敵なお部屋ですね。
by ada (2007-03-30 23:44) 

もこちん

やはり暗い映画なのですね(泣)私は予告でちら~っと拝見してフォレスト・ウィテカーの演技すごく篤い物を感じたので、公開したら観に行こうと誘ったのですが断られました(笑)
by もこちん (2007-03-31 11:41) 

naonao

>えすぱさん、こんにちは。
自業自得とまで言うのはちょっとかわいそうすぎですかね。彼には彼の役割があり人のできないことをしようという気持ちがあったのは立派ですね。世の中は不条理に満ちてるのはどこも一緒。セラビって感じですね。

>mompeliさん、こんにちは。
今はネットがあるのでいろんな方のブログ見るのは楽しいですね。私もmompeliさんの記事読んで懐かしいオーストラリアのこと思い出してます!!

>adaさん、こんにちは。
adaさんもお花の素敵な写真たくさんですね。楽しませていただきました。

>もこちんさん、こんにちは。いつもありがとうございます。
怖い映画ですが、もっと社会派ドラマと思いきやサスペンス映画でした。でも秀逸な映画でお勧めです。

>satoeさん、nice!ありがとうございます。

>三度傘さん、いつもnice!ありがとうございます。
by naonao (2007-03-31 13:30) 

DSilberling

日本に住んでいると「それでもボクはやってない」のような恐ろしい事件に巻き込まれる可能性があります。怖いですね。
by DSilberling (2007-03-31 17:56) 

naonao

>DSilberlingさん、こんばんは。
そのコメントnice!です。極論すれば死ぬときはどこででも死ぬし死なないときはどこにあっても死なない。怖い思いするときはどこにあっても怖い思いをするし、怖い思いをしないときはどこにあっても怖い思いはしないですね。
by naonao (2007-03-31 21:27) 

jin-yuma

素敵な映画をありがとううございます。
ロードオブウォー観ましたが。。。
危ない世界もあるのだなーと思いました。
by jin-yuma (2007-04-02 18:43) 

naonao

>jin-yumaさん、こんばんは。
ロードオブウォーは死の商人の話でしたね。
一気に飛行機がアフリカに到着するやアフリカの人によって解体されるのが今でも強烈で良く覚えてます。ちょうど曽野氏の本にも同じような話が載ってたので思い出しました。
by naonao (2007-04-02 21:12) 

ジジョ

「ラストキング・オブ・スコットランド」って、
そういう意味だったんですね☆ 知らなかった、、、
ほんと、最近アフリカを題材にした作品が気になります。
「ツォツィ」も観たいと思います(^-^)
by ジジョ (2007-04-13 12:25) 

naonao

>ジジョさん、こんばんは。
私もツォツィ気になってます。
第三世界の国のことをもっと観たいです!!
by naonao (2007-04-13 17:17) 

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