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優しい時間 [二宮和也(嵐・ニノ)]

「拝啓 父上様」と脚本家、製作スタッフがほとんど同じという2005年のドラマ「優しい時間」を観ました。

優しい時間 DVD-BOX

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD

倉本聰原案で脚本は倉本聰と何人かの脚本家によって書かれてます。これもまたニノ観たさにチョイスしたドラマでしたが、こんなに上質で静かで心にしみる素敵なドラマがあったとは、すごい驚きと共にこのドラマを観ることができて本当にこのめぐりあわせに感謝です。気になるものを追い求めていたら、キラキラした宝箱を見つけたような感覚でした。そしてその宝箱はキラキラしているだけでなく、静謐で、清らかで、心に届く、暖かな気持ちになるものでした。
もともと倉本聰の「北の国から」は大好きでしたが(倉本聰がヒントをもらったという「大草原の小さな家」も大好きでした)、「北の国から」が終わった後、富良野を舞台にした倉本聰の作品ということでこのドラマが作られ、「風のガーデン」というドラマと共に3部作と言われているとのこと。「北の国から」が好きな人は絶対に好きな作品だと思います。そしてやっぱり倉本聰っていいなあと思いました。
このドラマは、商社勤めで外国に単身赴任し忙しく働いていた父(寺尾聰)が主人公です。母(大竹しのぶ)はほとんど何も言わず一人日本で息子(二宮和也)を子育てし、ある日息子の運転する車が事故を起こし、同乗していた母だけが亡くなるのです。息子は父の知らない間に暴走族になっていて、葬式で日本に戻った父は久々に見る息子を許せないでいます。その葛藤を舞台を富良野に移して描くドラマです。父親は商社マンを辞め富良野に「森の時間」というカフェを開き、息子は父には内緒で父を追い美瑛で住み込み、陶芸の修業をしています・・・・。
このドラマのあちこちで毎回泣かされました。
カフェに来るお客さんのいくつかのエピソードにも、また父にほとんど拒否される息子のやるせない気持ちにも、また素直になれなくて息子に会うことができずにいる父にも。
毎回ドラマの最後のほうで、カフェが閉店をむかえる時間になると、亡くなった母=自分の妻(大竹しのぶ)が現れ、その日のことや気持ち、昔のことなどを一緒に自然に話します。
それがまた父の気持ちを和ませ、息子に向き合い、息子を少しずつ許す方向へと導きます。
その場面が何とも心地よく、いい時間、優しい気持ちになれる時間でした。
また母の幼馴染で北時計というカフェをしているママ(余貴美子)が、父と息子との事情をよく知り父にも息子にもズバリ本質をつくことをいい、お互いの橋渡しをします。そして父のカフェ「森の時間」で働くちょっと精神的に不安定なアズ(長澤まさみ)もまたカフェのオーナーの息子とは知らずに知りあい、のちに親子であると事情を知り父と息子の間に入って和解への道へ貢献するのです。
物語はほとんど「森の時間」のカフェと、息子の働く陶芸窯工房、「北時計」のカフェ、そして富良野と美瑛をつなぐ雪道といったシンプルな舞台です。でもそのシンプルさがとっても心地よかった。そして少しずつドラマの回が進むごとに父と息子を隔ててしまった過去が明らかになりますが、物語としては非常にストーリー展開が遅い。でもその分心の襞が丁寧に描かれ、贅沢な時を刻んでいます。
また「北の国から」と同じように富良野の自然が美しいのです。雪が降る10日くらい前からそのドラマは始まり、そして雪が降り、吹雪の日もあり、雪解けが始まろうとする頃までの季節の移り変わりの中を撮影で使っています。
ロケの行われた「森の時間」という名のカフェは撮影のために造られ、その後新富良野プリンスホテル内に残され、今でも実際に営業されているとのこと。また「北時計」という名のカフェは、今は名前を変えて目的も変えて残されているようです。

