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未来日記-ANOTHER:WORLD [岡田将生]

未来日記-ANOTHER:WORLD- DVD BOX (初回限定版)

未来日記-ANOTHER:WORLD- DVD BOX (初回限定版)

  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2012/10/04
  • メディア: DVD



2012年のドラマ。岡田将生、剛力彩芽主演。あまりにも面白いので平日で忙しいにもかかわらず2日で観てしまいました。スピード感もあり、次の展開を早く観たいという衝動に駆られるとても良くできた面白いドラマでした。そして感動モノで泣けました。いろんなことを考えさせられました。奥が深いドラマでした。観ていない人は本当にお勧めです。

もともとは、えすのサカエによる漫画を基に作ったドラマらしいのですが、漫画もいいものらしく漫画が好きな人たちからはこのドラマはかなり貶されているようです。たぶん漫画の世界観からかなり逸脱してしまったからでしょう。しかし、私は漫画を知らないので、このドラマを単純に観てあまりの面白さに観終わった後もこのドラマの世界からしばらく脱し切れてません。もう一度見直したいなと思ってます。

映画の「マトリックス」や「ミッション8ミニッツ」「バタフライエフェクト」、またドラマの「プロポーズ大作戦」、そしてこのドラマ「未来日記-ANOTHER:WORLD」に共通する、既にあることを経験してそのことを知っていてなおその世界に舞い戻り、ある使命のもともう一度立て直す、やり直す、という要素がありますが、私はこういう内容の映画やドラマが大好きなんだなあと再確認しました。

「未来日記-ANOTHER:WORLD」では現実では火事に巻き込まれ脳死状態のようになっている人々が、仮想空間内であたかも現実世界のように生き生活しています。でもそこに生きてる人には仮想空間だという認識はありません。そしてある日スマホが7人に手渡され、そのスマホには近未来の予知したようなことがどんどん書かれていきます。お互いに殺しあって最後に残る一人だけが「その人の望むすべてのことが叶う」とこの悪しきスマホを開発したデウスという存在から言われ、毎回毎回人が死に、サバイバルゲームが展開します。その度にその人の悩みがあぶりだされ、ドラマがあります。サバイバルゲームが新太(岡田将生)が殺されることで何となく終わったかに見えたとき、行きついたところは火事に巻き込まれた現場であり、既にサバイバルゲームで負けた人たちが集っていて、現実世界で火事で亡くなったことを思い出すとまたその人たちはどこかへ消えてしまい、新太はそこで自分をかばって命を落とした父にモニターを通じて再会し、自分が仮想世界にあること、現実世界では自分が病院のベッドにあることを初めて知らされます。今や現実世界はこの仮想世界にいるデウスのためにサイバーテロが起き大混乱が起きているので、デウスにある暗号を移し、その仮想世界を滅ぼさないといけないという使命を授かるのです。新太はさしずめ救世主といった感じで、ちゃらんぽらんでどう生きていいのかわからなかった大学生の彼が冒険を通じて大きく成長するような冒険記にも見えました。そしてまた、その仮想世界で、ゲームが再開。一から同じことが起こり、新太は必死になって軌道修正し殺し合いのサバイバルゲームになることを避け、仮想世界を滅ぼしに奔走します。

そして新太と出会い早々飛びつきキスしてきた病的に新太を愛している由乃(剛力彩芽)は、自宅の地下に誰かを閉じ込めていたり、7人のうちのスマホを作った社長がデウスではないとはっきり言ったりして謎だらけでしたが、最終回に向けて彼女の謎が解けてきて、いろんなことが腑に落ちていき、彼女がどれほど新太を慕い愛しているのかがわかり泣けました。新太と由乃は現実世界では恋人同士だったのですが、仮想世界にいる新太にはそんな由乃の存在はわかりません。現実世界では新太は目を覚まさずベッドに横になったままなのに、由乃だけが目を覚まします。寝たきりの恋人新太を見て、由乃は仮想世界ならまたたくさんの思い出を彼とともに作れると考え、そして少しでも新太のそばにいたいと願い、現実世界に戻れる保証もないのに再び仮想世界に行くことを志願し、仮想世界にやってくるのです。そして仮想世界の新太の味方でい続けます。

そしてもっと泣けたのが、新太の取った最後の行動でした。新太はスマホを持っていれば仮想世界から現実世界への通路を通って戻れると知ります。しかしスマホは1台しかありません。自分と由乃の2人分はないのです。二人一緒に仮想世界から現実世界へ戻って幸せに暮らそうと誓っていたのですが、どちらか一人しか現実世界には戻れません。新太は由乃に「由乃の分もあるから」と言います。そして土壇場になって1台しかないスマホを由乃に渡し、自分は仮想世界に取り残される選択をするのです。彼の行動は究極の愛だと思いました。自分だったらそんなことができるのか、胸が苦しくなりました。

「仮想世界は最後のピースがはまれば理想郷になるうるだろう」というデウスに、新太は「喜怒哀楽すべてあってそれでいい」というようなことを言います。理想郷とはいったい何でしょう?悲しみや怒り、憎しみ、恐れ、そういったネガティブなものがなくなったら理想郷なのでしょうか?新太は「すべてを普通の元の状態に戻したい」と切に願うのです。そして「すべて思い通りになる、スマホに書き込みさえすればその通りになる」というそのスマホを、最後のピースになる約束をデウスと取り交わし、手に入れるのです。「仮想世界を壊し、7人が元に戻ること」そう書いたのに、その通りになりませんでした。新太本人と由乃だけが戻れず、悲劇へとつながり、上記のような究極の愛の行動へと新太を駆り立てました。

すべてが思い通りになる世界、そんな世界が手に入るなら、もしスマホを渡され最後に生き残ったらすべて思い通りになるよ、と囁かれたら、人を殺すことを私は厭わないだろうか?そして本当にそんなスマホを手にしたら、何を願うのだろうか?

このドラマを見ていて、私も新太と同じようにいいことも悪いこともすべてそれでよし、と思いました。そんなスマホはいらないし、この現実そのままですべてよし、と思えました。

このドラマは親子の愛や夫婦の愛、、恋人同士の愛、友情なども垣間見れました。新太が仮想世界に再度戻り、やり直しをする時に周りの人々にかける言葉は本当に愛に満ち、思いやりに満ちていて、ジーンときました。この世界の人が皆、彼のように思いやりをもって人に接したらどれほど世界が変わるかなと思いました。

出演者皆が素晴らしい演技でしたが、特に新太役の岡田将生くんははまってたし、デウスのアバター役だった内田有紀さんがすごく素晴らしかったです。

このドラマは夜遅くの放送であまり視聴率も取れなかったようですが、いい作品が埋もれているなと思いました。ゴールデンタイムにでも放送したら、良かったのにと思います。原作の漫画も読んでみようかなと思いました。


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