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マラソン [二宮和也(嵐・ニノ)]

ニノ主演のドラマ「マラソン」を観ました。

マラソン [DVD]

マラソン [DVD]

  • 出版社/メーカー: UNIVERSAL(P)(D)
  • メディア: DVD


2007年のドラマ。ニノはこの「マラソン」で日本放送映画藝術大賞 放送部門 優秀主演男優賞受賞。文化庁芸術祭賞 テレビ部門 放送個人賞受賞。ギャラクシー賞 奨励賞 個人賞を受賞してます。

原作は韓国の自閉症の男の子の手記「走れ!ヒョンジョン」を元に韓国で「マラソン」という映画が作られ大ヒット。それらを元に日本でドラマ化。自閉症の青年がフルマラソンに挑戦した実話のドラマ化です。

このドラマを観ていると、ディカプリオとジョニー・ディップの映画「ギルバート・グレイプ」を思い出させます。ディカプリオはこの映画で知的障害者を演じ大絶賛されましたが、ニノの自閉症の演技はその大絶賛されたディカプリオの演技をはるかに凌いでいると思いました。それほど素晴らしい演技をニノはこのドラマで見せつけてくれます。

鉄道が大好きで走ることが大好きな彰太郎(二宮和也)。その母親(田中美佐子)は、雑誌記者の女性(桜井幸子)を通じ、昔マラソンランナーであった野口(松岡昌宏)に出会い、彰太郎のマラソンコーチをお願いします。しかし、彰太郎は自閉症で、野口は彼を普通に指導することが難しいと感じてしまいます。水を飲みすぎているので「水は飲んではダメ」というと、脱水症状を起こすまで飲まなかったり、マラソンのレッスン時間を「急用ができたからもう終わり」と言っても理解できずレッスンは6時までといつまでも走り続け、「そんなに走りたいなら100周でも200周でも走ってればいい」と言い残し一人取り残すと、本当にとっぷりと日が暮れた中黙々と100周でも200周でも走ってしまいます。また体を触られることを極端に嫌うため、走りにストップかけるときも、体を触って後ろから止めるのでなく正面から手を彼の目の前に伸ばしてストップをかけるといった自閉症の子に合った指導が必要になります。一度は指導がストップ。しかしフルマラソンの練習を重ね、最後に彰太郎は大会に出ていい記録を出すのです。

話をしていても集中できずどこか上の空の表情だったり、どんな人にもタメ口で「何の電車に乗って来た?」と聞いたり、走りながら大好きな電車の系統やアナウンスを大声で叫んだり、マラソンコースがまっすぐと覚えると工事があって迂回が必要なときもどうしても迂回できずまっすぐ突き進んだり、小さいときにお母さんと見た虹が大好きで、「虹の向こう側に行けば願い事が叶うんだって」という母の言葉も一緒に思い出し、虹色にイルミネーションが変わっていく観覧車を見つけて高台に登り奇声を上げたり(この様子がまさに「ギルバート・グレイプ」を彷彿とさせました)、靴の紐の結び方を「うさぎさんの耳」と覚えたり、「人間っていいな」の歌が好きで走りながら脳天気に歌ったり、いつも仕事場でお茶を配っているので自分がマラソンに出場して給水所に立ち寄って水分を補給したあと、走ることはすっかり忘れて他のランナーに紙コップを渡してあげたり・・・・・と、自閉症の様々な様子をニノが本当の自閉症かと思われるくらいに演じていて、圧倒されました。もうここまでくると演技じゃないです。自閉症の彰太郎になりきってる演技を超えています。そして自閉症がどのような様子であるのかもよくわかりました。自閉症の子供はこだわりがありすぎるけれど、とってもまっすぐで純粋で、その純粋さこそがこのドラマ全体を覆っていて、とっても暖かな気持ちになりました。またそういう子供を持つ母親が「一番の願いはこの子より一日だけ長く生きることです」という言葉が強烈で胸にぐさりと突き刺さりました。母と子の絆、家族の絆、自閉症でも一生懸命生きていくたくましさ、力強さ。観ているこちらは晴れ晴れとし清々しい気持ちになれます。このドラマにはそれらが詰まっています。そしてまたひとつ、いいドラマに巡り合えたなと思いました。

しかしそれにしてもこのドラマでのニノの演技力、半端ないです。脱帽です。「ニノの演技の素晴らしさを確認するのに1本だけ挙げるとしたら?」と聞かれたら、迷わずこの「マラソン」を挙げます。お勧めです。


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コメント 1

naonao

>nice!をくださった皆様、ありがとうございます。
by naonao (2014-10-26 23:42) 

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