スィート・ヒアアフター、ジュージュー、サヨナライツカ、右岸、ECHOES 木霊 [本]
最近読んだ本です。
よしもとばなな「スィート・ヒアアフター」
大好きなよしもとばななの本で、あっという間に読みました。去年の震災後の喪失感の中よしもとばななが書き上げたのは、恋人をドライブ中に亡くし自らも鉄が腹に突き刺さって救出された女性の自分を取り戻すまでのお話。幽霊が見え、幽霊が出るアパートでの新しい生活を始めそこから始まる新しい男の子とのつきあい。そして行きつけのバーのマスターとの交流。ゆっくりと優しくいつの間にか明るい光のほうへ向かっているのでした。よしもとばななの本はいつでもほんわかして温かな気分になれ、これもそういう本でした。
よしもとばなな「ジュージュー」
ステーキとハンバーグの店が舞台。「ジュージュー」という焼き音から題名がついている。複雑な人間関係、人間模様があるのだけれど、なぜか彼女の文体からはぜんぜん複雑でなくほんわかしていて緩やかな流れの中でいろんなことが収まるところに収まってしまう感じ。それぞれの悲しみはいろんなことで埋まって何とかなっちゃう。ばななワールドがここでも展開していてほんわかな至福がありました。
辻仁成「サヨナライツカ」
サヨナライツカ ― Sayonara, toujours pres de moi (世界文化社)
- 作者: 辻 仁成
- 出版社/メーカー: 世界文化社
- 発売日: 2001/01/09
- メディア: ハードカバー
つい最近、中山美穂と西島秀俊主演の「サヨナライツカ」を観ました。舞台となったタイにはよく自分でも行っていたのでとても懐かしく、またタイにはすごく思い入れもあるので余計にこの映画にしびれました。映画を観てから原作を読みたくなり調べていたら中山美穂のだんなさんの辻仁成だとわかり、そういえば昔「冷静と情熱のあいだ Blue」を夢中になって読んだ作家だなあと思い出しました。
「サヨナライツカ」は映画を観てから原作を読んだわけですが、映画も原作も双方ともにイメージを損なうことなく両方ともが良かったです。映画では描ききれなかったいろんな肉付けが原作でされていたので、映画のイメージのままに補充されることになり、映画を観て泣け、原作を読んでも泣けました。私の中では「かもめ食堂」くらいにいい感じの関係の映画と原作の関係になっていました。また男性の立場から書いた辻仁成の「冷静と情熱のあいだ Blue」と 女性の立場から書いた江國香織の「冷静と情熱のあいだ Rosso」も竹野内豊主演で映画化されていますが、その時には小説を先に読んでいたので映画の数倍小説が勝っているという印象だけが残っています。もしかしたら映画を先に観て小説を後から読んだほうがいいのかもしれません。
「サヨナライツカ」を読み終わると、男性側を辻が「右岸」、女性側を江國が「左岸」として書いている事を新聞の広告で知りました。もう4年前の作品なのに新聞広告を出しているというのも不思議、それをまた私が目にするのも不思議なのですが、私にはとてもタイムリーな気がして、まずは男性側の辻の「右岸」を一気に読んでしまいました。長編でしたがとても読み応えあり、波乱万丈で、いろんな人との巡り合い、巡りあわせ、縁みたいなものが面白いと思いました。幼馴染の女性との擦れ違いでしたが、江國の女性側もこれから読むのが楽しみです。また「愛のあとにくるもの」という作品を韓国の作家とも書いていることを知ったのでこれも読んでみたいです。
サヨナライツカの詩がステキなので、載せておきます。
サヨナライツカ
いつも人はサヨナラを用意していきなければならない
孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある
どんなに愛されても幸福を信じてはならない
どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない
愛なんか季節のようなもの
ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの
愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ
サヨナライツカ
永遠の幸福なんてないように
永遠の不幸もない
いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる
人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
愛したことを思い出すヒトとにわかれる
私はきっと愛したことを思い出す
辻仁成「ECHOES 木霊」
それから比較的新しい辻の本を読みました。「ECHOES 木霊」。小説ではなくエッセイです。頭部動脈瘤で手術したとき知り合いの先生が手術をしてくれることになった縁の話、瀬戸内寂聴との縁の話、自分が教える大学と韓国の小説家と本を書くことで知ったある韓国人詩人との縁の話、などたくさんの縁によってつながる話で事実は小説より奇なりなのかもしれないなあと思いました。いろんなことがいろんな縁で結ばれ、この時期に彼の作品にまた再会するのも縁だなあと思いました。
また防災グッズを見直していたのですが、かなり前から旅行中にアーミーナイフを失くしていてまたビクトリノックスのものがほしいと思っていたのでこちらを注文しました↓。以前持っていたのは赤色のたくさん機能がついたアーミーナイフでしたが、どうせナイフくらいしか使わないのでシンプルなものにしました。今はこんなかわいい柄のものまで売っているのでびっくり。おしゃれなこの柄に決めました。
VICTORINOX(ビクトリノックス) クラシック エーデルワイス柄 PUR 保証書付 0.6203.840PUR 【日本正規品】
- 出版社/メーカー: VICTORINOX(ビクトリノックス)
- メディア: スポーツ用品
今日夜9時過ぎに千葉沖で地震があり、千葉北東部ではまた震度5強、東京でも震度3の揺れでした。いつまで揺れるのか。これもあの3・11の余震なのでしょうが、とにかくまだまだ気を抜けません。3・11から頻繁に揺れて少しは忘れかけていてまた揺れての繰り返し。できることをしてあとは様子を見るしかありません。防災グッズが使われないことを願いながら、しっかり用意だけはしたいと思ってます。
うちの職場も自宅も、最近大急ぎで防災グッズを揃えています。
これだけは無駄な買い物で済んでほしいと祈らずにはいられません。
by nomame (2012-03-15 12:40)
VICTORINOXクラシックをキーホルダーにしているのですが、この「エーデルワイス」柄は素敵ですね。女性が持ってても画になりそうです。
by YaCoHa (2012-03-29 22:20)
>nice!をくださった皆様、ありがとうございます。
>nomameさん、ありがとうございます。
本当にその通りです。備えあれば憂いなし。とにかく無駄になってもいいので備えておくことが大切ですね。
>YaCoHaさん、ありがとうございます。
こんなにデザインのいいものが出てるなんて驚きでした。このエーデルワイスはほかにもいろんな色がありおしゃれです。
by naonao (2012-05-20 21:31)