SSブログ

ナショナルギャラリー 英国の至宝 [イギリス映画]

シネマート六本木で映画「ナショナルギャラリー 英国の至宝」を観てきました。

ナショナル・ギャラリー 英国の至宝のポスター 
映画公式サイト:http://www.cetera.co.jp/treasure/
2014年ヴェネツィア国際映画祭 栄誉金獅子賞受賞記念作品。英国の美術館「ナショナルギャラリー」を3か月に渡って撮り続けたドキュメンタリー映画。ダ・ビンチ、ルーベンス、ティツィアーノ、ターナー、ミケランジェロ、カラヴァッジオ、レンブラント、フェルメール、モネ、ドガ、ゴッホ・・・と巨匠たちの名画がずらりと揃うこの美術館での学芸員の奮闘ぶりや、普段見ることのできない裏方の仕事ぶりを見せる。
3時間という長いドキュメンタリーで結構観るのに疲れました。学芸員たちがいかに観客にナショナルギャラリーを見せるかの策略や、予算決定の会議など結構うんざりするほどの討論もあり、その話し合いが観てるだけで疲れました。そこに先生向けや子供向け、様々な国からくる人たちへの絵画の説明などが入り、それはそれで興味深い部分もたくさんありましたが、とにかく説明に次ぐ説明が多くて、2時間くらいにまとめられなかったのかなあと、ちょっと思いました。
つい最近、テレビで三谷幸喜脚本の「オリエント急行殺人事件」を観ましたが、3時間×2夜のドラマだったので面白かったけれど途中で観るのが嫌になってしまい、結局分けて観ることにしたのですが、一度に観るのに3時間はちょっと物理的にもきついなあと思ったばかりのこの映画でした。3時間というのは余程面白くないと、続けて観るのは辛いなあと思ったのです。映画も2時間がせいぜいだと痛感しました。
ただ、そうは言っても、この映画はそれなりに面白かったです。ナショナルギャラリーでは目の悪い人向けに、ピサロの絵を立体的に作り変えてそれを手でなぞらせつつ説明を加える教室を開いたり、裸体のモデルを使っての絵画教室、ピアノのコンサート、絵に詩をつけて朗読による世界を見せたり、英国ロイヤルバレー団がティツィアーノの絵の連作の前で踊ったり…と新しい試みがされていました。また修復師が長い年月によって黄ばんでしまったワニスを溶剤を使って絵画から取り除き、昔の色合いを取り戻すのですが、レンブラントの絵はX線によっても何度か描き直されていることがわかってはいたものの、いい溶剤がない昔にはワニスをあまりにも多く取り除きすぎたため、レンブラントの下の絵が出てきてしまっているなど説明したり、ルーベンスのある絵がもとは大邸宅の暖炉の上にあり、自然光が左の上のほうからしか入らない部屋だったので、明るすぎて平坦な美術館内の明かりとは全く違った絵画に見えるという示唆など、やはりこういう説明を聞くと絵画は面白いし、奥が深いなあと思うのでした。
また絵画の解釈によって修復師の仕事も変わってくるが、その修復を加え絵画を新しくしても、また後の修復師の解釈が違うものになれば、ものの15分で基本の絵に戻されてしまうという宿命も持っているという説明もありました。
西洋絵画を観るには聖書がわかり、ギリシャ神話がわかり、文学がわからないと話にならないので、本当に大変だなあといつも思っています。理解を深めるのに一生かかりそうな感じです。昔、NHKの日曜美術館を観ていた時期もありましたが、また観始めようかなとちょっと思いもしました。
しかしすごい大昔に行ったナショナルギャラリーですが、パリのルーブルとかオルセー、ニューヨークのメトロポリタン、マドリードのプラドなどに比べると、何故かわからないのですが私の中ではあまり印象に残っていず、ただ、この映画に出てきた絵を観るとこの絵はこのナショナルギャラリーにあった絵だったのだと記憶に残っていました。そういえばカタログを買ってどこかに仕舞ってあるはずなので、あとで探して見直したいと思います。
参考までにナショナルギャラリーの公式サイト http://www.nationalgallery.org.uk/

美術館へようこそ―ロンドンナショナル・ギャラリーの名画に学ぶ絵の見方・楽しみ方12のポイント

美術館へようこそ―ロンドンナショナル・ギャラリーの名画に学ぶ絵の見方・楽しみ方12のポイント

  • 作者: ジョイ・リチャードソン
  • 出版社/メーカー: BL出版
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 大型本



ナショナル・ギャラリー・コンパニオン・ガイド―日本語版

ナショナル・ギャラリー・コンパニオン・ガイド―日本語版

  • 作者: エリカ・ラングミュア
  • 出版社/メーカー: ミュージアム図書
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 単行本



nice!(9)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 9

コメント 4

non_0101

面白そうな作品だなと思いつつも
きっと100%途中で寝落ちしそうな気がしています^_^;
DVDでじっくりと観るのも良さそうですね☆
by non_0101 (2015-01-18 14:44) 

naonao

>nice!をいただき、皆様ありがとうございます。

>non_0101さん、ありがとうございます。
映画の途中に、絵に興味ない人は結構な数の人が出て行ってしまいました。絵が好きな私でも、3時間なのでちょっと観るのは大変でした。たくさんの絵が出てくるのでDVDでチェックをしながら観るのも良さそうです。
by naonao (2015-01-24 11:49) 

りゅう

面白そうですね~
でもドキュメンタリーの3時間はちょっと大変そう。
先日、ロンドン・ナショナル・ギャラリーのキュレーターが執筆したガイド本シリーズで「額縁と名画」という本を読みました。
額縁に着目した本はけっこう珍しく、内容もなかなか興味深いものでしたので、近々記事にしようと思っています。
by りゅう (2015-03-16 23:28) 

naonao

>りゅうさん、ありがとうございます。
本当3時間はきつ過ぎでした。
でもキュレーターがいろいろ考えて美術館を作っている感じがよく分かって、観れてよかったです。
エディー・レッドメインのにわかファンにもなったし、ナショナルギャラリーにもまた行きたいし、今はロンドンにすごく行きたいです。
by naonao (2015-03-17 23:12) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0