The Pillars of the Earth(大聖堂)~Ken Follett [本]
The Pillars of the Earth(大聖堂)を読みました。
ケン・フォレットの代表作で、世界で2000万部を超えるベストセラー本。12世紀のイギリスのキングスブリッジの町の大聖堂を舞台に繰り広げられるドラマ。1000ページ近くもある長編で、読むのに1か月くらいかかりましたが、今は読めた満足感と達成感でいっぱいです。この本を原書で読めて本当に良かった。原書でチャレンジは久々だったので、これからもまた何か見つけて読んでいきたいなあと思いました。比較的簡単な英語で書かれていたのも二重丸だったし、次から次へとストーリー展開してワクワクドキドキして読めたのも二重丸。そして何よりこの本を読む前にドラマを観ていたことも大きかった。人物名とその人物の関係性も知っていたので、よりわかりやすかったかもしれません。
もともとはエディー・レッドメインが気になり、彼の出演したドラマ「ダークエイジ・ロマン大聖堂」を観て原作を読みたくなったのですが、ドラマを先に観て原作が後で良かったと思いました。たぶん原作を先に読んでいたらいろいろ端折っている部分もあるし、内容がちょっと変わっている部分もあり、内容を正確にすべて織り込み切れていないドラマに原作ファンならちょっと不満が残るかも。しかしそうはいっても壮大なドラマなので、8話くらいではやはり製作に無理があるというものです。半年から1年かけて大河ドラマにするくらいでないとこの原作をすべてドラマにするには難しいでしょう(そういう意味ではドラマだって負けてなくドラマはドラマでこれ以上ない出来と思わせるくらい、すごく素晴らしかったです)
私は主にジャックとアリエナの二人の物語に興味があって楽しく読み進めましたが、彼らが週末ごとに会ってジャックが母エレンから聞いたいろんな話をアリエナに語って楽しく時を過ごす場面とか、ジャックがキングスブリッジの町を離れてフランスに渡ったときスペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラの巡礼地にも足を運んでいたことや(私はこの巡礼地を廻ったことがなくぜひ廻りたいと昔から思ってます)、ジャックがスペインのトレドでユークリッド幾何学を学び、お世話になった家の娘さんともう少しで結婚しそうになったり(最近久々に絵の勉強をし始めトレドの教会にあるエル・グレコの絵を観てきているはずなのにあんまりじっくり観てこなかったなあと思っていました)、アリエナがやっとジャックを見つけてからもキングスブリッジに戻るまで涙を流すマリア様をあちこちの町で見せてはお金を取って戻ってきたり、戻ってきてからもアリエナはアルフレッドとの離婚を教会に認めてもらえないため10年くらいの長きにわたって、ジャックとは一緒の屋根の下には暮らせないという理不尽なことがあったりと…それはそれはドラマでは語り切れなかったいろんなことが書いてありました。
しかもジャックとアリエナにはトミーという長男のほかにサリーという長女も生まれ、アリエナの弟リチャードやアルフレッドの妹マーサも加わって一緒に生活していたり、リチャードがいつまで経っても自分で稼がず姉のアリエナを頼る情けない弟で、でも結婚生活は破たんして何年も経っているのにアルフレッドがアリエナを無理やりレイプしようとしたところにリチャードが現れアルフレッドを殺し、それでやっとジャックとアリエナが結婚することができるようになったりと、いろんな波乱含みのエピソードが次から次へと続きます。
14,5歳の少女だったアリエナが50歳以上になるまでを描き、アリエナより5歳下のジャック、つまりは10歳くらいからのジャックが40歳代後半のジャックまでを描いて、子供のトミーはもう30歳以上になっていて最後には亡くなってしまったリチャードを引き継いでシャーリング伯となり、娘のサリーも20歳代半ばになっていて今ようやく恋人ができて…という感じで終わっていました。
またジョナサン(トムの息子であるが捨てられ修道院でフィリップに育てられた)は立派にフィリップのあとを継ぐこととなり、ジャックやその母エレンから本当の父親がトムであるという事実を教えてもらっていました…。
本を読んでいるときに突然、あっ、この場面ドラマであったなとその場面が美しく蘇るのも楽しかったです。
エディー・レッドメインから繋がってこの本を結果的に読むことになり、本当に楽しくていい時間でした。本は長いけど読む価値有ります。また手っ取り早くドラマを観るのもお勧めです。
参考:ドラマ「ダークエイジ・ロマン大聖堂」のnaonaoのレビュー
http://naoazucar.blog.so-net.ne.jp/2015-03-05
ケン・フォレット原作 リドリー・スコット製作総指揮 ダークエイジ・ロマン 「大聖堂」 [DVD]
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2012/01/17
- メディア: DVD
>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2015-04-11 02:26)