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そして人生はつづく [イラン映画]

イラン映画「そして人生はつづく」(Life and Nothing More)を観ました。

そして人生はつづく ニューマスター版 [Blu-ray]

そして人生はつづく ニューマスター版 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2019/02/08
  • メディア: Blu-ray

1991年の作品。IMDb評価は7.9。1990年に起きたイラン北部地震の被災地へ半年後に向かったロードムービー。「友だちのうちはどこ」の監督キアロスタミとその息子が映画撮影したコケルに向かう。レンガブロックで建てた家は脆くも崩れ、たくさんの身近な人が亡くなり悲しみながらも人々が日常を送っている姿を観ることができます。

マンジールから先は援助物資を運ぶ車しか通れないようになっていると聞き、ルートを変えるもまたも渋滞で身動きできず。「何とかなるさ」と言って混んでいない砂利道を通って目的地のコケルまで向かおうとするキアロスタミ監督とその息子。山崩れで道が塞がれていたり、道に亀裂が入ってこれ以上進めずUターンしたりしながらそれでも何とか進んでいく。途中人を乗せたり、持ってる大荷物を載せてあげたり、人に道を尋ね尋ね何とかたどり着く。行く先々で色んな人たちの声を聞く。あるおじいちゃんが言う。「たくさんの人が亡くなって家が無くなったのに自分のうちだけは大丈夫だった。うちは特別扱いだったのだろうか」「年寄りは若いことが素晴らしいと初めてわかる。死んだ人は生きていることが素晴らしいと初めてわかる。墓に入った人が生き返ったら生きることの素晴らしさがきっとわかる」おばあちゃんが言う。「16人も人が死んだ。家は私の全財産なのにそれも無くなった」「神のご加護を」と言って別れるキアロスタミ監督。途中コカ・コーラが飲みたくなった息子。ほとんど潰れた店先にコカ・コーラがあり、お金を置いてもらって飲む。生ぬるくて全部飲みきれず捨てようとすると、横から「捨てるなら赤ちゃんに頂戴」と言って母親が哺乳瓶にコカ・コーラを入れる。

コケルに着くと新婚の新郎にインタビュー。地震後5日目に結婚したという(この新婚さんたちがこの映画の続編「オリーブの林をぬけて」の主役で映画出演してる)緑の目をした「友だちのうちはどこ」の映画に出た男の子と再会し、コケルで家を失った人たちがキャンプしてる場所に案内してもらう。アンテナがついてこれからサッカーをTVで観れると喜んでいる。アンテナを取り付けている男の人が言う。「妹や姪が亡くなったけれど仕方ない。ワールドカップは4年に一度だから見るよ」ある男の子が言う。「兄さんが亡くなった。蚊に食われて蚊帳に逃げ込んだら地震が起きた。僕は助かったけど、父は何故兄が蚊に食われなかったのかと怒り出すんだ」と。終わり近くになり、「友だちのうちはどこ」の映画の主役の男の子が生きている情報を子供たちから得る。彼はストーブを運んでいたよとの情報。坂道なのでフルスピードでないと坂道が登れないかもという。ストーブを運んでる人が車を押してくれ、坂道を登ってその途中で彼を乗せてあげる様子を遠景でカメラが撮っている。果たして彼がこの主役の男の子だったのか?

あちらでもこちらでも地震でたくさんの知り合いが亡くなり、家を無くしそれでも何とか生きていく人々の様子が伺えます。一緒に監督と共にイランのコケルまで行って彼らの様子を見てきた気分。1990年と言ったら私はニュージーランドとインドに旅行してた年。イランの地震のことなど全然知りませんでした。残された人々は残された人々の人生が続き、嘆いてばかりはいられない。色んな教訓を残しそれでも人生は続いていく…。naonaoお勧め度★★★★

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naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2023-08-18 21:01) 

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