SSブログ

告発のとき [アメリカ映画 ドラマ]

「告発のとき」を新宿厚生年金会館にて観てきました。

映画公式サイト:http://www.kokuhatsu.jp/

「ミリオンダラーベイビー」「クラッシュ」「007カジノロワイヤル」「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」などの脚本や、映画によっては制作・監督もしているポール・ハギスの監督・脚本・制作作品です。

出演はトミー・リー・ジョーンズ。本年度アカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。イラクへ兵として派遣された息子が休暇中に失踪して戻ってこないことから息子を追跡する元兵士の父親役をとてもうまく演じています。また奥さん役にスーザン・サランドン。子供を亡くした母親の悲しみが彼女の演技で痛いほど伝わってきました。そして地元警察の刑事役のシャーリーズ・セロン。初めは軍警察の管理下の事件と最初は取り合いませんでしたが、するどい父親の推理力に徐々に心を動かされ、全面的に協力していきます。時には軍警察に脅しをかけて仲間の兵士たちの事情聴取を取ろうとします。かなり格好いい女刑事でキマッっていました。

父親が子供の失踪を追跡する中、自分の子供がいかに酷い、残酷な人間になっていったかを段々発見することになります。初めは、父親の回想シーンで、国際電話で「ここからもう救い出して欲しい」と泣きながら子供は訴えてきてました。それから軍の決まりで何があっても車を止めてはならなかったのに、地元の子供を跳ね車を止め、車から飛び降り携帯で動画を残していました。そして地元の負傷した捕虜となった人を誰よりもさらにいじめ、痛がらせて危害を与えるようになり、仲間の兵士からドック(医者)とニックネームをつけられていました。そして最後は、同じ仲間とちょっとしたけんかから殴り合い、刃物で刺し殺され、その遺体は切り刻まれ、そして動物か何かに食べられたような後があり、火で焼いてあぶられ、そこら辺に捨てられたのでした。殺した仲間たちは「自分がやらなければ逆にドック(この殺した子供)にやられた」と言うのでした。どれほど精神的に病んでいたのかがわかる酷い事件でした。

この映画は雑誌に投稿された実話が基になっているとのことです。映画化が危ぶまれた時、クリント・イーストウッドがこの映画化に共感しサポートしてくれたとのこと。この映画はイラク戦争がいかに残酷に人間を変えていったのかが、恐ろしいまでに迫ってきます。そして戦争が終わっても尚、帰ってきた兵士は精神的に病んでいるのだとあらためて思いました。ベトナム戦争でも、戦争後の兵士たちの後遺症などテレビ番組などのドキュメンタリーで取り上げられたことがありましたが、どんな戦争も例外はなく、そのことで余計にいかに戦争が酷いものなのかがひしひし伝わってきます。秀逸な映画で是非多くの人に観てほしいです。今後もポール・ハギスの作品に注目していきたいと思いました。

オリジナル・サウンドトラック「告発のとき」

オリジナル・サウンドトラック「告発のとき」

  • アーティスト: サントラ
  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2008/04/23
  • メディア: CD

In the Valley of Elah

In the Valley of Elah

  • アーティスト: Mark Isham
  • 出版社/メーカー: Varese Sarabande
  • 発売日: 2008/02/11
  • メディア: CD
In the Valley of Elah

In the Valley of Elah

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Warner Home Video
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: -

nice!(13)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 13

コメント 10

miffy

戦争で精神を病んでいく兵士は凄く多いそうですね。
知り合いの話では、実際に戦闘に参加していないイラク派遣の自衛隊員の人も精神的なダメージを受けたといってました。
早く戦争のない平和な世界になって欲しいです・・・
by miffy (2008-05-12 11:26) 

たいちさん

この映画の試写会が当たったのですが、他の試写会と重なって行けませんでした。少し残忍な場面もあるらしいですが、社会派映画として、観てみたいですね。
by たいちさん (2008-05-12 12:46) 

naonao

>miffyさん、いつもありがとうございます。
本当にこういうものを観るたびに戦争の悲惨さを思います。戦争がなくなるように祈りたいです。

>たいちさん、いつもありがとうございます。
この映画いい作品でしたよ。
是非観て下さい。
ところで重なった行かれた方の試写会は何の映画だったのですか?

>xml_xslさん、nomameさん、toraneko-toraさん、いつもnice!ありがとうございます。

by naonao (2008-05-14 21:28) 

miopapa

私も映画を見るのが大好きで
  とある会社の、6本見ると一本が・・・
          なる会員にもなってますが
 実は、自分のblogにも映画のカテゴリーを・・・
                   って思ってた所です。
 これからも、素敵な鑑後感を楽しみにお伺いさせてもらいます。
by miopapa (2008-05-15 20:54) 

こころん

naonaoさん
とってもお久しぶりです。
戦争は、本当に悲惨ですよね。
チベット問題も含めて、世界の平和を祈りたいです。
ところで、スキンがキラキラに変わりましたね。^^


by こころん (2008-05-16 13:43) 

Mimosa

この映画、実話なんですね~。戦争で派遣された兵士達、精神的に苦しんだり、人生が変わったり・・・といろいろあるみたいですね。lこの映画では、親が子供の変貌振りを知るのって、辛かったでしょうね。
戦争が人を変える・・・ということを訴えているいい映画のようですね。見に行こうかな!?


by Mimosa (2008-05-17 01:36) 

たいちさん

試写会が重なって、観に行った方は、妻の希望をいれて、「幸せになるための27のドレス」です。
by たいちさん (2008-05-18 14:29) 

naonao

>miopapaさん、ありがとうございます。
映画はいいですよね。
私もこれからもたくさんの映画を観て行きたいと思ってます。
是非miopapaさんも映画のカテゴリーを作ってください。あとでお伺いします。

>こころんさん、お久しぶりです。
チベットがこんなに世に知られるようになって嬉しいです。90年代は一部の人だけが知ってたのにね。早く世界が平和になってほしいです。スキンいろいろ見ましたがピンクが好きなのでこれにしました。

>Mimosaさん、いつもありがとうございます。
戦争映画はいつも気が滅入りますが、やはりこういう映画は観て戦争を考える必要がありますね。たくさんの人がこの映画を観て、いかに戦争は人を残虐に変えてしまうかがわかって戦争がこの世からなくなったらいいなあと思います。お勧め映画です。

>たいちさん、再度のコメントありがとうございます。
私も選択しなければならなかったら「幸せになるための27のドレス」
のほうを選んだと思います。きっと!!

>りゅうさん、Krauseさん、toshiさん、いつもnice!ありがとうございます。
by naonao (2008-05-18 21:20) 

bally

こんにちは

イイですねぇ、いち早くご覧になったんですね。

僕も要チェックで待ってる作品でです。
by bally (2008-05-20 00:26) 

naonao

>ballyさん、ありがとうございます。
6月28日から公開ですね。まだまだ時間がありますね。楽しみにお待ちください。

>Yakohaさん、nice!ありがとうございます。
by naonao (2008-05-23 21:03) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0