ゴヤの名画と優しい泥棒 [イギリス映画]
イギリス映画「ゴヤの名画と優しい泥棒」(The Duke)を観ました。
2020年の作品。IMDb評価は6.9。ヒューマンドラマ、コメディ。実話に基づく物語。タイトルそのままでちょっとほっこりするいい映画でした。
1960年代、ロンドンナショナルギャラリーにあったゴヤの「ウェリントン公爵」の絵が盗まれた。14万ポンドで買ったその絵は当時のマスコミをにぎわし、「(その絵の)公爵にみんなで会いに行こう」という記事を目にした老人ケンプトンが盗んだのだった。ケンプトンはそれまで家ではBBCが受信できないのに税金を払っていて、「せめて年金生活者には無料のTVを」と訴え、住んでいるニューキャッスルで署名活動を集め、ロンドンの議会に行ってそれを訴えたが徒労に終わっていた。タクシー会社を解雇され、パン屋で働くもパキスタン人を擁護したらパン屋を首になったりもしていた…。盗んできた絵を家に隠しながら、労働紙であるミラー紙にも訴える。でも埒が明かずそのうち息子のガールフレンドに隠していた絵画を見つけられ妻にまで見つかってしまう。それでケンプトンは絵を返しに行く。裁判でケンプトンの盗みの理由を知った裁判官たちの判定は、「額縁を盗んだ罪~有罪、絵を盗んだ罪~無罪、人々がその間絵を鑑賞できなかった罪~無罪…」となり、3か月刑務所に入ることが決定。しかし実は絵を盗んだのはケンプトンではなく、その息子だった。息子は4年後自首したが、裁判所ではそれを却下。この事件後、2000年には75歳以上の老人にBBCの受信料は払わなくてもいい法律ができたという…。
ちょっと心温まる映画でした。奥さん役のヘレン・ミレンがいい味出してました。家の中にある調度品もレトロっぽくて、また映画「ウエストサイド物語」や「スタートレック」が出てきたりで60年代らしかった。ロンドンナショナルギャラリーに行っているけれど、「ウェリントン公爵」の絵なんか観ただろうか。この映画を観てじっくりこのゴヤの「ウェリントン公爵」の絵を観てみたくなりました。naonaoお勧め度★★★★
>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。
by naonao (2023-10-31 17:05)