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君の涙ドナウに流れ~ハンガリー1956 [ハンガリー・ロシア映画]

君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956

映画公式サイト:http://www.hungary1956-movie.com/

ハンガリー映画「君の涙ドナウに流れ~ハンガリー1956」をニッショーホールを観てきました。

ハンガリー映画を観るのは初めて。またハンガリーには行ったことがないので馴染みも薄く、この映画から新しく学ぶことがたくさんあり、勉強になりました。

1956年、独裁的な共産主義政権下にあったハンガリーで、市民たちが自由を求める声を上げたのですが、ソ連軍が前に立ちはだかり、世界はハンガリーを見捨て、革命は破れました。それと同時期、メルボルンで開催されたオリンピックで、ハンガリー水球チームがソ連チームと戦うことになり、「メルベルンの流血戦」と言われる悲惨なゲームにも拘らず、見事ハンガリーは優勝しました。この映画はこの革命に命をかける一人の女性と、水球選手との恋愛を通してこの時期のハンガリー、ブタペストの激動の時代を描いています。「ハンガリー映画史上最高の動員を記録した感動作」であり、「涙なしに映画館を出ることなどできない」とイギリスのガーディアン紙が書いていますが、胸に迫り、今ある自分の幸せを噛みしめた映画でした。

映画の最後にこんな内容の文章が流れます。「自由を享受しているものには自由のありがたさがわからないであろう。どれほど自由を得るために我々が涙を流し、血を流してきたことか・・」

この映画を観れば、日々秘密警察に怯えることなく、秘密警察に捕まって仲間を密告することもなく、自由を得るために銃も持たずに済み、戒厳令が敷かれることもなく、恋人や家族の安否を心配することもなく、安心して暮らせることがどんなに幸せなことなのか、よくわかると思います。

与えられた今の自由に感謝したいと思いました。

監督は女性で、今やハンガリーで最も期待される監督として名前が挙がるクリスティナ・ゴダ。主演男優もハンガリー映画界期待のスター、イヴァーン・フェニェー。主演女優も既にハリウッド映画に出演(「氷の微笑み2」「15ミニッツ」「沈黙の標的」)してるカタ・ドボー。秀逸な作品でお勧め映画です。

終わりなき革命―ハンガリー1956 (叢書東欧)

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新訳 ハンガリー1956

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1956年のハンガリー革命―改革・蜂起・自由闘争・報復

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Mimosa

ハンガリーへ行った事もなく、この時代は生まれてないので時代背景もよくわかりませんが、興味深い映画ですね...!共産主義政権下では、自由がなく厳しいものだったのでしょう・・・。そう思えば、今の自由な私達って、普段は気付かないけれど、幸せなんですね~☆
by Mimosa (2007-11-13 07:24) 

naonao

>Mimosaさん、いつもありがとうございます。
共産主義って本当怖いですよね。
私は90年代の中国を回っていて、パスポートを地元の民宿のおばさんに預けて公安に見せなければいけないと言われ、すごくドキドキしました。
パスポートを返してもらえなかったら大変なことになりますから。
当時中国では外国人宿と人民宿が区別され、お金も外国兌換券と人民元が使われ、非開放地区には新たに許可書が要り、飛行機が落ちても外人が乗っていなければ公開されてないだろうと言われ、「天安門事件のときも国内にはニュースを流さなかった」と留学生が言ってたし、すりにあっても人民は公安に関わりたくないと旅行者を助けてくれない風潮があったので、私自身はこの映画の一端を経験したなあと思い出しました。

>toshiさん、kikuzouさん、WIZARDさん、toraneko-toraさん、xml_xslさん、miffyさん、crystalmimiさん、もこちんさん、いつもnice!ありがとうございます。
by naonao (2007-11-13 22:02) 

たいちさん

なかなか意味深い映画ですね。日常の平和さを認識させられますね。ハンガリーは行ったことがありませんが、歴史的には国民は苦労しましたね。
by たいちさん (2007-11-14 10:36) 

naonao

>たいちさん、いつもありがとうございます。
その国民によって、時代によって体験することが全く違い、こういう映画を通して疑似体験できるのはありがたいです。多くの人に観てもらいたい映画だと思いました。

>Krauseさん、たねさん、いつもnice!ありがとうございます。
by naonao (2007-11-14 22:09) 

naonao

>くろたさん、midoriさん、nice!ありがとうございます。
by naonao (2007-11-26 17:38) 

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