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角幡唯介の本、森村桂の本 [本]

最近読んでいた本の紹介です。

Podcastingで角幡唯介という作家がいることを知り、初めて読んだのがこのチベットツアンポー峡谷の冒険記↓。以前にも紹介しましたが、命がけの冒険にかなりハラハラドキドキしました。チベット好きな私は、一気にこの本に魅了されました。作家の文章は読みやすくて好きなので、出してる本はすべて読みたいなあと思った彼の第1冊目の本でした。

空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

  • 作者: 角幡 唯介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/11/17
  • メディア: 単行本
それで次に読んだのが、「冒険家、36歳の憂鬱」↓
冒険家が冒険しにくい時代に、この人はとにかく自ら冒険しては本を書こうとしていて、その矛盾、憂鬱、悩みのような本心が透けて見える本でした。雪崩に何度も遭遇して死に損なったことや、気球に乗って最後に命を落としてしまった探検家の話、多くの人が富士山登山をすることについて考え、東日本大震災のことを考える。合コンして女の子を見つけようとしてもこんな危ないことを生業としてる自分は敬遠されるといった話。どれも面白かった。でも本当、すっかり角幡さんのファンになった私としては、命は決して落とさないで長く冒険し面白い本をたくさん書いてほしいと思いました。そして角幡さんにひとこと言いたい。きっと危険を承知で冒険に何度も出かけるあなたが好きだという女性は現れるから心配無用だよ、と。世の中いろんな人がいて、何でもありの世界だから。
探検家、36歳の憂鬱

探検家、36歳の憂鬱

  • 作者: 角幡 唯介
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/07/21
  • メディア: 単行本
また最近まで読んでいたのが、北極への探検↓。仲間と2人でそりを引きながら100日以上も歩くという過酷なことをやっていました。1800年代のイギリスの探検隊など北極へ探検に行った人々の歴史を検証しながら、自らの体験も書いていて、こちらも面白くて一気に読んでしまいました。凍傷予防に飲んだクスリが口唇ヘルペスでざっくり割れてしまった口元から血が止まらなくなって血のつららができた話とか、毎日5000kcalもカロリー摂取しても毎日の過酷な旅でお腹がすきにすき、麝香牛を捕まえてさばいて食べたり、雷鳥などの鳥、卵を獲って食べたり・・・とサバイバル的。クマに襲われる心配やルートの心配、時間内で目的地に着けるかなど気がかりなことが様々あり、氷点下30℃とか50℃とかで平気になっているため、氷点下15℃くらいでは暖かいなど書かれていて、それはそれはすごい世界。
アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極

  • 作者: 角幡 唯介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/09/26
  • メディア: 単行本

そして題名を見て、胡散臭いなあと思ってたけど読み始めてやはり面白かったのが「雪男は向こうからやって来た」↓

雪男を見たというたくさんの登山家の人たちの証言(中には田部井淳子さんや今井道子さんも雪男らしきものを見たと証言してる)や、雪男探しに命を懸けた人々の話、その歴史なども載せ、特にフィリピンのルバング島の残留日本兵であった小野田氏を旅行中に発見して有名になった鈴木紀夫氏が、実はその後6回も雪男を探しに出かけ最後はコーナボン谷で亡くなった話は、悲しかな、冒険家の末路なのかもなあと思わざるを得ない話でした。