また忘れてはならないのが、ドラマで使われていた平原綾香の「明日」という曲。詩もメロディもこのドラマのためにあるかのような曲で、この音楽を聴くだけでもう泣けてしまいます。このドラマが蘇り、胸がいっぱいになるからです。

何年か前の投稿だったので今はどうなってるのかわかりませんが、新富良野プリンスホテルでは以前は「北の国から」の曲が流れていたけれど、この「優しい時間」のドラマが放送されてから平原綾香の「明日」が流れていますとのこと。このドラマを知っている人にはたまらないおもてなしだなあと思いました。

いつか行ってみたいです。「森の時間」のカフェ。

「森の時間はゆっくり時を刻む」とこのカフェには書いてあります。このドラマもゆっくりと時を刻み、人の心に残る名作になっていました。観てない方は、本当に、本当に、お勧めです。

ドラマで使われた曲はどれも素晴らしかったのでYoutubeを貼り付けました。

こちらは平原綾香が歌う「明日」↓


ドラマで使われた「明日」~ソロギター


ドラマで使われた「森の時計のテーマ」~ソロギター


ドラマで使われた「ありがとう」~ソロギター


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コメント 4

やましたともみ

ふむふむ、これね!!!
じっくり読ませて頂きます (^_^)/
by やましたともみ (2014-09-05 22:46) 

naonao

>nice!をくださった皆様、ありがとうございます。

>ともみちゃん、コメントありがとう。
久々に会って楽しかった!です。
また会おうね!
by naonao (2014-09-06 11:42) 

はるかぜ

いつもブログ拝見させていただいております。ドラマや映画参考にさせてもらっているのですが、御礼が言いたくてコメントします!
先ほど「優しい時間」観終えました。上質なドラマでご紹介ありがとうございました。「北の国から」が大好きだったのですが、富良野3部作があるというのをnaonaoさんの記事で初めて知り、この3日で一気に観てしまいました。二宮君のファンになってしまいました。「風のガーデン」を次に観るべきか「拝啓父上様」を先に観るべきか嬉しい悩みが出来ました。本当にありがとうございました。
by はるかぜ (2014-09-17 15:04) 

naonao

>はるかぜさん、コメントありがとうございます。

「北の国から」のファンは多いと思いますが、このドラマを観れていない人は結構いるのかもしれません。
私は周りの人にこのドラマがあまりにも素晴らしかったので宣伝しまくってます(笑い)

ニノが出ている「拝啓、父上様」は「優しい時間」とは全くテイストの違うドラマなので、「優しい時間」を期待して観ないほうがいいです。期待しすぎは厳禁です。がっかりしても責任持てません(笑い)。でもこのドラマにはこのドラマの良さがあります。

また「風のガーデン」も3話とか4話辺りまで?東京の病院が中心に話が進んでいるところは、ちょっとガヤガヤして早く富良野に舞台を移せばいいのにと思ったりもしました。でも「風のガーデン」も最後まで観ると本当に素晴らしい作品だということがわかります。

ニノの出演作品としては好みはありますが、イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」や「フリーター、家を買う」のほうが、ニノの演技が光っていて作品としてもまとまっているかもしれません。まだ観ていないドラマ「流星の絆」にも期待してますが、これから観るので何とも言えません。でもこのドラマもたくさんの賞を獲っています。また来春には三谷幸喜監督のドラマ「オリエント急行殺人事件」にニノが出るらしいので、これも楽しみです。

「優しい時間」はとにかく脚本も演者も映像も音楽も何もかもが揃いて言うことない作品でした。これを上回る作品に出会うことはそうそう簡単ではないかもしれません。だからこそ、縁あって出会え感謝だなあと本当に思いました。「優しい時間」は今の私の中ではナンバーワンのドラマです。それくらい大好きなドラマになりました。
by naonao (2014-09-17 23:55) 

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