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狩りと漂流 自然農1年生 畑は私の魔法のじゅうたん 60歳、女、ひとり、疲れないごはん [本]

最近まで読んでた本です。

裸の大地 第一部 狩りと漂泊 (裸の大地 第 1部)

裸の大地 第一部 狩りと漂泊 (裸の大地 第 1部)

  • 作者: 角幡 唯介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2022/03/25
  • メディア: 単行本

著者がグリーンランドに通っているなあと思ってたらこの本が出てました。以前は明かりのない中を進んだ「極夜行」でしたが、今回はずっと明るい白夜の中での旅。行動を共にしてきた信頼する犬ウミヤックに犬ぞりを引かせて、麝香牛や兎を狩りしながら進む旅。食のリズムで進んだら22時間サイクルがちょうどいいことに気づいて、今まで24時間という枠の中にとらわれた自分を発見したり、「到達者の視点から狩猟者のそれに置き換わり」「探検家でなく極地旅行家に変わった」と自らの変化を告白してます。相変わらず食料が無くなりつつあり、獲物が獲れなければ飢え死にしそうな危険な旅で、真夜中にお腹がすいてがつがつ食べてもなかなか満たされずどんどん体重が減って、骨と皮ばかりになっていき、相棒の犬が自分の計量ミスで自分よりたくさん食料を食べていることを知って、何てことをしてしまったと悔んだり、いざとなれば犬を食料にするしかないかと考えてみたり…。究極の体験をしていることに変わりなく、角幡さんはやっぱりすごいなあと思って読んでいました。

この旅の前には日高へ地図なしの登山をしています。計画登山に疑問を持ってのことで、目的地を決めずにその場その場に応じて山を漂流するという登山。昔自分がバックパッカーで大まかに回るところを決めたけど、いざなわれるままに行く場所を変えて旅行しているやり方とちょっと似てる感じがしました。登山と旅行では危険度が全く違うけど。

彼は年齢43才に近づき、43歳で亡くなった植村直美、河野兵市、長谷川恒夫、星野道夫、谷口けいなどが頭によぎっている最近だとのこと。その年齢は経験値は上がるけど、体力は衰えていく年齢だと。グリーンランドをよりよく知り知ってるところを広げたいと思っているみたいなのでこれからもグリーンランドの旅が続く様子。気を付けて旅してほしいと思いました。

自然農1年生 畑は私の魔法のじゅうたん (角川文庫)

自然農1年生 畑は私の魔法のじゅうたん (角川文庫)

  • 作者: 銀色 夏生
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2022/07/21
  • メディア: 文庫

銀色さんの宮崎に帰って始めた自然農の体験記。写真がたくさん載っていて手探りながら色んな野菜を種から育て、ほとんど野菜を買わずに生活を始めています。自分で育てた野菜は買ってきた野菜とは自分の子供と他人の子供くらいの差があると言っている。味も全然違うとも。これからは自分で食べるくらいの野菜作りができる生活は本当に理想的だなあと思いました。昨今農薬もいろいろ騒がれているし、耕さない+肥料農薬を使わない+草や虫を敵としないのが自然農のルールらしく、何かいいなあと思いました。彼女が自然農を始めたきっかけは、ふと孤独を感じ、孤独感を寄せ付けない何かを探していたとのこと。そして今後の人生に充足感をもたらしてくれるものがあるだろうかと考えてこの自然農に行きついたのだと。川口由一さんの「豊かさとはものの多さなどではなく、豊かだという感覚がこんこんと内面から湧き上がってくるということです」「野菜がわずかな量しか採れなくても、そこに質の高い命が凝縮していると捉えられればいい。私たちの身体と心が質の高い生命を取り入れれば、ほんの少しの量で健康で楽しくいきいき生きていける。私たちが健康に生きていくのにはそれほどたくさんの生命を必要としない、ということをしっかり知ることです。それがわかれば深い安心感を得ることができます」深い安心感か。畑仕事をしている人は長生きだというけれど、何かこういうことにも繋がっているのかもしれない。

60歳、女、ひとり、疲れないごはん (幻冬舎文庫 き 3-24)

60歳、女、ひとり、疲れないごはん (幻冬舎文庫 き 3-24)

  • 作者: 銀色 夏生
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2022/05/12
  • メディア: 文庫

実際に作ったごはんを写真に撮った本。パラパラ眺めているだけで楽しい。自分で育てた野菜を食卓に並べるのだから美味しいに違いない。レシピが載ってるわけでないけどちょっと参考になるなと思いました。

吹上奇譚 第四話 ミモザ (幻冬舎単行本)

吹上奇譚 第四話 ミモザ (幻冬舎単行本)

  • 作者: 吉本ばなな
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2022/10/26
  • メディア: Kindle版

吉本ばななのこのシリーズ。多分1からの続き物で読んでるけど内容は全然覚えていないので自分としてはちょっと唐突な感じのストーリー展開。でもそれでも読めてしまう。今回の「ミモザ」とは美鈴が生んだ赤ちゃんの名前がタイトルだった。温かく包まれたような安心感や優しさだけが残る彼女の作品に今回も涙しました。確かにミミという主人公だったし、墓守くんとか美鈴という名前にも聞き覚えがある。でも彼らがどんな人だかも完全に忘れてしまってる。まあいいか~と読み進めました。電車に乗っていてパラレルワールドみたいな場所に引き込まれる様子とか、突然今までの経験が目の前に展開して走馬灯のようなものを見せられたり、私好みの世界だなあと改めて思いました。チベット僧院とかマトリックスとかいう言葉も出てきて好きだし。「宇宙の中では全部のことがつながっていて、補い合っている。あっちを押せばこっちが引っ込む。余計に持てばやがては均されていく。ありきたりのような結論だけど、とても有機的で深い。そこをまだまだ書いていきたい」と後書きにあった。このシリーズはまだまだ続きそうだ。

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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2022-12-15 00:02) 

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