奇想の王国 だまし絵展~Bunkamuraザ・ミュージアム [絵画・美術館展・博物館展]
Bunkamuraザ・ミュージアムで今、開催中の「奇想の王国 だまし絵展」に行ってきました。
好評なので毎日8月16日までの開催時間を朝10時~夜21時までにしたそうです。確かにだまし絵展、面白かった!
↑アルチンボルドの「ルドルフ2世」ですが、よくテレビや図版で見ますが初めて生で鑑賞しました。63種の植物や果物、野菜で描き、見入ってると不思議な感じ。スウェーデンのスコークロステル城から出展です。
今にも額縁から飛び出してきそうな男の子(ヘルスト「非難を逃れて」すぐ下の絵↓)や、本物のゴージャスな小物と見間違うばかりの棚の品々(ヒンツ「珍品奇物の棚」真ん中の絵↓)、額の中のガラスが砕けてたり(インコがいる絵↓エヴァンス「インコへのオマージュ」)、壁にかけてある品物の数々(ヘイスブレヒツ「食器棚」インコの絵の左となりの絵↓)。トロンプルイユ(目だましで本物そっくり)という手法を使ったその系譜を見せてくれる展覧会で、だまし絵の大家といわれるヘイスブレヒツの絵も今回初めて観ました。
面白かったのは絵だけを見ると何を描いたのかわからない絵が、中央に円柱の鏡を置くことでそのその円柱の鏡の中に姿をはっきり現す絵(ドメニコ・ピオラの「ルーベンスの十字架昇架の場面のあるアナモルフォーズ」)。アナモルフォーズ(歪像画)は見方を変えないとそのままではわからない絵なのです。正面から見ると確かに3人いるのに右から見ると2人、左から見ると1人になってしまう絵(パウルス・ロイ「ルドルフ2世、マクシミリアン2世、フェルナンド1世の三重肖像画」)や、横から見てはじめて人を描いていたり、用を足している人の絵だとわかったりするから笑えます(エアハルト・シェーン「判じ絵ーヨナと大きな魚としゃがむ男」「判じ絵ーフェルディナント1世」)
また良く知られたエッシャーの版画やダリ、マグリットの絵なども来てました。エッシャーは長崎のハウステンポスでもたくさんの版画や映像を観たので懐かしい感じがしましたが今回の版画がほとんど国内の美術館からの出展だったのが驚きでした(例えばいわき市や豊田市、横浜美術館からのものばかり)マグリットもあちこちで観てる気がしますが、展示されてた絵はヒューストンやワシントン、ポーラ美術館やトヨタ美術館などからのものでした。
日本の歌川広重や歌川国芳の絵も面白かったです。広重は人の影絵の裏側を見せて描き、また国芳は人をたくさんの人のハダカ、肉体で表現し、アルチンボルトもびっくりの絵でした。国芳の絵は下の真ん中の絵↓です。左の幽霊の絵もまるで掛け軸から飛び出してくるようです。
人の動きに合わせてまるでそこにその風景(水の都)が存在するように見せる絵は、誰もが何度もその絵の前で行ったり来たりして絵を観ていました(パトリック・ヒューズの「水の都」です)画面は凸凹で、retorospective(reserve反転+perspective遠近法)という技法を用いているとのこと。この絵は本物を観てもらうしかありません。何せ立体的な絵なのですから。必見です。
こういうおもしろい展覧会は大歓迎です。また同じような企画で違う絵を観たいなあ~。
アルチンボルド (ニューベーシック) (タッシェン・ニューベーシック・アート・シリーズ)
- 作者: ヴェルナー・クリ-ゲスコルテ
- 出版社/メーカー: タッシェン
- 発売日: 2001/06/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
だまし絵の描き方入門―エッシャーの描法で不思議な絵が誰でも描ける
- 作者: 杉原 厚吉
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本
マグリット (ニューベーシック) (ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)
- 作者: マルセル パケ
- 出版社/メーカー: タッシェン
- 発売日: 2001/05/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
もっと知りたい歌川国芳―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
- 作者: 悳 俊彦
- 出版社/メーカー: 東京美術
- 発売日: 2008/02
- メディア: 単行本
お久しぶりです。
お父様のことでご苦労なさいましたね。
これからもよろしくお願いします。
by toshi (2009-07-11 18:11)
このような面白い展覧会へは行ったことありません。大阪にも巡展しないかなあ。
by たいちさん (2009-07-13 16:13)
naonaoさん、ご無沙汰してます。復帰されて嬉しいです~。
アルチンボルド、不思議な絵ですが、私も大好きです。1年半前に、パリでのアルチンボルド展へ運良く行けました。見ていて、楽しめますね!ダリも好きなので、この展覧会が大阪に来れば、行ってみたいです!
by Mimosa (2009-07-14 00:45)
だまし絵、1枚2枚ならまだしも
まとめて見るとなると迫力も面白さもアップでしょうね。
by nomame (2009-07-14 13:42)
面白いですよね。
行ってませんが、ポスターなどでよく見ます。
エッシャーもマグリットも好きです^^
by duke (2009-07-16 23:35)
こんにちは。
だまし絵・・・書籍で見るのとは、また違って、生ならではの迫力も感じられて楽しめそうですね。
夏休み・・・お子様で混んでいるかもしれませんが、行ってみたいと思います!
by びっけ (2009-07-23 10:56)
こんにちは。
帰国しました~
だまし絵面白いですよね。
ヨーロッパのお城や教会の壁のだまし絵も好きです。
by miffy (2009-07-23 14:34)
だまし絵といえば
やっぱりエッシャーのイメージがあります。
面白いジャンルですよね。
by くろた (2009-07-27 13:27)
>皆様、nice!やコメントありがとうございます。
このだまし絵展は本当に楽しかったです。観る価値あります。お勧めです。
by naonao (2009-08-03 21:42)