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1Q84 [本]

最近読んだ本の紹介です。

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/05/29
  • メディア: ハードカバー
1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/05/29
  • メディア: ハードカバー

「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」のように章ごとに視点が違ったものがパラレルに相互に話が進む形式をとりつつ、最後にはこの2つの世界、ここでは青豆と天吾の世界も交差しかけて終わっています。

ジョージ・オーウェルの「1984」のビッグブラザーに対してリトルブラザーを登場させ、「アンダーグランド」や「約束された場所で」に関連する(オウム真理教のような)新興宗教を登場させています。リトルブラザーはまるで「羊をめぐる冒険」の羊男のような得体のしれないものです。高速から地上への階段を使ったことから1984年が1Q84年になってしまいました。それはまるで「羊をめぐる冒険」でのエレベーターに乗ったことを機に体験する事柄と似ています。1つだった月も2つになり、 話は全くつながりが見えてこなかった青豆と天吾の二人と交差し始めます。その展開にワクワクドキドキしました。

青豆はまるで現代の必殺仕事人か!?と思わせました。また全知全能的な教祖はまるで予言のようなことを言い、青豆もそのうちいろんなことがわかるようになったりで、知らない世界に踏み込んだ気分でした。ひとつひとつの出来事やつながり、流れは面白かったのですが、最終的にそれでどうなったのだ?と、細かな部分で不思議な部分がたくさん残ってしまいました。でもつい先ごろまた第3弾が出るとの発表があったので、この続きが読めるのだなあと楽しみです。

ハルキワールドは大好きでずっと読んできています。でも私にとっては「羊をめぐる冒険」や「ダンス・ダンス・ダンス」「世界の終わりと・・・・」「ノルウェイの森」あたりの作品が一番良かったかもしれません。この作品は途中途中は楽しく読んだけれど、読み終わったあとのすっきりさ感、まとまり感、全体的なものがちょっと心残り。すっきりしませんでした。それでもなお、ワクワクドキドキしながら先を先をと読めたのは楽しかったです。

運命好転の不思議現象99の謎 (二見文庫)

運命好転の不思議現象99の謎 (二見文庫)

  • 作者: 森田 健
  • 出版社/メーカー: 二見書房
  • 発売日: 2009/06/01
  • メディア: 文庫

中国、チベットでの「仙人修行」「六爻占術」「生まれ変わりの村」、フィリピンでの「心霊治療」、アメリカでの「モンロー研究所」など興味あることは片っ端から次々に経験をしてしまっている著者のモリケンさん。その行動力に脱帽ですが、この本を読んでみてますます六爻占術を知りたいと思ってしまいました。コイン3枚を用意し、6回コインを振って裏の目が何回出たかで占うもの。その奥義は出版されていずモリケンさんから直接高いお金を払って買うらしい。簡単なものはネット上で占えるようになってますが(本を読んだ人のみ閲覧できる)その先が知りたいなあ~と思いました。

金運に関して私は「北の方向にねずみの置物を1つ、黒い布の上に置くといい」と出たのでそのようにしましたが、何となく最近、金運(=仕事運)がアップしたような気が・・・。気のせいだろうか!?

麻雀放浪記(一) 青春編

麻雀放浪記(一) 青春編

  • 作者: 阿佐田 哲也
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2000
  • メディア: 文庫
麻雀放浪記(二) 風雲編    角川文庫 緑 459-52

麻雀放浪記(二) 風雲編 角川文庫 緑 459-52

  • 作者: 阿佐田 哲也
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1979/09
  • メディア: 文庫
麻雀放浪記(三) 激闘編    角川文庫 緑 459-53

麻雀放浪記(三) 激闘編 角川文庫 緑 459-53

  • 作者: 阿佐田 哲也
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1979/10
  • メディア: 文庫
麻雀放浪記(四) 番外編    角川文庫 緑 459-54

麻雀放浪記(四) 番外編 角川文庫 緑 459-54

  • 作者: 阿佐田 哲也
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1979/10
  • メディア: 文庫

NHKで1,2ヶ月前に3~4日に渡って井上陽水の特集がやっていたのですが、そのとき結構面白く観ました。特に陽水のファンでも何でもないのですがこの人結構楽しいなあと好感を持ってます。その中で彼に少なからず影響を与えたのが作家の阿佐田哲也(色川武大)で、アウトロー的な生き方などが面白いなあと興味を持ちました。「(勝負事は)熱くなっているうちは絶対に勝てない」みたいな彼の言葉が、ちょうどトルコやタイを旅行していた時に出会ったギャンブラーでもあった旅行者たちの言ってることを思い出させ、懐かしい気分になりこの本を読むきっかけになりました。

麻雀をしない私はその部分は飛ばして読んだのですがそれでも面白かったです。麻雀する人ならなお更面白いと思います。麻雀で生計を立てていく一人の男の物語。刹那的。いろいろやってみって経験し、型にはまらず、そして今のキレイな世界とはまったく真逆の泥臭い感じが面白かったです。

しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)

しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)

  • 作者: 香山 リカ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2009/07
  • メディア: 新書

 

リカちゃんのペンネームを使ってる精神科医の著書。今、ベストセラーになってるとのことで読んでみました。現代社会のいろんな部位を切り取りつつ、幸せになるにはどう気持ちをもっていけばいいのかを説きます。結構この著者の考え方はいいなあと思いました。納得する部分が多かったです。

例えばイランの人質事件のとき、高遠さんはじめ3人の日本人がすごいバッシングに遭いました。私はその時すごい違和感を感じたのですが、この事に関してもこの本では「人間の狭量化が進んだ」と切りこみます。つまり「いつ自分がテロに遭うかわからないから少しでも自分と違う人間を排除する」「そして小泉改革で競争社会となっている今、ちょっとでも弱い人や違う人のために自分が立ち止まっていてはこの世界で蹴落とされいわゆる<負け組み>となってしまうからなるべく他者のことを考えず、自分の安心、安全、進歩、成長のことだけ考えて生きる」とまるで寛容さを失い、他者に対する人への想像に欠ける社会になっているといっているのです。

考えてみれば<負け組み>とか<勝ち組>とか、一体どんなことで決めてるのでしょう。他人の考えたものさしでそんなことを決め付けるととても不幸になるのは目に見えてます。そんなレッテルを貼らず、『白黒つけない生き方』をこの本では勧めています。

他にも自己PRして我が我がというアメリカに真似た強気の姿勢で生きてきた人たちが疲労困憊してしまっていること、「蹴落とすか、蹴落とされるか」の雰囲気は人ばかりだけでなく企業業績にも良くないことがわかってきているというのです。だからこの本では『自慢・自己PRをしない』生き方を勧めます。

他にも、嫌なことをずっと覚えていて精神病になる人がいるらしいのですが、日本人は往々にして嫌なことを記憶していても嬉しかったことはすぐに水に流し記憶にとどめていない傾向にあるらしいのです。だから(いいことは)『水にすぐに流さない』生き方を勧めます。また自分に関しての嫌な過去は記憶にとどめておくくせに、社会問題に関してはすぐに水に流してしまうという本末転倒なことが起きているといいます。例えば小泉改革。医療難民、非正規雇用者激増、こんなに景気が悪くなったのに責任が問われない。変な話です。

そして「人はパンのみに生きているにあらず。しかしパンなしでは愛の実践も夢の実現も不可能であるのも事実だ」「生きるため、パンのために働いているといのでも十分ではないのか」と問い、『仕事に夢を求めない』ことを勧めます。『恋愛にすべてを捧げない』『子供にしがみつかない』『お金にしがみつかない』『生まれた意味を問わない』『勝間和代を目指さない』と現代の事象を例に挙げながら心をこう持っていけばふつうに幸せにやっていけると説きます。

平易な文章で本も薄いのですぐに読め、かなり納得することが多かった本でした。いつも思うのですが、幸せなんて自分が決めたらいいし、人様の基準で決め付けないことです。そして人は人、自分は自分、バランス感覚持って生き、何でもほどほど、いい加減が一番!と思いました。そうやって生きていけば、少なくとも死にたくなることはないかなあと思います。


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コメント 5

nomame

私は村上春樹作品は「ノルウェイの森」だけですね。
しかも内容忘れちゃってるし・・・・。(自爆)
「1Q84年」も興味あるんですが、どうも理解できなそうで臆病になっています。
by nomame (2009-10-09 20:15) 

たいちさん

「1Q84]のBOOK1を読み終わったばかりです。BOOK2を図書館から連絡待ちの状態です。待ち遠しい小説ですね。青豆には、妖しげな魅力がありますよね。
by たいちさん (2009-10-10 19:20) 

naonao

>nice!をくださった皆様、ありがとうございます。

>nomameさん、ありがとうございます。
「ノルウェイの森」の内容は私も忘れてますが、その雰囲気だけは覚えてます。何年かして2度読みしたとき、初めて読んだ時ほどの感動がなかったのでちょっとがっかりしました。一度読んでよければそうそう読み返す必要もないかなと思いました。

>たいちさん、ありがとうございます。
この本は面白いので、次から次へと読み進めたくなりますね。私は早くも3冊目が待ち遠しいです。
by naonao (2009-10-16 21:53) 

Betty

「1Q84」は、あの!村上春樹の新刊!!「新潮社」からの出版!!というだけでテンション上がりっぱなしで読みました。
集中して一気に読んだのですが、喉に小骨が引っかかっているような後味が残りました。
わたしもBOOK3が発売されるのを楽しみにしている所です^^

香山リカさんの書籍、紹介された内容だけでも納得できる部分が多いです。
by Betty (2009-11-06 12:05) 

naonao

>Bettyさん、ありがとうございます。
ハルキファンにとっては待望の本でしたね。
次なる3作目、いつ出来るのでしょうか?
楽しみです~。
by naonao (2009-11-08 15:20) 

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