草原の椅子 [日本映画 ドラマ]
今年に入って初の試写会。先週有楽町朝日ホールにて「草原の椅子」を観てきました。
公式映画サイト:http://www.sougennoisu.jp/
宮本輝の原作を映画化。監督は「八日目の蝉」の成島出監督。佐藤浩市、西村雅彦、吉瀬美智子らの出演。育児放棄された男の子を大学生の娘と二人暮らしの中年男が引き取ることになるまでの話。友人として付き合うようになった会社社長や、骨董店の女性、後輩のカメラマン、再婚した相手の子供を引き取りその子をまたおしつけようとする男性、またその子供の母親など、様々な人間に様々な事情を織り交ぜ、主人公の男と社長、骨董店の女性、育児放棄された子供が一緒になってパキスタンの桃源郷であるフンザに旅に出かける再生の物語。
まず、本多勝一の本「ヒンズーラージ探検記」をほどなく読み終えたばかりの時期にこの映画を観て、パキスタンのフンザに思いを馳せたところだったので、そういう意味ではタイムリーでちょっとしたシンクロでした。私自身一度行くつもりでいたのに、現地でどんどん寒くなり雪のために峠越えができなくなるため中止しただけに、やはり心のどこかには未練が残っていました。でも風景はかつて行ったことのあるインドのザンスカールやスピティ、パキスタンのチトラールにも似ていて、そこにいる人々と服装がちょっとだけ違いました。映画公式サイトの中にある「写真集祝福の谷」は映画の中でも使われる写真集なのですが、興味ある方に観るのはお勧めです。
この映画で最も光っていたのは小池栄子でした。彼女は子供を虐待し育児放棄をした母親役で、再婚した夫に子供を押し付け、その夫とも別れ再再婚するという役柄でしたが、ちょっとのシーンしか出てこないのにすごい迫力でした。「八日目の蝉」でも素晴らしい演技力でしたがこの映画でもその演技はひときわ光りその存在は素晴らしいの一言でした。また映画の中で主人公や骨董屋の女性が夜ラジオから流れる曲と合わせてちょっと口ずさむシーンがあるのですが、その曲のメロディーがとっても素敵で心にしみました。それは矢野顕子の「中央線」という曲でした。調べてみると1992年の曲で、そのころの私は海外に出たり戻ったりの生活で、全く知りませんでした。いい曲なのでYoutubeから↓拝借します。
人生の岐路に立っても立たなくても旅っていいなあと思います。日常の様々ないいこと悪いことすべてを総括して消化してくれる感じがします。また旅に出かけたくなる、そんな映画でした。
最近は実の子を殺す報道が多いですので、考えさせられる映画ですね。
by たいちさん (2013-02-28 21:58)
>nice!をくださった皆様、ありがとうございます。
>たいちさん、ありがとうございます。
映画の世界では結構血のつながらない子供を引き取るという話がありますね。身近にはないのでピンときませんが、現実世界で結構多い話なのかもしれません。
by naonao (2013-03-08 20:24)