そして一番びっくりしたのは谷口正彦隊長の雪男探しをしたという記述。私が学生のときにアルバイトに行っていた出版社で当時部長だったこの谷口氏が、実はその昔そんなすごいロマンを持った人だったということに驚きました。実はこの谷口氏、作家の森村桂の元だんなさんで、森村桂の本にもたくさん登場するためその出版社では多くの人がこぞって森村桂の本を読んでいたのですが、私は全く興味なくこれまで読んだことがありませんでした。今回角幡さんのこの本で谷口氏の名前を見つけて、森村桂の元だんなということでは興味なかった私も、探検家であったということではとても興味を持ち、谷口氏が一体どんな人だったのかを知るため何冊か森村桂の本を読みたいと思いました。人生どこでどうつながってくるのか、本当に面白いなあと思いました。そして谷口氏の名前を発見してあとすぐ、続けざまにこの出版社つながりで、この出版社を辞めて今はフィリピンで身寄りのない子供たちを育てる人がテレビで紹介されてたり、表現インストラクターと言われる山田ズーニーさんがこの出版社出身だとPodcastingで紹介されてたりして、この出版社関連のことが目に耳に入ってきて、私の中ではちょっとしたシンクロニシティで楽しいなあと思う日々が続きました。

雪男は向こうからやって来た

雪男は向こうからやって来た

  • 作者: 角幡 唯介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/08/26
  • メディア: 単行本

そして、その谷口氏からつながっての森村桂の本↓。「それでも朝は来る(上下)」と「12時の鐘が鳴るまで」は森村桂の最初のだんなさんの谷口氏との出会い、結婚、その生活、そして離婚、その後別のだんなさんとの出会い、再婚、その生活を描いた本です。谷口氏はあちこち出歩き奔放に生きていたことが伺えました。森村桂と谷口氏は結局離婚となってしまいますが、森村桂がどれほど谷口氏が好きだったのかが痛いほど描かれている(本のほとんどが谷口氏のことな)ので何だかとっても読んでて苦しかったです。そして最後には再婚したにもかかわらず鬱を発症し、森村桂は2004年に自殺してしまったことをネットで知り、ますます気の毒に思いました。

それでも朝はくる (上) (中公文庫)

それでも朝はくる (上) (中公文庫)

  • 作者: 森村 桂
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1984/01/10
  • メディア: 文庫
それでも朝はくる (下) (中公文庫)

それでも朝はくる (下) (中公文庫)

  • 作者: 森村 桂
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1984/01/10
  • メディア: 文庫

12時の鐘が鳴るまで―それでも朝はくる、その後 (中公文庫)

12時の鐘が鳴るまで―それでも朝はくる、その後 (中公文庫)

  • 作者: 森村 桂
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1985/11/10
  • メディア: 文庫
こちら↓は当時ベストセラーだったらしい「天国にいちばん近い島」
彼女の明るくて行動力があり、ユーモアのある人柄が反映した文章で楽しい体験記になっていました。ニューカレドニアに行くまでのラッキーないきさつ、ニューカレドニアでのいやな体験、楽しい体験、考えさせられることなど、当時彼女の旅行した1960年代!?、今とは全く違う海外旅行事情も考えるとそれはそれは画期的なこと、勇気のいることだったろうなあと思えます。単純に楽しめました。これを原作にNHKの朝のテレビ小説「あしたこそ」(藤田弓子主演)や映画「天国にいちばん近い島」(原田知世主演)にもなったようで人気のほどがうかがえました。

 
天国にいちばん近い島 (角川文庫)

天国にいちばん近い島 (角川文庫)

  • 作者: 森村 桂
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1994/04
  • メディア: 文庫

     

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コメント 3

たいちさん

naonaoさんらしく、冒険物が好きなんですね。読んでいてドキドキし一気に読んでしまいますね。
by たいちさん (2013-01-09 23:36) 

yu-papa

nice!有り難うございましたヽ(^o^)丿
私も時々読書はしますが、
  文庫本ですが、「徳川家康」全26巻を超える本を見つけていません。


ご訪問が遅れすいません<(_ _)>
by yu-papa (2013-01-26 19:30) 

naonao

>nice!をくださった皆様、ありがとうございます。

>たいちさん、ありがとうございます。
ここ何年かは全然冒険ものを読んでませんでしたが、読み始めるとやはり面白くて好きなのだと思いました。しばらく冒険ものを読み続けたいと思ってます。

>yu-papaさん、ありがとうございます。
by naonao (2013-02-02 10:41) 

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